所々省略されておりますが(´・ω・`)
「……で、逃げてきたということか」
カタカタとキーボードを打ちながら興味ないと言わんばかりにカテレアに言う。
「そうよ」
それに対してカテレアもぶっきらぼうに答えた。
ここだけを見ると上官と部下にも見えてくるだろう。
「だから、貴方に腕を直してもらいたいんだけど……」
そう言ってカテレアは右肩を動かした。
パソコンから目を離して見てみると、肩から先がぽっくり逝っているのである。
そしてもう左手の方は、右の方と比べるとまだマシだが、完全に黒焦げの状態だ。長くは持たないだろう。
「……待ってろ、すぐに義手を用意してやる」
先ほどよりも覇気のない声で言い、バッ!!と勢いよく立ち上がった。
その際に椅子も後ろに吹き飛ばされ、壁に激突。壊れてしまった。
そして早歩きで後ろの部屋に入る。それを見てカテレアは呟いた。
「態度と行動があってないわ」
両腕が使えない状態でふぅ……と息をつく。
「カテレアちゃん!!どうして!?」
襲撃の際、セラフォルーは何でこんなことをするのかと聞いてきた。
ーーー理解出来ないのか?何故私がこんな事をしているのかを。
元々魔王になれる素質を持っていた私とセラフォルー。
私はただひたすらに力を求め、セラフォルーは魔王少女などというくだらないことにうつつを抜かしていた。
勿論、両方とも鍛錬を怠らなかったが、あんな浮かれた気分で魔王をやられてもウンザリだ。
だが蓋を開けてみればどうだ?あの魔王少女が選ばれたでは無いか。
ーーー何故だ!?何故私ではない!?
嫉妬。言葉にするのが簡単なたった2文字。
劣等感。言葉にするのが簡単なたった3文字。
アイツ以上に頑張っていた私が、アイツに抜かれた。
憎い。何故。そんな言葉が私の頭をよぎっていく。
「黙れ!!私からレヴィアタンの座を奪った女め!!お前さえいなければ私がレヴィアタンの名を受け継いだ魔王となったのに……!!」
「カ……カテレアちゃん……わたしは……」
私はセラフォルーの心臓をナイフで突き刺すような視線を送る。
あいつは私のことを考えてくれているのか……?と、裏側の私は悟ることが出来た。
「安心なさい。私が貴女を殺し、他の連中が残りの魔王を殺し、私達で魔界を運営する。それが貴方たちが旧魔王派と呼ぶ者達の目的よ」
表側の私の言葉はコレだ。
本来ならば魔界などどうでもいい。
世界などどうでもいい。
カオス・ブリゲードなんぞに入ったのは別の目的があったから。でも、それは既に叶っている。
「お前らの目的はあまりに陳腐でひどすぎるぜ。なのにそういう奴らに限ってやたらと強いんだよな。全く、傍迷惑だぜ…おい、レヴィアタンの末裔、お前の台詞、一番最初に死ぬ敵役のそれだぜ?」
この言葉に表側の私はカチンときた。
だが直ぐにそれも終わる。
「おのれ堕天使風情が!!私たちの崇高なる理想を愚弄するか!!」
自分で言っていてなんともまぁ情けない。
その結果がコレだったのだ。
ーーーーーー
「神器の研究はそこまで進んでいなかったはず……」
驚愕を隠しきれなかった。人口神器。ソレについても情報はあったが、進んでいてもせいぜい禁手の研究に入ったばかりだと思っていたが、不意にゾディアーツの言葉を思い出した。
『人口神器の研究が進んでいるのは俺だけではない。アザゼル……やつも恐らく禁手まで行ってもおかしくはない』
……チッ……と舌打ちをして私は上空でアザゼルと戦った。
ドォンドォン!!と爆発音が響き、近接戦闘に持ち込むもまるで歯が立たなかった。
「舐めるな!!」
持てる力全てを出した。それは目に見えるほどの特大なオーラとなり、それを纏ってアザゼルに突進する。
ーーー勿論、自分を強化する事も忘れない。
ザン!!と交差する。見ている下の連中は無言で、音を立てて呑み込んでいるようだ。
ーーーふと、体中に痛みが走り、服の半分が破け、使い物にならなくなった。
アザゼルを睨みつけると、どうやら腕を抑えているのが見える。負傷しているようだ。
ーーーならば!!
「タダではやられん!!」
腕を触手のように伸ばしてアザゼルに纏わり着く。
身体中に埋め込まれている自爆用の術式を展開する。その際に下が喚いているが気にしない。これも予定通りだ。
ーーーある程度の事なら行動しなくても力を発揮できるとわかっただけでも収穫。
「アザゼル!!この状態になった私を殺そうとしても無駄です!!私と繋がれている以上、私が死ねばあなたも死ぬように強力な呪術も発動します!!」
無論、それはウソだ。実はこの術式、腕にしか作用していない。身体中にあるのは単なるダミー。
「…………っ!犠牲覚悟で俺に大ダメージってか……安っぽい発想だが、効果は絶大な訳か……」
それに気づかずに焦るアザゼルは滑稽だった。
だが、計算高い彼の事だ。何らかの方法で最小限のダメージに抑えたのだろう。
私は腕を爆発させ、ダメージを与えると同時に煙幕を作る。
近くにいた下っ端の死体を爆発させた後に転移用の魔法陣を展開、そのままゾディアーツの元へと逃れたわけだ。
と、感傷に耽っている間、ゾディアーツは戻ってきた。
「来い。お前の腕を取り付ける作業を始めるぞ」
と、彼は言ってきたので私はそれに従う。
数時間後、両腕が万全になったカテレアはこの施設の見学を所望したのだった。
ちなみに本編でもこのスピンオフのような扱いのやつでもカテレアは強化します。