《紅魔館内にて》
「えーっと図書館は・・・あったあった。あいっかわらず散らかってんな〜」
そんなことを呟きながら、魔法の箒に乗って一面が本に囲まれた場所を悠々と進む者が一人。彼女は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いである。普通と言っても能力が平々凡々な訳ではなく、『魔法を使う人間』としての普通である。というのもこの幻想郷では『魔法使い』といえば種族の一つとしての意味となるからだ。
今彼女は何をしているかと言えば、泥棒である。目的はこの紅魔館の図書館、そこに乱立する魔道書の類である。そんなことを話している間に、魔理沙は魔道書と思しきものを袋にホイホイと入れていく。
「ふぅ〜。大漁大漁〜」
1秒間に2冊程のペースで魔理沙は袋に魔道書を詰めていく。やがて袋がパンパンになってくると、魔理沙はある人物を呼ぼうとした。
「よし!帰ろうぜ虚・・・アレ?」
そう、魔理沙と虚は見事にはぐれた。しかも十六夜 咲夜という思いもよらない刺客が現れ、虚はそれを倒し、道中でフランの暴走を止め、更に生き返るなりなんなりしていたのだからもうしっちゃかめっちゃかである。
「あちゃ〜・・・戻るか」
そう呟いた瞬間である。
「何 を し て い る の ?」
突然、地獄の底から轟くような恐ろしい声が耳元で囁かれる。
「ひぃっ!?」
一瞬恐怖でパニックになり、箒から落ちそうになるも、なんとか落ちずに済んだ。そして後ろを振り返ると、声に似つかわしくない可憐な女性が立っていた。否、浮いていた。薄い紫色のローブと帽子を被り、暗い瞳を持っている。身長は魔理沙と同程度だろうか。
「どうやら成功したようね。声を変える魔法。こあ。やっちゃっていいわよ」
さっきの声とは打って変って、消えいりそうなほど小さな声でそう言うと。何処からともなく何かが魔理沙の元に飛来した。
「おりゃああああ!」
「やべっ!」
間一髪避けたが、当たりどころが悪かったのか箒が思うように動かなくなる。
「え?マジかよ!どうしてくれんだ私の箒!」
「来たな泥棒!盗んだ魔道書を全部返さないと、パチュリー様の大魔法にコッテンパンだぞ!」
「いやお前じゃないのかよ。まあいいぜ。そっちがその気なら、私はお前を倒して魔道書をぬs・・・死ぬまで借りてくだけだ!」
「ちなみに私は喘息の調子が悪いから今日はもう動かないわ。本読んでるから邪魔しないでね」
「はい!さて・・・私こそ!この紅魔館の下っ端、小悪魔!」
「いきなり弾幕ごっこか・・・いいぜ!私こそ!普通の魔法使い、霧雨 魔理沙!」
かくして、この小説始まって初めての弾幕ごっこが幕を開けるのだった。
最後の最後でメタいという謎の現象