「私こそ!この紅魔館の下っ端、小悪魔!」
「私こそ!普通の魔法使い、霧雨 魔理沙!」
お互いが十分に距離をとった状態で名乗る。今二人がやろうとしていることに必要不可欠な儀式のようなものだ。それは、弾幕ごっこ。何世紀も前、人間と妖怪が対等に戦う為に作られたスポーツのようなもので、妖力・魔力・霊力などからなる『弾幕』の美しさ、強さなどを競う。そのルールとして、『避けることのできる弾幕以外の使用禁止』などがあるが、全員周知の事実だ。もっとも、ある一人を除いてだが。
「被弾1回、スペル1枚だぞ!」
「わーってらぁ!」
瞬間、二人の周囲が弾幕が飛び交う危険地帯と化す。既に途轍もない密度となっているが、二人はそれを綺麗に避けていく。
「やるなお前!」
「泥棒に褒められても嬉しくはない!今日こそ勝つ!」
実は二人、以前にも何回か弾幕ごっこで勝負したが、結局魔理沙が全勝しているのだ。だからこそ、小悪魔は絶対に勝つという執念に燃えている。更にお互いの弾幕はそのパワー、スピードを増し、その光景は最早眩い何かをすり抜ける人型の物体としか認識できないレベルだ。
(絶対に勝つ!勝ってパチュリー様に喜んで貰うんだ・・・!)
そんな健気な思いを抱く小悪魔。
(勝ったら取り敢えず全部読んで研究だな)
弾幕ごっこそっちのけで今後のことを考える魔理沙。
この勝負にかける思いの違いは余りにも差がある。何より思いの強さは小悪魔の方が上だ。だが、
「これで終わりだ!恋符【マスタースパーク】!」
その叫び声とともに、小悪魔は敗北し、無残に散っていった。
かのように思えた。
「いやぁ危ない危ない。あとちょっとで君死んでたよ?」
「・・・え?」
そこに現れ、魔理沙のスペルカード、恋符【マスタースパーク】から小悪魔を守ったのは、赤と青のオッドアイを持ち、緑色の髪を揺らす男だった。
「あ、魔理沙ちゃんだ。元気ー?いやぁ君とはぐれてなんやかんやして美幼女拾っちゃってさー!ボクってとんでもない幸運の持ち主だと思わない?」
「・・・いや、誰?」
「え?あー。そういうことね。千夜住 虚だよ。性別変わってるけどね」
「・・・はぁーーーーーーーーーーー!?」
はい、やっとボクがナレーションできるよ!皆大好き虚ちゃn・・・今は男だった。虚くんが戻ってきたよー!しっかし今日も今日とで凄い勢いで美少女に会うね。やっぱり
「えーっとさぁ。今さっきとんでもない音が聞こえるからそこにいる美幼女のフランちゃん連れて飛んできたら・・・えー、小悪魔ちゃんで合ってるよね?まぁこの子が死にそうだったから防御に適してる男の姿になって守ったわけだけど・・・」
さて、流石に魔理沙ちゃんは加減を知らないからちゃんと怒らないとね。絶対あのエネルギーの量は死んでたし。
「人の命は奪っちゃマズイよねぇ?」
「ひぃ!?」
このあとめちゃくちゃお説教した。
テスト頑張るぞー(震)