遊戯王ARC-V Rーe:birth   作:深海の破壊大帝

83 / 95
今後一切出番がない補導員のデッキ解説
地属性・機械族ファンタジー生物サイバーデッキ

「サイバー・ゴブリン」=レベル1、手札切りで融合サーチ、墓地除外で相手の攻撃に対してもオーガ2の効果が地属性サイバーに適用される。
「サイバー・コボルト」=レベル2、地属性サイバーサーチ、地属性サイバーの召喚権が増える。
「サイバー・オーク」=レベル3、名誉オーガ、融合内蔵
「サイバー・トロール」=レベル4、地属性サイバーをつり上げかサルベージする
「サイバー・オーガ・3」=オーガ三体融合、常時オーガ2効果
「サイバー・オーガ・0」=融合モンスター+地属性・サイバー、後から出てきたプロトタイプ設定、常時オネスト+貫通

なんてものは設定だけしか存在しない。


融合次元編
遊勝塾の謎


突発的次元孔に関する調査報告書より抜粋

 

 昨日未明に異常次元エネルギーを検知、先日より発生している次元乱流による次元湾曲であると仮定、次元孔発生も考えられるため周辺調査も並行したG装備にて現着

 

 現地にて湾曲による周辺変化は認められず、ただし海上にて複数の人工物の破片等が散見されるため原住民の船が巻き込まれた可能性があるため行明不明者の調査も並行して行う

―――

 原住民の行明不明者は無し、周辺海底を調査したところ破損物はアカデミア調査船X―2型と判明

 次元乱流が発生しているエクシーズ次元方面から強引な帰還を試みたものと思われるが搭乗者の生死の確認は該当海域の海流の流れから困難なため・・・


「遊勝塾・・・その女性は確かにそう言ったのだな?」

 

「はっ!しかとこの耳で聞き及んで。その後については月影が。」

 

「ふむ・・・」

 

 暗い部屋で年よりも大人びて見える白髪の青年、赤馬 零児は眼鏡を上げて額を揉む

 

「で、日影、お前はどうすべきだと思う?」

 

「う~む、難しい問題でござるな・・・」

 

 その意見に零児も同意見だった。

 過去、榊 遊勝という人物はスタンダードにおいてエンタメデュエルという形でアクションデュエルを隆盛させ、デュエルチャンピオンとして一時代を築いた稀代のデュエリストだった。

 同時に零児の父、零王の古くからの友人であり、狂ってしまった父をどうにかできるのは彼しかいないと以前、零児は彼に頼ったのだが・・・

 

「拙者は世間評価以上の遊勝殿については遊矢殿の主観が多分に入った評価しか知らぬが・・・

 あまりにも猪過ぎて零児殿にはすまぬが関わり合いになりたくない御仁でござるなと・・・」

 

 チャンピオン戦の棄権、転送装置の無断使用、デュエル塾の経営放棄、当時小学生の息子の育児放棄

 他方面でも身内としても迷惑な存在である。

 

「はぁ~・・・猪、か・・・」

 

「人柄そのものは善き人なんだそうでござるがなぁ・・・ただ、善き人過ぎて」

 

「今の我々の邪魔になるかもしれない、か・・・」

 

 もはや零児の父、零王は無罪や手打ちでは済まないところに来ている。

 自らの犯した過ちを命を以っても償いきれないほどの罪が重なっているのだ。

 

「猪は曲がることはできない、か・・・・」

 

――ピピピ

 

 零児の近くにある電話が鳴りだす。内線のようだ。

 

「私だ。」

 

≪社長、万丈目様がお見えです。≫

 

「わかった。すぐに行く。」

 

 零児は日影に何も告げずに出ていく、そして日影自身も音もなく姿を消した。


 普段は静かな港の倉庫街、だが今は静けさとは程遠い場所と化していた。

 

「いけ~キング・もけもけ~!『キング・もけもけうぇーぶ』!!」

 

キング・もけもけ『もけもけ~けけけけけけけけけ!!』

 

 そこは野太い重低音の爆音が響き渡る。

 それを発しているのは、なんかこう、白いまな板に手足とはてなマークをくっつけて顔を描いたような何とも言えない気の抜けた、それでいて山のように大きい謎のナマモノ

 

「・・・攻撃、そう言ったね?」

 

「えっ?」

 

「トラップ発動!邪神の大災害!!

 攻撃宣言時にフィールドのマジック、トラップカードをすべて破壊する!

 これで君のミスト・ボディ、進化する人類、天空の聖域、ついでに怒れるもけもけは消えちゃったね。」

 

「あぁ!!」

 

「つまり~?」

 

スターヴ・ヴェノム「ギャアアアアァァァッァアアアア!!」

         ATK1000→2800

 

 無理やりその力を押し込められていた飢えた毒竜がその不満を爆発させるかのように赤黒いエネルギーを翼のように広げる。

 

「やっちゃえ!!スターヴ・ヴェノム!!『蟲毒のヴェネミー・ノヴァ!!』」

 

「うわあああぁぁぁぁぁ!!」

 LP2000→0

 

 吐き出された毒の奔流は量産天使の塊を溶かしつくし、融解した残骸はその下の青年を押しつぶした。

 

「あぁ、やっぱり・・・僕なんかが・・・・くぅ・・・」

 

「いやぁ~面白かったよ!

 っていうか君、そんなデッキよく回せたね?事故がすごいってあれ?」

 

「ZZZzzz・・・」

 

「えっ?寝てる!?なんで!?・・・困ったなぁ~・・・どうしよう?」

 

 困惑する紫の少年『ユーリ』

 そこに5人の少年少女たちがぞろぞろとやってくる

 

「先輩を離せ!!」

 

「今度は僕たちが相手だ!!」

 

 そういって彼らはデュエルディスクを構えだす。

 

「あ″?・・・ふぅ、まぁいいや・・・」

 

 それに応えるようにユーリはまず、寝ている青年をカードに変えた。

 

「あぁ!!」

 

「よくも先輩を!!」

 

「どうせやるならさ、本気で来なよ。」

 

 ひらひらとカードを振って彼らを挑発するユーリ、同時に君たちもこうなるよと言っているようなものだが、彼らは逃げなかった。なぜなら

 

「こっちは五人だ!」

 

「皆の力を合わせればきっと勝てるわ!」

 

「みんな頑張ろう!!」

 

「「「「「おー!!」」」」」

 

――パン、パン、パン

「あ~はいはい、美しい友情だね。

 なんでもいいからさ、早くしてくれない?

 そっちは五人なんだから1ターン目は全員バトルはなし、先行は僕からで」

 

『『『『『『決闘(デュエル)!!』』』』』』

 

「僕は捕食植物(プレデター・プランツ)オフリス・スコーピオを召喚。」

 

 オフリス・スコーピオ ATK1200

 

 現れたのは植物でできた蠍、毒針があるはずの場所には果実が一つついており、その中で何かがうごめいている。

 

「召喚時に手札のモンスターを捨て、オフリス・スコーピオの効果発動

 デッキからオフリス・スコーピオ以外の捕食植物(プレデター・プランツ)モンスターを特殊召喚する。

 来なよ、ダーリング・コブラ。」

 

 ダーリング・コブラ DEF1500

 

捕食植物(プレデター・プランツ)モンスターの効果で特殊召喚されたダーリング・コブラと墓地に送られた捕食植物(プレデター・プランツ)ビブリスプの効果発動

 デッキから捕食植物(プレデター・プランツ)セラセニアントと融合を手札に加える。

 

 手札からマジックカード、捕食活動(プレデター・プラクティス)を発動

 手札のセラセニアントを特殊召喚して、デッキからプレデター・プライム・フュージョンを手札に加える。」

 

 セラセニアント DEF600

 

「で、融合発動、フィールドの捕食植物(プレデター・プランツ)ダーリング・コブラとセラセニアントを融合して、捕食植物(プレデター・プランツ)アンブロメリドゥスを融合召喚。」

 

 アンブロメリドゥス DEF2500

 

 二股の蛇のような姿の植物と草を背中に生やした奇妙な蟻が混じり合って生まれたのは、背中に青々とした葉を背鰭のように茂らせる古代爬虫類

 

「融合召喚されたアンブロメリドゥスとフィールドから墓地へ送られたセラセニアントの効果発動、デッキから捕食植物(プレデター・プランツ)サンデウ・キンジーと捕食惑星(プレデター・プラネット)を手札に加えるよ。

 

 さらにアンブロメリドゥスの効果発動、自分フィールド上のモンスター、オフリス・スコーピオをリリースしてデッキから捕食植物(プレデター・プランツ)モンスター、もう一体のセラセニアントでも出しておこうか。」

 

 セラセニアント DEF600

 

「カードを3枚伏せてターンエンド。」

 

「お、俺のターン!俺は手札からマジックカード融合を発動する!

 手札のスチームロイドと、ドリルロイド、サブマリンロイドを融合!!

 融合召喚!現れろ!スーパービークロイド―ジャンボドリル!!」

 

ジャンボドリル「ドドドドリール!!」

       ATK3000

 

 地面を割って現れたのは潜水艦に巨大なドリルが付いたような機械をキャラクターにディフォルメしたようなモンスター

 

「ふ~ん、君、アカデミアやめたのに融合使うのかい?」

 

「黙れ!アカデミアだからなんて関係ない!

 俺は、俺のデッキだから融合モンスターを使うんだ!誰かにとやかく言われることはない!!」

 

「・・・あ~そうだね悪かった。

 どんなカードを使うかなんて、個人の自由だもんね。」

 

「そうだ、カードが悪いんじゃない、デュエルを悪いことに使うアカデミアが悪いんだ!

 俺はこれでターンエンド!」

 

「その通りよ!私たちは本当に正しいことのためだけにデュエルをする!

 私のターン!私は手札から融合を発動!

 手札のデス・カンガルーとビッグ・コアラを融合してマスター・オブ・OZを融合召喚!!」

 

マスター・オブ・OZ「ふぅんん!!」

          ATK4200

 

 続いて現れたのは広大な大地の頂点に立った獣のチャンピオン

 手にはめた真っ赤なグローブを打ち鳴らし、筋肉質なそのボディに燦燦と輝くチャンピオンベルトが巻かれている。

 

「本当に正しいこと?」

 

「デュエルで皆を笑顔にすることよ!ターンエンド!!」

 

「へぇ~皆を笑顔に、ね~・・・

 じゃあ、君たちって負けても悔しくないんだ~?」

 

「先生は言ったわ。

 本当のデュエルは勝った者も負けた者も、見ている人だってみんな笑顔にするって!」

 

「デュエルには!皆を笑顔にできる力があるんだ!

 お前には、目いっぱい笑いながら負けてもらうぜ!!

 俺のターン、俺も手札から融合を発動!

 手札のおジャマ・イエロー、グリーン、ブラックを融合して融合召喚!」

 

 その隣に現れたのは異色も異色、真っ白な巨大な顔にムキムキの小さな手足と触角のような目が直接生え、風呂敷をマントに、股間を隠す赤いパンツと同じものを頭にも穿き王冠を被ったおふざけの極み

 

「現れろ!おジャマ・キング!!」

 

おジャマ・キング「おジャマぁああぁああ・キイイィィング!!」

        DEF3000

 

「おジャマ・キングがフィールドに表側表示で存在する限り、お前の使っていないモンスターゾーンは3箇所使用不能となる!」

 

 ユーリのフィールドにキングを分割したような黄、黒、緑の何とも言えないモンスターたちが現れる

 実際は使用不能の演出のために彼らがいるだけなので、ユーリのフィールドに3体のモンスターが特殊召喚されたわけではない。ただジャマしに来ただけである

 

「ふ~ん。」

 

「いくぞ!」

 

「おう!兄さん!」

 

「俺のターン!俺はV―タイガー・ジェットを召喚!

 さらに永続魔法、前線基地を発動!

 手札のレベル4以下のユニオンモンスター、W―ウィング・カタパルトを特殊召喚!」

 

 V―タイガー・ジェット  ATK1600

 W―ウィング・カタパルト DEF1500

 

「へぇ~君は融合は使わないんだ。」

 

「使わなくても融合召喚はできるんだぜ!

 俺はこの2体を除外して、VW―タイガー・カタパルトを融合召喚!!」

 

 藍色の奇妙な形のジェット機が分割、上に虎のロボットが伏せの体勢でドッキングして新たなモンスターとなる

 

 VW―タイガー・カタパルト ATK2000

 

「カードを1枚伏せターンエンドだ!」

 

「俺のターン!」

 

「俺はこの瞬間、トラップカード、強欲な贈り物を発動!

 相手プレイヤーはカードを2枚さらにドローする!受け取れ!」

 

「ありがとう兄さん!これで行ける!

 俺は手札からマジックカード、予想GUYを発動!デッキからレベル4以下の通常モンスター、X―ヘッド・キャノンを特殊召喚!

 さらに永続魔法、前線基地を発動して手札からY―ドラゴン・ヘッドを特殊召喚!

 そして、Z―メタル・キャタピラーを通常召喚だ!」

 

 X―ヘッド・キャノン   ATK1800

 Y―ドラゴン・ヘッド   ATK1500

 Z―メタル・キャタピラー ATK1500

 

「X、Y、Z。」

 

「解っているようだな。

 俺はこの3体を除外し、XYZ―ドラゴン・キャノンを融合召喚!!」

 

 黄色の蟹のような戦車、赤いロボドラゴン、砲塔の付いた青い上半身のみのロボットが重なり5つの砲塔を備えたロボット戦車、XYZ―ドラゴン・キャノンが誕生した。

 

「ふ~ん、やるね君たち、でもそれで終わり?」

 

「そんなわけない!俺は手札を1枚捨て、XYZ―ドラゴン・キャノンの効果発動!

 フィールド上のカード、アンブロメリドゥスを破壊する!

 いけ!『XYZ―ハイパーキャノン』!!」

 

「・・・はぁ~速攻魔法、プレデター・プライム・フュージョン発動~

 自分フィールド上の2体を含むモンスターを素材に融合召喚をする。」

 

「何!?」

 

「融合モンスターのアンブロメリドゥスと闇属性モンスター、セラセニアントを融合

 甘き蜜で獲物を誘い、今一つとなりて、次なる命を貪れ!融合召喚!!

 現れろ、捕食植物ドラゴスタペリア。」

 

ドラゴスタペリア「ギャアアァァァァ!!」

        ATK2700

 

「フィールドからセラセニアントが去ったことでデッキから捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)を手札に加えるよ。」

 

「くっ!でもXYZ―ドラゴン・キャノンの効果に1ターン制限はない!

 もう1枚捨て、ドラゴスタペリアを破壊だ!」

 

「それにチェーンしてドラゴスタペリアの効果発動

 1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体に捕食カウンターを置く。」

 

 竜の姿をした植物がその尾をドラゴン・キャノンに押し付けるとそこには小さな実がくっ付いていた。その影響は

 

 XYZ―ドラゴン・キャノン 捕食C0→1

              LV8→1

 

「な、なんで破壊されないんだ!?」

 

「ドラゴスタペリアは捕食カウンターの乗ったモンスターの発動した効果を無効化する。

 あぁ、これは永続効果だから捕食カウンターが乗った瞬間、解決不能になるんだ。お勉強になった?」

 

「くうぅう・・・・」

 

「まだだ!なぁ!本当の俺たち兄弟の力を見せてやろうぜ!」

 

「兄さん・・・わかった。

 それなら俺はマジックカード、精神操作を発動!

 相手フィールド上のモンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで奪う!

 兄さんのフィールドのVW―タイガー・カタパルトを俺のフィールドへ!」

 

「よし!行け!!」

 

「うん!俺はXYZ―ドラゴン・キャノンとVW―タイガー・カタパルトを除外してVWXYZ(ヴィトゥズィ)―ドラゴン・カタパルト・キャノンを融合召喚!!」

 

 2体の合体モンスターを構成していたパーツがさらに複雑に分離合体をし組み上がったのはあらゆるものを葬り去る巨神

 

 VWXYZ(ヴィトゥズィ) ATK3000

 

「おお~やるね。

 でも僕は精神操作にチェーンして発動していた捕食惑星(プレデター・プラネット)の効果を使わせてもらうよ。

 このカードは捕食カウンターが置かれたモンスターがフィールドからいなくなった場合、デッキからプレデターカード1枚を加えるんだ。

 ん~そうだな、2枚目のプレデター・プライム・フュージョンでも加えておこうか。」

 

「でもドラゴスタペリアの効果をもうお前は使えない!

 VWXYZ(ヴィトゥズィ)―ドラゴン・カタパルト・キャノンのモンスター効果!

 1ターンに1度、相手フィールド上のカード1枚を除外できる!

 今度こそドラゴスタペリアを「チェーン発動、捕食計画(プレデター・プランニング)」なっ!?」

 

「デッキから捕食植物ドラソフィルム・ヒドラを墓地に送ってフィールド上の全モンスターに捕食カウンターを置く。」

 

 VWXYZ(ヴィトゥズィ)       捕食C0→1  LV8→1

 おジャマ・キング   捕食C0→1  LVLV6→1

 マスター・オブ・OG 捕食C0→1  LV9→1

 ジャンボドリル    捕食C0→1  LV8→1

 

 ドラゴスタペリア 捕食C0→1 LV8→1

 

「これでドラゴスタペリアの効果が有効になり、VWXYZ(ヴィトゥズィ)の効果は無効

 お兄さんが増やしてくれた手札も0、さぁ君はあと何ができる?」

 

「う、うぅ・・・俺はこれでターンエンド・・・」

 

 5人のターンを終えてユーリのフィールドの被害と言えばおジャマ・キングのモンスターゾーン封鎖ぐらいであり、除去特化であったXYZデッキの使い手は顕著に、そのほかの4人も信じられないものを見たように目を見開いている。

 

「ほらほら、どうしたの5人相手でもちっとも負けてない僕ってすごいでしょ?

 なら僕のプレイングで笑顔になってよ?デュエルで笑顔を、そうなんでしょ?」

 

「「うぅ・・・」」「「「くっ・・・」」」

 

「・・・・・・ふぅ~、僕さぁ~この前、引き分けたんだけどさぁ~

 まぁ、向こうがわざと引き分けに持ち込むためだけにデッキ組んでいたから、実質負けみたいなもんなんだけどさぁ~」

 

 ユーリはイライラしていた。彼がアカデミアに身を置いているのはあらゆる世界で強いデュエリストとデュエルするためであり、アカデミアの目的とか思想とかは全く頭に入っていない。

 そういう点だけで言えば、目の前の五人組とあまり変わりない。

 

「でも、楽しかったんだよ。びっくりしたんだよ。ワクワクしたんだよ!

 でも君たち何?さっきの彼と比べても全然!!楽しくないんだけど?だからせめてさぁ~」

 

 五人は何も言えない。言い返せない。

 所詮『アカデミア生』である彼らは

 

「このターンで僕が五人抜きして見せるから、それで笑って見せてよ。」

 

 自分が負けるときにどう笑えばいいのかわからないのだから

 

「僕のターン、ドロー

 僕はフィールド魔法、ブラック・ガーデンを発動

 さてまずは邪魔ものをどけますか。」

 

おジャマ・キング「おジャ?お!?おジャマあぁぁぁああ――ギャアアァァアアア!!

 

「おジャマ・キング!?」

 

 おジャマ・キングにくっ付いていた捕食カウンターが急成長、あっという間に巨体を飲み込み数多の頭を持つ蛇を模した植物へとなり果てる。

 

 ドロソフィルム・ヒドラ DEF2300

             ATK800→400

 

「ドロソフィルム・ヒドラは捕食カウンターが置かれたモンスター1体をリリースした場合に墓地から特殊召喚できる。

 でも、もらうばかりじゃ悪いからね。だからプレゼント。」

 

 ローズ・トークン ATK800

 

 おジャマ・キングが消え去った場に残されたのは一輪の美しい赤いバラ、とはいっても人間ほどの大きさがある怪植物である。

 

「ブラック・ガーデンの効果発動中、召喚、特殊召喚されたモンスターの攻撃力は半分になり、相手のフィールドにローズ・トークンが1体特殊召喚される。

で、捕食カウンターが乗ったモンスターがいなくなったから、捕食惑星(プレデター・プラネット)の効果で捕食植物(プレデター・プランツ)スキッド・ドロセーラを手札に加える。

 

 さらに墓地のビブリスプは捕食カウンターが乗ったモンスターがいることで特殊召喚できる。

 モンスターが特殊召喚されたことで、そうだな~モンスターのいない君にプレゼント。」

 

 ビブリスプ DEF1900

 

 ローズ・トークン ATK800

 

「うっ!?」

 

「あっ、その反応、手札に何かダイレクトアタックを止めるカードを抱えているね?

 もうだめじゃないか、相手に気取られるような表情しちゃあさぁ~

 まぁいいや、装備魔法、捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)発動~

 墓地の捕食植物(プレデター・プランツ)、アンブロメリドゥスを特殊召喚~ついでのローズ・トークン~」

 

 アンブロメリドゥス DEF2500

           ATK1000→500

 

 ローズ・トークン ATK800

 

「で、アンブロメリドゥスの効果~ビブリスプをリリースして、デッキからスキッド・ドロセーラを特殊召喚、で、またまたローズ・トークン~

 そして、捕食植物(プレデター・プランツ)サンデウ・キンジーを召喚。これで君たちのフィールドにローズ・トークンが行き渡ったね。」

 

 スキッド・ドロセーラ ATK800→400

 

 ローズ・トークン ATK800

 

 サンデウ・キンジー ATK600→300

 

 ローズ・トークン ATK800

 

「な、なんなんだ。このトークン?」

 

「自分のカードの効果で攻撃力を半減してまで・・・」

 

「さぁ仕上げようか。サンデウ・キンジーを発動!

 このカードを含む僕のフィールドのモンスターを使って融合召喚を行う!

 サンデウ・キンジー、ドロソフィルム・ヒドラ、スキッド・ドロセーラの三体のフィールドの闇属性モンスターを融合!

 魅惑の香りで虫を誘う、3輪の美しき花よ、魔を払いて敵を貫け!融合召喚!捕食植物(プレデター・プランツ)トリフィオヴェルトゥム!」

 

トリフィオヴェルトゥム「「「ギャアアォオオオオオォォォォォオオオオ!!!」」」

 

 3つの首が吠える、それは被捕食者であるはずの植物が最強の捕食者であるドラゴンを模した、弱者が強者となったことの証明

 その膨大にため込まれた養分を求めて黒い庭に蔓延る茨が迫って来るが

 

「トリフィオヴェルトゥムの召喚に反応してブラック・ガーデンの効果、それにチェーンして墓地の捕食計画(プレデター・プランニング)の効果

 闇属性モンスターの融合召喚に成功した場合、このカードを除外してフィールド上のカード一枚を破壊する。破壊するのはもちろん邪魔になったブラック・ガーデン

 さらに、フィールドから墓地に送られたスキッド・ドロセーラの効果で相手フィールドの特殊召喚された全てのモンスターに捕食カウンターが置かれる。」

 

 ジャンボドリル  捕食C1→2

 ローズ・トークン 捕食C0→1 LV2→1

 マスター・オブ・OG 捕食C1→2

 ローズ・トークン   捕食C0→1 LV2→1

 ローズ・トークン 捕食C0→1 LV2→1

 ローズ・トークン 捕食C0→1 LV2→1

 VWXYZ(ヴィトゥズィ)     捕食C1→2

 ローズ・トークン 捕食C0→1 LV2→1

 

「そして、トリフィオヴェルトゥムはフィールドの捕食カウンターの乗ったモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。」

 

  トリフィオヴェルトゥム ATK3000→19900

 

「攻撃力19900!?」

 

「おっとまだ終わりじゃないよ。

 手札のスキッド・ドロセーラを捨てることでこのターン、トリフィオヴェルトゥムは捕食カウンターが乗ったモンスター全てに攻撃できる。」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 トリフィオヴェルトゥムの元々の首3つに加え、さらに5本の首が新たに生えてくる。

 過剰に増えた重量に耐えきれず二足が四足になるが、その姿を不格好などとは呼べない。より強力に成長した八つ首の植物竜は抗う手段がない彼らに恐怖を与えている。

 

「さて~ここまでの攻撃力になると君たちはものすっごい痛い目にあうことになるわけだけど~・・・・うん、そうだ。

 君たちのデュエルを採点してあげよう。

 で、合格点だったら僕はターンエンドしてサレンダーを許してあげよう。もちろんダメな奴から攻撃するけど。」

 

 何を考えているのか解らないユーリだが、突然にそんなことを言われた五人は恐怖を通り越して疑問だけが頭を支配した。

 

「な、なんでそんなことを?」

 

「・・・つまんないからだよ。」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「君たちの本気を見たいからさっきの彼をカードにしたりしたのにさ~ものっすごい期待外れ!!

 魔の試着部屋で4体特殊召喚からの弱肉一色で全破壊とか、すっごいコンボ決めてくれた彼をカードにしちゃったのすっごく後悔!

 だからちょっとでも面白いことしなくちゃ~割に合わないじゃん?」

 

 ユーリから告げられた事実は彼らの心を激しく揺さぶった。

 先輩は自分たちの所為でカードにされたのだと、自分たちのデュエルでは人を笑顔にできないのだと

 恐怖、緊張、悲観、後悔、絶望、心に灯った黒い炎は先生からの教え(ハリボテ)を容易く燃やし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと待って「あ~最初の二人は論外ね。」っ!!?」

 

 た所でユーリには関係ないことだった。

 

「わ、わたしもっ!?」

 

「うん、だって君たちの相手ってアカデミアなわけだから【サイバー】か、【古代の機械】が相手なんだよ?

 ただ攻撃力の高いモンスター出したところで上から殴られるに決まっているじゃないか、あはは

 っていうわけで攻撃だよ。トリフィオヴェルトゥム、ローズ・トークンにね。」

 

「ぎゃあああああぁぁああああああああ!!」

 LP4000→0

 

「きゃあああぁああああああああああ!!」

 LP4000→0

 

 トリフィオヴェルトゥム ATK19900→16100→11100

 

 トリフィオヴェルトゥムの4つの首から溶解液のブレスが吐き出される。

 ローズ・トークンはドロドロに溶けたが、いくらリアル・ソリッドビジョンと言えども人体にその性質を反映させることはできない。

 ただ身が焼かれるほどに死ぬほど痛いだけである。痛みで意識を喪失させるほどに

 

「さて次の君だけど~」

 

「っ!!?お、俺は!!「まぁましなだけで大して変わりないよね。」ぎゃあああぁあああああ!!」

 LP4000→0

 

 トリフィオヴェルトゥム ATK11100→10700

 

「で、残った君たちは~」

 

「うっ・・・」「くっうぅ・・・」

 

「うん、君たちはよかったよ。特にお兄さんの方

 普通のデュエルではデメリットにしかならないカードをパートナーのサポートに使ったりとかしてちゃんと考えているんだな~って。」

 

「「!!」」

 

 残った二人は前三人とは違う評価をされたことに驚き、助かるかもしれない希望が見えたことに頬が緩むが

 

「僕のほとんど公開情報のセットカードをな~んにも考えないで、モンスターばっかり狙うのはどうかと思うなぁ~弟クン。」

 

「ぎゃあああああああああああああああ!!!」

 LP4000→0

 

 トリフィオヴェルトゥム ATK10700

 

 それはすぐに絶望に変わる。

 

「あ・・ぁ・・・え・・・・?」

 

「もうちょっと考えて使えば、手札残ってたかもしれないのにさ~

 せっかくのファインプレーも生かせなきゃ意味ないよねぇ~アハハ~」

 

「・・・・・・お、おまぁお前!!!」

 

「え?何?君も怒ってもいいと思うんだけど?

 弟クンが最後に切っていたのおろかな埋葬だよ?」

 

「っ!?」

 

「発動していれば、何か攻撃防ぐ手段があったんじゃないかなぁ~?」

 

 そう、弟のデッキを兄は知っている。元々タッグで戦うことを想定しているのだから当然だ。

 だから兄は知っている弟のデッキにはこの惨劇を止めることができたカード「超電磁タートル」があったことを

 

「あぁ・・・・んうっ!!」

 

 兄はユーリの言葉で納得してしまった。納得してしまったことを後悔した。

 さっきまでとは違い自己嫌悪で体が震えるが

 

「で、お兄サンはまぁまぁよかったけど・・・弟クンも含めて一つ残念なことがぁ~・・・」

 

 目の前の食後の余韻を邪魔された捕食者は待ってはくれない。

 

VWXYZ(ヴィトゥズィ)は融合召喚じゃなくて、特殊召喚だよ!バァ~カァ!!」

 

「うわあああああああああ!!」

 LP4000→0

 

 したり顔で融合召喚宣言した彼にイラっとしていたユーリが彼を許すことなど最初っからなかった。

 すぐさまユーリはデュエルディスクを操作し五人をカードに変えるが、そんなことをしても口から出るのはため息だけだ。

 

「はぁ~ぁ・・・五人でやれば勝てるとか、所詮はアカデミアのドロップアウトかぁ~・・・

 期待した僕が馬鹿だったぁ~~」

 

――ピピピ

 

「うん?あぁオジサン、あっちはどお~?」

 

『順調だ。ユーリもこのまま追撃してくれ。』

 

「はいはい、こっちも口直しがしたいと思っていたところだからね。

 さぁ~て・・・6人もやっつけたんだから、そろそろ出てきてほしいなぁ~天上院 明日香サン。」

 

 デュエルに飢えた捕食者は、看板メニューに思いを馳せ舌で唇を湿らせた。


―メディチ教会―

 

 イタリア名家メディチ家が日本において古くから所有している歴史ある教会であり、日本においては珍しい岩山をくりぬいて作られた岩窟教会である。

 歴史を感じさせる重厚な雰囲気は古くからその地の観光名所として成り立っていたが、当代の管理者が存在しなくなってしまった為に今は封鎖され廃墟となっている場所である。

 ただ一般には封鎖はされてはいるが、誰もいないというわけではない。

 

「ここよ。」

 

――ゴゴゴゴ

 

 その姿を見れば男でも女でも振り返る程の美少女、天上院 明日香の操作により礼拝堂のパイプオルガンの裏に隠された秘密通路が開かれる。

 

「さぁ入って。安心して、ここにはあなたのようにアカデミアから脱出してきた子たちがたくさんいるから。」

 

 かつてのメディチ家当主が個人的な趣味で作った地下空間

 もちろん歴代の管理人たちはこの空間のことを聞き及んでおり、一般には公開されていなかった為、外の歴史的な建造物としての雰囲気を気にすることがなかったこの空間はガラスや鉄戸、リノリウムの床など近代化が行われており、なかなか快適な空間となっている。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 大きな窓をのぞけばその中は小さなデュエル場となっており、何人かの青年少女たちがデュエルをしていた。

 

「ここは・・・」

 

「ここは私たちのデュエルスクール。」

 

 不在となってしまった管理者の遺志を継いだ使用人たちがアカデミアからの脱走者たちを囲ったことが始まり、今ここは一年ほど前に来たある男を旗頭とする決闘(デュエル)塾となっていた。

 

「『遊勝塾』よ。」

 

「遊勝、塾っ!?」

 

 空いた扉の奥には大きな「遊」と書かれた垂れ幕を背にロッキングチェアに腰掛ける一人の男がいる。

 赤い目立つ衣装にゴーグルの付いた紫のシルクハット、傍らには装飾のされたステッキと一見すれば手品師に見える。

 男は部屋に入ってきた彼らを一瞥すると、不敵に笑いステッキを片手に歩み寄る。

 そのステッキを支えにした少し引きずるような歩みは彼が足に障害を持っていることがわかるだろう。それでも彼は余裕のある態度で新たな生徒を歓迎するのだ。

 

「ようこそ、遊勝塾へ。私は榊 遊勝。

 ここで先生なんて呼ばれているが、まぁしがない決闘者(デュエリスト)だ。よろしく。

 君の名前はなんて言うんだい?」

 

「・・・僕は。」「明日香様!!大変!!」

 

「っ!!?どうしたの!?」

 

「その子を保護したところ見られていたみたい!!

 先輩が行ってくれたけど、応援に行った5人とも全員帰ってこないし、もしかしたら・・・みんな・・・」

 

「っ!!解った私が行くわ・・・皆は万が一のために準備を。」

 

「そんな!?明日香様は!?」

 

「・・・ふふ、安心して、私がそう易々とやられると思ってる?」

 

「そんなことは・・・」

 

「うん、任せて!

 ごめんなさいね。来たばっかりなのにバタバタしちゃって、でも安心してここは安全だから・・・

 どっちの方角!?」

 

「港の方です!」

 

「先生!その子のことは頼みます!!」

 

「あぁ!!わかった!」

 

 慌ただしく明日香と彼女を呼びに来た少女は去っていく。

 部屋の外ではバタバタと動く足音がしており家にすら帰れない彼らが縋る最後の砦を守るために動き出していた。

 

 遊勝は恐怖か、罪悪感からだろうか?俯いて震える少年の肩に手を置いて安心させるように声をかける。

 

「安心しなさい。彼女は強い。君も何にも気に病む必要は「やっぱり偶然じゃなかった。」んっ?何のことだい?」

 

「『デュエルで笑顔を』なんてさ。

 あんたの息子は大怒りだよ。家族をほっぽって何をやっているのさ。」

 

「っ!!?」

 

 遊勝は驚愕した。遊勝はこの水色の髪の少年のことを知らない。初対面だ。それは間違いない。

 それなのに目の前の少年は自分のことを知っている。この世界の外部の人間が自分の素性を知るのはただ一人を除いて不可能のはずだ。

 

「君は・・・何者だい?」

 

「・・・自己紹介がまだだったね。

 僕は紫雲院 素良、遊矢の・・・友達さ。」




 あんたのことは詳しく知らないし、どういう事情でここにいるのかもわからない。
 でも友達が恨んでいて、恩人を悲しませているのなら戦う理由としては十分だろ?
 次回 『榊 遊勝の謎』
 さぁ行くぞ!大馬鹿野郎!!

「CC」カード群の効果について

  • 制作したものをそのまま使用
  • 後付け効果を削除
  • メインに入るカードの後付け効果のみを削除
  • EXのカードのみをアニメ寄りにして使用
  • 完全にアニメカードそのまま
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。