《博麗神社にて》
「むおぁぁぁぁ。あったけえええ」
はい。只今ボクは博麗神社の炬燵で絶賛リラックス中でございます。人の家でここまでダラダラするのは普通失礼かもしれないけど、まぁボクは霊夢ちゃん(というより魔理沙ちゃん?」に貸しがあるから全然オッケーなのだ。それにしても此処はいいとこだなぁ。あったかいし、美少女はいるし、広いし。ただ一つ気がかりなのは、さっきからボクの周りに妙な気配があることかな?うーん。魑魅魍魎とか妖怪の類なら能力で塵さえ残さず消え失せてもらうことになるけど、この世界特有のナニカだった怖いしなぁ。第一此処は神社だから『妖怪だと思って殺したら神さまでした。てへぺろ』とかになったら大惨事世界大戦だし。
「困ったなぁ・・・」
「あら?そんなに困ってるなら私が話を聞いてあげるわよ?」
「・・・ん?」
突然ボクの隣に黒い裂け目みたいなのが出来て、そこから女の人がでてきた。本当はすぐさま抱きつきたいけど、今回ばかりはその人が妙な気配の正体だったから我慢。取り敢えずこの人の思惑を探ろう。別にこの人の豊満なお胸様を堪能するのはそれからでも遅くはない。けど早めに終わらせて一刻も早くあの魅惑の谷間に顔を埋めたい。と、言うわけで、今回は魔理沙ちゃんのような回りくどい方法は行わない。正攻法でやったる。
【何者でもない程度の能力】
あ、ヤバイ。流石に一日に何回も使うと疲れる。が、今は関係ない。やっぱり使うのは・・・〈ピクチャレスク〉かな?簡単に言うとテレパシーだね。
(借りるよ。ブーメラン)
意味はないけどそう心の中で呟く。その間にボクの頭の中に目の前の女の人の思考がガンガン入ってきた。ちょっと頭痛い。えーっとどれどれ・・・『イレギュラーな存在』『いつからいるのかわからない』『危険性』『排除』・・・?なんかだんだん言葉が過激になってきてるぞ?こりゃ多分この人のボディを堪能するのは当分後になりそうだ。まぁ、交渉はしないとね?
「お姉さーん。ボクの困りごとを聞いてくれるのはありがたいんですけどね?その前にお姉さんが誰かわからないんですよー。ボク、知らない人は最低限の会話しかしないって決めてるんですよねー?」
「あら、自己紹介が遅れたわね。私は八雲(やくも)紫(ゆかり)。この幻想郷の管理人よ」
「ほーう?その幻想郷の管理人サマがわざわざ一般の正体不明な存在たる千夜住 虚の困りごとを聞いてくれるってことは、なんかしら只ならぬ理由がありそうですねー。で、どういうことです?」
「それは・・・貴方が此処にとって危険な存在かどうか判断する為よ」
ここで紫さんの目が真剣なものに変わった。普通の人だったら泡吹いて気絶してるね。多分。
「・・・ほーう?」
まぁ、真剣には真剣で応えないとってことでボクもちょっと目力をこめる。・・・うん。慣れない。
しばし沈黙。お互い時間止まってんじゃないかって思うぐらいピクリともせず、お互いを見つめ合う。なんだか恋人みたいだけど、今回は全然違う。だって思考の読み合いしてんだから。人の考えを読むには手つき、表情、僅かな心音のズレなど、まぁ色々あって、それを一切感知させないためにお互いピクリとも動かない。けど、ボクには紫さんの考えは筒抜け。何故なら今のボクには〈ピクチャレスク〉・・・心を読む能力があるから。借り物だけどね。まぁ、細かいことは置いといて。早速紫さんが何考えてるか見せて貰おうじゃないの。『この子は一度目は悪魔となって低レベルの妖怪を一撃で屠った。次に金色のガントレットで空間の裂け目を開いて魔理沙を殺し、更に奇妙な形のベッドになり蘇生させた?自分を触媒として空間を操って喚び出しているのか、それとも自分が変身しているのか・・・何れにせよ行動に辻褄が合わない。慎重に対処しなければ』・・・成る程成る程。要するにこの世界がボクによって支配とか破壊とかされないか心配なわけね。それだけならいいや。そんな物騒なことはするつもりないし。取り敢えず誤解を解かないと。
「えーっとですねぇ。別段ボクはこの能力使ってどうするとかは今初めて考えましたね。でもまぁ、此処には可愛い子達がいっぱいいますから、もしこの・・・幻想郷?の均衡が崩れるのなら直す方向で動きますよ。此処に住むのもアリですしね」
ボクは軽く背伸びをしながらそう言った。そう、動きながらね。当然紫さんはこの小さな動きでも嘘を言ってないかどうかなんてすぐ見抜くだろう。
「・・・そう。では、最後に。これからどうするか教えて頂戴?」
「そうですねぇ。ひとまずは魔法の森にある拠点を本格的に自宅に改造しよっかなぁって思います。あとは観光したり、昼寝したり・・・まぁ、スローライフってやつです」
「わかったわ。では、改めて・・・幻想郷にようこそ。千夜住 虚。」
その時、ボクの周りを何か暖かいものが包み込んだ気がした。
シリアス疲れた・・・シリアル食べたい・・・