魔女のヒーローアカデミア   作:陽紅

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Q.女性扱いは嫌なのにナチュラルマザーはいいの?

A.『女子扱いされる男子』と『女子力の高い男子』くらいの差が本人にはある模様です。
  超意訳:まんざらでもない


MP14 嵐は静かに、確実に

 

 

 

「オーダー入りまーす。日替わりの定食3、麺2。丼のカツダク(カツ丼汁だく)親子ネギ抜き(親子丼ネギ抜き)。洋ビーフシラ大(ビーフシチューライスセット、ライス大盛り)、中華炒飯セットサラダ!」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

 

 

 「ご飯の追加は?」

 「もう蒸らしてあります。いつでもいけますよ」

 

 「洗い終わった食器、ここに置いておきますね」

 

 「あ、ビーフシチュー残り半分でーす。このペースなら十分足りるかと」

 

 「「野菜切り終わりました」」

  「私はこのままサラダ盛り付けに入ります」

  「それじゃあ私はデザートの盛り付けを」

 

 

 

「……校長先生ぇえ! もうほんと、早乙女くん食堂にくださいよぉ! 半年くらい前からずっとプリーズコール出してるんですけど!? 一人で本当に数人分とかっ……! お昼休みの半分だけでもっ、僕の給料から彼のバイト代天引きいいですからぁ!!

 あ、ちょ、もしもし!? また通話状態で机に置いてスルーしてるでしょう!? 今日という今日は負けませんからね!? マイク先生に発声練習見てもらったんですから!」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「……すまない。早乙女くんが六人いるように見えるんだが、これは俺のメガネの度が合っていないからだろうか……?」

 

「大丈夫や、ウチも六人に見えるもん。いや、エプロンと三角巾が似合いすぎやろ反則やねあれは。一人くらい、お持ち帰りしてもばれへんのとちゃう?

 

 ……あれ、行ける? 行けるかなこれ」

 

「む!? ダメだぞ麗日くん! その例えだと早乙女くんをまるで物のように言ってしまっている! 彼は意思ある人なのだから、ちゃんと本人の意思を確認したまえ!」

 

 

 カクカクと謎の動きを見せる飯田。言っていることは正論なのだが、根本的に間違っているのに気付いていない。……違う、そうじゃない。そうじゃないのだ、飯田少年。

 

 

 

(……あー、でも今言うたら、おかずをタッパーに入れて渡されそうやなぁ)

 

 

 しかもランチラッシュにバレないように、無理を言う子に呆れるように苦笑して、それでも、人差し指を口に添えて『内緒ですよ?』と微笑みながら。

 

 

「ぐはっ」

 

「麗日くん!?」

 

 

 ……想像したらキュンと来て萌えた。なんという破壊力。

 そして、恐らく女の子として浮かべちゃまずい感じの顔になっていると思うので、両腕を使って隠しておく。

 

 

「あの六人に分身したのも魔法の個性なんだろうか。以前『分身』の個性があるって聞いたことがあるけどそれに近いのかな? どちらにせよ六人全員がそれぞれの思考で動いてるってことは実質的に増えた分だけ人手が増えるってわけで、広範囲の災害救助なんかで人海戦術に頼らざるを得ない状況ならとてつもない有用性がある。クラスの殆どの人が早乙女さんの事を入学試験で知っていたのはこれが理由か。だとしたらあの分身している状態でも魔法が使えてたわけだから、つまり……」

 

「けろ……緑谷ちゃん。絵面がとっても犯罪チックだから、早乙女ちゃんを見ながらブツブツ言うのはやめたほうがいいわよ。あと、真顔でお持ち帰り発言したお茶子ちゃんも、ちょっと危ないと思うわ」

 

「い、いややなぁ! 梅雨ちゃん、冗談やって……冗談に……」

 

 

 ……1ーAの緑茶飯with梅雨ちゃんが、それぞれ食事を摂りながら調理場の向こうで和気藹々と動き回る同じ顔の六人を眺める。六人が入ってから明らかに待ち渋滞の流れが早くなっており、時折ランチラッシュが思い出したように調理場にある内線電話から何処かへ電話をかけていた。

 

 なお、性別的には、本来お茶子の方こそお持ち帰りされるはずなのだが──……お持ち帰られて、普通にご飯とかお風呂とか、甲斐甲斐しくお世話される自分しか想像できない。

 

 雄英入学に伴って一人暮らしを始めたのだが、まだ15歳の女の子。やはりちょっと寂しいわけで……ただいまーと言ったら、おかえりなさいと。

 

 

 

「……うん」

 

「お茶子ちゃん? お願いだから『決まってるでしょ』って続きを言ってほしいわ。……とりあえず全員深呼吸しましょう? テンションがおかしいわ」

 

 

 

 吸ってー。

 

 吐いてー。

 

 

 

「うん。ごめん。落ち着いた。でも……凄いよね、早乙女さん。やっぱり早乙女さんの方が向いてると思うんだけどなぁ、委員長。少なくとも僕なんかよりはずっと」

 

 

 半分ほど減ったカツ丼を見下ろし、自嘲気味に言うのは緑谷だ。

 

 今日の朝のホームルームで学級委員長を決めるとなった時、少なくない人数が左から二番目の最前列……つまりは、早乙女 天魔に視線を向けた。

 

 唯一の年上であることも少なからずあるだろうが、入学試験・個性テスト・戦闘訓練と僅か三つではあるが、クラス一同に頼り甲斐があり、かつ信用に足る人物だと思わせるには十分な実績があった。

 なお、誰も気付かなかったが、担任の相澤も一瞬だがチラリと視線を送っていた。担任としても、天魔が学級長になることが一番の安牌と思っていたのだろう。

 

 

 しかし、そんな周囲の視線を感じた魔女は、少し困ったような苦笑を浮かべて、『自分はできない』と宣言したのだ。

 

 

 

 曰く、『表立つのが苦手だから、裏方に徹したい』……との、こと。

 

 ……それを聞いた相澤が僅かにだが眼を見開き、次いで呆れるように苦笑して、それを認めた。

 そして、天魔を除いた二十名から飯田提案による投票によって委員長決めが行われ──……晴れて、三票を得た緑谷が委員長となった次第である。

 

 

「自分をそう卑下するものではないぞ緑谷くん! 早乙女くんが辞退した中ではあるが、クラスの投票で最多票を獲得した事に変わりはないのだからな!」

 

(い、言えない! 実はあがり症で人前でまともに喋れないとか……!)

 

 

 頭を抱えそうになるが、すべては後の祭り。

 

 正しく委員長と言わんばかりの飯田や、冷静さや視野の広さなどではA組トップクラスの梅雨を前にして、自分が相応しいなど思える筈もなく。

 

 

 

 ──どうしよう、という小さな呟きは、食堂どころか雄英高校全体にけたたましく響いた警報に掻き消されてしまった。

 

 そして矢継ぎ早に異常を伝え避難を促す放送と、優秀ゆえに一斉に動き出した生徒たちの大混雑に紛れ……持ち手を失った事で床に落ちたお玉や幾つかの調理器具の音は、誰にも聞かれることはなく。

 

 

 一気に六人もの助っ人が『消えてしまった』事に気付いたのは、調理場の主人ただ一人だけであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

〜数分前〜

 

 

「い、やあ! ほんとッ、重いです、ねぇ!」

 

「全く、です! 一体、何キロくら……あ、ちょっと止まって! 指、指食い込んで! いたたたっ!?」

 

 

 青いポリバケツ。市販のもので一番大きいサイズのそれを、二人掛かりでやっとこさ運ぶ。容量にして120Lが収まるそれは、しかしその容量を遥かに超える重量を二人に課していた。

 

 ……道中、『赤い顔』で『息絶え絶え』で『薄っすら汗を滲ませる』……青いバケツさえ無ければ、もうどう足掻いても年齢制限待ったなしの光景に出くわした男子生徒や女子生徒たちが若干前屈みになったり口と鼻を抑えて興奮を抑えていたりしたが勿論閑話休題である。

 

 幸いな事にバケツを運ぶ事に必死な魔女は気付いていなかった。

 

 

 

「「なんで生ゴミって、一定を超えると一気に重くなるんでしょうか……」」

 

 

 片や涙目で手をプラプラと振り、片や荒れた息を戻そうとして。元が同じ存在故か、タイミングも何もかも一致させる愚痴をポツリ。

 軽く休憩をしよう、とアイコンタクトすら交わさず同時に提案し、同時に了承する。

 

 

「……自分が本体なら、分身の私たちに面倒を押し付けて、もっと楽をすればいいでしょうに」

 

 

 息を落ち着けた方が、指に息を吹きかけている自分を見る。

 

 ――魔法を使えばいいのになぁ、と思うが、かつての頭痛(トラウマ)を思い出して言葉を引っ込めた。自滅拷問はもう勘弁である。

 

 

「……答えなくても、貴方も私ならわかるでしょうに」

 

 

 

 魔女の魔法……というよりも、日本人故か忍者のあれこれを真っ先に想像してしまう『分身魔法』。

 

 入学試験で使用して壮絶な頭痛に苛まれた記憶はまだ新しいが、それでも、改善点やらどうしようもない欠点はおおよそ分かってきたので、すでに普通に使う分には問題ない。

 

 ……今の所、お昼の食堂の援護の際くらいにしか使われないことに、どこかの担任は、乾いた目でどこか遠いところを見ていたとか。

 

 

 

 

「「言い出しっぺが一番きついのをやるべき、ただし(私達)に限る」」

 

 

 

 二人が零したため息も苦笑も、同時だった。

 

 分身を解除すればその記憶は本体に統合される。だが、分身魔法で生み出された天魔にも本人としての自我があるのだ。

 もちろん自分が分身体であるという認識こそするが……いきなり現れて面倒な仕事を押し付けられるのは、いくら自分同士でも気分が悪いだろう。だからこそ、本体である天魔が一番の面倒ごとを背負うのだ。

 

 

 ちなみに、どの天魔が本体か分身体なのかの見分け方は、本人曰く『禁則事項です☆(資料提供・演技指導:香山 睡)』とのこと。

 

 

 ……時間にして一分と経っていないだろうが、休憩終了。

 

 さあ行きましょう、と再びバケツの取っ手を同時に握り……。

 

 

 

 

 

 

 

「「む……?」」

 

 

 

 

 

 

 

 その警鐘を搔き鳴らしたのは、天魔の第六感だった。日に四度の不幸を察知するべく鍛えられたその感覚を疑うことなく――バケツを挟んだ左右の並びから、前後へ。

 立ち位置を変えた二人の天魔は、それぞれの役目を果たすべく動きだす。

 

 

 

 数メートル先にある、建物の角。

 

 そこから曲がって来たのは……一人の、不健康そうに痩せた男だった。

 

 

 くすんだ白髪。

 顔を……いや、上半身のいたるところを()()()()、模造品だと思いたい生々しい人の手の装飾品。

 

 そして、声に反応して天魔に気付き……指の間から覗く澱み切った、その眼。

 

 

 

「……失礼ですが、ここは雄英高校の敷地内です。誤って入ってしまわれたようですが、不法侵入ですのでそのまま──」

 

「──おい、なんでここに『見回り』がいんだよ……?」

 

 

 天魔を見ている。見ているが、存在を認めていない。あえて表現するならこれが正しいだろう。

 

 明らかに部外者である不審人物に、動くな、と暗に警告をしようとした天魔に対し、まともな応答をせず、それどころか面倒臭そうに……うざったそうに前に出た天魔を睨みつけ、空を仰ぐ。

 

 

「攻略情報と違うじゃん。なに、この時間には誰も通らないんじゃないのかよ。あー、あーあー、見つかってんじゃんかよ。ゲームオーバー? まだ始まってすらねぇってのに」

 

 

 ブツブツと呟き、ガリガリと首や頭を掻き毟り、苛だたしげに地面を蹴り……。

 

 ピタリと止まって──ギョロリと、視線が戻った。

 

 

 

 

「あれだ。報告される前に消しちゃえばいいじゃん」

 

 

 

 その白髪の男が天魔に鋭く踏み込んだのは──狙ったのか偶然か、鳴り響いた警報と同時だった。

 

 

 刹那、男の手が一気に天魔へと迫り、その顔を掴むように触れる。驚愕に目を見開く天魔を嘲笑うように五指が触れ……頭部から崩れ、上半身が砕けた。

 

 

「はい、ミッションコンプ……は? ──がっ!?」

 

「『分身解除』!」

 

 

 

 『前に出た分身体』がダメージ超過で消失し、その直後。

 

 『後ろに下がった本体』が、バケツの蓋をフリスビーの様に投げつつ、さらに大きく後ろに跳んで、分身魔法そのものを解除した。

 

 

 ……残るはずの下半身が幻のように消え失せたこと、殺したはずの奴がしかし目の前いること、などなどで呆然とした男の腹部にバケツの蓋が綺麗にめり込んだことを確認し、食堂に残した六人から、現在食堂も警報によってパニックになっている事を知る。

 

 踏み込んできたタイミング的に考えても、目の前の侵入者がなんらかの形で関与しているのは間違いないだろう。

 

 

 そして、消失したことで分身体からフィードバックされた客観的な情報も確認し──僅かに顔を顰めた。

 

 

 

(手で触れた物体を破壊する個性……! 殺人に躊躇いがない上に嗜虐嗜好ですか!)

 

 

 

 その思考及び行動は、路地裏で燻るチンピラのような社会不適合者ではなく……完全に、悪に染まり切っている(ヴィラン)のそれだ。

 

 ここまで侵入されているにも関わらず、警報のタイミングが明らかにおかしい事など、疑問はいくつか残るが……。

 

 

「くそ……! 雑魚の見回りキャラの分際で!」

 

「『エアボム』!」

 

 

 明らかに激怒しつつ、低姿勢のままかなりのスピードで迫る白髪の男に対し、分身を解除したことで使用可能になった魔法を向ける。

 

 掌から生じたのは、空気を圧縮して一気に膨張させる無火気性の爆発だ。そのものに殺傷能力はほぼなく、純粋に吹き飛ばすことくらいしかできないのだが……『非異形系個性かつ近接攻撃しか手段のない相手』にとっては天敵レベルの魔法と言えるだろう。

 

 案の定、男の体は軽く飛ばされる。意外にも身体能力は高いのか、空中で一転して着地を無難に決めた。

 

 

「ああ……くそ、んだよ今の……個性か? じゃあ最初に消したのはなんだ。幻? 実体のある幻? なんだよそれ、反則じゃね? 何が見回りの雑魚キャラだよ。くそくそくそ……っ!」

 

 

 再びブツブツガリガリ……と、首を掻き毟り不満を露わにする。それはまるで、自分の思い通りに物事が進まないことに苛立つ子供のように異常な行動で、掻きすぎた首から血が滲んでも手を止めない姿は、戦闘中でもなければ顔を顰めて腰の引けてしまいそうな光景だ。

 

 

 

 

 ──戦闘中でも、なければ。

 

 

 

 日に四度ある不幸や、吸い寄せられるように向けられる悪意。其れ等の難事を乗り越えるために、天魔は『即座に意識を切り替えられる』ようになっている。

 

 ……遠距離攻撃手段が山ほどある魔女の前で、晒したその隙は、致命的だった。

 

 

 

「『エアバレット/……」

 

 

 

 『エアボム』同様、周囲の空気が圧縮していくが、その量は圧倒的に少ない。それもそのはずで、爆発もしなければ威力も精々『平均的な成人男性が割と本気で打つ素人正拳』くらいでしかない。

 

 

 ──相手は近接特化。身体能力は平均以上。距離はすでに十分。

 

 故に必要なのは……

 

 

 

「──()()()()()()』」

 

 

 

 弾幕だ。

 

 

 

 無色透明──不可視の、拳大の弾丸。

 

 それが、一つ二つ……十、二十と、瞬く間に数を増やして行く。

 

 

 目には見えない攻撃予兆だが、男にも直感のような本能があったのだろう。『ヤバイ』と判断し撤退しようとしたようだが……遅すぎた。

 

 

 

「ごえ……っ!?」

 

 

 ズンっと、捻り上げてくる鳩尾への一撃。

 

 正確に狙ったのはその一発だけで、あとは大まかな狙いだけ付けて撃ちまくる。

 

 

「なんっ、ぎゃ!? がっ、くそっ、なめやがっ」

 

(……最低でも時間稼ぎ。気絶させるか、拘束して捕縛を── むっ?)

 

 

 無数のうちの一発が当たり、大きく体勢が崩れたことで数発が外れた。偶然生まれたその空白に、男は慌てて『手近にあった障害物』に隠れる。

 一先ず弾幕が途切れたことに安堵するが……自分が隠れたその障害物を確認して、男の目が一気に血走っていった。

 

 

 ──最初の風圧爆破でも吹き飛ばない重量があった……生ゴミ満載のポリバケツ。ダメ元で数発ほど打ち込んでみるが、バケツはビクともしない。

 

 

(バレット系の欠点は『発射位置を大きく変えられない』……なら)

 

 

 

 

 虚空から黒棒を取り出し、空中からの制圧で──……と戦略を変えようとした時、男が吠えた。

 

 

 

 

「くそ、くそくそくそぉおあ、黒霧ぃ!! さっさとゲート出せ!!」

 

(増援……っ)

 

 

 

 『単独犯の可能性は低い』とは考えていた。弾幕を維持しつつ、周囲の地形を記憶から思い出し、そのクロギリ、という増援が現れるだろう場所を確認して……

 

 バケツに隠れた男の後ろから……黒い靄が、なんの予兆もなく現れた。そのまま靄が大きくなり……男の体を飲み込んで行く。

 

 

「……顔は、覚えた。次に会った時はその小綺麗な顔をグチャグチャにしてやるぞくそ女……!」

 

 

 そんな言葉を残して、全身を包んだ靄が小さくなり……そして、靄が完全に消えると、男の姿も跡形もなく消え去っていた。

 

 

 

「…………」

 

 

 周囲を警戒する。食堂の方からまだ騒ぎが聞こえるが、次第に静まっているので問題はないだろう。

 そのまま神経を尖らせること、数秒。完全に脅威がさったと判断するまで警戒を続け、ホッと一息ついて、緊張を解いていく。

 

 

 

「逃げられてしまいましたか……しかし、ゲート転移系の個性ですか。相当希少だと聞いていますが、それがヴィランに……」

 

 

 その辺に転がっていたバケツの蓋を回収し、元に戻す。幸いにもバケツの中身は二重の袋に閉じ込められているので、飛び散らかしたりはしていなかった。

 

 

 

 時間にすれば、一分ほどの短い攻防。

 

 

 

「何事もなく……いくわけ、ないですよね」

 

 

 戦闘などなかったかのように静まり返るその場に、魔女の不景気を隠せない呟きが、嫌に響いた。

 




読了ありがとうございました!

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