Sword art Online ~Doctor game~   作:アルクトス

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──さて、何年ぶりでしょうか?

そもそも投稿すること自体が3年ぶりだし、この作品に至っては……考えたくないものです。
なんでこんなに空いたのかと言えば──まぁ、正直言うとサボってたんですが()、、、
まぁ、一応言い訳するなら進学して就職してという社会生活を送る人間としての生活に追われておりました。うへへ……ろうどうたのしぃ(ガンギマリ)


黒き剣とのencounter

 

 

 

 

 

「──ハッ!」

 

 目にも止まらぬ一閃。鋭い一撃は《リトルネペント》の蔓を打ち払い、それが致命の一撃となって《リトルネペント》はポリゴンの破片となって爆散する。

 

「……これで15体目だけど、まだポップしないな」

 

 ぼやくように呟くと、周囲にモンスターがいないことを確認して、剣を鞘に収める。

 

「情報屋さんから受けとったクエスト、ポップする確率が超低確率とはいえそろそろ出てくれても良いような……」

 

 そう、僕は現在パーティーを組むことになったクラインさん達と別れ、とあるクエストを攻略していた。

そのクエストと言うのは簡単に言えば片手剣の武器報酬イベントで、得られる武器は《アニールブレード》という片手直剣。性能は良く、強化が成功すれば3層の迷宮区までなら通用するというのだから是非ともゲットしておきたいものだ。

 しかし、クエストのクリア条件である《リトルネペントの胚珠》という素材がなかなかの曲者で、第1層の森林地帯に出現する《リトルネペント》というモンスターの内、1%程で現れるという花付きの個体からしか入手できないのだ。さらに同じ確率で実付きの個体が出現し、誤って攻撃してしまうと実が破裂し、周囲のモンスターを呼び寄せてしまう。「ベータテストでは、何人も引っかかってそりゃ面白い光景だったナ」と情報屋は笑っていたが、デスゲームとなった現在のSAOでは笑い話では済まない。

 

「こんなことならクラインさん達にも協力してもらえば良かったかな?」

 

 たかだか15体を討伐した程度で1%という確率の壁を乗り越えられると思わないが、ソロで攻略するには苦難なクエストだ。

 万が一もあり、未だSAOというゲームに──こと生身での戦闘に──慣れていないクラインさん達を置いてきたが効率を考えてしまうと、ついそんなことを考えてしまう。

 しかし、SAOがサービスを開始して早3週間。慣れない生身での戦闘に、身体の動きで起動するソードスキルなど、元々ネトゲプレイヤーだったとはいえ素晴らしい適応具合を見せている彼らだ。「この程度楽勝よォ!」と、クラインさんなら言ったかもしれない。

 とはいえ、単独行動を望んだのも僕だし、彼らにレベル上げも兼ねたアイテム調達用の資金集めを願ったのも僕だ。悲観していても始まらず、改めて花付きの個体を捜索し始めると──

 

「──ト!!」

 

「──スナ!!」

 

 少女の、片方はややハスキーな、もう片方は半ば金切り声に近いような叫びが僅かに耳に届いた。直後、崩落音と共にハスキーな声音は遠くなっていく。

 咄嗟に声の方へ駆け出すと、風乗って甘い匂いが香ってくる。それと同時に匂いの方へ《リトルネペント》の大群が押し寄せているのが確認できた。

 

「まさか、実付きを!?」

 

 思わず叫ぶ間にも、少女の裂帛の叫びとともに爆散するポリゴンの欠片が空を舞う。

 どうやら、少女は必死の抵抗を見せているようだが、時折叫びに呻きが混じっており、そう長くは持ちそうにない。

 

「やあああああ!!」

 

 抜刀し、そのままの勢いで目の前の《リトルネペント》へ斬りかかる。不意の一撃でネペントは爆散し、続くもう一体も同じく爆散させる。しかし、そこで周囲のネペントのターゲットが僕へと向いた。今の僕のレベルでは、注視された状態でネペントを通常攻撃1発で撃破はできない。加えて、硬直時間もあり迂闊にソードスキルも使用できない。《ソニックリープ》などの突進技で少女の元に急ぎたいが、ネペントの数は多く阻まれるだろう。故にとにかく通常攻撃で周囲のネペントを刻み、より多くのネペントのターゲットを受け持つ他に方法はない。

 

 

 

 

 ──そうしてかれこれ10分程戦い続けた。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 ざっと見て30体にターゲットをさせ、隙を見て反転。少女から相当数のネペントを引き離すことに成功し、ようやくとネペントを殲滅できた。しかし──

 

『ゴアアアアアアア!!!』

 

 戻ってきた先で見たのは、少女が別のモンスター《ジャイアント・アンスロソー》に覆いかぶさられている姿だ。

 どうやら周辺のネペントが集結するのに釣られ、かの大型のゴリラのような姿のモンスターはここまでやってきてしまったらしい。

だが、事前の戦闘と今回の無茶が祟り、《はじまりの街》からの愛刀は既に手元にない。

 

「危ない!!」

 

 走り出すが、既にモンスターの牙は少女の首を喰いちぎらんと迫っている上に、無手の状態の僕に攻撃手段はない。

 ──助けられないっ!?

 その時だ。無力感に落ちる僕の背を追い越すようにして現れた鮮緑の閃光が《ジャイアント・アンスロソー》の首筋を斬り裂いた。

 

『ッギャオオオオオオオ!!』

 

 それが致命の一撃(クリティカルヒット)となったのだろう。《ジャイアント・アンスロソー》は咆哮するが、徐々にその勢いを落としていき、ついには倒れた。

 爆散するポリゴンの欠片の中、そこに佇むのは──まだ幼い少年だった。

 幼さが残る優しげな顔つきの中に僅かに影のある表情を見せる彼は少女の、そして僕の姿を認めるとやや逡巡するような様子を見せつつ口を開いた。

 

「……大丈夫か?」

 

 見た目に違わない変声期特有の低い音が掠れたような声だった。

 

「ええ、ありがとうございます」

 

 僕が礼を伝えると少年はこくりと頷き、少女へ視線を移した。

 しかし、彼女は茫然自失としており、返事は得られない。

 少年は困ったように「あ……ぅーん」と唸ると、UIを操作して恐らく手持ちの殆どであろう回復ポーションと周辺のマップデータをトレード画面に提示した。

 

「……これだけあれば足りるか?」

 

 しかし、未だ茫然とする少女からの反応はなく、彼は半ば無理やりに実体化させたマップデータと共にポーションのデータを押し付けると、足早に立ち去った。

 

「あ、待って!」

 

 相当敏捷性を上げているのか、足早に歩を進める彼に小走りで追いつくと、申し訳なさそうに振り向いた。

 

「……ごめん。アンタのこと、忘れてた」

 

 どうやら少女への対応で精一杯だったようで、僕のことは失念していたらしい。

 

「えっと……剣を持ってないみたいだけど、予備は持ってるか?」

 

 申し訳なさげにする中で僕が無手なことに気づいたのだろう。彼が怪訝な表情を浮かべる。

 

「何とかあの子を助けようとネペントを倒してたら、耐久値が限界で……予備も新調しようとしてたから持ってなくて」

 

 答えると「ああ……とんでもない数ポップするからな……」と、表情が同情的なものに変わる。

 

「えっと、細剣か片手直剣使いなら余分なドロップ分をとりあえず渡せるけど……」

 

 言いつつアイテムストレージを漁り出した彼を、僕は制した。

 

「それはありがたいんだけど──まずはありがとう」

 

 改めて礼を伝えると、彼はきょとんとした様子で僕を見る。

 

「僕だけじゃあの子を助けられなかった。だから、ありがとう」

 

 続けての言葉でようやく言葉の意味が伝わったようで、彼は申し訳なさそうななんとも複雑な表情で言葉を濁す。

 

「いや……俺はあのモンスターが今の俺のレベル的に効率がいいから狩ってただけで……助けたのは偶然だよ。アンタとあの子が生きようと、助けようと抗ってて、そこに通りすがっただけの俺に感謝なんてしなくていい」

 

 どうやら彼は礼を言われることに後ろめたい思いがあるらしい。それが何によるものなのかは戦いぶりや立ち振る舞いから何となく察せられるが、あえてそれは言わない。

 ──ただ、おかげで彼という人物を知ることができた。

 

「──それでも、ありがとう」

 

 突き放すような言動がありつつ、少女とのやり取りからは気遣いを感じるどこか不器用な少年。

 そんな彼はついに照れくさくなったのか、頭を掻き毟るとヤケになったように声を張る。

 

「わかった! 感謝は受け取るよ……なんかモヤモヤするけど」

 

 そんな姿が可笑しくてつい笑みを浮かべると、彼の目付きが若干鋭くなる。慌てて笑みを引っ込めると、彼はため息ひとつこぼしてトレード画面を操作する。

 

「とりあえず俺のお古を渡すよ。耐久値はちょっと心許ないけど、ホルンカまでは持つと思う」

 

 言って、トレード画面を僕に提示する。譲渡の欄には《はじまりの街》で購入できる片手直剣の初期武装と僅かながらの回復ポーション。

 回復ポーションについては断ろうと、UIを操作しようとしてふと彼の名前が目に止まる。

 

「……kirito──君は、キリトくん?」

 

「ああ、それが?」

 

 唐突に名前を呼ばれ、彼──キリトくんは怪訝そうな様子だが、僕は彼の名前に覚えがあった。ゲームのサービス開始当日、クラインさんがぽつりと漏らした名前は……

 

「クラインさんは……分かるかな?」

 

 クラインさんの名前をあげると、キリトくんは目に見えて驚いた表情で僕の方を掴みかかる。

 

「……クライン……生きてるのか!?」

 

とそこで冷静になったのだろう。「悪い」と言って肩から手を離し、僕に話の続きを促す。

 

「うん。今は僕と他の仲間たちとパーティを組んでる」

 

 その一言でほっと息を吐いたキリトくんは、心底安心したように言葉を漏らす。

 

「……そうか。合流できたんだな……」

 

 あの日、二人の間に何があったかを僕は知らない。クラインさんも話さないし、僕も特に聞くことは無かった。しかし、キリトくんはずっと気がかりだったのだろう。クラインさんの無事を聞き、先程までの陰のある面持ちから年相応の少年らしい面持ちへと変わっている。

 

「心配してたよ、君のことを」

 

 時折クラインさんには珍しく物憂げに迷宮区の方を見ることがあった。あれはキリトくんを心配してのものだったのだろう。

 

「あいつ……余計なことを」

 

 苦笑するキリトくんに僕はある提案をする。

 

「もし良ければ、この後合流するから一緒に行くかい?」

 

 しかし、キリトくんは即座に首を横に振る。

 

「いや、アン……エムが一緒なら、目指してるんだろ?」

 

 僕と同じくトレード画面から名前を知ったのだろう。困惑する僕に「エムの動きは到底初心者とは思えないからな」と一言添えて、キリトくんはとある情報を開示した。

 

「トッププレイヤーたちは近いうちに《トールバーナ》で攻略会議をやろうって考えてる。クラインにはそこで会おうって宜しく言っといてくれ」

 

 再会するのは、いまこの時ではないとそういうことなのだろう。クラインさんもあんな性格だし、別れる際になにかやり取りがあったのかもしれない。

 

「わかった。伝えておくよ」

 

 快く頷くと、キリトくんは足取りも軽く歩き去る。

 

「じゃあ、俺は迷宮区に行くよ」

 




復帰ということで軽めに、プログレッシブの映画と絡めつつキリトとの遭遇イベントを前倒しにしました。

ミト……扱いどうしよう()




──さて、ここから先は私信なのですが、まぁ3年も失踪してりゃ話題はそこそこある訳ですよ。この3年間の特撮の話題だとか、某魔女の話とか。色々語ってると本文超えそうなので小出しにしますけど……

直近の話題としては……そうですね。AC6の話をしましょう。
つい先日、私も買ったんですが──最初のヘリを倒すのに30回リトライしました!!!
……アクションゲーム苦手マンにAC、並びにフロムからの洗礼は辛かった(遠い目)。
え、バルテウス? ッスーーー15回死にました  少ないですなHAHAHA
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