ダンジョンで友人のお守をするのは間違いだろうか? 作:翠星紗
気にしないでください。
目隠し修行を一旦中止し、1000体ノックの残り922体を何とかクリアしたベルちんを引きずりながらダンジョンを後にする。
なんか俺の通った後がヌラヌラ滑ついて光っているが決して大型ナメクジが通ったわけじゃなく、フロッグ・シューターに何度も飲み込まれたベルちんから発生しているから問題ないよね?
極力ヌラヌラが体に触れない様に片足をもって引きずりながらヘスティア・ファミリアのホームに着いたのだが、中に入ってもヘスティアちゃんの姿はない。普段ならベルちんの姿を見て顔を青くして近寄って来るのに軽く肩透かしを食らったようだ。
このまま放置しておくのもなんか嫌なので、風呂にお湯を溜めてそのまま…
「おいっしょっとぉおおおおおッ!!!」
「ごぼぼぼおぉ!?」
風呂にベルちんを投げ入れて終了。なんかバシャバシャ暴れてるから死んでも、気絶もしてないようだから大丈夫だろう。
にしても風呂は良い。最初、ここに来たときはシャワーすらない状態だったから俺の一番最初の仕事は浴室場を作るところから始まった。しかも風呂とトイレは別々だ。
あの時はヘスティアちゃんも泣いて喜んでたな。
「我ながらいい仕事をした」
「ごほっ、げほっ……ここ、どこ?」
「おぉ、ベルちんよ。死んでしまうとは情けない」
「えぇ!? 僕、死んじゃったの!?」
あらやだ素直。
確かにここは協会だけど、この世界に死んだら協会に転送して復活なんて夢物語はないからな?
死んだら、即終了だ。
「って、そんなわけないよね!? ここお風呂だよね!」
「ベルちんに必要な経験値はあと、65,859じゃ。ここまでの冒険を記録するか?」
「経験値ってなに! 冒険って記録するものなの!?」
「それでは記録するぞ。
ざsxdcfvgbhんjmk、l。;・:¥あqwせdrftgyふじこlp;@:「」
それではゆっくり休むがよい」
「え、は? ちょ、ミツキ!?」
ゆっくりと浴室の扉を閉めて部屋を出ていく。ベルちんがなにか言いたそうな表情をしていた気がするけど……
ま、いいでしょ♪
◇
ところ変わって、豊穣の女主人。
この間の騒ぎの件で現在、大量の皿洗い中。しかも頭にたんこぶのおまけ付きでだ。
酷いよね? 騒ぎ起こす前に迷惑料込みの金は渡していたはずなのに、それでも足りないって言うんだから。しかも反論する前に頭どつかれて”皿洗いしな!!”だけだよ?
女将の拳痛いんだよ、ちくしょー。
「いつまで泣いてんのよ? 私も手伝ってあげるからその鼻水ふいて」
いつまでも半べそかいてる俺を見るに見かねてか、ルノアことルノちーが手伝いに来てくれた。おぉ、リューさん以外にも天使はいたのか。
少し垂れてた鼻水をズビビ!っと勢いよく啜っていると、なんとも微妙な顔をしたルノちーが見えたが気にしない。
「ルノちー、優しい天使っち」
「それ、褒めてんの?」
「褒めてるよぉ」
「にやけながら言うな!」
「あだ!?」
皿洗いながら人の足踏むかねこの人。痛みに耐えながら踏んだ本人を見るも素知らぬ顔。
はぁ、やっぱり天使はリューさんしかいなかったか。そのあとも、皿洗いをしながらルノちーと駄弁っていると、女将によるゲンコツが再度舞い降りて来て、たんこぶの上にたんこぶ。
31アイスクリームもびっくりなレギュラーダブルのサイズである。
―――31アイスクリームってなんだ?