遊戯王ARC-V Rーe:birth   作:深海の破壊大帝

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セレナVS遊矢だと思った?残念、勲章おじさんだよ

というか、予定的に勲章おじさんのデュエルここぐらいしかできなそう・・・
デッキに関してはさすがに彼のカードはOCG化はしなさそうなので最初は獣戦士×機械族のデッキにしようとしたんですが、融合と関係なくなってしまったので大幅変更しました(そして、勲章とも関係なくなった)

非力な私を許してくれ


アカデミアから来た少女

「ふぅ~」

 

 ハートランド、エクシーズ次元の都市を模したアクションフィールドを使っての榊 遊矢へのカマ掛けは失敗に終わったと言ってもいいだろう

 アカデミアと関わりがあるのならばもっと動揺するなりしても良い筈だ

 しかし、アクションカードをあのような使い方をするとは・・・

 

「デッキ破壊か、盲点だったな」

 

「あぁ、ライフを削るではなくデッキを削るか、しかもそれを相手に悟らせまいとするとは・・・」

 

 エクシーズの人間にも彼のデュエルは刺激が強い様だ

 私はデュエリストがフィールドを破壊しながらデュエルをする、第一試合の時点で頭が痛くなったが

 

「あ、あの社長・・・」

 

「どうした、中島?」

 

「解析班からなのですが・・・

 計器の誤作動か、会場内に同一人物が2人居るとの報告が上がっていまして・・・」

 

「なに?

 会場内に設置されたシステムは双子であろうと、判別できるものだぞ?」

 

「はい、それがその同一人物と判断された人物が榊 遊矢と同じ遊勝塾に所属する柊 柚子でして」

 

「「「なに!!?」」」

 

 中島からの報告に私とユートと黒咲の声が合わさる

 

「すぐモニターに映せ!!」

 

「は、はい!!」

 

 映し出されるモニターに2通りの映像が浮かび上がる

 一つは観客席で家族や塾生たちに囲まれ榊 遊矢を応援する少女、こちらは柊 柚子本人で間違いない

 

 そして、もう一つはスタジアムの観客席入り口に立つ、腕に星の描かれたコートを着た、見るからに怪しい人物

 目深に被ったフードから垣間見えるのは青っぽい髪、そして一瞬カメラが捉えた翡翠の様な瞳

 その瞳を見た私の記憶に浮かび上がるのは一人の少女の名

 

「瑠璃!?」

 

「いや」

 

「・・・セレナ」


「いや~うまくいってよかった

 まったく、沢渡の奴とデュエルするときは初見の戦術じゃないと対策されるからEM(エンタメイト)だけじゃ、ネタ切れしそうだ

 次は何しようか・・・」

 

 試合が終わり、選手控室から観客席に行く為に通らないといけない関係者駐車場を進む俺だったが、背後に気配を感じて振り返る

 まぁ、だいたい察しはついている

 

「って、悠長にしていられたらよかったんだけどな、ミエル?」

 

「お久しぶりですわ、我がマジェスティ

 まずは大会2回戦突破を祝福させていただきます。」

 

「社交辞令はいい、本題を話してくれないか?

 これでも結構焦っているんだ。」

 

 遊戯王ZEXALにてメインの舞台となった街、ハートランド

 ARC―Ⅴにもエクシーズ次元に存在する都市として登場したが、アカデミアの侵攻によって崩壊した

 そう、素良が所属するであろうアカデミアによって・・・

 

「これは失礼しましたわ

 では早速、新たな運命の流れを感じましたのでご報告に」

 

「はぁ~やっぱりな、で、内容は?」

 

「器無き世界に月が昇るとき、地獄の門は開かれ、蟲が荒れ狂い、亡者に取りつかれた幽鬼が彷徨い歩く

 されど、陽より落とされし炎がそれを打ち払う。」

 

「なんだ?いつも以上に抽象的だな、聖書の一節か?」

 

「貴方様の覇道は、きっとそれよりも輝かしいものになりますわ。」

 

 だめだ、いまいち話がかみ合っていない

 月、というのはあの駄犬の事だろうけど、蟲?禿の側近の事か?あいつがアカデミアから出てくるとは思えないけど

 それに幽鬼というのは誰の事だ?

 紫キャベツじゃないよな、あいつに彷徨われたら俺じゃ対処するのは難しい

 

『見つけたぞ!!』

 

「!?」

 

 薄暗い駐車場に響く少女の声

 馬鹿な!?彼女はユースの魔導の人の所に行っているはず!?

 

 慌てて駆け寄ってくる足音

 ほどなくして現れたのは全身をすっぽり覆う青いコートを身に纏った明らかな不審者、腕の所にだけ黄色い星の図柄が描かれているのがやけに目立つ

 

「さぁ!私とデュエルだ!!覚悟しろ!!」

 

 バサッと行きよいよく投げ捨てられるコート

 揺れる黄色い大きなリボンとそれでポニーテールにした青紫の髪

 勝気そうな顔は柚子に似て、その眼にはめ込まれた翡翠の瞳が俺を睨んでいる

 

「私はセレナ!キサマを倒す戦士の名だ!覚えておけ!!」

 

 『セレナ』融合次元のデュエリストにして、赤馬零王の娘『レイ』の分け身の一人

 何でだよ!?俺はさっきのデュエルで1回もエクシーズ使って無いぞ!

 

「おやおや、勝気な御嬢さんだ

 生憎、今は急いでいてね、後日じゃ駄目かな?」

 

「少年、そう言わずセレナ様の相手をしてくれないか?」

 

 今度聞こえたのは渋い男性の声

 振り向くとそこには屈強な肉体をした傷だらけの男、顔の半分はやけどの跡があり左目は眼帯で塞がっている

 ちなみに背後に居たはずのミエルはすでに消失している

 

「挟み撃ちってわけか・・・でも、今は普段使いのデッキを持ってなくてね。

 全力での勝負を望むのなら、待ってほしいのだが?」

 

「なに?さっきの奴とのデッキがキサマの全力ではないのか?」

 

「今持っているのはあいつ専用の特注品さ

 君とのデュエルには向かないと思うし、アクションデュエル用の構築をしているんでね。」

 

「う~む、それならば仕方ないか・・・」

 

 よしよし、今持っているデッキは沢渡用のデッキなのは本当だし、相手するにしても調整の時間が欲しい

 出来るならこのまま交渉してうやむやにしたい所だ

 

「セレナ様、あまり悠長にしていると追手が来てしまいますよ?

 プロフェッサーはすでに、貴女が抜け出していることに気付いているでしょうし」

 

「ぬっ!それはまずいな・・・えぇい!

 キサマ!四の五の言わずに私と戦え!!

 お前ほどの戦士ならば、そのデッキでも私と戦えないとは言わせないぞ!」

 

 くそ、勲章おじさんめ、余計な事を!

 たしかにこのデッキならセレナの相手をしてやれないことはないが、あまりにも時間がかかりすぎる!

 

「セレナ様と戦うのが嫌というのであれば、私と相手をしてもらおうか?」

 

 お前はもっと駄目だよ!

 

「控えろバレット!こいつの相手をするのは私だ!!」

 

「やれやれ人気者はつらいね・・・」

 

 柚子の試合は第二スタジアムで次の次

 つまり、まだ素良の近くに柚子が居る

 エクシーズ次元の人間がこのスタンダードに紛れていることに気付いただろうから、それをアカデミアに報告されるついでに柚子を攫ってこいと言われたら、まずい

 此処でセレナを確保する手もあるけど、強制転送されたら目にも当てられない

 

「でも、今は本当に急いでいるんだ。

 君との相手は今度にさせてもらう、よっと!」

 

 俺は走る、今この場と外を繋げている、唯一の場所、窓へと

 

「なっ!?待て!!」

 

「待てと言われて待つ奴はいないんだよ!Ciao~」


「離せー!!」

 

「おやめください、セレナ様!さすがに無理です!!ここは三階ですよ!!」

 

 セレナの足取りを監視カメラを追って来てみれば、何だこれは・・・?

 

「奴は飛び降りたじゃないか!!なら私も出来る!!」

 

 なぜか、窓枠に手をかけて大暴れしているセレナと

 

「壁を蹴って、衝撃を和らげるなんて芸当が貴女にできるわけがないでしょう!?

 素直に階段で追いましょう!!」

 

 それを諌める大男

 

「そこで何をしている?」

 

「むっ!?しまった、騒ぎ過ぎたか!」

 

 私に気付いたセレナは、窓から降りるとこちらに警戒心むき出しで睨んでくる

 

「此処はひとまず逃げましょう、セレナ様」

 

「うむ、奴をとっとと追わないといけないからな!」

 

「待つんだ、セレナ!」

 

 逃げようと、いや誰かを追おうとしている2人を止めるため声をかける

 いきなり名前を呼ばれたためか彼女は足を止め振り返る

 

「キサマ、何故私の名を?」

 

「私は赤馬 零児、赤馬 零王の息子だ。

 覚えていないか?私は以前、君と会っている。

 融合次元のアカデミアで・・・」

 

「・・・・・・・・・・・あっ!3年前、アカデミアに侵入をしたけど、すぐにプロフェッサーにどこかに飛ばされた男!!」

 

 その通りだが、どういう覚え方をしているんだ・・・

 

「君は赤馬 零王に最も目をかけられているデュエリストだった

 その君が我々の世界に現れた、何を目的に?

 赤馬 零王にその腕を見込まれ、侵略の尖兵として送り込まれたか?」

 

「赤馬 零王など関係ない!

 私は自分の意志で、この世界に来た!この世界で一番強い奴とデュエルをするためにな!

 それに侵略とは聞き捨てならないことを!

 いいだろう!邪魔立てをするというのであれば、先にキサマの相手をしてやる!!」

 

 ディスクを構えようとするセレナ、だがそれを制し大男が私と彼女の間に割って入る

 

「バレット!?」

 

「貴女に降りかかる火の粉を払うのが、私の使命

 行ってくださいセレナ様、しばしの自由をお楽しみください」

 

「バレット・・・すまん、恩に着る!」

 

 バレットと呼ばれた大男を背にしてセレナが駆けてゆく、仕方がない

 

「此処を封鎖しろ、こちらから連絡を入れるまで誰も入れるな。」

 

『かしこまりました、社長』

 

「私などを封じ込めていいのか?

 セレナ様ならば、あちらこちらで暴れかねんぞ?」

 

「問題ない、あちらにも人員を向かわせている

 それに、お前にもいろいろと聞きたいことがある。」

 

「私には何も話すことはない」

 

「ならば、デュエルで聞き出すまで」

 

『『決闘(デュエル)!』』

 

「先んずれば人を制す!私が先攻だ!

 私はマジックカード、闇の誘惑を発動

 デッキから2枚をドローし、その後、闇属性モンスター1体を手札から除外する

 除外できない場合は手札が全て墓地へ送られる

 私はデッキから2枚ドローし、闇属性モンスター、サイバー・ウロボロスを除外

 

 さらにサイバー・ウロボロスが除外されたことにより効果発動

 手札1枚を墓地に送ることで、デッキから1枚ドローする。

 

 そして、墓地に存在するヴォルカニック・バレットの効果発動

 私のライフを500払い、デッキからヴォルカニック・バレット1枚を手札に加える!」

 LP4000→3500

 

 1枚のマジックカードからの連鎖的な効果の発動

 やはり、実戦経験は豊富らしいな

 

「まだ終わらん

 手札より速攻魔法、手札断殺を発動

 互いのプレイヤーは手札を2枚捨て、2枚ドローする。

 私はサイバー・ウロボロスとヴォルカニック・バレットを捨て2枚ドロー!」

 

「では私もDDネクロ・スライムとDDゴーストを捨て2枚ドローさせてもらおう。」

 

「墓地の2枚目のヴォルカニック・バレットの効果を発動し、ライフを500支払い、3枚目のヴォルカニック・バレットを手札に加える。

 手札より、ヴォルカニック・ロケットを通常召喚!」

 LP3500→3000

 

 ヴォルカニック・ロケット ATK1900

 

 相手の場に炎球が発生し、そこから生まれ出る骨の様な外骨格を持つモンスター

 その姿は名に有る通り、ロケットを生物にしたようだ

 

「このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚に成功した時、自分のデッキ、墓地からブレイズ・キャノンと名の付いたカードを手札に加えることが出来る

 私はデッキからブレイズ・キャノン・マガジンを手札に加える。」

 

 モンスターを召喚しても手札を減らさないか・・・奴も融合次元の人間であるならば、そろそろ

 

「フィールド魔法、フュージョン・ゲートを発動

 このカードは手札、フィールドから融合素材モンスターを除外することで、融合召喚が可能となる!」

 

 やはりな

 

「私は手札の異次元の哨戒機とフィールドのヴォルカニック・ロケットを除外し融合!

 飛翔する炎禍よ、異界の番人と交じり合いて、新たな災魔となって襲撃せよ!融合召喚!

 現れ出でよ!重爆撃禽 ボム・フェネクス!!」

 

ボム・フェネクス「キュオオオォォォォォォ!!」

        ATK2800

 

 現れたのは高めの駐車場の天井に届くかと言う程の巨大な炎の鳥

 胴には人の顔に見えるものがあり、その炎の翼はこの場の壁や柱を焼いている、まさにその様は災魔に相応しい

 この駐車場に車が少なくて助かったな、こんなモンスターならば近くに車があったら燃料に引火して大爆発が起きていたであろう

 

「永続魔法、星邪の神喰を発動し手札を2枚伏せる

 この瞬間、私はボム・フェネクスの効果を発動する

 ボム・フェネクスは1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に、このカードの攻撃権を放棄しフィールドに存在するカード1枚に付き、相手ライフに300ポイントのダメージを与える!不死魔鳥大空襲(フェネックス・ビッグ・エアレイド)!!」

 

「ぐうぅ・・・」

 LP4000→2500

 

 ボム・フェネクスより放たれた5つの炎の礫が私に襲い掛かる

 全身を炎に包まれ、肌が焦げる感覚が襲い掛かるが

 

「この程度は想定の内

 私は手札のDDD反骨王レオニダスの効果を発動

 自分が効果ダメージを受けたとき、このカードを手札から特殊召喚し、受けたダメージの数値だけ自分のライフポイントを回復する

 現れよ!巨悪に反逆する屈強なる王!DDD反骨王レオニダス!!」

 LP2500→4000

 

反骨王レオニダス「ウオオォォォォォ!!ハッ!!」

        ATK2600

 

 私の炎を吹き飛ばし、雄叫びと共に現れる黄金の鎧に身を包んだ屈強なる王、レオニダス

 だが、このモンスターの真価はこれだけではない

 

「反骨王レオニダスがモンスターゾーンに存在する限り、私が受ける効果ダメージは0となる。」

 

「なに!?くっ、ならば私はエンドフェイズに入る

 このエンドフェイズに除外された異次元の哨戒機の効果発動

 このカードは除外されたターンのエンドフェイズ時に私の手札、フィールド、墓地のカードを1枚除外することで攻撃表示で特殊召喚する事が出来る

 私は墓地のサイバー・ウロボロスを除外し異次元の哨戒機を特殊召喚!」

 

 異次元の哨戒機 ATK1200

 

 攻撃力1200程度のモンスターを攻撃表示でわざわざ特殊召喚した、誘っているのか?

 

「そして、除外されたウロボロスの効果と、自分の墓地のモンスターが1体のみ除外されたことにより永続魔法、星邪の神喰の効果が発動する

 デッキから除外されたモンスターと異なる属性のモンスター1体をデッキから墓地へと送る

 サイバー・ウロボロスは闇属性、よって炎属性のヴォルカニック・カウンターを墓地へ

 ウロボロスの効果で手札のヴォルカニック・バレットを捨て1枚ドロー

 私のターンはこれで終了だ。」

 

 最後のヴォルカニック・バレットが墓地へと送られたことにより手札の情報アドバンテージはなくなったか

 1ターン目から効果ダメージで削りに来て、攻撃を誘いつつ墓地にカウンター用の罠を仕掛けるとは、堅実なデュエルをする男だ

 

「私のターン、ドロー

 私は速攻魔法、魔力の泉を発動、このカードの効果により相手のマジック、トラップカードは次の相手ターン終了時まで破壊されず、発動と効果を無効に出来ない」

 

「ほう、そのようなリスクを冒してまでのカードとは」

 

「もちろん、それだけのリターンはある

 相手の表側表示のマジック、トラップカードの数だけ私はドローし、その後、私のフィールドの表側表示のマジック、トラップカードの数だけ手札を選んで捨てる

 相手の場にはフュージョン・ゲートと星邪の神喰の2枚、私のフィールドには魔力の泉1枚だけ、よって2枚ドローし、手札を1枚、DDリリスを捨てる。

 

 さらに永続魔法、異形神の契約書を発動

 このカードは自分のスタンバイフェイズ毎に私に2000ポイントのダメージを与える」

 

「自らダメージを?」

 

 嫌な予感を覚えたのか、男の表情がゆがむ

 伏せカードの1枚はヴォルカニック・ロケットの効果で手札に加えたブレイズ・キャノン・マガジンだとして、もう1枚はマジック、トラップの除去系ではないようだな

 

「それと引き換えに1ターンに1度ずつ、私のフィールド上にエクストラデッキから各召喚法を使ったDDDモンスターを特殊召喚した場合、効果を発動できる

 

 私は墓地のDDネクロ・スライムの効果を発動

 このカードと他の融合素材モンスターを墓地から除外することで、DDD融合モンスターを融合召喚する!DDネクロ・スライムとDDゴーストを墓地から除外

 闇に蠢く亡霊よ、自在に形を変える神秘の渦よ、冥府によりて融け合い、今一つとなりて新たな王として生まれ変わらん!融合召喚!

 生誕せよ!DDD烈火王テムジン!」

 

烈火王テムジン「ハッ!」

       ATK2000

 

 炎を纏う赤き王、烈火王テムジン

 私に炎を浴びせたことを後悔させてやろう

 

「墓地融合、それもモンスターのみでやってのけるとはな

 なるほど、この次元のデュエリストは手強いらしい」

 

「この程度で驚かれては困る

 異形神の契約書の効果、融合モンスターを特殊召喚したことにより、私のライフが1000ポイント回復する。

 さらに除外されたDDゴーストの効果により、このDDゴースト以外の除外されているDDモンスターまたは契約書カードを墓地へと戻す

 私はネクロ・スライムを再び墓地へと戻す。」

 LP4000→5000

 

(私のカードで墓地に送ったカードを利用し融合モンスターを出すとは

 この青年、プロフェッサーの息子と言っていたが、そうなるとプロフェッサーは元々この次元の人間だったという事か?)

 

「さらに私はスケール1のDDD運命王ゼロ・ラプラスとスケール5のDDD壊薙王アビス・ラグナロクをペンデュラムスケールにセッティング!」

 

 私を挟むようにして光の柱が立ち上り、その中に計器や骨などで作られた悪魔の頭と王座に座った深淵の王が浮かび上がる

 

「なっ!?モンスターをマジック、トラップスロットに置くだと!?」

 

「ほう、やはりペンデュラム召喚は他の次元にはないようだな?」

 

「ペンデュラムだと?」

 

「ならばとくと見るがいい!

 設置されたスケールは1と5これにより、私は1ターンに1度、レベル2から4の手札のモンスターまたはエクストラデッキの表側表示ペンデュラムモンスターを同時に特殊召喚出来る

 

 我が魂揺らす大いなる力よ、この身に宿りて、闇を引き裂く新たな光となれ!ペンデュラム召喚!

 手札より出現せよ!レベル4、DDバフォメット!」

 

DDバフォメット「グワアアァァ!」

        DEF1800

 

 光と共に飛来する様々な生物が歪に歪み合わさった様な悪魔、これで

 

「烈火王テムジンの効果が発動する

 烈火王テムジンは1ターンに1度、DDモンスターが特殊召喚された場合、墓地のDDモンスター1体を特殊召喚する事が出来る

 冥府より湧き立て、DDネクロ・スライム!」

 

 DDネクロ・スライム DEF300

 

 赤紫の粘液が湧き、それが一部硬化して髑髏の様に固まる

 伏せカード1枚が不明だが、まずは奴の罠を先に潰すとしよう

 

「DDバフォメットの効果発動

 1ターンに1度、DDバフォメット以外のDDモンスターのレベルを1~8までの任意の数値に変更する。

 私はDDネクロ・スライムのレベルを1から4へと変更」

 

 DDネクロ・スライム LV1→4

 

「レベル4のモンスターが2体、これはまさか!?」

 

「そうだ!私はレベル4のDDバフォメットとDDネクロ・スライムでオーバーレイネットワークを構築!

 この世の全てを統べるため、今、世界の頂に君臨せよ!エクシーズ召喚!!

 生誕せよ、ランク4、DDD怒濤王シーザー!」

 

怒濤王シーザー「ウオオオォォォォォ!!」

       ATK2400 ORU2

 

「ペンデュラムから更にエクシーズだと!?

 まさかお前はすべての召喚法が使えるというのか!?」

 

「そのまさかだ、異形神の契約書の効果!

 エクシーズモンスターを特殊召喚したことにより、互いのフィールドか墓地のカードを1枚除外する

 私が除外するのは貴様の墓地のヴォルカニック・カウンターだ。」

 

 シーザーが大剣を突き立てると相手のフィールドに水柱が立ち、黄金の甲殻に覆われた四足歩行の獣の様なモンスターがそれに巻き込まれ、どこかに消えて行った

 

「ぬぅ・・・星邪の浸食の効果により、デッキから闇属性の異次元の偵察機を墓地に送る。」

(ヴォルカニック・カウンターは戦闘ダメージを受けたとき、墓地に他の炎属性が居る場合、自身を除外することで受けた戦闘ダメージ分の効果ダメージを相手に与えるカード・・・

 この次元のデュエリストならば、あの2人の渇きを癒せるかもしれない。)


 私は世界を転々とする傭兵部隊の一員だった

 が、あるとき、戦場は変わった

 リアルソリッドビジョンというものが出現し、カード1枚でどんな兵器よりも強力なモンスターを呼び寄せることが出来るようになった

 たかが紙切れ一枚で高価な地雷をもしのぐ爆弾を仕掛けられたのだ

 そして、私は、そのカードによって左目と戦場で生きる力を失った

 

「セレナ様、今日からあなたの監視役となる、バレットでございます。」

 

 戦場を失った私はそれでも戦いの場を求め、デュエル戦士を育て上げる養成校、デュエルアカデミアに身を寄せた

 デュエル戦士を養成し、戦場に送り出す此処でならば、戦果を上げれば新たな戦場へと舞い戻ることが出来ると

 

「よろしくお願いします。」

 

 だが、そこで私に言い渡されたのは少女の監視だった

 私は落胆した、このような何も力を持たない少女の監視など、戦場とはほど遠いものだと、この身が朽ちる場所には行けないのだと

 案内役が去り、不機嫌そうな少女が私に初めてかけた言葉が

 

「お前は強いのか?」

 

「えっ?」

 

「ならば私とデュエルしろ!」

 

 訳も判らず、デュエルをせがまれた

 そして彼女は強かった、ロック戦術でいくら縛られようと、決して諦めず挑みかかってきた

 

「お前なかなかやるな!だが勝つのは私だー!!」

 

 そして、私は負けた

 それからというもの、彼女に振り回された

 屋敷の敷地を抜け出すことなど序の口で、時にはアカデミア生とデュエルをしていることもあった

 そして、しばらく経ち彼女に無理やり連れてこられたのは、兵士を育てている場所には似つかわしくない無数の花が咲き誇る庭園

 

「紹介しよう!私の新しい監視役のバレットだ、中々に強いぞ!」

 

 庭園に居たのは一人の少年、紫の髪ににやけた表情

 私の戦士の勘が警鐘を鳴らす、この少年は危険だと

 

「へぇ~結構強いんだ、君に勝ったのかな?」

 

「何を言う!私が負けるわけないだろう!」

 

「じゃあ、セレナより弱いんだ、つまらなーい」

 

「ぬぅ!ほらバレット、キサマこうも言われて悔しくないのか!

 あいつの鼻を明かしてやれ!」

 

 確かに子供の言葉とはいえ侮辱されたのはいささか腹が立つ、少女の言葉に便乗して少年に挑むことにした

 

「へぇ~いいよ、ちょっとは僕を楽しませてよね!」

 

 やはりと言うべきか私は少年に大敗した

 狂気、いや戦いそのものを純粋に喜んでいると言っていいだろう

 

「はぁ~やっぱり弱かったね。

 でも、おじさん、僕のこと怖くないのかい?」

 

「はっ?」

 

 怖くないかだと、確かに危険な性質をしているとは思ったが、ここは戦士を養成する場所だ

 そして私は戦場を求め此処に来たのだ、その程度の事で怖がってなどいられない

 

「まぁ、及第点ってところかな?

 でもさぁ~ちょっと消化不良になっちゃったから付き合ってくれないかい、セレナ?」

 

「おぉ!いいぞ!見ていろバレット、私の戦いを!」

 

 それから行われた2人のデュエルは凄まじかった

 互いの本能とプライドがぶつかるギリギリの戦い、死に場所を求めてさまよう私とはかけ離れた精力ある姿に私は魅せられていた、そして思ったのだ

 

「はははっ!やっぱり、セレナは最高だよ!

 僕の強さを怖がる奴らと全然違う!」

 

 悪意と欲望が渦巻くこのアカデミアで、その強さゆえにつながりに餓える孤独な少年と

 

「当たり前だ!私とお前は『らいばる』とか言う奴らしいからな!」

 

 自由を求める少女のそばが私の戦場だと


「バトルだ!」

 

「させぬ!バトルフェイズに移行する前に永続トラップ発動!ブレイズ・キャノン・マガジン!

 お互いのメインフェイズに手札のヴォルカニックカードを墓地に送り、デッキから1枚ドローする。」

 

「このタイミングでドロー効果だと?」

 

「これで終わりではない

 墓地へ送られたヴォルカニック・バックショットの効果により、お前は500ポイントのダメージを受ける。」

 

「無駄だ。

 レオニダスが存在する限り、私への効果ダメージはゼロだ。」

 

「それはどうだろうな

 ヴォルカニック・バックショットのさらなる効果

 デッキ、手札よりヴォルカニック・バックショットを2枚墓地に送り、相手フィールドの全てのモンスターを破壊する、砕け散れ!!」

 

「シーザーの効果発動・・・」

 

 怒濤王シーザー ORU2→1

 

 カードから銀色に輝く、3つの銃口が現れ炎を纏う3つ首のトカゲの様なモンスターが弾丸の様に発射され、三体の王たちを駆逐してゆき、零児にも火の粉が飛ぶ

 

「これでレオニダスの効果は消えた、新たに墓地に送られたヴォルカニック・バックショット2体分の効果を受けろ!」

 

「ぐぅ・・・シーザーがフィールドから墓地に送られたことにより、デッキから契約書を1枚手札に加える。

 私は魔神王の契約書を手札に加える。」

 LP5000→4500→4000

 

「これで貴様のモンスターは消えた、バトルは出来まい。」

 

「いや、私はこのままバトルフェイズへ移行する。」

 

「なんだと!?」

 

「このバトルフェイズ終了時、怒濤王シーザーのモンスター効果により、このターンに破壊された私のモンスターを墓地より可能な限り、特殊召喚する。

 舞い戻れ、烈火王テムジン!怒濤王シーザー!」

 

烈火王テムジン「ハッ!」

       DEF1500

 

怒濤王シーザー「フンッ!」

       DEF1200

 

「だが、その代償に次のスタンバイフェイズに、私はこの効果で特殊召喚したモンスター1体に付き1000ポイントのダメージを受ける。」

 

「ほう、自らのライフと引き換えにモンスターを残したか、勲章ものだな。

 だがそれが自分の首を絞めたと思い知れ!

 速攻魔法、瞬間融合を発動、このカードはフィールドのモンスターを使い融合召喚を行う!

 

 私は炎族のボム・フェネクスと機械族の異次元の哨戒機を融合!

 飛翔する炎の災魔よ、異界の番人と交じり合い、破壊の災魔となり現れ出でよ!融合召喚!!

 来い、起爆獣ヴァルカノン!」

 

ヴァルカノン「ギャオオオォォォォォ!!」

      ATK2300

 

「私のターンで融合召喚を行うとは・・・」

 

「起爆獣ヴァルカノンの効果発動

 このモンスターが融合召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター1体とこのカードを破壊し墓地に送る。

 そして、相手に墓地へ送られた相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える!

 共に砕けよ!怒濤王シーザーを破壊する!」

 

 犀の様な頭部を持つ全身を重火器で武装した機械獣、ヴァルカノンがシーザーへ組み付き拘束する

 そしてその尻尾の導火線が燃え尽きると2体は爆発を起こし零児へ向かって破片が飛ぶ

 

「ぐわああぁぁぁ!!」

 LP4000→1600

 

「これで次のスタンバイフェイズに貴様は2000ポイントのダメージを負うことになる。

 今ならば、サレンダーを認めてやろう

 そして、何処へなりと消えるがいい」

 

「・・・ふざけるな。」

 

「!!」

 

「貴様程度の奴に・・・私は負けていられぬ!

 ゼロ・ラプラスのペンデュラム効果発動!

 1ターンに1度、エクストラデッキからゼロ・ラプラス以外の表側表示のDDDペンデュラムモンスター1枚を手札に加える。

 私はDDD反骨王レオニダスを手札へ戻す。」

 

(ペンデュラムモンスターは破壊、いや墓地へ送られる代わりにエクストラデッキへ加わるのか)

 

「チューナーモンスター、DDナイト・ハウリングを通常召喚!」

 

 ナイト・ハウリング ATK300

 

「DDナイト・ハウリングが召喚に成功したので効果発動

 自分の墓地のDDモンスター1体を攻守0にして復活させる。

 再び君臨せよ!DDD怒濤王シーザー!」

 

怒濤王シーザー「ウオォオォォォォ!!」

       DEF0

       ATK0

 

 フィールドに現れた巨大な口、DDナイト・ハウリングの中から怒濤王シーザーが飛び出し雄叫びを上げる

 

「そして、このカードはランク4のDDDエクシーズモンスター1体を素材にしてエクシーズ召喚する事が出来る!

 私はランク4のDDD怒濤王シーザー1体でオーバーレイネットワークを構築!

 英雄の名賜りし者、深遠なる大義もて、この世の全てをいざ射抜かん!エクシーズ召喚!

 降臨せよ、ランク5、DDD狙撃王テル!!」

 

狙撃王テル「ハハッ!」

     ATK2300 ORU1

 

 シーザーが混沌へと還り、新たに転生した姿は矢に貫かれた林檎の様な胴と片腕に黄金の蛇の様なボウガンを装備した悪魔

 主の覚悟に応えるため、その照準をバレットへ向ける

 

「新たなエクシーズだと!?」

 

「狙撃王テルの効果発動

 私が効果ダメージを受けたターン、オーバーレイユニット1つを使い

 フィールドのモンスター1体の攻撃力、守備力を1000下げ、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

「だが、私のフィールドにモンスターはいない」

 

「そう、だから私はテル自身の攻守を1000下げ、貴様にダメージを与える!ピアシング・アロー!」

 

 狙撃王テル ORU1→0

       ATK2300→1300

       DEF2000→1000

 

 狙撃王テルのボウガンにオーバーレイユニットが矢として装填され、テル自身のエネルギーが充填され発射される

 

「ぐわっ!自らのモンスターを犠牲にしてまで、私にダメージを・・・」

 LP3000→2000

 

「いや、ここからだ!

 私は永続魔法、魔神王の契約書を発動

 このカードは自分のスタンバイフェイズ毎に私に1000ポイントのダメージを与える。」

 

「また自らにダメージを課すカードだと!?」

 

「だが、これで私は1ターンに1度、悪魔族モンスターを融合召喚できるようになる

 私はフィールドのDDD狙撃王テルと手札のDDD反骨王レオニダスを融合!

 暗闇を射抜く射手よ、不屈の魂を得て真の王と生まれ変わらん!融合召喚!

 出でよ、神の威光伝えし王、DDD神託王ダルク!」

 

神託王ダルク「はっ!」

      ATK2800

 

 白銀の鎧に身を包んだ悪魔と罵られし聖女の再誕に合わせ、深淵の王が動き出す

 

「私のフィールド上にDDモンスターが特殊召喚されたことにより、DDD壊薙王アビス・ラグナロクの効果が発動する

 私の墓地よりDDモンスター1体を特殊召喚し私は1000ポイントのダメージを受ける。」

 

「馬鹿な!?自滅する気か貴様!?」

 

「そんなわけがないだろう

 私は墓地よりDDネクロ・スライムを特殊召喚!」

 

 ネウロ・スライム DEF300

 

 アビス・ラグナロクの全身から伸びるベルトが、ネクロ・スライムを引きずり出す

 そして、その対価だと言わんばかりに零児へ向けて雷が放たれる、が

 

「ここで神託王ダルクの効果が発揮される

 神託王ダルクが存在する限り、私への効果ダメージはすべて回復へと変わる、ライフ・イレイション!」

 LP1600→2600

 

 ダルクがそれを受け止め、暖かな光へと変えて零児に与える

 

「くっ!ダメージを回復に変えるカードだと」

 

「狙撃王テルがフィールドから墓地へ送られたことにより、私はデッキからDDカードまたは契約書カード1枚を墓地へ送ることが出来る

 私が墓地に送るのはDDヴァイス・テュポーン」

 

「融合、エクシーズ、ペンデュラムと来てフィールドにはチューナーモンスター・・・」

 

「察しがいいな

 私はレベル7のDDD神託王ダルクにレベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング

 闇を引き裂く咆哮よ、荒れ狂う嵐を呼び、世界の全てを征服せよ!!シンクロ召喚!

 生誕せよ!DDD疾風大王エグゼクティブ・アレクサンダー!!」

 

Eアレクサンダー「タアァ!!」

        ATK3000

 

 光り輝く宝玉の埋め込まれた白銀の鎧を纏い、荒れ狂う風をマントに受け新たな力を得た疾風王が降臨する

 

「まだ終わらぬ!

 墓地のDDヴァイス・テュポーンの効果発動

 このカードが墓地へ送られたターンのメインフェイズ、このカードと墓地のモンスターを除外することでそれらを素材としたレベル8以上のDDDモンスターを融合召喚する

 

 私はレベル5以上のDDモンスター、DDヴァイス・テュポーンとDDナイト・ハウリングを融合

 大いなる母よ!闇の咆哮よ!煉獄の奥より全てを制圧する王を呼び覚ませ!融合召喚!

 生誕せよ!DDD烈火大王エクゼクティブ・テムジン!」

 

Eテムジン「ハッ!」

     ATK2800

 

 巨大な熱を湛える大剣とタワーシールドを持ち、さらに副碗に2本の剣を携えた新たなる烈火王

 そして、新たなる怒濤王の産声が迫っていた

 

「エグゼクティブ・アレクサンダーの効果発動

 このカードがフィールド上に存在し、DDモンスターが召喚、特殊召喚された時、墓地よりDDモンスター1体を特殊召喚する

 戻れ、DDバフォメット!」

 

 DDバフォメット DEF1800

 

「DDバフォメットの効果を発動し、DDネクロ・スライムのレベルを6へ変更する。」

 

 DDネクロ・スライム LV1→6

 

「レベル6が2体!?」

 

「私はレベル6のDDネクロ・スライムとDDD烈火王テムジンの2体をオーバーレイ

 世界に轟け、華々しき栄華!全ては我に通ず!エクシーズ召喚!

 生誕せよ!DDD怒涛大王エクゼクティブ・シーザー!」

 

Eシーザー「ウオオオオォォォォォォ!!」

     ATK2800 ORU2

 

 より巨大になった大剣を片手で軽々振り回す屈強なる怒涛大王

 ここに3つの召喚法を代表する大王が出そろった

 そして、主の勝利の為に大王たちは動き出す

 

「エクゼクティブ・テムジンの効果発動

 1ターンに1度、自分フィールド上にこのカード以外のDDモンスターが召喚、特殊召喚された場合、自分の墓地のDDモンスター1体を特殊召喚する。

 現れよ、DDリリス!」

 

 DDリリス DEF2100

 

 テムジンが剣を掲げるとフィールドに花の様な姿を持つ妖婦が現れる

 そして、その手には1枚のカードが握られており、零児へと渡される

 

「DDリリスが召喚、特殊召喚されたことにより効果発動

 自分の墓地のDDモンスター1体を手札に加える

 私が手札に加えるのはDDD反骨王レオニダス」

 

(これでスタンバイフェイズにダメージを受ければ、レオニダスを呼び出す手はずが整う

 だが何故、奴は回復効果のあるダルクを消した?)

 

「これで再び私のフィールドにレベル4のモンスター2体がそろった

 私はレベル4のDDリリスとDDバフォメットをオーバーレイ

 再び君臨せよ、DDD怒濤王シーザー!」

 

 怒濤王シーザー ATK2400 ORU2

 

「そして、ランク4の怒濤王シーザーで再びオーバーレイ!

 再び現れ、我が敵を射抜け!DDD狙撃王テル!」

 

狙撃王テル「ハッ!」

     ATK2300 ORU3

 

「そして、エグゼクティブ・アレクサンダーは、私のフィールドにDDDモンスターが3体以上いる時、その攻撃力を3000ポイントアップさせる。」

 

 Eアレクサンダー ATK3000→6000

 

「攻撃力6000だと!?

 だが、貴様のバトルフェイズはすでに終了している!」

 

「そうだ、だからこうする。

 狙撃王テルの効果発動オーバーレイユニット1つを使い、エクゼクティブ・アレクサンダーの攻守を1000ダウンさせ、再び1000ポイントのダメージを与える、ピアシング・アロー!」

 

 Eアレクサンダー ATK6000→5000

          DEF2500→1500

 

 狙撃王テル ORU3→2

 

 テルのボウガンにアレクサンダーの風の力が装填され、バレットに向かい放たれる

 

「ぐはっ!!ぐぅぅ・・・」

 LP2000→1000

 

 バレットは肩に刺さったテルの矢を引き抜き、握りつぶす

 

(これほどとは・・・この青年の覚悟と強さに応えてやりたいが、残念ながら私にはこの者が望むものは伝えられそうにないな・・・)

 

 バレットはすでに自分に勝ち目がない事が分かっていた。テルの効果を見てそれは明白だ

 せめて敗者として、勝者の望みは叶えてやりたいが、自分にはそれが出来ないと無知を恥じる

 

「私はこれでターンエンド」

 

「私のターン、ドロー」

 

「このスタンバイフェイズ、私は怒濤王シーザーの効果により2000ポイントのダメージを受ける、ぐぅぅ・・・・」

 LP2600→600

 

 零児の体から紫の靄が立ち上り、テルへとそれは流れていく

 

「狙撃王テルの効果は・・・相手ターンでも使える

 とどめだ!狙撃王テルの効果!オーバーレイユニットを1つ使いエクゼクティブ・アレクサンダーの攻守を1000下げ、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

 Eアレクサンダー ATK5000→4000

          DEF1500→500

 

狙撃王テル「ははっ!ハッ!!」

     ORU2→1

 

「ぐはあああぁぁぁぁぁぁ!!」

 LP1000→0

 

 テルの矢がバレットを貫き、彼はゴロゴロと転がり壁へぶつかる

 零児はボロボロとなった彼に歩み寄り、冷徹なまなざしで問いかける

 

「答えろ、赤馬 零王は何故、次元戦争などを起こしている。

 エクシーズで瑠璃という少女を攫ったのは何のためだ。」

 

「残念ながら、私はそれに答えられない」

 

「白を切るつもりか?」

 

「いや、ただ知らないだけだ

 私は元は傭兵、アカデミアに身を置いてからはセレナ様の監視と警護が私の任務だった。

 次元侵攻についてはセレナ様もほとんど知らないことだ。」

 

 嘘は吐いていない、それはせめてもの勝者への報酬

 

「なに?お前達は奴が何をしているのか知らないというのか?」

 

「あぁ、何も知らない

 だが一つ言えることは、赤馬 零王は我々の世界から争いを無くしたという事だ。」

 

「争いを無くした?どういうこと――」

 

 アカデミアのデュエルディスクには負けた際、強制送還されるようにセットされている

 零児の質問が終わるより先にバレットは光に飲み込まれ消えて行った

 




ゲームのように笑いながら?
無抵抗な者も容赦なく?
アカデミアのデュエリストがそんなことをするはずがない!

本当だ!今も奴らの卑げた嗤い声は俺の、俺たちの中から消えていない・・・

嘘だ!アカデミアは正義のために存在している、そんなことをするはずがない!!
ならば、デュエルだ!貴様らの言葉か真実か証明して見せろ!!

くっ!戦うしかないのか・・・

隼!せめて、俺が行こう!
次回 遊戯王ARC-V Rーe:birth
『知らぬ罪、告げられた真実』

「CC」カード群の効果について

  • 制作したものをそのまま使用
  • 後付け効果を削除
  • メインに入るカードの後付け効果のみを削除
  • EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
  • 完全にアニメカードそのまま

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