空は晴天。
雲一つない空から太陽の光が温かく降り注ぐ。
まさに野外日和。
活動報告会当日となり、早朝から準備に入った各兵団は引っ切り無しに大忙し。
テントや簡易小屋などは前日に準備を終え、今は食材の運び込みや展示物の展示、さらに予想されるポイ捨てを減らすためにいたる所へゴミ箱の設置などが行われている。
エレン達新人調査兵団露店班も食材を運び込み、機材の設置を急いで行っていた。
というのも総司の提案で露店を二つ設置するので、食材も含めて種類と量が多いのだ。
一つはエレンが班長を務めナポリタン焼きそばなどの麺類を提供する屋台的なもので、もう一つはライナーが班長を務めるお持ち帰り専門の出店小屋。
総司曰く、昼時などの食事時には人が多くなり飲食スペースは埋まり、そう言った時は回転効率の高いお持ち帰りの店が売り上げを勝ち取れるとの事で二店となったのだ。
それと調査兵団の露店スペースの斜め向かいにはリーブス商会より出店された小さな店が出来、そこでは料理で使われるナポリタンソースやウスターソースの瓶詰や焼きそば麺などの麺類の袋詰めを販売するらしい。
入り口からの位置から進行方向を考えると調査兵団の露店スペースの後になり、ここで料理を気に入った客がそのまま買ってくれることを期待しているのだろう。
さすが商売人だなぁと感心する。
苦笑いを浮かべながら用意が済み、エレンは調理担当用の制服を着用する。
今回は純白のスーツではなく試着でライナーが来たのと同じ調査兵団仕様のコックコート姿だ。
勿論ミカサもフロア担当の調査兵団仕様のメイド服である。
「なんでボクだけ!?」
予想通りの叫び声はスルーする。
どうせ振り返ればウサギを模した女装姿のアルミンが居るだろうから。
着替えが終わって集まり、サシャとアルミン以外は彩華制作の制服に身を包んでいた。
女性陣は可愛らしい制服に、男性陣はカッコいい制服に喜び士気は上々。
「良し。優勝狙って売って売って売りまくろう!」
エレンがそう叫ぶと批判の声は全くなく、全員が「おー!!」と声を合わせて叫び返した。
やる気十分の調査兵団露店班は習った事を全部出し切ろうと活動報告会に挑むのである。
昼食時にしては少し早い時間帯にとある一団が周囲を眺めながら歩いていた。
一人を除いて兵団の制服であるジャケットを羽織っているものの、描かれた紋章には
彼ら・彼女らは総統直轄の兵である。
そんな者らが団体で周囲を警戒するようにしているという事はその中央には重要な人物が居る。
三つの兵団を統括するダリス・ザックレー総統。
彼は活動報告会の様子を見るのと同時に露店の審査委員長を任せられているので、こうして立場上護衛付きで出歩いているのだ。
とは言っても彼は露店を眺めるだけで何かを購入することはない。
毎年同様にギトギトした芋の揚げ物に煮豆などの露店ばかり。
憲兵団の多少安い肉も恒例で代わり映えしない。
気になると言えば駐屯兵団のビアホールぐらいだが、昼間っから堂々と総統が酒をかっ喰らう訳にもいかない。
そう言った訳で毎年通り遠目ながら眺めているだけ。
もしも食事処ナオが出張営業でもしていたら周りの目も気にせずに行くがな。
あり得ないなと浮かんだ考えを軽く笑う。
ふと、鼻孔を何かの匂いが擽った。
美味しそうとかいう感想よりも先に知っている匂いに戸惑う。
足を止めた事で護衛をしている兵が立ち止まってどうされましたかと問うが、そんなことを気にしている場合ではない。
匂いの発生源に向かって歩き出し、慌てて兵もそれに合わせて移動を開始した。
この匂いは間違いなくアレだとザックレーは確信する。
人を使って肉屋を巡らせたが扱ってないと言われたあの肉。
匂いの発生源である露店の前で再び足を止めたザックレーは看板を見つめる。
そこは調査兵団の露店スペースで看板にはデカデカと“ナポリタン焼きそば”なる見知らぬメニューが描かれており、気にはなったが今見るべきはそこではない。
何種類か手書きで料理の絵が描かれてある中で、探していた食材を使っている料理を発見した。
焼きそばよりも太く茶色い麺の上に純白の塊のようなものが描かれている。
料理名は“ホルモンうどん”。
食事処ナオで注文する焼肉セットにもあるホルモンを使ったメニュー。
どれだけ肉屋に問い合わさせてもホルモンなんて物はありませんと言われ、食事処ナオ以外で口にすることは叶わないと思っていたが…。
今も漂う香りにごくりと生唾を飲み、露店スペースへ入り込んでいく。
まだ昼食前と言う事もありそこそこ空いていたが、他の露店に比べては多い方だ。
原因はあの調理法にあると見た。
調理者が大きく料理をかき混ぜる事によって周囲に匂いが拡散し、虫が樹液に群がる様に客が引き寄せられたのだろう。
儂もその一人なので効果のほどは絶大だ。
空いていた席に腰かけるとスッと調査兵団にも似たメイド服を着た少女が歩み寄ってきた。
「こちらメニューです」
言い方に動作、雰囲気に食事処ナオに似通ったものを感じながら、ザックレーは差し出されたメニュー表の受け取りを拒否した。
「もう注文は決まっている。ホルモンうどんを一つにレモン水を貰おうか」
「畏まりました。ホルモンうどん一つにレモン水一つですね」
看板を見た時から決めていた。
一瞬レモンサワーかと見間違えたが、ホルモンゆえに脂っこいだろうからレモン系のさっぱりとした飲み物が良いなと注文したのだ。
メイド服の少女は注文を調理していたエレンに伝えた。
この時エレンは心臓が口から飛び出るほど驚いていた。
なにせナポリタン焼きそばを作り終えて顔を上げると、席に三つの兵団を仕切っているザックレー総統がいるのだから。
驚きながらも注文を受けるや否や大きく深呼吸し、調理に集中する。
客が誰であろうとすることは変わらない。
そう総司に教わったのだから。
エレンの気持ちなど露ほども興味のないザックレーは調理する様子を眺めていた。
熱された鉄板にホルモンがぼとぼとと落される。
じゅわ~とホルモンが焼け始めると同時に香りが放たれ胃袋を刺激する。
鉄ヘラで移動させられるたびに濃厚な旨味を持っているであろう溢れ出た脂が鉄板を潤す。
これが人目が無くて鉄板が冷めていたならば、無心で鉄板の上で踊る脂を舐め取って米をかっ喰らっているところだ。
ホルモンがある程度火が通るとネギやキャベツが加えられて炒められる。
しんなりと柔らかくなった頃合いにうどんが投入され、鶏がらスープに下ろしにんにく、ウスターソースを掛けて大仰に混ぜあわせる。
今すぐ食べたいというのにこうして匂いを立てて空腹感を煽るとは…。
お預け状態の上に匂いだけ嗅がされている現状にザックレーは耐える。否、耐えねばならない。この後の至福の時を思い描いて。
ソースがしっかりとうどんに絡み、色が茶色く染まった事で調理は終了して木皿に盛りつけられる。
「はい、ホルモンうどんお待ち」
出来上がったホルモンうどんがメイド服の少女の手によって運ばれてきた。
だがここが外だという事を忘れてはならない。
立場がある以上それなりの振る舞いが必要。
内心がっつきたいのを押さえて冷静かつゆとりのある態度を取り繕う。
「ホルモンうどんとレモン水をお持ちしました」
「うむ、ありがとう。では早速頂こう」
一緒に運ばれたフォークを手に取り、待ちに待ったホルモンを口にする。
噛み切れないふにふにと柔らかな食感を噛み締めれば噛み締めるほどに濃厚な脂が口内を潤わし、香ばしくしょっぱさと優しい甘みのあるソースが焼肉のたれとは違う味を演出する。
これはこれで堪らないな。
レモンの香りと酸味を含んだ水を含みさっぱりとさせる。
次はソース色に染まるうどんをフォークに絡ませて口に運ぶ。
含んだ瞬間に感嘆の声を漏らした。
パスタより太く、フォークで持ち上げた時にふにゃりと曲がったので柔らかい麺と思ってしまったがそうではない。
確かにパスタの様な硬さは無かったがしっかりとしたコシがある。
それにソースの味わいもあるがホルモンの脂がべっとりとこびり付いており、唇や口内にもねっとりと付着する。他では味わえない食感に味わいがどうにも癖になる。
先ほどまで振る舞いを気にしていた筈なのに、ザックレーは勢いに任せてがっついていた。
唇は脂が付いてリップグロスを塗ったかのようにテカり、視線はホルモンうどんに釘付け。
護衛の兵士も護衛しながらゴクリと生唾を呑み込み眺める。
体面を気にすることなく食べる総統にそれを警護している兵士達。
異様な光景が目に留まった客が足を止め、そこに調理の過程で発生した匂いが逃がすまいと空腹感を刺激して客を絡め獲る。
未だ昼食時には早いというのに調査兵団の露店エリアは大盛況となり、列が出来るほどの客入りを記録した。
火付けの一つであるザックレーはそんな事は気にせず、ホルモンうどんをもう一皿と気になったナポリタン焼きそばを注文するのであった。
昼食時真っただ中。
何処の店も人だかりが出来、それなりの賑わいを見せていた。
飲食スペースのある露店はほとんどが埋まり、お持ち帰りを基本とする屋台形式の露店は列が出来ている。
道を行く人々は何処かで美味しいものでも食べようかと空いている露店を探し回るがもう時間が時間だけにそんな都合の良い店はない。
そんな人々の中を食べながら歩き回っている少女が居た。
もぐもぐと咀嚼し、ゴクリと口の中の物を呑み込むと手にしていた料理に齧りつく。
空腹感から彷徨う方々から見たら羨ましい限りであろう。
周囲からそんな視線を集める少女――調査兵団所属サシャ・ブラウスは気にせずに食べ歩きを続ける。
決してこれはサボっている訳ではなく、総司が指示した立派な仕事だ。
こうして食べ歩くことでエルディアでは見慣れないバーガーを見せ、美味しそうに食べるサシャが表情で相手にそれを伝える。
要はさくらを使った宣伝である。
ただバレないように普段着で店の宣伝になるようなものは手にしているソイミートハンバーグを使ったバーガーぐらいしかない。
正直サシャにとってはどういう意図なのかなどは割とどうでも良い。
なにせ決められたルートを予定された時間で歩きながらゆっくり食べていれば、次のバーガーを奢って貰えるのだから。
食べながら歩いていると駐屯兵団のスペースいっぱいに天幕を張ったビアガーデンらしきものが視界に移る。そこでは調査兵団みたく危険は少なく、かつ安定した職場である駐屯兵団に所属したフランツ・ケフカとハンナ・ディアマントの姿があり、ペアルックのエプロンを着て料理を運んでいた。
「それ、美味しそうだね」
声を掛けられて振り返ると私服姿のナナバが立っており、手にしていたバーガーを指差していた。
今回の活動報告会の優勝を逃がすまいと団長の指示でベテラン勢の一部がこういったサクラとして動いている。
先ほどはモブリットと出会ったのだが、演技に緊張したのかほぼ棒読みだったのは面白かったなぁ。
「これでしたら向こうの―――」
指示されていたようにわざとらしくない程度で居ながらも周りの人にしっかりと聞こえる音量で、方向を指で示しながら何処の露店でこれが幾らしたのかを伝える。
予定通りに返答されたナナバは礼を言ってそちらへと歩いて行く。
すると彼女を道案内に数名の腹をすかせた人が動き出す。
はむっとまた齧り、サシャは歩き続ける。
次のバーガーを食べる為に。
ジャン・キルシュタインは苛立っていた。
マルコ・ボットとコニー・スプリンガーと共に憲兵団に入団し、他の兵団と同じく活動報告会の準備を行ってきた。
やる気のない先輩たち曰く、安く肉売ってれば客もたくさん入って一位取れるからと簡単に言っていたのに、当日は閑古鳥が鳴くほどではないが客入りは悪い。
「客来ねぇな」
「そ、そうだね」
暇そうに呟くコニーに困ったようにマルコが答える。
正直空気は最悪だ。
不真面目でさぼり気味の先輩達を見て、それで良いんだと見習ってしまった新人も多く士気は低い。さらにだらだらとする者まで現れて、頑張ろうと気合のある奴はジャンが知る限りでは、マルコと別の訓練兵団所属だったマルロ・フロイデンベルクぐらいだろう。
他と言えばヒッチ・ドリスという少女のように仕事をさぼって露店を見て回っているか、なぁなぁで作業をしている者ばかり。
大きくため息を漏らしながらやってられるかと内心飽き飽きしていたジャンは出入り口へと向かう。
「おい、ジャン。何処に行くんだ」
「ちょっと他の店の様子を見て来る。なぁに心配すんな。サボりじゃねぇよ。すぐ戻るってマルロにも言っといてくれ」
そう言うとジャンは他の露店の視察と言う名目の気分転換に出掛け、ぶらりぶらりと見て回る。
何処も彼処も似たような感じで盛況ほどではないが普通に客が入っていた。
こうして見て回ったがどうして憲兵団の肉類に客が喰いつかないのかが分からない。
他でもっと肉を安売りしているのならまだしもそんな店は今のところ見ていない。というか肉を販売している店が見当たらないと言った方が正しいか。
歩き回っていると調査兵団の露店スペース近くまで来ており、ついでにあの
調査兵団の露店スペースは大盛況。
テーブル席は全席埋まっており、何処からか持って来た簡易な木箱を椅子とテーブル代わりに代用した席にまで人が腰かけていた。憲兵団と違う光景に驚き、目的の人物を見つけても揶揄う事すら躊躇われる。
エレンは調理を担当していて、次々と訪れる客の注文に対応しようと必死に鉄ヘラを振るっていた。
メイド服の様な制服を着たミカサやクリスタ、何故か女装しているアルミンなどが引っ切り無しにスペースを動き回り、席が空けば急いで片付けを行い、客が座れば対応に追われていた。
看板を見れば見知らぬ料理が並び、そばを歩けば漂う匂いが空腹感を誘い、可愛らしい制服を着た女性陣に目を奪われる。
………特にミカサのメイド姿は輝いて見える。
何もかもにおいて憲兵団の露店組を上回っている。
これでは勝ち目はない…。
露店スペースを見渡しているとエレンが調理している露店をもう一つ掘っ立て小屋みたいな物が建っているのに気付いた。
何だろうと視線を向けるとそこでも何かを売っているらしい。
忙しそうにライナーが対応している。奥にはヒストリアやベルトルトが居るようだがそちらも結構忙しそうに動いている。
どうもその小屋の方はお持ち帰り品を売っているらしく、列が出来ても客の流れが速い。
敵情視察として食べてみるのもありかと小屋の方の列に並ぶ。
さすがにあの埋まりきった席を待っている行列に並ぶ勇気はなかった。
どんどんと並んでいた客が品を受け取り減っていき、早々と自分の順番が回ってきた。
「らっしゃい――ってジャンか。なんだ?敵情視察にでも来たか」
「そんなところだ。こっちはやたらと盛況じゃねぇか」
「まぁ、心強い助っ人がいてな」
「助っ人?」
「すまんが客が詰まっているんでな。出来れば注文をして欲しいんだが」
気にはなったがこのままここで話すのは憚られる。
とりあえず注文しようと小屋の上部に付けられた看板に目を向け、おすすめセットと書かれた“バーガーとラッシー”を注文することにした。
「おすすめセットで頼むよ」
「おう。おすすめセット一つ入りました」
後ろの調理班にも聞こえるように声を掛け、返事が返ってくると同時にライナーも調理を始める。
注文を受けたライナーは先に焼いて保管されていた
値段の割に分厚いハンバーグに目を見張る。
「おいおい、このサイズで採算取れんのかよ」
「普通に考えたらそうだよな。けど問題ないんだなこれが」
意味が解らない。
どう見ても採算度外視にしか見えないし…。
悩みながら調理工程をジッと眺める。
ハンバーグを鉄板で熱している間に、上下に切り分けられた丸いパンが折り畳み出来るフライパンに納められる。納めると折り畳んでパンをプレスし、じゅ~と焼ける音と香ばしい匂いがふわりと漂う。
頃合いを見たライナーが畳んだフライパンを開き、パンを取り出して近くで待機していたヒストリアに渡す。
片方には千切りキャベツを敷き、もう一方にはタルタルソースにピクルスを乗せる。
そうして返されたキャベツが敷かれたパンに温まったハンバーグを乗せ、タルタルソースが塗られたパンで挟む。
バーガーが出来上がる間に奥ではベルトルトが、決まってから作られ始めた自家製ヨーグルトに牛乳に蜂蜜、最後にリヴァイ兵長が育てたレモンを使ったレモン汁を混ぜたラッシーを紙コップに入れて用意していた。
ライナーがバーガーを包み紙で包み、後ろよりラッシーの入った紙コップが置かれる。
「お待たせしました。おすすめセットです」
代金を払って包み紙に包まれたバーガーとラッシーの入った紙コップを受け取り、ジャンは次の客に譲って露店スペースより出る。
持ったまま戻ろうとしていたが、ふと何度か食べ歩きしていたサシャを目撃したことを思い返し、あいつが食っていたのはこれだったのではないかと思い至る。
包み紙に包まれているから少し開ければ手を汚さずに食べれるし、歩きながらも支障はない。
歩きながら包みを少しだけ開けたバーガーに齧り付く。
脂っこく無くしつこくないハンバーグの味わい。
カリっと焼き揚げられて香ばしいパン。
ハンバーグの熱で多少しんなりしながらもシャキシャキのキャベツの歯応え。
濃厚なタルタルソースの味わいとさっぱりとしたピクルス。
全てがその一口に凝縮され、なんとも言えぬ調和を持って口の中で爆発的な美味さを発揮する。
「うっま!」
思わず出した大声に自身が驚いて周囲を見渡すと、ジャン以上に驚いた通行人の視線が向けられていた。
人目を無視するようにバーガーを齧り、素知らぬ顔でその場を離れようと歩き続ける。
パクパクと食べているとさすがに水分が欲しくなり、一緒に注文したラッシーなる飲み物を含んだ。
酸味を持ちながらミルクの優しさとほのかな甘さ、レモンのさっぱりとした酸味が広がり、とろりと滑らかでありながらもすっきりとした喉越し。
今まで体験したことの無い飲み物にジャンは目を見張る。
これは美味い。それもこのバーガーと一緒に食べればまた違う味わいになって面白い。
とろりと滑らかだから無意識に一気飲みすることも無いだろう。
ゆっくりバーガーを味わいながら飲める。
かぶり付いては飲むといった行為を繰り返したジャンは、憲兵団の露店スペースに辿り着く前に食い切ってしまう。
これは調査の為だ。
自分だけでなく他の人の意見も聞いた方が良いだろう。
決して美味し過ぎておかわりしたいけど気まずいからあいつらの分も買おうってんじゃない。
自身に強く言い聞かせながらジャンは足を止め、再び調査兵団の露店スペースに向かうのである。
●現在公開可能な情報
・活動報告会にて出店したリーブス商会の商品
袋詰めにされたうどん麺に焼きそば麺。
瓶詰のナポリタンソースに特製ウスターソース。
明日以降はリーブス商会全店舗で販売が開始され、瓶を持参すればソースの量だけで瓶代は代金より引かれる。