ダンジョンで友人のお守をするのは間違いだろうか? 作:翠星紗
みんな、ダンまち二期見てるかい!!
豊穣の女主人での下働きを終えた翌日。ベルちんとの鍛錬の約束もしていなければ、リリっちとのダンジョン探索も約束していない。
その為、今日は今までの疲れを吹き飛ばそうと布団の中でぬくぬくしていようと思っていたのだが……
「兄上。休みの日こそ充実した時間を過ごすものです」
「やかまし。俺は寝たいんだ。疲れてんだ。だから早く扉から手を離せ、命」
ヤマト・命。
タケミカヅチ・ファミリア所属。俺と同じ極東出身。
オラリオに来る前から……というか、子供の頃からの付き合いで命や千草、桜花ともよくつるんでいた。その時から、命だけは俺を兄上と呼び続けて今に至る。
「それと、兄上は元タケミカヅチ・ファミリア所属ということが抜けています」
「人のモノローグに勝手に入ってこないでほしいなぁーって、兄ちゃんは思ったり。てか、なんで命がここに居るの?」
「タケミカヅチ様から聞きました」
「あの無駄にイケメン神め……」
タケ神が両手を合わせて頭を下げているのが想像できた。このお礼はまたしてやろうと考えているが、現状目の前の自称妹を何とかしたい。
寝室の開きかけた扉を閉めようとする俺に対して、開いた隙間から入り込もうとする命。一進一退の攻防が続く。
というより……
「それと命さんや。どうやって家の戸を開けたのかな? 私めは昨日の晩にしっかりと施錠した筈なんですがね?」
「あの程度の鍵。造作もありません」
「いや、誰も褒めてもないし。なんで勝ち誇ってんの」
なんか自称妹が怖いんですが…ベルちんたっけて!!
そういえば、ベルちんに詳しい住所教えてなかったな……ならリリっちヘルプ!!
「誰かに助けを求めても無駄ですよ? さぁ、早く出かけましょう兄上」
「だから人の心を読まないの! って、何処にいくんだ?」
「今日は怪物祭です! 一緒に露店を見て周りましょう!!」
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自称妹に家を連れ出された俺は服の袖を振っぱられながら年に一度のお祭り、怪物祭に向かっている。様々な露店が立ち並ぶ東ストリートでは多くの住民が集まり賑わっている。
中でもガネーシャ・ファミリア主催の怪物祭会場である
まだ眠い目を擦りながら歩いていると、周りに立ち並ぶ露店を眺めていた自称妹が満面の笑みを見せてきた。
「さぁ、デートを楽しみましょう!」
「おいこらまて。いつの間にデートになってんだ?」
「お、男と女子がふ、二人であ、あああ逢引きしているのです!! これは立派なデートだと思います!」
「恥ずかしいなら言うなよ、自称妹よ」
急に視線を泳がして頬を染め口調がたどたどしいなこいつ。少し可愛いじゃねぇか、ちくしょうめ。
目の前で恥ずかしさからか頭しか見えない自称妹の頭を撫でる。急なことに驚いたような声を出した自称妹はこちらを見つめてくる、だから笑顔で答えてやる。
「帰る」
「なぜです!? この流れで帰るのはどう考えてもおかしいでしょ!!」
「人が多くなってきた」
「年に一度の祭りですから、当たり前です!」
「足が疲れた」
「なら、おぶります!」
どこまで行きたいんだよ、自称妹よ。
やめろ。本当におぶろうとしなくていい。周りの視線が痛いよ、ベルちん。誰のせいだ!!(お前だ。
にしても、ここまで冗談を本気で受け止められると困りものだ。この辺は昔から変わってないな。
「さぁ、兄上!」
「おい。あいつ、あんな少女に何させてんだ……」
「ままぁーー、僕もだっこ!」
「スネちゃまはもう大きいんざますから。一人で歩けるざますよね?」
「すまん。俺が悪かった。頼むから辞めてくれ」
こちらに背を向けてしゃがみ込む自称妹に土下座して謝る俺であった。
流石に痛い、気まずい、ここから逃げたいの三拍子だがとりあえず自称妹と共に離れたいのだが……
「何をしておられるのです。さぁ!」
頼むから理解してくれぇ!!!!!