Sword art Online ~Doctor game~   作:アルクトス

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……お久しぶりです。
いやあの、違うんです! 仕事が忙しかったんです……いやほんとに。
決して、ラスコレなんて一ミリも触れてないですし、ギーツのファイナルステージの最終日の三公演に全通したりしてません!!



……まじですんませんした。




Fighting spiritを燃やして!

 

 

 

「ハアッ!!」

 

 

 中型ゴーレム──大体5メートルほどの大きさだ──の4連パンチを、四連撃技の《バーチカル・スクエア》で叩き落としていく。

 ゴーレムの一撃一撃は重たいが、攻撃モーションが始動しだした加速も威力も乗らないちょっとの隙にソードスキルを合わせていけば、片手剣の威力でも問題なく相殺できる。

 これが階層ボスとの戦いでも通じるのかはわからないが、今はそれがわかっただけよしとしたいところだ。

 

 

「スイッチ!」

 

 

 ソードスキルの技後硬直に陥る前にゴーレムを蹴り飛ばして、その反動で後ろへ下がる。

 俺の掛け声に合わせて飛び出してきたのはクラインとエギルだ。それぞれ曲刀三連薙ぎ払い《トレブル・サイズ》と両手斧単発上段振り下ろし《グランド・ディストラクト》を始動させ、システム・アシストが二人をさらに加速させる。

 クラインの薙ぎ払い攻撃が足を捉え、防御姿勢をとっていたゴーレムを怯ませる。がら空きとなった額にエギルの斧から放たれる一撃が直撃し、残り二割のHPバーを吹き飛ばす。バラバラと崩れ、岩の塊に戻ったところで、青いポリゴン片になって爆散する。

 

 

「ふぅ……」

 

 

 一息ついたところで、パーティーリーダーであるキリト君から半ば呆れるような様子で声を掛けられる。

 

 

「ゴーレムの攻撃をソードスキルだけで往なすなんて、無茶するなぁ……」

 

 

「できそうって思って、やってみたら結構集中力がいるけどなんとかね。キリト君でもできるんじゃないかな?」

 

 

「できるだろうけど、エムみたいにノーダメってわけにはいかないだろうぜ。きっと削りダメだけで二割はHPを持ってかれるよ」

 

 

 ──確かに、とも思う。コンマ1秒ほどの隙にソードスキルのモーションを制御しながらも限界まで加速させなくちゃ、今の攻防はできない。

 僕も結構気合を入れないと、同じことができるかと言われれば怪しい気もする。

 でも、できないと言っているキリト君だけど、彼の実力を考えるとそのうち銃弾くらいなら簡単に斬っていそうな気もする。SAOに銃弾なんてものがあるかはわからないけど。

 と、そんな会話をしているうちに戦闘後の処理が終わったようで、エギルさんが僕たちに向けて「行くぞー」と声を掛けてくれた。「はーい」と答えれば、攻略部隊は再び最奥を目指して移動を再開する。

 ここまでの道中では、今回の急造チーム間での連携を主に戦闘をこなしてきたけど、大体のメンバーが今までの攻略に関わってきていたこともあって、それぞれ動きについてはある程度把握していたからか、思っていたよりもうまく連携できているように思う。

 あまり馴染みのないシヴァタさんやリーテンさんに関しても、きっちり壁役をこなしてくれているし、エギルさんもそんな二人をパーティーに馴染ませるために、手隙な時には積極的に二人へどうやって連携していくかを話し合っている。

 アルゴさんについても、元βテスター兼SAO攻略を支える情報屋として、思っていた以上に戦闘慣れしていて、要所要所で的確にモンスターに対してデバフ効果のあるスキルを使って援護してくれている。

 唯一気になるのは、アタッカー主体のB隊の火力が思った以上に高くなりすぎてしまって、さっき僕がゴーレムの攻撃を強引にパリィしていたように、モンスターのヘイトを溜めすぎてしまうということが起きてしまっている。ボス戦だと、もう少しB隊の攻撃を意識的に抑えていくしかない。

 キリト君と二人で部隊の最後尾でそんな話をしながら、しばらく進んだ頃だった。

 

 

「通路の雰囲気が変わってきた。ボスが近いみたい」

 

 

 アスナさんの言葉で周囲を見回すと、確かにダンジョンの雰囲気が変わってきている。

 ダンジョンを支える巨大な柱にゴーレムを模した彫刻が刻まれ、壁には謎の古代文字が彫り込まれている。こうした装飾が増えるのはボス部屋が間近である証拠だ。

 ウインドウを開いて時刻を見ると、午後6時過ぎ。ちょうどALSが出立した頃合いだ。

 

 

「おい、あれを見てくれ!」

 

 

 先を行くA隊から、慌てたような声が上がる。

 急いで10mほどを駆け抜けると、そこに見えたのはボス部屋へと繋がる大扉ではなかった。

 

 

「階段……?」

 

 

 通路いっぱいに広がる大階段を前にして、隣にいるキリト君からも呆然としたような声が上がる。

 ──ということは、ベータの時はこんな構造ではなかったということになる。

 大階段の先へ目を凝らしてみても、天井まで繋がる先は長い円柱構造のようで先までを見通すことはできない。

 情報のないままのボス攻略は危険だ。最悪、後の火力を落とすことになってでも《仮面ライダー》に変身して強行偵察をするしかない……と考えていると、いつの間にか前へ進み出ていたアルゴさんが、手にしたカンテラを掲げながら言った。

 

 

「ま、覗いてみるしかないダロ」

 

 

 と、アルゴさんがまるで散歩にでも行くように大階段へ向かおうとする。

 慌てて追いかけると、足音を聞いたアルゴさんは振り返り、呆れたように()()()を見る。

 

 

「ここは任せてくれヨ。もしかしたら、段がせり上がって入り口を塞いじまうかもしれナイ。そうなっても、オレっちなら閉じる前に逃げられル」

 

 

 確かに、と隣にいるキリト君とも目を合わせる。

 壁一面に刻まれている古代文字は、どうやら段の側面一つ一つにも刻まれている。いかにもなギミックが仕込まれていそうだ。

 

 

「なら僕たちも一緒に行きます」

 

 

「エ〜〜?」

 

 

「アルゴほどじゃないけど、俺たちだってスピード型なんだ。逃げようと思えば、なんとかなる」

 

 

「ちぇ、しょーがないナ……」

 

 

 気乗りはしない様子だけど、アルゴさんは僕たちが同行することに納得したようだ。

 エギルさんたちに何かあればすぐに退くようにだけ伝えて、階段に足を掛ける。すると、不安げな様子のアスナさんが歩み出てきた。

 

 

「気をつけてね」

 

 

「ああ、すぐ戻る」

 

 

 静かに、それでも力強く答えるキリト君に同意するように僕も頷き返すと、一段また一段とゆっくりと進み始める。

 歩みを進めるごとに、通路の奥から濃密な気配が押し寄せてくる。それ以外は何も変わらないはずなのに、僕たちの体感する温度は下がっているーー間違いなく、ボスがいる。

 そこから三段、四段と進んでいき、五段目で、足元の素材感が変わった。踏みしめるたびに、確かな存在感を示していた岩の凹凸から、固く滑らかで、ブーツの底に打たれた鋲を跳ね返すほどの硬度の金属へと。

 階段を上り切ると、ぶぅん、という奇妙な起動音とともに、足元から青白いの光の線が伸びて、周囲一帯を駆け巡り、空間全体を照らす。

 

 

「これは……」

 

 

 ──広い。

 円形の空間は、直径が50m、高さも30mはあるだろう。迷宮区の最上層、丸ごとひとつがボス部屋となっているようだ。

 しかし、そうなるとこの部屋の構造には問題が一つある。

 

 

「六層に上る階段が、ない……?」

 

 

 キリト君の呟きに、アルゴさんはカンテラをストレージにしまうと同時に装備したナックルの仕込み刃を展開させながら、油断なく周囲に視線を走らせている。

 

 

「ボスが沸く気配もないヨ……」

 

 

 今までなら、ボス部屋に入ると同時に部屋全体に明かりが灯って、すぐにフロアボスも湧いてきた。

 でも、今回は違う。もうすでに僕たちはボス部屋へと侵入を果たしている。それなのに、どこにもポリゴンブロックが生成される気配すらない。

 ただ一つ、部屋の中心で床面を照らす青白いラインが一点に集って、同心円のサークルを描いているポイントがあった。

 

 

「オイラが行ってくル。二人は階段の前で待ってロ」

 

 

 そう言い残して、アルゴさんは慎重な足取りで進んでいく。

 何かあるのは確実だ。それはアルゴさんも承知の上だろう。信じて見守るしかない。

 ゆっくりと歩みを進め、直前で一呼吸入れてから、サークルの中へ足を踏み入れた。

 一秒……二秒……三秒……

 直後、床のラインが強く発光し、振動が起こる。咄嗟に飛び退こうとするアルゴさんだったけど、致命的失敗(ファンブル)が起きた。

 ──振動に足を取られ、転倒してしまったのだ。

 

 

「アルゴ────ッ!!」

 

 

 キリト君の絶叫と同時に二人で、一気に駆け出す。しかし、強化されたステータスでも25mほどを一瞬というわけにはいかない。

 転倒したアルゴさんを取り囲むように床面から五本の柱が伸び上がる。

 長い柱が三本、少し短い柱が一本、さらに短く太い柱が一本。あの配置は、ただの柱ではない。あれは──ゴーレムの手だ。

 そう認識した直後、アルゴさん付近の底面が高々と伸び上がり、一本の巨大な腕となって現出する。

 空中で、五本の指が、硬く硬く握り締められる。

 拳の隙間から、漏れ聞こえる破砕音と共に、青いポリゴンの破片がキラキラと飛び散る。

 すぐに視界左上に並ぶHPバーを確認する、一番下のアルゴさんを示すバーは一割ほど削れ、今もジリジリと減りつつあるけど、消えたわけではない。今のエフェクトは装備のいずれかが砕かれたものだ。

 

 

「せ……やっ!!」

 

 

 ──まだ間に合う。

 僕は背中から愛刀であるグリーニッシュ・ソードを抜刀するモーションと上段突進技である《ソニックリープ》の始動モーションを合わせ、抜刀と同時に一気に空中へと飛び上がる。キリト君も同時に下段突進技である《レイジスパイク》を始動させ、二人で上下に挟み込むようにして、床から聳え立つ漆黒の腕を斬り裂く。

 黒水晶を思わせる体表に赤いダメージラインが刻まれると、上空から轟くようなゴーレムの咆哮が浴びせられる。リアクションと同時、漆黒の腕が床に引っ込つつ硬く握り締められた拳を開いた。

 アルゴはすぐに掌から飛び出すと、僕たちのすぐそばへと着地した。

 

 

「いやー、びっくりしたナ〜」

 

 

「それはこっちのセリフですよ」

 

 

 仮にも危機の直後とは思えぬほど呑気な声につい突っ込みを入れてしまう。隣ではキリト君が安堵の息を吐いているが、油断でき──

 

 

「──下だ!!」

 

 

 下を見ると、光の回路図を思わせる同心円が僕たちの足許に集まっていた。反射で鋭く叫ぶ声を聞いた二人がさっと飛び退く。

 僕も咄嗟に後ろへ下がると、直後には先ほどの黒腕が床面からそそり立ち、空中で力強く拳を握った。

 どうやら床に走る光のラインを踏むと、黒腕が現れ、プレイヤーを掴みにくるらしい。パターンは分かった。後はラインをわざと踏んで腕が現出したところに合わせて攻撃を……と思ったところで、ふと気づく。先ほども今も、指の配置から見て、現れたのは右腕だ。つまり──

 

 

「下、下!!」

 

 

 アルゴさんが喚き立てると同時、キリト君の足許に同心円が形成される。

 

 

「おわっ……!」

 

 

 咄嗟にバク宙で回避するキリト君。しかし、僅かに足先を掠めたようで、体勢を崩しつつもなんとか着地する。

 

 

「なんだよ、2本もあるのか!?」

 

 

「腕が2本あるのは普通だと思うゾ」

 

 

 文句を言うかのように叫ぶキリト君へ、至って冷静にアルゴさんが突っ込みを入れる。

 しかし、厄介すぎる。ラインを踏まずに移動というのも、神経を使うし、攻撃を誘発しなければ、こちらが攻撃をすることもできない。

 たった三人ばかりじゃ、二本の腕による攻撃を避けるだけで手一杯になってしまう。一度退くしか……いや、腕があるということは──

 

 

「まさかっ!?」

 

 

 そこで思考を切り上げ、天井へと視線を向ける。

 ほぼ同時に同じ結論に至ったのであろうキリト君も同じく視線を上に向ける。そして──

 

 

「────回避!!」

 

 

 視線の先では先ほどまでの床面と同じように、回路図を思わせる同心円が形成されている。すぐさまそばにいたアルゴさんの腕を掴んで引っ張る。

 すぐに天井の同心円からは、巨大な足が轟然と降り注いできた。サイズにして2mはある漆黒の足が、したたかに床面を踏みつける。ショックウェーブが発生し、円形に広がる。思わぬ攻撃を避けることはできなかったが、なんとか転倒状態になることだけは回避し、次に備える。

 

 

「おいおい、腕が2本あるってことは、足も……」

 

 

「来るぞ!」

 

 

 天井を見ると、既に二つ目の同心円が出現し、あの巨大な足が降り注ごうとしていた。

 超威力のストンプが床を波打たせる。今度はタイミングもわかっているので、三人で息を合わせて、なんとかジャンプでショックウェーブをやり過ごす。

 しかし、そんな行動をしていたために壁際まで追い込まれてしまい、階段までは20mほど離れてしまった。今のところは、そびえ立つ四本の手足は静止しているので、3人の全速力なら逃げられないことはないと思うけど、いかんせん20mという距離を遠く感じてしまう。

 さて、どう動き出したものかと頭を回転させていると、キリト君が僅かに身を動かす。足許にはわずか数cmの位置に青白い光のラインがあって、僕はキリトの動きを止めるべく、語気を強めて叫んだ。

 

 

「キリト君、動かないで!」

 

 

 反射的にキリト君の動きが止まったので、そのまま聞くように言い含めてから、新たに指示を飛ばす。

 

 

「足は動かさないで、そのまま下を見てみて」

 

 

 言われるまま、キリト君は最小限の動きで下を見る。そこでようやく、自分の足がもう僅かのところで床面に走るラインを踏まずにいることに気づいたようだ。

 

 

「……このラインを踏むとあのターゲットサークルが出て、そこをデカ手とデカ足が攻撃してくる?」

 

 

「だと思うよ」

 

 

「……ってことは、このラインを踏まずに移動できれば、攻撃されずに階段まで戻れる?」

 

 

「だと思うヨ」

 

 

 キリト君もアルゴさんも、僕と同じ推論で帰結したようだ。とはいえ、口にするほど簡単ではないし、ラインの方はプレイヤーが動くのに合わせてランダムに動くようで、一切ラインを踏まずに行動するというのは相当に難易度が高い。

 頭を悩ませているうちに、振動とともに高らかに連なっていた手足が床と天井へと引っ込んでいく。 

 とりあえず、慎重に進んでいくしかない。

 そのことを二人に伝えようとして、僕は目を見開くことになる。

 

 

「──おいっ、大丈夫か!?」

 

 

 階段からハフナーを先頭にした十人が勢いよく駆け込んできた。

 思えば偵察に出てから、なんだかんだと十分弱が経っている。帰還が遅いことを怪しんだ彼らが、様子を見に来てくれたのだろうけど……状況が最悪だ。二十の足が次々とラインを踏んでいき、床と天井には四つのターゲットサークルが現れてしまう。

 

 

「なんだ、まだボスは出てないのか──」

 

 

 拍子抜けするようなの、ある意味間抜けにも思えるシヴァタさんの声を、キリト君の絶叫が掻き消す。

 

 

「回避! 回避──っ!!」

 

 

 レイドメンバーの反応は早かった。回避の声が届いて、コンマ三秒程で大きく飛び退いた。しかし、並んで侵入してきた十人がバラバラに飛び退いてしまったために、シヴァタさんとローバッカさんが接触し、体勢を崩し転倒する。

 しかも、二人が転倒した場所が悪かった。ゴゴゴゴン! と轟音が響き渡り、床から突き出してきた左手が二人を掴み、空中へと連れ去った。

 残る手足については、他のレイドメンバーは何とか回避してくれたが、無茶な回避と足が着地した際のショックウェーブが合わさって、殆どのメンバーが即座に動ける状態では無い。動けるのは──

 

 

「アスナ! 腕に、パラレル!!」

 

 

 キリト君の指示から、コンマの遅れもなくアスナさんが動き出す。既に抜刀していたレイピアを構えると、深い踏み込みからソードスキル《パラレル・スティング》を放った。

 眩い閃光と共に放たれた神速の二連撃は、巨腕に少なくないダメージを与える。天井から咆哮が轟くと同時に拳が開かれ、シヴァタとローバッカが解放される。相当の高さから落下する二人を、リーテンとハフナーがかろうじて受け止める。

 何とか危機は脱したけど、状況は悪いままだ。既に空振りした手足は引っ込み、新たにラインを踏んでしまったメンバーの元にターゲットサークルが現れている。

 

 

「回避しながら聞いてくれ! 今の腕と足が、このフロアのボスみたいだ!」

 

 

 襲いかかる手足を避けつつ、レイドメンバーはキリト君のボス解説に耳を傾けている。

 

 

「床のラインを踏むと、床と天井からターゲットサークルが出て、床からは腕が生えて掴み攻撃、天井からは踏み付け攻撃が来る! 腕に掴まれると、HPと防具の耐久値に同時にダメージを受ける。けど、片手武器の二連撃クラスのソードスキルで、掴まれたやつを解放できる!」

 

 

 キリト君の解説を聞いて、クラインさんなどは足許を凝視する。すると、後ほんの数mmのところにラインがあって「うおッ!?」と少し間抜けな声を上げている。

 

 

「えーと……」

 

 

 さらに追加する情報はないかと、コツコツと眉間を叩くキリトくん。

 しばらく時間を要する中で、先に僕の方が補足する情報を思いついたので、声を上げる。

 

 

「足の攻撃は、二層ボスみたいに踏み付けと同時に衝撃波が広がります!それを足を取られると転倒状態になる可能性があるから注意、以上!」

 

 

 先程までの攻防で得られた情報はこれが全てだろうと、解説を打ち切る。

 しばらく各々が先程の情報を反芻していたけど、そんなゆとりある時間は許さない、とボスが判断したのか──天井の中央部分のラインが複雑に絡み合うようにして収束していった。

 手を出すことも出来ず、全員が固唾を飲んで見守っていると、ゴゴゴゴゴという重低音とともに、天井が複雑な形を形成しはじめた。

 

 

「あれは……」

 

 

 無骨ながらも際立ったエッジが青く照らされ、突き出した額と落ちくぼんだ眼窩、四角い鼻に横一直線の口がその姿を現す。

 やがて《顔》全体が形成されると、額の中央にら複雑怪奇な紋章が浮き出し、眼窩にはぽっと青白い光輪が灯され──

 そうして現れた三メートルはあろうという巨大な顔の上部には六段のHPバーが表示される。一本目が僅かに削れているのは、先程までに腕に当ててきたソードスキルのダメージ分だろう。

 最後に、第五層フロアボスの固有名が、HPバーのさらに上に刻まれる。

【Fuscus the Vacant Colossus】……フスカス・ザ・ヴェイカントコロッサス。フスカスは固有名詞、ヴェイカントが虚空、コロッサスは巨像で……日本語にするならば【虚空の巨像フスカス】といったところか。

 

 

「ベータと、名前もぜんぜん違う……」

 

 

 呆然とするようにキリト君が呟く。

 ということは事前に彼から聞かされていたβ時代の攻略法は全く当てにならない。ここまでのボス戦ではβから出現するボス自体に大きく変わりはなかった。攻撃パターンやフィールド、追加ボスなど、さまざま手を加えられてこそいたが、ボス自体がまるきり違うということは今回が初めてだ。

 ──茅場は、ここにきて仕掛けてきた。

 この世界を生み出した稀代の天才、茅場晶彦は今のこの状況を見てなにを思うだろうか。

 どこかでほくそ笑んでいるのだろうか。

 あるいは、僕たちがいかなる手腕にて攻略するのかを楽しんでいるのか。

 ……そのどちらにせよ、あまりいい気分はしない。

 

 

「……やってやろうじゃねぇか」

 

 

 ふつふつと、俺の中で闘志が湧いてくる。

 この状況を生み出した茅場への怒り。そして根底にあるゲーマーとして未知へと挑む高揚感とが合わさって、頭の中がスっと冷える。

 

 

「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!」

 

 

 ──さぁ、ボス攻略の開始だ!!

 

 

 






……ギーツのキャスト陣、全員歌上手くない?
生で聴いててビビりましたよ。アイドルな道長とか、刀剣男士なメガネは分かるんですが、他の子も普通に上手い……

いやぁ……景和がIZANAGIのバラードを歌い出した時は驚きましたね。しかもその後めちゃくちゃ踊るし()

そんで、やっぱりめちゃくちゃ天然な関くんに笑いましたね。
逐一杢代くんにツッコまれてて凄かった。あの方は今後とも愛されていきますね。でも、キメる時はめちゃくちゃカッコよくキメてくれるので良かった……


──限界オタクすぎてキモイのでこの辺にしますね。
次回はなるべく早く書きます。……1週間はキツイかなぁ()
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