あの頃は良かった。中学三年生の時俺は小学生だった時の自分に向けて呟いた。
「あの頃は良かった…」
俺は今中学生の時の自分に向けて呟いた 毎年のように過去に戻りたくなる。あの頃が1番良かったと考えてしまう。あの時俺は毎日が地獄だと思って登校していた。毎日つまらねぇと思いながら授業を受けた。本当は思ってもないくせに生活に変化を求めていた。だがそんな日々に戻りたい。ふとそう思ってしまう。今が1番幸せとも知らずに
「聞いたか?伊藤の奴また認めたらしいぜ?」
「マジで?俺らが適当に話作ったのに?」
「認めなくても結果は同じだろ。だってアイツに味方なんていねぇもん!」
「それなwww」
話は聞いていただけただろうか。俺は少し周りと仲が悪い。決してイジメではないからね?我が校にイジメは存在しないのだ。
聞いて貰った通り俺には友達がいない。だがそんな事はどうでもいい今重要なのは何故か俺がアイツらの内容を知らない話を「認めた」ことになっているということだろう。勿論俺は何もやっていない。どころか今日は喋ってさえいない。相手がいなければ喋る理由も意味もないだろう。
『2年A組伊藤伊織君至急職員室に来て下さい繰り返します2年A組伊藤伊織君至急職員室に来て下さい』
__これは行くしか無さそうだ。俺は右耳にしていたイヤホンを外しイヤホンの刺さっているスマホごと強引にポケットに突っ込む。クラスの冷たい視線を感じる。俺も人気になったもんだな(本当に不本意ながら)
職員室
「伊織、同じクラスの生徒が教えてくれたが有彩の鞄を盗ったというのは本当か?」
「______?!」
言葉を失った。有彩とは同じクラスの学級委員である雪ヶ谷有彩のことだろう。勿論そんな事実は存在しない。だがそんな発言に意味は無いだろう。残念だがこの話は広まっている可能性が高く俺が無罪を主張した所で人数の暴力によって俺の話なんて聞いて貰えなくなるに違いない。現状況では確認のしようがないが有彩本人が俺が犯人と主張しているなら尚更だ。俺は右手でズボンの裾を握り声を出そうとした。その時だった
後ろ側にあった扉が大きな音を立てて思いっ切り開いた。開けた扉を閉めることなく中に入ってきた女生徒が口を開いた
「伊藤君は犯人ではありません!!!!」
声を発しかけた口があまりの出来事にポカンと開いたままだった。そして俺はその女生徒の名前を呟いた
「_____雪ヶ谷…なんで」
雪ヶ谷有彩はゆっくりと顔をこちらに向け不機嫌そうに話し出す
「なんでって私のセリフよ!何故すぐに俺はやってませんって言わないの?!」
被害者である雪ヶ谷本人の主張から俺は無駄な罪を背負うこと無く職員室を出た。「失礼しました」と頭を下げる有彩の隣で小さくお辞儀をする。
「なんですぐに罪を否定しなかったの?」職員室を出て教室まで戻る最中前にいる雪ヶ谷が後ろにいる俺の方を向くわけでもなく歩きながら聞いてきた。別に隠すことも無いので考えていた通りのことを雪ヶ谷に話した
「俺が無罪を主張した所で雪ヶ谷が俺を犯人として扱ったら無駄だったからな。クラスメイト共も恐らく俺のせいにしてくるだろうし否定する事になんの意味もなかった」
俺の話を聞くと雪ヶ谷はいきなり立ち止まり俺の方を向いてきた。
「無駄?意味が無い?私が?貴方のせいにすると思ったの?」
「…助けて貰った事は本当に感謝してる。サンキュな」
雪ヶ谷からの質問に答える訳でもなく俺は頭を雪ヶ谷に向かって下げ教室に向かい歩を進める。
俺はあの時自分が置かれている立場、状況を考え答えを出そうとした。いくら自分が犯人では無くても周り、又は被害者、今回の場合雪ヶ谷有彩が俺を有罪と認めれば俺は有罪になってしまうだろう。そうなってしまえば俺は自分の罪から逃げる為に周りのせいにしようとしたという汚名まで背負うことになる。汚名と汚名ってなんだよ最低だなおい。ならあそこで肯定し、より無駄な汚名を背負わない方が良いだろう。つまり俺は雪ヶ谷を信じていなかった。
教室につくと予想通りの反応だ。屑だとか泥棒だとか好き勝手言われている。だが仕方ない事だろう何故なら俺が認めたと言う話を流した人がいるからだ。
そして暫くすると教室に雪ヶ谷が入って来た。雪ヶ谷は何かを言う訳でもなく黒板の前、つまり皆の前に立ち次のように宣言をした
「学級委員長を伊藤伊織君に変更し、私は副学級委員長を務めさせていただきます」
宣言と同時にたくさんの生徒が声を出す。そりゃ嫌だろうな。伊藤伊織がクラスで1番偉くなる訳だろ?地獄じゃん。
………あれ、伊藤伊織って
____俺じゃん
こんにちはAzareaです!初めての連載小説ですので色々足りない部分があると思いますが頑張って面白い作品を作っていくので応援お願いします!「第二節 石川龍平と伊藤伊織」は1週間以内目標で頑張ります!暫くは新キャラ続くので私も頑張ります!では第二節で