遊戯王ARC-V Rーe:birth   作:深海の破壊大帝

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平成最後の投稿、ほとんどデュエル描写だけなのになげぇ~
例のソリティアを入れたから仕方ないけど


極みの向こうへ

「おーい!俺の相手はどいつだー!!」

 

 剣士然とした恰好の少年が竹刀を振り回しこちらに駆けてくる

 

「俺はLDSシンクロコースの刀堂 刃!

 さぁ!俺のデッキの錆になりたい奴はどいつだー!!」

 

 なんだか暑苦しい奴だ、こんな性格だったか?

 さて、こうなると順番的には素良の番なんだが・・・

 

「う~ん、僕は今回パス、代わりに権ちゃんやる?」

 

「ん、俺か?」

 

「おいおい、ちみっこいの、この俺にビビったのかよ?」

 

「別にそんなんじゃないよ、気乗りがしないってだけ

 権ちゃんは此処にデュエルしに今日来たんでしょ?

 相手が遊矢じゃなくてもいいよね?今日は遊矢とは出来なさそうだし」

 

「うむ、そこまで言われればしかたなし

 刃殿、この権現坂道場の跡取り、権現坂昇がお相手いたそう!」

 

「へぇ~デュエル道場の跡取りね、面白そうじゃん!

 いいデュエル見せてくれよな!」

 

「おう!権現坂道場に伝わる、不動のデュエル!とくと見せてやろうぞ!」

 

「へっ!言っておくが俺がさっきまでのお行儀のいいデュエルをすると思っていたら大間違いだぜ?

 何しろ俺は、あいつらと違って、本当に強いからな!」

 

「お行儀のいい?」

 

「な、なんだよ、なんで僕の方を見るんだよ!?」

 

 俺と素良が北斗を見る、こいつってそんなに行儀良かったか?

 デッキが素直で、テンプレだったという意味なら分かるが

 

「うぅ・・・ぐす・・・」

 

「ほら、もう!嬉しいのは分かったから、そろそろ泣き止んでよ!

 ジュニアクラスの子も見ているんだから、みっとも無いでしょ!?」

 

 おっ、柚子たちが戻って来たみたいだな

 あと真澄、柚子は勝ったの一カ月ぶりぐらいだから、思う存分泣かしておいてやれ


『お~し、2人共気合は十分なようだな!

 じゃあいくぞー!フィールド魔法、剣の墓場発動!』

 

 フィールド魔法が展開され、暗雲たちこめ、無数の剣が突き刺さった古戦場が現れる

 刃はそれを見て、獰猛な笑みを浮かべ、これから始まる戦いに胸を躍らせる

 

「へへっ!随分と粋なフィールドになったじゃねぇか!」

 

「うむ、では存分にし合おうぞ!」

 

「「『決闘』!!」」

 

「先攻は俺だ!

 俺は超重武者ダイ―8を召喚!」

 

 ダイ―8 ATK1200→DEF1800

 

 脚部のローラーで台車を引いたロボットが現れる

 その荷台の上には、腕鎧を組み合わせて作ったような巨大な機械が置いており、ダイ―8はそれを権現坂へ引き渡す

 

「ダイ―8は召喚、特殊召喚された時、守備表示となる。

 そして、俺の墓地に魔法、罠カードがないとき、ダイ―8のさらなる効果により、このモンスターを攻撃表示に変える事によりデッキから超重武者装留を手札に加える。

 俺はデッキから超重武者装留チュウサイを手札に加え、手札の超重武者装留イワトオシと共にダイ―8に装備する。」

 

 ダイ―8 DEF1800→ATK1200

 

 荷卸しされたチュウサイだったが4つある腕を動かして、ダイ―8の本体に無理やり背負われる形で装着され、さらに前方から青く巨大な梓弓が現れ、それもまたダイ―8に装着される

 2つの巨大な装備品に小柄なダイ―8の本体は埋もれてしまった

 

 

「手札から直接装備できるモンスターだと!?でもステータスが変わってねぇ?」

 

「チュウサイは相手の攻撃を装備モンスターに集中させる効果がイワトオシは貫通効果を持たせる効果があるが、俺の狙いはそれではない!

 チュウサイのもう一つの効果発動!

 このカードを装備しているモンスターをリリースすることにより、デッキより超重武者モンスター1体を特殊召喚する!

 現れよ、我が不動の象徴!超重武者ビックベン―K!!」

 

 ダイ―8が消え、代わりに現れるのは鋼の巨漢

 橙色の鎧を煌めかせて、刺又を地面に突き刺し仁王立ちする

 

ビックベン―K「べンケー!!」

       DEF3500

 

「いきなり守備力3500だと!?」

 

「ふふ、ビックベン―Kの力はそれだけではない!

 このモンスターが存在する限り、俺の超重武者は守備力を攻撃力として扱い、表側守備表示のまま攻撃できるのだ!」

 

「なっ!?ってことは実質、攻撃力3500のモンスターかよ!?」

 

「そういうことだ。

 さらにフィールドから墓地に送られたイワトオシの効果により、デッキから超重武者を手札に加える。

 俺は超重武者装留バスター・ガントレットを手札に加え、ターンエンドだ!

 さぁ、何処からでもかかって来るがいい!」

 

「てめぇら、そろいもそろって妙なカード使いやがって、俺のターンドローだ!」

 

 刃はドローしたカードを見て思わず笑みをこぼす

 そう、今の彼の手札は彼を必勝に導く、最高の手札だったからだ

 

「俺は手札からモンスターを1体捨て、マジックカード、ワン・フォー・ワンを発動

 こいつの効果でデッキからレベル1モンスターを1体特殊召喚するぜ

 来い、XX(ダブルエックス)―セイバー レイジグラ!」

 

レイジグラ「フン!」

     DEF1000

 

 赤いマントをたなびかせ、軽鎧を着た2足歩行のカメレオンが現れる

 

「レイジグラの効果発動

 こいつが召喚、特殊召喚された時、墓地のX―セイバーモンスターを手札に加えるぜ

 俺が手札に加えるのはXX(ダブルエックス)―セイバー フォルトロール!

 さらに通常召喚だ、来い、レスキューキャット!」

 

レスキューキャット「にゃ~」 

         ATK300

 

 古戦場に現れる一匹の子猫、頭には救命ヘルメットをかぶっておりその姿は非常に愛くるしくこの場に似つかわしくないものであったが、権現坂はレスキューキャットを見て苦い顔をする

 

「ぬうっ!?そのモンスターは!?」

 

「どうやらこいつの恐ろしさは知っているみたいだな、レスキューキャットの効果

 1ターンに1度、フィールドのこのカードを墓地に送ることで、デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する

 来な!XX(ダブルエックス)―セイバー ダークソウル!チューナーモンスター、X―セイバー エアベルン!」

 

 レスキューキャットは器用に前足を使って首にかかっているホイッスルを掴み、それを吹く

 その音に呼ばれて出て来たのは大鎌を持ちフードで顔を隠した獣人と鋭い鉤爪の付いた手甲をした獅子の獣人

 それぞれの武器を権現坂に構え、闘志を燃やす

 

エアベルン「ガルル・・・」

     ATK1600

 

ダークソウル「グルル・・・」

      ATK100

 

「そして、自分フィールド上にX―セイバーモンスターが2体以上いるとき、こいつは手札から特殊召喚出来る!

 来い!XX(ダブルエックス)―セイバー フォルトロール!!」

 

フォルトロール「はあぁぁぁぁ!ふん!」

       ATK2400

 

 光り輝く模様の入った鎧を身に纏う騎士が刃の戦列に加わる

 だが、それだけでは終わらない、彼の本領はこれからである

 

「行くぜ!俺はレベル1のXX―セイバー レイジグラとレベル3のダークソウルにレベル3のX―セイバー エアベルンをチューニング!」

 

 エアベルンが3つの緑色の光の輪となり、レイジグラとダークソウルはそれに飛び込む

 彼らの中に輝く光が、一つに並ぶとき、眩きと共に戦いに魅入られた狂人がその2振りの刃を振り上げる

 

「光差する刃持ち、屍の山を踏み越えろ!シンクロ召喚!!

 いでよ!レベル7、X―セイバー ソウザ!」

 

ソウザ「ははははっ!!ふんっ!!」

   ATK2500

 

「おっと、まだ終りじゃねぇぜ!フォルトロールの効果発動!

 1ターンに1度、墓地からレベル4以下のX―セイバーを復活させる

 戻ってこい!X―セイバー エアベルン!」

 

エアベルン「グオオオォォォン!!」

     ATK1600

 

「チューナーを復活させたか・・・」

 

「その通りだぜ!

 俺はレベル6のフォルトロールにレベル3のエアベルンをチューニング!

 白銀の鎧、輝かせ、刃向う者の希望を砕け!シンクロ召喚!

 いでよ、レベル9!XX(ダブルエックス)―セイバー ガトムズ!!」

 

 再び差す光、それを引き裂き現れるのは白銀の鎧を身に纏った重戦士

 音叉の様な大剣を軽々と振るい、赤いマントを翻す

 

ガトムズ「はああぁぁぁ!ふん!!」

    ATK3100

 

「1ターンに2度のシンクロ召喚、なかなかやるようだな。」

 

「驚きもしねぇか・・・あいつはいったいなんなんだよ?」

 

 刃は観戦室に居る遊矢の方に目を向ける

 刃の問いに権現坂は笑みを浮かべながら答える

 

「壁よ・・・遙かな頂にある大きな壁・・・

 だからこそ男として挑みたくなる!あの頂を越え高みを目指すためにな!!」

 

「へっ!だったら、それには一足先に俺が挑ませてもらうぜ、てめぇを倒してな!

 俺は2体目のフォルトロールを特殊召喚!

 そしてその効果で墓地のXX(ダブルエックス)―セイバー レイジグラを特殊召喚するぜ!」

 

フォルトロール「ふん!」

       ATK2400

 

レイジグラ「ハッ!」

     DEF1000

 

「レイジグラの効果で墓地のXX(ダブルエックス)―セイバー フォルトロールを手札に加える

 そして、XX(ダブルエックス)―セイバー ガトムズの効果を発動

 自分フィールド上のXセイバーをリリースすることで、てめぇの手札を1枚ランダムに捨てさせる

 俺はフォルトロールとレイジグラをリリース!」

 

 フォルトロールとレイジグラの魂が総司令であるガトムズの剣に宿る

 ガトムズが大剣を振るうとそれは閃光となって、権現坂の4枚ある手札の内2枚を燃やす

 

「何、まさか!?手札にはフォルトロールが・・・」

 

「その通りだ!

 このコンボはてめぇの手札が尽きるまで続くのさ、何度でもな!!

 フォルトロールを特殊召喚し、その効果でレイジグラを特殊召喚しフォルトロールを手札へ

 ガトムズの効果でこいつらをリリースして、てめぇの残りの手札を捨てさせる。

 さらにフォルトロールを特殊召喚し、レイジグラを特殊召喚、フォルトロールを手札に加えるぜ」

 

 フォルトロール ATK2400

 レイジグラ   DEF1000

 

「俺の手札が・・・」

 

「まだ終わってねぇぜ!ソウザの効果でXX(ダブルエックス)―セイバー レイジグラをリリース

 これでソウザはダメージステップ開始時に戦闘するモンスターを破壊する効果を得た。」

 

 レイジグラをソウザが切り捨てる、その怨念はソウザの剣に宿りどす黒いオーラを纏わせる

 

ソウザ「ぐひひひぃ!」

 

「さぁ、その木偶の坊を叩っ切ってやるぜ!バトル!

 やっちまえ、ソウザ!ビックベン―Kに攻撃!」

 

 ソウザの狂刃がビックベン―Kに迫る

 刺又で迎え撃つビックベン―Kだったが、ソウザはいとも簡単にそれをいなし、ビックベン―Kに1撃、2撃と何度も同じところに斬りつけてゆく

 さすがのビックベン―Kの強固なボディも何度も同じところを傷つけられ限界を迎え、それをソウザは見逃さず貫いた

 

ビックベン―K「グワアアァァァ!!」バンッ!!

 

「くっ!?すまぬ、ビックベン―K」

 

「おらぁ!モンスターの心配している暇はねぇぞ!

 XX(ダブルエックス)―セイバー ガトムズでダイレクトアタックだ!」

 

 ガトムズが踏み込み、駆けるのと同時に刃はその背に背負う竹刀を一閃

 その剣圧で剣の墓場に隠されていたアクションカードが宙に浮く

 

「おらぁ!アクションマジック、エクストリーム・ソード

 戦闘するモンスターの攻撃力をそのバトルのみ、1000ポイントアップ!」

 

ガトムズ「オオォォォォ!!」

    ATK3100→4100

 

「これで終わっちまいなー!!」

 

 ガトムズの大剣が権現坂に迫る、だが、権現坂は逃げはしない

 いや、その場から動きはしない、自分のデッキが勝利せよと、自分の覚悟が負けるなと叫んでいるのだから

 

「俺は墓地のクリアクリボーの効果を発動する!」

 

「何!?」

 

「相手モンスターのダイレクトアタック宣言時

 墓地のこのカードを除外し、デッキからカードを1枚ドローする、それがモンスターならば特殊召喚し攻撃対象をそのモンスターに移し替える。

 俺が引いたのは超重武者テンB―Nだ!」

 

テンB―N「ハッ!」

     DEF1800

 

「さらにテンB―Nの効果により、墓地のテンB―N以外のレベル4以下の超重武者モンスターを1体、守備表示で特殊召喚する

 蘇れ、超重武者装留イワトオシ!」

 

 イワトオシ DEF0

 

 ガトムズの前に現れる天秤を担いだ緑の鋼の武者、そしてその天秤から巨大な梓弓が現れ権現坂への行く手を阻む

 

「ちっ!だったら、ガトムズ!そいつをぶった切ってやりな!」

 

 ガトムズの剣はテンB―Nを切り裂く、だがその余波すらも権現坂には届きはしない

 

「さらにフォルトロールでイワトオシに攻撃だ」

 

フォルトロール「はあっ!」

 

 フォルトロールの剣がイワトオシを鉄くずに変える、そしてその鉄くずの中から1枚のカードが権現坂の手の下にやってくる

 

「イワトオシがフィールドから墓地に送られたことにより、デッキから俺は2枚目のテンB―Nを手札に加える。」

 

「そうはさせるか!

 メインフェイズ2でガトムズの効果発動、フォルトロールをリリースしそのカードも捨ててもらうぜ!

 カードを2枚伏せ、エンドフェイズにダークソウルの効果でデッキのXX―セイバー フォルトロールを手札に加えるぜ

 ターンエンドだ」

 

「俺のターン、ドロー!!

 俺は墓地の無限起動スクレイパーの効果を発動する。」

 

「また墓地効果かよ!?」

 

「このカードを除外し俺の墓地の機械族、地属性モンスター5体をデッキに戻しシャッフル、その後2枚ドローする

 俺は墓地から超重武者テンB―N2体と超重武者装留イワトオシ、チュウサイ、バスター・ガントレットの計五枚のカードをデッキに戻し2枚ドロー!

 そして、相手フィールド上にモンスターが2体以上存在し、自分フィールド上にモンスターが居ない時、手札の超重武者テンB―Nは特殊召喚出来る。」

 

テンB―N「テンビーン!」

     DEF1800

 

「さらにテンB―Nの効果により、ダイ―8を守備表示で特殊召喚し、ダイ―8の効果でこのカードの表示形式を変更

 デッキから超重武者装留チュウサイを手札に加え、さらにこれをダイ―8に装備

 そして、チュウサイの効果によりダイ―8をリリース!

 再び現れよ!超重武者ビッグベン―K!!」

 

ビッグベン―K「フンッ!!」

       DEF3500

 

「また、そいつか!?」

 

「これが我が不動のデュエルよ!バトル!

 ビッグベン―KでX―セイバー ソウザに攻撃!!」

 

ビッグベン―K「ハアアアァァァァ!!デュリアァァァ!!」

 

 ビッグベン―Kの拳が大地を割り、その衝撃がソウザを襲い破壊する

 その余波も刃の下へ向かうが、彼の前には『X』の紋章の浮かび上がるバリアが張られていた

 

「そう簡単に通すかよ!速攻魔法、セイバー・リフレクト!

 自分が戦闘または効果ダメージを受けた場合、その数値分俺のライフを回復し、てめぇに回復した数値分のダメージを与える

 おらぁ!自分の攻撃を自分で受けやがれ!!」

 

「そうはいかんな!

 墓地の超重武者装留ビックバンの効果発動!」

 

「またかよ!?」

 

「自分フィールド上に守備表示の超重武者がいる時に相手がバトルフェイズ中にカード効果を発動した時、このカードを除外し、その効果を無効にし破壊する。

 さらにフィールド上の全てのモンスターを破壊し、お互いに1000のダメージを受ける。」

 

「なんだと!?」

 

 フィールドに膨大なエネルギーが蓄えられた爆弾が現れ破裂する

 その爆風は互いのフィールド上のモンスターを吹き飛ばし、刃もまた無数の剣を折り砕きながら吹っ飛ばされた

 

「ぐわあああぁぁぁ!!」

 LP4000→3000→2000

 

 息も絶え絶えとなった刃は痛む体に鞭を打ち立ち上がると、そこには自分と違い一歩たりとも動いていない権現坂と

 

「・・・・・・」

 LP4000→3000

 

ビックベン―K「ベンケー・・・」

 DEF3500→2700

 

 ビックベン―Kが立っていた

 

「な、なんでだ!?どうしてそいつは破壊されていねぇんだ!?」

 

「手札の超重武者装留ファイヤー・アーマーの効果よ

 こいつを手札から捨て俺の超重武者1体の守備力を800下げることで、ターン終了まで戦闘と効果で破壊されなくした。

 俺はこれでターンエンド、ビックベン―Kの守備力は元に戻る。」

 

 ビックベン―K DEF2700→3500

 

「うぅ・・・余計なダメージ喰らっちまったぜ・・・」

 

「このデュエル、無駄に動いたほうが負けとなるのよ。」

 

「へっ!ほざけ!俺のターン、ドローだ!

 よし、俺はX―セイバー パロムロを召喚!」

 

 パロムロ ATK200

 

 刃の前に出現するオオトカゲのモンスター

 その攻撃力は200と貧弱だが、このモンスターこそが刃の逆転への布石の1枚となる

 

「トラップカード発動、ガトムズの緊急指令!

 フィールド上にX―セイバーモンスターが居るとき、墓地のXセイバーを2体まで復活させる

 戻ってこい!X―セイバー ソウザ!!XX(ダブルエックス)―セイバー レイジグラ!!」

 

ソウザ「はははっ!」

   ATK2500

 

 レイジグラ DEF1000

 

「ならば、俺はガトムズの緊急指令にチェーンして手札の増殖するGを捨てその効果を発動

 このターン、相手がモンスターを特殊召喚するたびに俺は1枚ドローする

 ガトムズの緊急指令の効果により、モンスターが特殊召喚されたことで1枚ドロー!!」

 

「なにー!?」

 

 剣の墓場に無数に蠢く黒い影

 観戦席では少女たちの悲鳴が木霊し、少年の目が鋭くなるがデュエルに集中している2人には意識の外だ

 

「まさか、そのカードを使おうとする奴がいるとは思わなかったぜ・・・」

 

「俺は求道者よ

 高みへ上る為ならば、泥にまみれようが、蛇蝎のごとく嫌われようが構わん

 ただ俺は自分とデッキを信じて戦うのみだ!」

 

「はっ!だったらそのデッキごと切り裂いてやるぜ!

 特殊召喚したレイジグラの効果により、墓地のフォルトロールを手札へ

 自分フィールド上にX―セイバーが2体以上いることにより、フォルトロールを特殊召喚!」

 

フォルトロール「ふん!」

       ATK2400

 

「さらにその効果でチューナーモンスター、X―セイバー エアベルンを特殊召喚!」

 

エアベルン「ガオオオォォォン!」

     ATK1600

 

「俺はレベル6のフォルトロールにレベル3のエアベルンをチューニング!

 白銀の鎧、輝かせ、刃向う者の希望を砕け!シンクロ召喚!

 再びいでよ、レベル9!XX―セイバー ガトムズ!!」

 

ガトムズ「ハッ!」

    ATK3100

 

「増殖するGの効果により合計3枚のカードをドロー!」

 

「忘れちゃいねぇよな?

 ガトムズとフォルトロール、レイジグラのコンボはてめぇの手札が尽きるまで続く

 つまり!てめぇの手札がなくなんねぇなら、デッキがなくなるまで付き合ってもらうぜ!

 ガトムズの効果でレイジグラをリリースし、てめぇの手札を1枚捨てる

 そして、フォルトロールを特殊召喚し、その効果でレイジグラを復活!

 墓地のフォルトロールを手札に加えるぜ」

 

 フォルトロール ATK2400

 レイジグラ   DEF1000

 

「特殊召喚が2回行われたことにより、デッキから2枚ドロー」

 

「ガトムズの効果発動、レイジグラとフォルトロールをリリースしてカードを2枚捨てさせる

 フォルトロール、レイジグラを特殊召喚し墓地のフォルトロールを手札へ」

 

 フォルトロール ATK2400

 レイジグラ   DEF1000

 

「ガトムズの効果でレイジグラとフォルトロールをリリース!」

 

ガトムズ「ハアアァァァ!!」

 

 ガトムズは何度でも仲間の魂の篭った一撃を打ち続ける

 主の為、献身してくれる仲間の為に

 

「フォルトロールを特殊召喚、その効果で墓地のレイジグラを選択し」

 

「ならばその効果にチェーンし、手札のD.D.クロウの効果を発動

 このカードを手札から墓地へ捨て、相手の墓地のカードを1枚選択し、それを除外する

 俺はレイジグラを除外する、そして、フォルトロールの特殊召喚により1枚ドローさせてもらったぞ」

 

「な、なにー!?」

 

 気の遠くなるほど続くと思われていた剣技は突然、異次元より来襲した鴉によって止められた

 仲間を異次元へと追放され、拳を握りしめるガトムズだったが、その肩にソウザの手が置かれる

 その後ろではフォルトロールが分かっていると、その身をソウザの前に晒した

 

「だったらこうだ!ソウザの効果でフォルトロールをリリース!

 ソウザに破壊効果を付けるぜ

 さらにフォルトロールを特殊召喚し、その効果でダークソウルを特殊召喚!」

 

 フォルトロール ATK2400

 ダークソウル  DEF100

 

「特殊召喚により俺はさらに2枚ドロー」

 

「だがそいつも早速墓地送りになってもらうぜ!

 ガトムズの効果発動!フォルトロール、ダークソウル、パロムロをリリース

 てめぇの手札5枚の内3枚を刈り取ってやるぜ!」

 

 ガトムズは振るう、仲間の魂の一撃を、先人が道を開くための手助けになるようにと

 そして、主人である刃も相手の出方に備え竹刀を振るいアクションカードを手にする

 

「バトルだ!

 ソウザでビックベン―Kに攻撃!!

 さらにアクションマジック、エクストリーム・ソードの効果で攻撃力を1000アップ

 破壊耐性付けてもこれで反射ダメージはねぇぜ!」

 

ソウザ「ははああぁぁ!!」

   ATK2500→3500

 

 ソウザも主人の後押しを受けて思う存分剣を振るう

 ビックベン―Kは先ほどと同じく、迎撃するがソウザの剣技に押し負け破壊される

 

「はっ!手札に防げるモンスターはいなかったみたいだな

 だったらこの一撃で終わっちまいな!ガトムズでダイレクトアタックだー!!」

 

「俺は墓地のクリアクリボーと超重武者グロウ―Vの効果を発動!」

 

「来やがったか!!」

 

「相手のダイレクトアタック宣言時、墓地のこれらのカードを除外し効果を発動する

 グロウ―Vはデッキトップが超重武者だった場合、それを手札に加え、攻撃モンスターの攻撃力を0にする

 そしてクリアクリボーはドローしたカードがモンスターだった場合

 その場で特殊召喚し、攻撃モンスターと強制戦闘させる!」

 

「んなもん、何度も当たっかよ!!やっちまえ、ガトムズ!!」

 

 ガトムズは剣を構え突き進む、主の勝利をこの剣に誓うと

 

ガトムズ「ウオオオォォォォォォォ!!」

 

「当たる?なんのことだ

 このデッキは俺の覚悟の証だ!引くカードはモンスター以外ありえん!!

 ドロオオオォォォォォォ!!」

 

 権現坂のドローによって振りかぶられた腕がガトムズの横凪に払われた大剣を捉える

 本物ならばその手は大剣によって切り裂かれてしまうだろう

 ソリットビジョンでも怪我をしかねない行為だ

 

 だが、その漢は普通じゃなかった

 

――バキイィィィン

 

 響く破砕音、その後に続く甲高い金属音

 

「俺はグロウ―Vの効果でデッキトップのカードだった超重武者カゲボウ―Cを手札に加え、ガトムズの攻撃力を0にする!」

 

 ガトムズの大剣は根元から叩き折られていた

 

 ガトムズ ATK3100→0

 

「なっ!?」

 

 驚愕で固まるガトムズと刃、そして権現坂の背後には山のような巨大な威圧を持つ鋼の巨漢がガトムズに影を落としていた

 

 ビックベン―K DEF3500

 

「動かざること山の如し、我が心揺れることなく不動なり!!」

 

 ビックベン―Kは剣のおられた重戦士にバーニアを吹かし突撃し、その白銀の鎧に鋼の拳を叩きつけ、その余波が刃の下に暴風となって襲い掛かる

 

≪俺の墓地に魔法、罠カードがないとき≫

 

≪このデッキは俺の覚悟の証だ!引くカードはモンスター以外ありえん!!≫

 

「そうか、そういうことかよ・・・」

 

 荒れ狂う衝撃が迫る中、刃は考えていた、相手がどんなイカレた奴だったかを

 

「フルモンデッキかよ、一番イカれてるぜ、お前・・・」

 LP2000→0


「だー!!負けた負けたー!

 全力出して負けたのなんて久しぶりだぜ」

 

 刃は緊張の糸が切れたのか上を向いて大声を上げる

 だがその表情は、とても晴れやかな物だ

 

「うむ、俺も全力を出せた、いいデュエルであった!

 されど、互いにまだ道半ばの身、精進し、また戦い合おうではないか」

 

 権現坂はそう言い手を差し出す

 刃もそれに素直に応じ、強く握りしめあう

 

「はっ!次はそのでかい顔を大泣きさせてやるぜ!」

 

「おぉ!ならば、俺も刃殿とのデュエルで新たな不動の境地への光明が見えた

 次に会うときは刃殿が泣けるほどの強さを手にして見せようぞ!」

 

 互いに称え合い、再戦の約束をする刃と権現坂だったが、その様子を見て心をかき乱す者もいた

 

(なんてこと・・・LDSのエースが全敗・・・

 これほどのデュエリストが敵と手を組んだら、いや、敵の下にすでに居たらこの世界は・・・)

 

 赤馬日美香は考え恐怖する

 目の前にいるデュエリストたちの様な存在が敵に居たらと

 それは、自分たちでは対処できないものであることを目の前の結果が物語っている

 

(どうすればいいの?

 榊遊矢を取り込む?いや、零児さんは御せる存在ではないと言っていたわ

 人質や取引をしても、反感を買うだけ・・・あぁ、一体どうすれば・・・)

 

 取り乱しそうになる日美香の肩に手が置かれる

 彼女が振り向くとそこには彼女が唯一信頼できる息子がそこに居た

 

「安心してください、母様、次は私自身が出ます。」

 

「あぁ、零児・・・さん・・・」

 

 泣き崩れそうになる日美香を抱いて、零児は遊矢を見つめる

 そして、遊矢もまた零児を見据え、2人の視線は交差した




お前、何時入ってきたの?

最初から見ていたが?

修三さーん、日美香理事長が来たとき彼居た?

いや、黒服の大男ならいたが彼はいなかったぞ

そうですか、ということは不法侵入・・・
もしもし、ポリスメン?

待て!!
次回 遊戯王ARC-V Rーe:birth
『異次元の王と虹彩の竜』

・・町の遊勝塾なんですけど

だから、待てと言っている!!

「CC」カード群の効果について

  • 制作したものをそのまま使用
  • 後付け効果を削除
  • メインに入るカードの後付け効果のみを削除
  • EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
  • 完全にアニメカードそのまま

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