《博麗神社周辺にて》
いつもより赤い空。いつもより赤い霧。そして・・・いつもより異質な影に、博麗 霊夢は困惑していた。
「・・・誰、アンタ」
「あぁいやいや、そう警戒しなさんな。俺は普通にお前さんに忠告しにきただけさ」
目の前の異質な影は、その喪服の如き黒服をユラユラと揺らし、薄気味悪い笑みを浮かべる。
「この赤い霧の発生源さ、あの辺にある館なんだよね。んでまぁ、何が言いてえかって言えば、その館に俺の知人の千夜住ってのがいるから、ちょっと様子観てきてよ。あぁ、まぁ神社は護衛ぐらいはやってやるさ」
異質な影はその壊れた楽器のような聞きづらい声で、霊夢に提案する。
「・・・保証は?」
流石に霊夢も簡単に人を信じる訳ではない。虚は警戒されなかったが。しかし、霊夢の前に佇む影は、巧妙に警戒を解く手段を模索する。
「んじゃあこうしよう。お前さんの持ってる妙な道具の中に、人を監視するヤツがあるだろう。ソイツで俺を見りゃいい。な?あと、名前もついでに教えとこう。俺は灰徒(はいと)。お前さん方が名乗ってる上の名前はない」
「上の名前・・・?名字のこと?」
「あぁ!それそれ。それさ」
灰徒はそう言うと、ゆっくりと霊夢に迫る。
「・・・何をする気?」
「いやまぁ、千夜住に会ったら必要なモノをお前に入れるのさ。わかるだろ?アイツの強大な力に打ち勝つための力」
灰徒は更に歩を進め、いよいよその姿が明るみに出る。それは、ボロボロの革のコートに、老人のように白く、汚れた白髪。そして・・・何よりも異様な、背中から生えた二本の触手。
「ひっ・・・!?」
霊夢は思わず悲鳴をあげ、後退りする。
「あーあ。またコレだよ。全く・・・あのさぁ?実ぁ俺、千夜住と昔戦ったときに限界越えちまったからこうなったんだけどさぁ、アイツなら治せっかなぁと思って会おうとしたんだけどさぁ・・・あの野郎、今暴走してやがるぜ?だから、止めてくれ。俺ぁ生憎、その器じゃないんでね」
灰徒は一瞬、残念そうな顔をしたと思ったが、直ぐにさっきまでの異質な顔に戻り、背中の触手の一本を霊夢に突き刺した。
「かはっ・・・!?ゲホッ!ゴホッ!」
驚きの隠せない霊夢に、おぞましい激痛と苦しみが襲う。
(何これ・・・何か、私の中に入ってくる!?これが、彼奴の言ってた力・・・?でも、虚さんの為なら・・・)
「おーおー。意外と耐えるな。普通のヤツなら気絶してるから起こさねえとならねえが・・・お前なら大丈夫そうだな」
灰徒はそう言うと、刺した触手を無遠慮に抜き、どこからともなく出した包帯で傷口を塞ぐ。
「さて、と・・・んじゃ、千夜住の所まで飛ばすから、楽にしとけよ」
灰徒はそう言うや否や、霊夢を触手で包み、紅魔館へ飛ばすのだった。
これからはいつもと同じ感じで行きたいと思います。ハイ。因みにテストで赤点でした。チクショー。