《?????》
どうも。気絶して絶賛真っ暗な世界にいる虚ちゃんです。いやもう見渡す限り黒いから目開けてんのか疑ったよ最初。まぁ、じっとしてても何もないからさっさと脱出しよう。
【何◆でもない程度の能力】
・・・あれ?発動しない。全然発動する気配がない。一応もう一回やってみよう。
【何◆で◆ない程度の能力】
うん。もうコレ駄目なヤツだ。普通に発動しない。でも発動する時の感覚だけは残ってるから能力が消えた訳じゃなさそうだけど・・・
わかりません。
うん。細かいことはさっぱりわかりません。寧ろ誰か教えて?いやマジで。
「・・・」
「ん?」
ハテ。なんか聞こえたかな?
「・・・か」
「か?」
「お前なんか消えちまえ」
・・・what?おかしいな。あんな記憶はもう消した筈・・・
「消えろ」
「クズ」
「死ね」
「ゴミ」
「無能」
「役立たず」
「クソ野郎」
うるさい。
「アホ」
「間抜け」
「頭おかしい」
うるさい。
「カス」
「ドジ」
「人殺し」
黙れ
「私・・・俺・・・ボクは劣ってなんかない。無能なんかじゃない。違う。違う。違う・・・」
「でも結局そうだったじゃない?」
そこには、ボクと全く同じ姿の人がいた。
「自分が無能だから、他の人に頼って。自分が無能だから、他の人に憧れて。そんな奴よ。貴方は」
「違う・・・ボクは・・・ボクは・・・」
「もういいのよ?自分を隠さなくて。他の人になろうとしなくていいのよ?」
「でも、ボクは・・・」
「弱いよ?でも、貴方は他の誰より痛みを知ってるから、そこは強い。そうでしょ?」
「そう、かな?」
「そうよ。そして、貴方はその痛みを他の人に教える必要があるの」
「・・・そうなの?」
「だって、散々貴方を苦しめてきた人を苦しめないなんて、間違ってると思わない?」
「・・・そっか」
「そうよ」
「ボクは・・・認められたかったんだ。でも認められなかった。だって、ボクは彼奴らにとって玩具だったから・・・」
「じゃあ、貴方はどうするの?」
「同じように、玩具にしてあげる」
「いい子。じゃあまずは、あの魔女と吸血鬼から始めましょうか?」
「うん」
《紅魔館内にて》
「ちょっとこの人どうするんですか!?」
「わかんねえ!でも、心臓は動いてるから生きてる!」
「はぁ・・・おそらく其奴は自爆よ。放っておきなさい」
「そ、そんなこと出来ませんよ!だって私の命の恩人なんですから!」
倒れた虚を囲むようにして、魔理沙、小悪魔、そしてパチュリーの三人が立ち、フランが虚の顔のそばに座っている。そんな中、虚は目を覚ます。
「あ!起きましたよ・・・」
「んんえええあ?」
「ひっ!?」
そこで全員が感じたのは、恐怖。突然目を覚ました虚が、身体を有り得ない方向に曲げながら立ったのだ。
「あの・・・虚?だよな?」
「うううういいいいい!!」
突然、赤子のような奇声を発した虚が、魔理沙にどこからともなく出した黄金狂で殴りかかる。
「ま、待ってください虚さん!」
小悪魔の声が、虚の腕の速さよりも先に届く。
こうして、虚は狂った。
次回バッチリシリアスです。