DOCTOR WHO 青い箱の中の少年   作:ナマリ

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第2話もそろそろ終盤です。どのようにしてバグラを倒すのでしょうか…
無機物も有機物も見境なく食べるエイリアンは「死者の惑星」でも出てきましたね。大群なのは同じですが、あちらはでかい。


第二話 SPACE TRASH 〈宇宙のゴミ〉 PART4

 

 

「ほら、どうぞ」

エリがジュースを華に持ってきた。華はありがとうと言ってそれを受け取って飲む。華は渋い顔をした。

「これって青汁?」

「ミレスター・ジュースよ?鉄分がすごい含まれてるの。味も美味しい」

「未来だと味覚も違うんだ…」華はジュースを口から遠ざけた。

「苦手?」エリが聞く。

「私は好きじゃないみたい。持ってきてくれたのにごめんなさい」

エリはいいのよと答えた。

「誰にだって好き嫌いはある。マクドナルドは私苦手」

華は再びジュースを口につけた。やっぱり渋い味がする。それに奥には血の味のようなものも。

「エリさんはどうしてこの船に?」

華は素朴な疑問をぶつけてみた。せっかく未来で友人ができるチャンスだ。

「両親の遺産なの。私が引き継いだ」

エリの顔はだんだんと暗くなっていく。何かを思い出すたびに。

「両親はこの船の設計者で。昔からこの船にはどんなものがあるだとか聞かされてた。」

「他の人には知らないような?」

「もちろん。カラオケルームがどこかの部屋についてるとか…」

「本当に?行ってみたいなぁ」華は興味津々だった。未来の船の設計者の娘とは。

「でもこの船ができた後に事故で亡くなっちゃって。両親がこの船の一部屋を持ってたから受け継いだってわけ。」

二人はだんだんと打ち解けていった。エリの年齢を聞くと18歳だとか。若いとは思っていたが年齢は近いほうだ。

「あなたは14歳?両親なしにあの男の子と一緒に?」

「そうなの。彼は旅人で、ここに連れてこられた」

「旅…ね。私もしてみたいわ」エリがすくっと立ち上がった。

「それにしても異常があったら電話しろって……今のところなにもないけどなぁ」

華がそう呟いているころ、市場の離れた場所では事件が起きようとしていた。

 

 

「なんだか冷えない?」

「ああ。船内暖房は聞いているはずなのに」

男女のカップルが市場の精肉店の前で話している。どこからか冷えた風が吹いてくるのだ。

その時、何かが上から落っこちてきた。ハトのフンのように、女性の首元に落ちた。

「んっ…?何……?」

女性が首元に触れる。何かがあり、それを手でつかむ。それを目の前に持ってくると…

「キャッ!虫!」

そういった途端、天井からバグラの大群が降り注いできた。女性は叫ぶ間もなく虫の群れに包まれた。

「アキナ!!」男性が叫び女性を引っ張ろうと手を掴むと、その手は一瞬で骨と化した。

すぐに市場の中は狂騒に包まれた。女性を喰らいだんだんと増えていく虫の大群。なすすべなく何人もの人間が喰らわれていく。

「何か騒ぎが…?」エリが華に言う。

「行ってみよう!」華が走り出す。逃げる人々をかきわけると、そこにはさっきも見た白い虫、バグラが。

「バグラ!ドクターに電話しないと!」

携帯の電話帳からドクターに電話をかける。バグラも追ってくるのでそれから逃げながらだ。

「ドクター!市場にバグラが現れた!」

「何だって!?今エレベーターでそっちに向かってる!」

ドクターとの短い電話が終わった。華はさきほどドクターが乗ったエレベーターの近くに走っていく。エリもそれについていく。

「ドクター!ドクター!」エレベーターのドアを叩きながら叫ぶ。その数秒後ドクターと江原がエレベーターの中から現れた。開いてからも気づかず叩くものなので、ドクターを少しだけ叩いてしまっていた。

「痛いな!どこにバグラが!」ドクターが走り出す。しばらく走るとその先には白い虫の大群が。

「天井を食い破ったのか?まずいな…」

「どうしてまずいの?」華が質問をする。

「さっき言っただろ?この船にはフォースフィールドが張られてない。このままだと空気がだんだん抜けていって窒息するぞ!」

ドクターが再び走り出す。向かうのはエレベーターの近くにある大きな操作盤だ。操作盤を開いてソニックドライバーの光を当てる。

「簡易的なものだけど弱いフォースフィールドぐらいなら張れるはずだ!」

「弱いフォースフィールドだとどうなる?」江原が質問する。

「空気の抜ける時間を長くできる。上手くいけば3時間、上手くいかなくても1時間はある!」

ソニックドライバーから出た光が操作盤を動かす。時折火花を散らしながら。最後に大きな火花を散らした後、ドクターは光を当てるのをやめた。

「インストール完了だ!最後に一度当てるだけで…」

何かが展開するような音が聞こえた。ドクターは歯を鳴らした。

「よし!フォースフィールド展開完了だ!でもそれ以上の問題が…」

ドクターがバグラの大群に目を向ける。華はドクターの腕を握ったまま。

「奴らが中心で繁殖したのは致命的だな…このままだと他の居住区まで落ちるかもしれない!」

「どうするのドクター!?」華が聞く。

「奴らの侵入経路は分かったけど弱点までは分からない!奴らを止める方法は…」

「そういえばさっきライターの炎でひるんでた!もしかしたら…」その言葉を聞いてドクターは顔色を変えた。

「火が弱点!奴らの体はタンパク質でできてる!人間と同じだ。だから火には弱い!」

バグラの弱点がわかった。しかしドクターは頭を叩いて再び悩みだす。

「火は確かに弱点だ!でもどうやって火を?それに奴らの数が多すぎる、この場所丸ごと焼き尽くしても殲滅は不可能だな…」

ドクターがエレベーターのほうへと走っていく。

「まずは避難者だ!市場の人間をとりあえずコントロールルームへ!華!」ドクターに頼まれ、華はエレベーターに向かう人々を誘導を行った。

「エリ、あなたも逃げて!」

「私は大丈夫。この船の設計者の娘だもの。この船には乗員の次に詳しい!」

エレベーターの中に人々がパンパンに詰め込まれた。華はこれを見て不安そうな顔をする。

ドクターは迫りくるバグラにツボやら投げれるものは投げまくり、コンロを点火させて投げつけたりしながら時間を稼いでいた。

「ドクター!このエレベーターの収容人数って!?」

「200年後の未来だぞ!?100人乗っても落ちないさ!」ドクターがソニックドライバーでコンロを爆発させた。

「私たちはどうすれば!?」華が聞く。

「質問が多すぎる!少し待ってろ考えるから!」ドクターが自分の頭をたたき出した。彼流の考え方なのだろう。

突然、大きな揺れが再び襲い掛かってきた。壁に寄りかかっていた江原は倒れず。イヤポッドからコントロールルームからの通信が。

《船長!大変です!》

「どうした!?今の揺れは!?」

〈第二頭と第四頭が……落ちました!〉

「なんだと!?」

その通信はドクターにも聞こえていた。

「コントロールルームから残った頭に居る住民に警告できるか?」ドクターが江原に聞く。

「なんと言えば?」

「市場のほうではなくエンジンのほうに寄れと言ってくれ!」

「なぜ市場とは逆のほうへ?」

「数分でも長く生きられるからだ!」

江原はしぶしぶその命令をコントロールルームに下した。

「どちらにせよこのままじゃ全員死ぬ!どうやって生き延びる?ああ、ターディスがあればな…」ドクターがバグラの相手をしながらつぶやく。

「ターディスがあればどうなるの?」華が聞く。

「ターディスのフォースフィールドを拡大させて地球に安全に着陸できる。バグラ問題は後回しになるけど」

しかしターディスは地球へ落ちてしまった。ここではどうすることもできない。

そんな時、華は落ちたヤマタノオロチ船の居住区を小窓から見た。

地球の大気圏へと突入していく。炎をまといながら。炎を…

「ドクター!大気圏だよ、大気圏!」小窓の先を指さしながらドクターを呼ぶ。

「大気圏?」ドクターが最後のコンロを爆発させた後、華のもとへ向かう。

「大気圏突入の時には炎を帯びる。バグラの弱点が炎なら、大気圏に突入させて燃やせばいい!」

「おぉーっ!それは名案だ!だけどその方法には大きな欠陥がある」

「欠陥て?」

「全員死ぬ」ドクターが気分を落として答えた。

「残念だがその案は却下だ」

「いや、全員死ぬことはないわ」

エリが二人のもとへと近づいてきた。

「コントロールルームの横に緊急時の避難スペースがあるの。大気圏に突入しても燃え尽きないぐらい頑丈な壁で守られてる」

「あー……どうして君はそれを?」ドクターはエリに疑問のまなざしを向けた。

「私の両親はこの船の設計者なの。その存在を聞かされてた」

「君はその…なんというんだろうな…」

ドクターは手で丸を描きながら口を開いた。

「ファンタスティックだ!」

ドクターが空になったエレベーターへと駆けていく。

「全員乗れ!」

江原、華、エリも合わせてエレベーターの中へ。バグラの一団は別の頭の入り口へと近づいていき、エレベーターのほうへ向かうものも。

「避難スペースの収容人数は何人だ?」ドクターがソニックドライバーでエレベーターに光を当てながら聞く。

「最大で1万人しか乗れないはず」

「入れなかった人は運を信じるしかないな」

「上に居る人を諦めるの?」華がドクターに小さく怒鳴った。

「仕方ないさ。でも助かる可能性は0じゃない」

エレベーターはだんだん下へと向かっていく。コントロールルームへ。

「なぜエレベーターにその不思議なペンを向ける?」江原がドクターに質問をした。

「材質を調べてる。中国製だが…意外と頑丈だな。大気圏に突入しても燃え尽きないかも」

ドクターがドライバーの光を見ながら答えた。エレベーターと船の材質が同じなら、助かる可能性もある…

「しかし一番心配なのは不時着することだ。避難スペースに入っているとはいえ時速数百・数千キロで地面に激突すれば中に居る人間はミンチになる」

「怖いこと言わないでよ…」華がぼやく。

「真実を言ったまでだ。ハンバーグになるって答えればいいのか?」

「そっちのが怖い。だとすると結局助からないんじゃないの?」

「いや、助かるさ。華、船を操縦するゲームは?」ドクターが華に聞く。なぜそんなことを聞くのだろうと疑問を持つ暇なんてない。

「操縦ならマリオカートしかしたことない」

「十分だ」

 

 




マリオカートと操縦桿は違う…
ドクターにとっては同じようなものなのです。
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