君と出会ったあの夏は今でも忘れない   作:神影

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少年時代 霧崎の場合

僕は一人で公園に遊びに行った。

僕と同い年の子供は親と来てたり、友達と来てたりしていた。

けれど僕には親もいない、友達もいない。

みんな、僕を避けてた。

僕は気づいていたんだ。

一生友達が出来ない、と……

けど、ある夏のことだ。

僕はいつもの変わらず公園に来ていた。

ある日、ブランコで遊んでいると急に話しかけてきた女の子がいた。

僕は無視し続けた。

周りの親や子供達は偏見の目でこちらを見ていた。

その場を去っていく親子もいた。

 

「ねーねー一緒に遊ぼーよ?」

 

僕はその女の子を睨んだ。

女の子は少し怯えていた。

ブランコから降りて砂場に向かって歩いていった。

ついて来ないだろうと、思っていた。

だが、違った。

女の子は僕のあとをついて来たのだ。

「ねーねー一緒に遊ぼーよ?」

 

また、同じことを言ってきた。

仕方がなく僕はいいよ、と言った。

初めて一人ではなくなったのだ。

 

「僕といない方がいいよ」

 

僕は女の子に言った。

なんで?と目で言ってきたのだ。

 

「なんでって言われても困る。僕は一人…だからさ」

「君は一人じゃないよ。うちがいる!!」

 

嬉しかった。

初めて一緒にいると言われたのだ。

みんなから避けられてた僕にとっては凄く嬉しかった。

 

「ぼ、僕、霧崎 浚(きりさき しゅん)。君は…?」

 

「うちは、階堂 冬未(かいどう ふゆみ)。」

「よろしくね!浚!」

 

その女の子は階堂 冬未と名乗った。

 

「よ、よろしく。冬未!」

 

冬未はにこにこ笑っていた。

日が暮れて、親や子供達は家に帰っていった。

 

「浚。うちもそろそろ帰らなきゃ」

 

「また、明日遊ぼ?」

 

「いいよ!」

 

そう言って、僕と冬未は家に帰っていった。

しかし、翌日事件が起きた。

僕はワクワクしながら公園に行った。

冬未とまた遊べると思っていたからだ。

しかし予想外のことが起きた。

何十分経っても何時間経っても冬未は来なかった。

次の日、また次の日と公園に行ったが、冬未は来ることはなかった。

僕は裏切られた気分だった。

遊ぼって約束したのに…

一週間経って冬未は公園に来ることはなかった。

僕はいつもどうりに公園で遊んでいた。

親どうしで話している声が微かにだが聞こえてきた。

 

「あの男の子とこの前遊んでた女の子いたでしょ?」

 

「あーあれね、名前なんて言うんだっけ?」

 

「階堂さんよ、階堂さん」

 

「そうそう、階堂さん」

 

「引越しなされたよね」

 

「原因ってあの男の子じゃない?」

「だって、一緒に遊んでたし、話もしてたらしいからね」

 

「あら、可哀想な子ね」

 

など、こちらを向いて言っていた。

僕は泣きながら家に帰った。

その日から僕は外に出るのを拒んだ。

何年経っても僕は家から一切出なかった。

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