今日は4月1日 作:永遠に四月一日
ネタはもっとしっかりしていたのが、微妙な出来になった。
何が言いたいのかよくわからない作品。
「これからどうするかなぁ」
フライパンを片手に独り言ちる俺は前世持ちの転生者。
もっとも、どのようにして死亡し転生したかの経緯はまるで覚えていない。
よくある神様とやらに会った記憶もない。
ただ俺にわかることは、俺が生まれ変わった世界が前世でエロゲーとして制作された世界であるということ。
『対魔忍』
文明としては前世の現代に近いものの、前世では存在しなかった人ならざる者の存在がある
相互不可侵の暗黙を破り、人間界を侵食する魔界の住人を相手に戦う日本の対魔防衛の最前線。
「これだけならかっこいいで済むんだがなぁ」
全年齢向けであれば、主人公とヒロインが活躍するゲームで済むのだが、残念ながらこのゲームはR18。
つまりエロゲーなのである。しかも、暴力的・猟奇的(残酷)なプレイを主とする凌辱メインのタイプ。
女は元より、男も碌な目に合わない。
メインシナリオはともかく、絵とシチュエーションはよかったので前世では大変お世話になったが、間違っても望んで入りたい世界ではない。
そんな世界の男に俺は転生してしまったのだ。
「しかも、秋山達郎って……」
メインシナリオに登場しないようなモブであれば、原作の知識を使って危険から遠ざかることもできなくはなかった。
しかし、俺が生まれ変わった。もしくは憑依したのは、様々なタイトルを持つ『対魔忍』シリーズの中で数少ない固有名詞を持つ男。
「NTR対魔忍とか冗談じゃねぇ」
原作において、秋山達郎は近親相姦願望持ちの姉と相思相愛の恋人の2人が揃って敵の罠に嵌まり、奴隷娼婦に落とされる。
運よくそのエンディングを回避しても、シリーズ2作目でやはり敵の手に落ちる。
そのため、ユーザーに着けられたあだ名が『NTR対魔忍』。
他の男キャラのようにNTRた挙句殺されるよりはマシかもしれないが、絶望的なことに変わりはない。
まあ、それに関してはあまり心配してない。
だって……
「達郎。本当に大丈夫か? やはり私が料理した方が」
「凛姉は訓練で疲れてるだろ。簡単な料理だから大丈夫大丈夫」
だって、俺に2人へ対する恋愛感情などないのだから。
凛子は姉であり、精神的はともかく肉体的に血のつながった姉である以上、姉弟としての親愛以上はない。
相思相愛だったユキカゼは好みでこそあれ恋人にしたいかと言われれば原作知識云々抜きにしても、その気はない。
「お待たせ。さ、食べよ食べよ」
「いつも悪いな」
「忍法に覚醒したばっかで忙しいでしょ? 俺にできることなんてこれくらいしかないんだから、気にしない気にしない」
今生の俺の記憶は、両親の葬式から始まっている。
その時の凛子は小学生で、今は中学生になり忍法・空遁に覚醒したばかり。
ユキカゼは同級生だから、まだ小学生。
そして、俺は前世で成人済み。
血縁的にも年齢的にも恋愛対象に見れない。
だからNTRに関して心配はない。NTRたくないなら初めから好きにならなければいいんだ。
「しかしだな。姉として弟に家事を任せきりというのは……達郎だって、友達と遊んだりしたいだろう? ユキカゼとか」
「凛姉だって、家事してる暇ないでしょ。訓練は対魔忍として生きる上で重要なことなんだから、俺が遊ぶこととは比べものにならないよ」
「それはそうなんだが……」(ユキカゼから達郎と遊ぶ時間が欲しいと頼まれているのだが、どう説得したものか)
現状の課題は、この世界がどのシリーズの世界なのか確認することと実力をつけること。
対魔忍のシリーズには、本編のほかに設定が流用されたシリーズが存在し、その世界では立ち位置や情勢が本編と違ったりする。
それがわかれば、どのような出来事が起こるのか正確に把握でき、予め対処することもできる。
実力に関しては、どのシリーズであっても対魔忍として生きていくには必須だ。
ただのモブであれば、足抜けもできなくはないだろうが、秋山家は対魔忍の里で代々伝えられる剣術流派の本家であり、長男である俺は次期後継者。
また、姉も希少忍法に覚醒していることから、対魔忍の血縁的にも重要性が高い。
まず間違いなく足抜けなど不可能だ。ワンチャン抜け忍になれば可能かもしれないが、一般人として平穏無事な生活は送れまい。
「ごちそうさまでした。洗い物は私がやっておくから」
「了解。じゃあ、先にお風呂入っちゃうね」
いつも俺から家事を取り上げたくて、隙あらば仕事を持っていく。
俺もすべてやるつもりはない。無理のない範囲で本人がやりたいというなら任せている。
洗い物を任せ風呂に入ると、忍法を発動させて風呂に入りながら訓練を行う。
俺がすでに忍法に覚醒していることは、誰にも知らせていない。
実力が必要とは言え、必要以上に力を見せれば様々な危険を呼び込むのがこの世界だ。
なので、当分は誰にも教える気はない。
「『風遁・螺旋玉』」
風呂の湯に手を翳し、忍法を発動させる。
お湯の一部が手の平で野球ボールサイズの玉になり、玉の内部で乱回転している。
前世で対魔忍とは別の忍者物の漫画で出てきた忍術を再現したものだ。
本気になれば、もっと大きな物もできるのだが、周りに内緒で訓練するにはこの程度の方が隠しやすい。
「ひ、ふ、み、よ、いつ、む、なな、や、ここのつ」
声に出しながら1つ2つと玉の数を増やし、質は量でカバーする。
この程度の玉でも、岩にぶつければ抉れる程度の威力はある。
「さてと、そろそろ上がるか」
徐々に玉の乱回転を緩め、最終的にお湯の玉になった物を戻すと風呂場から出た。
キャラ紹介
秋山達郎(主人公)
RPGでは影が薄いをい通り越して存在抹消されそうなNTR対魔忍。
この世界では現在小学生の転生者。
忍法・風遁に覚醒しており、NARUTOの忍術を再現している。(忍法覚醒していることは周囲に秘密)
両親は原作通り姉が小学生の頃に他界。
姉が中学に上がってからは家事全般を担う。
原作のヒロイン2人に対して親愛以上の感情を抱いていない。
今は実力をつけることと、この世界がどのシリーズなのか把握することに努めている。
(本来は、『どのシリーズなのか把握する』ことを主眼に行動する話になるはずだった)
秋山凜子(姉)
原作のヒロインの1人で、血のつながった姉。
現在は中学生で、忍法に覚醒したばかり。
近親相姦願望やブラコンなどは不明。(付けるかどうするかは今後の展開次第)
水城ユキカゼ(友達)
原作ヒロインの1人で、現在は友達。
本文では名前だけ登場。
現状はユキカゼの一方的な片思い状態。