忙しさもあったのですが会話パートが多いので納得いくものがなかなかできず四苦八苦していました。そして新カードが出すぎ(笑)
善と悪、そして正義とは難しいものですね。
『つまらないんだったら、俺と少し遊ばないか?』
「「「「!!?」」」」
「なっ!?何んですか!貴方は!?」
『俺か?俺の名はクラウン・ジョーカー!
見ての通りの怪しぃ~道化師だ。』
これが私たちと、ピエロさんの出会いでした。
『駄目じゃないか、お嬢ちゃんたち
こんな、出入り口一つを塞がれたら逃げられないような場所に居ちゃ。
怪しいやつに絡まれちゃうよ?』
「自分で言うのそれ・・・」
『ははは、さて俺をどかさなきゃ逃げられないわけだが、ど「うぅんん~?どこかで会いましたぁ~?」へ?』
ピエロさんが仰々しい態度でデュエルディスクを構えたのですが、そこに桜ちゃんが突然彼にしゃべりかけました。
「えっ?樋口さんの知り合いなのですか?」
「んん~そうじゃないんだけど・・・
なんだか、夢の中でいつも会っている人に会えたときみたいな?
嬉しい!って、気持ちになったんですっ」
桜ちゃんの夢の話はいつものことだけど、なぜかピエロさんはその話に少し嬉しそうに応えました。
『・・・・・・ふふ、まぁ、夢の中ならそんなこともあったのかもな?』
「あら、意外と貴方、ナンパなのね?」
『失礼な、俺はデュエル一筋だ。』
「それなら、私と早速しましょお~」
「樋口さん!?」「貴女!?」「桜ちゃん・・・」
いつもは寝ているときが一番幸せそうな桜ちゃんが、ピエロさんとのデュエルにはなぜか積極的でした。
『ふっ、さぁ、愉しい楽しいショーを始めようか!』
「はいっ、精一杯、がんばります!」
それからは私たちにとって、桜ちゃんの言葉を借りるなら夢のような時間でした。
「えぇええい!
『手札のダーク・オネストの効果!
闇属性モンスターが戦闘を行うとき、このカードを墓地に送ることで、
「ふぇ!?」
『そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンはモンスターとの戦闘で発生するダメージを倍加する。』
「・・・うふふ、やっぱり、貴方は」
人をカードにするアカデミアのデュエル、ピエロさんとのデュエルも例にもれず桜ちゃんはカードへと変えられました。
でも、彼女は笑顔でした。ずっと探していた人に会えたみたいに
「桜・・・ピエロさん、次は私とお付き合い願えるかしら?」
『お美しいレディの望みとあらば喜んで。』
「ふふ・・・さぁ、いらっしゃい。」
いつも退屈そうにしていた雪乃さんが、ピエロさんに闘志を見せました。
攻撃力が高いモンスターを1ターンに何体も揃える豪快なプレイングは、とても落第生などと言われている人とは思えないものでした。ピエロさんが防戦になるほどに
「痛いのは最初・だ・け、
『手札の
「つれないわね。でも、貫通効果があるわ。」
『ぐううぅぅ・・・』
「これで私のターンは終了。貴方のターンよ。」
『ふっ、ギア・ゴーレム3体なんてワクワクするじゃねぇの!
俺のターン、ドロー!
よし、ドクロバット・ジョーカーを召喚しEMオッドアイズ・ユニコーンを手札に加え、ペンデュラムゾーンにセッティングしペンデュラム召喚!
戻ってこい!オッドアイズ!』
オッドアイズ「ギャオオォォォォおおおおぉぉ!!」
ピエロさんの永続トラップ、DNA改造手術で緑と紅の瞳を持つ赤い竜が、魔術師へと変わる。
『そして魔法カード発動!拡散する波動!
ライフを1000払い、自分フィールドのレベル7以上の魔法使い族モンスター1体は相手モンスターすべてに攻撃しなければならない!』
「あら・・・?でも、
『オッドアイズ・ユニコーンのペンデュラム効果はオッドアイズモンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上の
「あら・・・うふふ、そう・・・遠慮はいらないわよ?」
『元よりするつもりはないさ。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、いや、オッドアイズ・ペンデュラム・マジシャンで
「んふふ・・・貴方、良い男だわ――
雪乃さんもカードに・・・
でも、彼女の顔は恐怖で曇ることはなくとても晴れやかでした。そして
「雪乃さん・・・」
「・・・・・・宮田さん、すいません。」
「えっ?」
「本来なら私は、上官としてあなたを守り指示を下さなければならない立場なのですが・・・」
彼女はピエロさんに目を向け、眼鏡をかけ直しました。
「アカデミア、エクシーズ派遣連隊!甲第9973部隊長!原 麗華です!よろしくお願いします!!」
『・・・はは、はーはははっ!俺はクラウン・ジョーカー、いや』「榊 遊矢、この馬鹿げた戦争を止めるために来た
覚悟はいいか!!」
「はいっ!」
ピエロ。いえ遊矢さんは仮面を外し、麗華さんに向き合い2人は示し合わせることもなくあの言葉を同時に叫びます。
『『
「先攻は俺だ!魔法カード、調律を発動!デッキから
さらに手札の
手札からこのカードと
チューナーモンスター、オッドアイズ・シンクロンを召喚し効果発動、墓地のレベル3以下の
オッドアイズ・シンクロン「ふん!」
ATK200
レディアンジュ「ははっ!」
ATK1000
「さらに墓地のオッドアイズ・バトラーの効果発動!
レディアンジュを対象にし、このカードを特殊召喚、その後、レディアンジュを破壊する。」
オッドアイズ・バトラー ATK1000
「墓地の帝王の轟毅を除外し効果発動、このターンフィールドの全てのモンスターは宣言した属性になる。風属性を選択。」
オッドアイズ・バトラー 闇→風
オッドアイズ・シンクロン 闇→風
「風属性となったレベル5のオッドアイズ・バトラーにレベル2のオッドアイズ・シンクロンをチューニング!
輝く翼、神速となり天地を照らせ!シンクロ召喚!
現れろ!クリアウィング・ファスト・ドラゴン!!」
クリアウィング・ファスト「ギャオオォォォォォ!!」
ATK2500
遊矢さんは透明に輝く翼の白い竜を呼びました。
桜ちゃん、雪乃さんのデュエルでも出てきたエクストラデッキから出てきたモンスターさんの攻撃力と効果をなくさせるモンスターです。
「カードを2枚伏せ、スケール4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをセッティングしエンドフェイズ、オッドアイズのペンデュラム効果発動、このカードを破壊しデッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター、
「・・・行きます!私のターン、ドロー!!
速攻魔法、手札断殺、お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り2枚ドローします。
フィールド魔法、
さらに手札よりマジックカード、
「
そして
デッキから対象と同名のモンスターを2体まで特殊召喚します。」
「
私は2体リリースし、貴方に合計1000ポイントのダメージを与えます!」
「うぐっ」
LP4000→3500→3000
「
手札の
現れよ!レベル8!
「
墓地の
墓地の
よし、もう1枚、機械複製術を発動し
「アンティーク・ギアでバーンデッキ、よくやるもんだ。
後は
LP3000→2000
「・・・そうですね。」
「嘘が下手だねぇ~トラップ発動!トラップ・トリック!
デッキから通常トラップを除外し、除外したカードと同名カードをセットする。
このカードでセットしたカードはこのターンでも発動できる。ブービートラップEをセット。」
「!!?
「それにチェーンし、トラップカード、ブービートラップEを発動!
手札を1枚捨て、手札、墓地から永続トラップをセットする。
このカードの効果でセットしたカードは、そのターンで発動できる。
俺がセットするのはシモッチの副作用。」
LP2000→1500
「シモッチ!?
「リバースカードオープン!
速攻魔法!スマイル・ユニバース!チェーンして永続トラップ、シモッチの副作用を発動!
スマイル・ユニバースを発動するターン、俺はこのカードの効果でしか召喚、特殊召喚できず攻撃できない。」
「それ、私のターンで関係あります?」
「だからだよ。俺のエクストラデッキから表側表示のペンデュラムモンスターを可能な限り効果を無効にして特殊召喚する。
さぁ!エンドロールだ!オッドアイズ・バトラー!レディアンジュ!オッドアイズ・シンクロン!そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」
オッドアイズ・バトラー ATK1000
レディアンジュ ATK1000
オッドアイズ・シンクロン ATK200
オッドアイズP「ギュオオオォォォォォォォ!!」
ATK2500
空から流星に乗って4体のモンスターが現れます。
麗華さんのフィールドのモンスターは全部守備表示ですが、攻撃力200しかないモンスターも攻撃表示?それにエンドロールって?
「その後、この効果で特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力の合計分だけ相手のライフポイントを回復する。」
回復?じゃあ、4700ポイント麗華さんのライフは・・・あっ!?シモッチ!?
「なるほど・・・自信の手札だったのですが。」
「いや、こちらも焦ったよ。
1ターン目でキメてこようとするなんてな。」
「ふふ、それでは、ありがとうございました――
彼女は満足そうに目を閉じて彼に一礼してカードになっていきました。
桜ちゃんは楽しそうに去っていきました。
雪乃さんも晴れやかでした。
そして、麗華さんも嬉しそうに・・・だから私は
「・・・何のつもりだ?」
「最後の一枚は彼女で決まりですね。」――シュッ、シュッ
野呂が不気味な雰囲気がするカードを僕らに投げつける。
アレがどういうものか分からないが、本能が警鐘を鳴らしている!
ダメだ!間に合わないッ!!
――パスッ!パスッ!
「!!?」「?」
カードは突如飛んできた石によって撃ち落される。そして
パラサイト・フュージョナー「「ギィ!ギイイィィ!!」」
そのカードから赤いダニのようなモンスターが実体化し自ら飛びかかってくる。
「なにっ!!?」
「融合禁止エリア!」
パラサイト・フュージョナー「「ギッ!?ギャアアァァァァァァァァァ!!?」」
不気味な悲鳴を上げるモンスター、[融合禁止エリア]融合召喚を封じるアカデミアのデュエリスト殺しのカード
スートのロボットが多用していた・・・
「トゲトゲ神の殺虫剤。」
パラサイト・フュージョナー「「ギッ、ギュウゥゥ・・・・・・」」
「ぐぅ、ゴフォ!ゴォ!!」
「蟲には効いている・・・でも、副司令官さん以外の反応はありませんか・・・」
それを、なんで君が・・・?
「宮ぃ田ぁ!!ゆまああぁぁぁぁぁぁ!!キサマアアァァァァァァァ!!!」
――ボコッ、ボコッ!!
獣のような野呂の叫びに呼応するように、野呂の後ろに控えていた者たちに異変が起こる
ボコボコと肉が盛り上がり、肌は黒く鱗のような甲殻のような粘液のようなものに変わって行き、禍々しい爪と角が伸び、鳥を思わせる嘴、魚のような尾、牛のような蹄の生えた足、様々な生き物のパーツを継ぎはぎにした化け物に変わってしまった。
「なっ!?なんだこれはっ!!」
「ミュートリアル・ビースト・・・
ただの洗脳装置じゃないと思っていましたけど、人を触媒、いや融合させているようですね。」
宮田君はこの異常事態の中でも冷静に、いや彼女も異常なほど冷静にこの状況を分析していた。
先ほどの決意と優しさを秘めた目とは別の、奴と同じ冷徹な紅い目で
「ッ!?なぜそこまで・・・キサマは危険だ!排除!!ハイジョッ!ハイジョオオオォォォ!!」
ミュートリアル・ビースト――ギャオオオオオォォォォォォォォォォ!!
無数の冒涜の化け物が駆けだす。
宮田君は一枚のカードをデュエルディスクに置くと、その名を呼ぶ、ありえないはずの魔竜の名を
「来いっ!オッドアイズ!!」
オッドアイズ・レイジング「グオオオオォォォォォォォォ!!」
――ッ!!?
バーナーのような羽が輝き、爆風が化け物を吹き飛ばす。
そして舞う火の粉に焼かれるように宮田君の姿が崩れて
「衝撃の真実ぅ~なんて、やってられないか・・・」
「「榊 遊矢っ!!?」」
「効果で一掃、いやここは逃げるか。」
「えっ!?」
榊遊矢は僕の手を取り、召喚したモンスターの背に乗り空へと舞う
「なっ!?何をする!?」
「何なら降りて、あいつらの仲間入りするか?」
「くっ!!」
野呂の異常、モンスター化した兵たち、そして宮田君のこと
そのすべてについてこいつは知っている。事情を知るためにも今はここから逃げるしかない。
――ギャア!!ギャアァァ!!
地上に置き去りにされた化け物どもはその背から鳥のような蟲のような翼をはやし、僕らを追撃してくる。それも速い!?
「うわっ、あいつら飛べんのかよ・・・叩き落すわけにはいかないし・・・」
榊遊矢は目の前のビルに目を向ける。
「おっ!おい!このままだとぶつかるぞ!?」
「ぶつかんねぇよ、突き抜けるから。なぁ!オッドアイズ!!」
オッドアイズ・レイジング「オオオォォォォォォ!!」――ゴオッ!!
赤き魔竜は榊遊矢の命に従い、炎を纏い廃ビルへと弾丸のように突撃し突き抜ける。
元々倒壊しかけのビルはその衝撃でもって粉塵と破片を撒き崩れ去り、迫っていた化け物共は視界を遮られるからか破片にあたるのを嫌ったのか、それを避けて魔竜を追随していった。
「ふぅ~何とか撒けたな。」
「・・・・・・なんて無茶な。」
榊遊矢はビルを突き抜けると同時にドラゴンの上から僕を連れ飛び降りた。
腕に玩具のブロックで作られたような蜘蛛を取り付かせ、そのモンスターが吐いた糸をワイヤーのようにしてダメージの少ないビルの中に飛び込んだのだ。
「とりあえず、デュエルディスクの効果範囲外までは時間ができただろう。」
時間ができた?逃げるのが先決なんじゃないのか?
「色々聞きたいことがあるだろう?答えられることなら答えてやろうじゃないか。」
「!?」
願ってもない質問の時間、奴はその為にこの場を設けたのだという
「・・・・・・何時からだ。」
だが僕が言えたのは主語も何もないもの
様々なことが起こりすぎてこれしか言えなかった。
だが僕は真っ先にこいつに問いただしたかった、こいつは一体いつから僕を騙していたのかと
「クラウン・ジョーカーのお披露目の時から
一人だけ生き残るなんて怪しい要素満載なのに、疑いもしないなんてなぁ?
まぁ、影武者立てたり、ソリッドビジョンでアリバイ作ったりしたけど。」
奴はクラウン・ジョーカーが封じられたカードをひらひらと僕に見せる。
そうか、僕自ら基地の中にこいつを招いてしまったのか。
はは、全てはこいつの掌か・・・
「野呂のアレはなんだ?」
「例の洗脳する寄生虫・・・だと思う。
洗脳どころか、肉体までモンスター化させるなんて思わなかったけど。」
「アカデミアがやったのか・・・?」
「当たり前だろ。俺は狙われている側だぞ?」
「そう・・・だな・・・」
人を人だと思わぬ所業、理想郷のための犠牲、しかたなし・・・・
どれほどの言い訳を積み上げても・・・
「アカデミアは、僕らは『悪』だったのか・・・」
「・・・いい子にしてないといけないのは、悪い子は本当に悪い大人に騙されるからとか、どっかの誰かが言っていたな。
良いように使われたんだよ、お前たちは。」
「悪い子・・・はは、そうか僕は悪人ですらないのか・・・」
「何も考えずに、アカデミアの言うこと聞いて従う。
大人のすることじゃない・・・と、俺も中坊だったか。」
そう言うと彼は肩を竦めた。
残虐非道で無常非情な悪魔の様なデュエリスト
僕を含めたアカデミアの印象とはかけ離れたとても人間らしい仕草だった。
?・・・残虐、非道?ならなぜ
「なぜ僕を・・・助けた?」
助ける意味などなかったはずだ。僕はこいつにとってただの敵でしかないのだから。
そもそもなぜこいつは僕たちを全滅させなかった?
一週間もの間、水も食料も医薬品でさえ奪い。治療や通信を担う者を消した。
侵入ではなくずっと内部にいたのなら、ゲームなどと言う回りくどいことをせずに部隊を壊滅させることができたはずだ。
「・・・最初はブッ殺そうと思っていたんだけどな・・・」
カイトとのデュエルに明確な殺意を持って横槍を入れてきたアカデミア
思えば俺はあの後完全にキレていた。
デュエルを汚す害虫、脳みそをブラックホールされたのかと思うほど自分の行動に責任が持てないガキ共
戦争が終わろうがこんな奴らが世界に蔓延るなど害悪でしかない。殺しに来るんだったら殺してやろうじゃないか。
そんな考えが頭を支配していた。
ユートは止めるだろう。自身の願いと反することだ。
権現坂も反対するだろう。それは犯すなと
柚子が聞いたら悲しむだろう。俺の所業を
零児は部下の責任として罪を自ら背負うかもしれない。
そのほかにも否定も反対もあるだろう。だが思わず封印のカードを破ってしまいそうなほど俺の怒りは頂点に達していた。
だが、ふと思い出した。彼女たちのことを。
樋口 桜、藤原 雪乃、原 麗華、宮田 ゆま
PSPゲーム 遊戯王タッグフォースシリーズに登場する。一般デュエリスト
この世界の彼女たちは決してCPUなどではないし、ゲームの設定とは全く違う人生を歩みここに居るのだろう。
だが、その根底にはどこか似た部分はあるのだろう。
現実から逃避し、無気力になり、自分の報じる正義に疑心し、そして絶望する。
自分のアイデンティティから外れた行為を強制された彼女らはただの被害者
俺の怒りの矛先ではない。
だから、彼女たちとデュエルすることにした。
全てが終わるその時まで眠ってもらうように、同時に俺の決別の誓いとして
冷酷で残虐な『クラウン・ジョーカー』となるために
「・・・うふふ、やっぱり、貴方は。」
リリース軽減を駆使して大型モンスターを並ばせる夢追い人は何故か俺から、あの赤い帽子の男を連想した様だ。
いやアレと一緒はちょっと・・・
「んふふ・・・貴方、良い男だわ――
刺激を求めてロマンと強さを追及する妖艶な少女は俺をいい男だという。
この最低な悪人をいい男だとは、この世界の彼女はダメな女なのか?そして
「アカデミア、エクシーズ派遣連隊!甲第9973部隊長!原 麗華です!よろしくお願いします!!」
その堅っ苦しい挨拶を聞いたらダメだった
『ふふ、はーはははははっ』
次に目覚めたとき仲間を皆殺しにした俺を恨んでくれと付けていた悪人の仮面が外れてしまった。
やっぱり俺はデュエルで嘘は吐けないようだ。
『俺はクラウン・ジョーカー、いや、「榊 遊矢、この馬鹿げた戦争を止めるために来た
覚悟はいいか!」
「はいっ!」
『『
驚いたことに彼女はあくまで本来追加火力程度であるアンティーク・ギアのバーンカードをうまく使い、【フルバーンデッキ】として成立させていた。頑固者はこの世界でも変わらないようだ。
樋口 桜も藤原 雪乃もアカデミアが推奨する融合戦術にとらわれることなく、実に彼女たちらしいデッキだった。
そう、彼女たちのデッキには魂が籠められていた。
「ふふ、それでは、ありがとうございました――
ああ、楽しかったよ。君たちとのデュエル
さて、残るは一人、宮田ゆま
「・・・何のつもりだ?」
彼女に何が起こったのかは盗み聞きした程度
だが以前の彼女は絶望していた。組織に、世界に、そしてなにより自分に
「・・・・・・」
今、彼女はただ神に奉ずる修道士のように祈り佇んでいた。
「戦わないのか?」
彼女は顔を俯かせて首を振る
「・・・・・・私に、その資格はありませんから。」
「資格?」
「貴方と皆さんのデュエル、ただ見ているだけなのにこう・・・胸が熱くなったんです!
ドキドキして、ワクワクして、デュエルってとっても楽しいものだって!」
「だったら。」
「ダメなんです!私は・・・
私のこの手は・・・汚れているから・・・・・・」
その白く華奢な手は彼女にはどのように見えているのか・・・
彼女は震える手を抑えようと合わせ、その目からはぽろぽろと涙が零れている。
「だからどうか!私みたいな気持ちを抱える人をこれ以上増やさないでください!
楽しいデュエルができる世界を守ってください!!どうか!お願いしますっ!!」
『私を助けてください。』じゃなくて『世界を守ってください』か・・・
自分じゃなくて他人を、やっぱり彼女の本質は
「はぁ~・・・負けたよ。」
俺は左手で彼女の震える手を抑えた。
「ふぇ?」
「さっきの彼女たち、アンティーク・ギアじゃなくて、もっと似合うデッキがあると思うんだよねぇ~
融合次元が自由にデュエル出来るようになったら、彼女たちとまたデュエルしてみたいし~」
「じゃ!じゃあ!!」
「契約だ。悪い夢は俺が必ず終わらせてやる。
でもいいのか?こんなあやし~い奴を信用なんかして。」
難易度が上がった腹いせで意地悪を言ってみるが
彼女は手をほどき今度は俺の手を取った。その手はもう震えてはいない。
「ふふふ、はい・・・信じています――
「まぁそんなわけで、彼女との契約でお前たちを殺すのはやめた。」
奴は懐からカードの束を取り出す。
それは今までやつにカードにされたアカデミア生達、その中にはあの悲惨なゲームの道具にされた姉妹たちもいた。
「断っておくがこいつらも死んじゃねぇよ。手品のアシスタントもな。
さて、こっちからはいろいろ話したしこっちからも一つ質問させてもらうぜ?」
僕を見据える真っすぐな紅い目
はは、僕に質問したってお前が欲しい情報なんて・・・
「街をなぜ壊した。」
っ!?そ!?それは・・・
「人間狩りするにあたって、建物が壊れるなんて非効率だろ?効率厨の副司令官サマがいるのにな。
隠れる場所が増える。倒壊の危険で自分も相手もデュエルに集中できない。
統一世界で仲良しこよししましょうなんて理想掲げているのに、恨みを深くしてどうする?」
「っ!!」
僕は思わず唇を強く嚙み締めた。それは僕らの・・・
「リアルソリッドビジョンは出力を調整すればゴムのようにできるし、モンスターの攻撃だって打撃ならハリセンで叩かれた程度、光線系だって砂掛けレベルにできる。
そこで俺は考えた。お前たちが街を壊したのは」
僕の愚かな罪
「事故だったんじゃないかって。」
「・・・・・・あぁ。」
誰にも知られなかった真実、悲劇をより大きくした原因、それはただの出力ミス
「あぁ!そうだよ!!
知らなかったんだ!デュエルで街が壊れるなんてっ!!」
荒げた僕の声が廃墟に響く。
追われているのに何をやっているんだと、理性が訴えかけるがどうしようもなかった。
「エクシーズへの遠征でリアルソリッドビジョンを使ったデュエルをしろって言われて、使ってみたらこんなことになった!
もちろん、本校に連絡だってした!でも・・・そのまま続行しろと、言われたんだっ・・・!!」
悲しかった!僕の信じるものは僕の正しさではなかったことに
苦しかった!!誰も僕らの行いが間違いだと言ってくれないことに
見ていられなかった!狂気の中でコワレテいく仲間たちが・・・
悔しかった・・・間違いを間違いだと言えない自分が・・・
「なるほど、納得いったよ。親父をずっと探していた理由も。」
「何?」
何を言っているんだこいつは・・・僕が榊 遊勝を探していた理由?
そんなもの、僕に地を舐めさせたあの男が許せなかったから・・・
「お前、誰かに叱ってほしかったんじゃないか?」
そのはず、だったのに・・・
「なん・・・で・・・・・」
「ん~デュエルの時、常に余裕がないっていうの?
最初のデュエルの時だって壁モンスター2体だけと言って、伏せカードを警戒しなかったろ?
無限湧きするペンデュラムモンスターを破壊したり、想像力に欠けている。
まぁ、後は観察の結果だ。
自分たちの行いが間違っていると、『悪』だと否定してほしくって、そう言ってくれる存在を探して、親父を見つけた。
でもほしい答えを言ってくれる前に姿を消したから仕事もほっぽりだして探した。まぁこんな所だろ。」
「・・・あぁ・・・そうだ、そう・・・だからっ!!」
≪あなたですか?「デュエルで笑顔を」などと、ふざけたことを言いふらしているのは。≫
≪半分はあっている。
確かにデュエルで笑顔をと言ったのは私だが、ふざけたことだとは思ってないよ。≫
≪馬鹿な、僕が負けるなんて・・・≫
彼は否定した。デュエルが悲しみを生み出す道具ではないと
あぁ、分かってたさ。だがあのカード[スマイル・ワールド]を差し出されたとき
≪でも楽しかっただろ?≫
≪っ!!?≫
呪詛が告げる、その手の汚れはなんだと。
その血まみれの手で父さんの創ったヒーローたちを汚して楽しいのかと!
そんなわけあるかっ!!
≪デュエルで争うなんて、愚かなことだということが分かっただろう?
だったらそれを君から赤馬零王に伝えてほしい。≫
後悔が告げる。その愚かさにどう報いるのかと
この街で失ったもののために働けばいいのか?恨みのはけ口として苦しみ続ければいいのか、それとも死ねばいいのか・・・
≪うわあああぁぁぁぁ!!違う!違う違う!!≫
アカデミアである僕に彼の「正しさ」は毒でしかなく
≪出鱈目を言うな!僕は騙されないぞっ!!
アカデミアは常に正しい!プロフェッサーの教えは絶対なんだあぁっ!!≫
僕はアカデミアであることから逃げられなかった。
「僕は欲しかったっ!
この罪に対する罰をっ!闇の中から抜け出すための光をっ!!
だが奴は!遊勝は・・・っ!勝手ばかり言って、消えた・・・・・・」
どこへ行ったのかはわからない。それ以来遊勝の噂も聞かなくなってしまった。
だが僕は答えが欲しくてやつを探した。
探す間にも悲劇は起こり罪は嵩む、誰か、誰か僕を救ってくれ・・・
「そんな時に見つけたのが君だった。
遊勝の子なら、彼と同じように僕に勝った君なら、僕が待ち望む答えがあるのではないかと・・・」
「・・・・・・」
「なぁ、教えてくれよ・・・・僕はこれからどうすれば「ぁぁああもう!!甘ったれるなよっ!!」っ!?」
僕の言葉を遮った彼の声は明らかに苛立っていた。
「ガキみたいにビービーとっ!!勝手なことを言っているのはお前も同じじゃないかっ!」
「だ、だが・・・」
「立ち向かったり変わるどころか、逃げ出す勇気もないやつに道案内しても意味がねぇんだよ!!
お前がどうしたいかはお前が決めることだっ!!」
「それは・・・」
「少なくとも彼女は俺に託すことを決めた!自分の意思でなっ!!」
「ッ!!」
「大人になれ、エド・フェニックス。
お前の『正義』は、お前じゃないと守れない。」
「おっ!?っと・・・あっ、遊矢、これは・・・どういう状況なんだい?」
奴が使う銃型のデュエルディスクからカードに封印されていた人物が解放される。
クラウン・ジョーカー、その衣装をまとった人物の声はクラブギア・キングと同じ
「デニス、手短に話すが状況は最悪だ。
こいつを連れて避難しろ。」
「・・・間に合わなかったのかい?」
「あぁ、蟲人間どころか完全なモンスター化してしまった。
戻せるかどうかすら分からない。」
「そうかい・・・ところで、いや、分かった。」
「避難経路は地下地図を頼りにしろ、オービタルはデュエルロイドの操作で手一杯だろうしな。
俺は引き付けておく。」
彼は仲間に指示をすると窓に足を掛ける。
「エド。」
「っ!?」
「ヒーローで居たいなら、ラスト3分までには決めろ。」
――タンッ!・・・――――ブウウウゥゥゥゥゥゥゥン!!
――――――――――――――――ギャァァ!ギャァ!!ギャアアァァ!!
彼が飛び降りた後エンジン音が鳴りそれにつられたのか、化け物たちが薄気味悪い声を上げながら通過していった。
「ふぃ~なんだいあれは?っと、それよりも逃げる方が先か、エド?」
「・・・・・・ラスト3分ってなんのことだ?」
「打ち止めか・・・」
シンクロ次元で手に入れたデュエルロイドは全て放出した。
操作しているのはオービタルだが、カイト相手では時間稼ぎにしかならないだろう。
【カイト様!カイトサマァァァアア!!
止マッテクダサイ!カイトサマァァァァアアアァァァァァ!!】
「落ち着けオービタル!
俺たちが絶対にカイトを取り戻す!だから今は、みんなが逃げる時間を少しでも稼ぐんだ!」
【ウゥゥ、カシコマリ・・・】
とオービタルに言ったはいいものの、打開策はない。
いっそのことカイトに・・・いや、カイト相手では五分と言うわけにもいかないか。
――・・・ぃゃぁぁあぁあぁぁぁぁぁああ!!
「!!?」
悲鳴!?誰かが襲われて、あいつらは!?
「イヤ、イヤ!いやぁぁあぁぁ!!なんなの!?なんなのよ!?これはぁあぁぁ!!!」
「叫ぶ暇があるなら走れ!グレース!!追いつかれるぞ!!」
ミュートリアル・ビースト「ギャァア!ギャア!!」――バサッ、バサッ
獣のような虫のような魚のような鳥のような・・・何なのかわからない黒い化け物が金と銀、二人の少女を襲っている。
タイラー姉妹、多くの仲間をカードにした、敵!!
「きゃあ!?」
ミュートリアル・ビースト「グギャギャギャギャ!」
「グレースっ!?」
グレースと呼ばれた少女に化け物の爪が迫るが、金の少女が割って入り鮮血を散らす。
「ぐわああぁぁぁ!!」
「姉さんっ!?ちょっと!!姉さん!姉さん!!大丈夫!?ねぇ!!?」
「に・・逃げろ、グレース・・・・・」
「そんな、姉さんを置いてなんて!?」
妹を逃がそうとする姉と姉を助けようとする妹、そんな二人の思いを無視して化け物は再び爪を振り上げる。
このまま見ていれば二人は死ぬだろう。憎き相手、その一部が今消える・・・・・・
「誰か!助けて!!」
!!
「聖なるバリア―ミラーフォース!!」
――ビキッキイイイィィィィィィィイイ!!
ミュートリア・ビースト「ギャア!?」――ザシュ、ザシュ!ザシュ!!
二人を包み込んだ光の壁に化け物の爪が当たると、強烈な光と共に化け物が切り刻まれ倒れ伏す。
「こっちだ!手を貸せ!!」
「あ、あんたは!?」
「早くしろ!!っ!?」
ミュートリアル・ビースト「・・・gy・た・ギャ・・・」――ブチュグチュグチャ!
化け物を見れば肉の間から人がのぞいている。
伸ばされた手からブクブクと肉が膨れ再び化け物の形を成そうとしている。
俺は倒れた少女を担ぎ、急ぎその場から離れた。
また森に逃げることになるとはな。
仕方あるまい。カイトはここの関係者
大人数を収容できる場所と目を付けている可能性はある。
くっ!俺の所為だ・・・カイトは俺が!!
落ち着けアレン!
う~む・・・黒咲、ここは任せたぞ・・・
なっ!?おい!お前何を言っている!?俺が!
護ると覚悟したのだろう!!男なら守り通せ!!
次回 遊戯王ARC-V Rーe:birth
『護る者、救う者』
漢、権現坂!参る!!
「CC」カード群の効果について
-
制作したものをそのまま使用
-
後付け効果を削除
-
メインに入るカードの後付け効果のみを削除
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EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
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完全にアニメカードそのまま