ダンジョンで友人のお守をするのは間違いだろうか? 作:翠星紗
いつの間にか拠点で寝ていたらしい。しかも扉の近くの床で死んだように眠っていたらしく、そんなに疲れ切っていたようだ。
けど、昨日ヘスティアちゃんに殴られたような気がするんだが……
「なぁ、ヘスティアちゃん。昨日、俺を殴ったりした?」
「な、なんで僕がミツキを殴ったりするんだい!?」
「だよなぁ……で、なんで俺の周りは血だらけなんだ?」
「そ、それは……そぉ!! ミツキが来た途端に気絶するように眠った際に頭をぶつけたんだ! その時に頭をぶつけて、血が出ちゃったんだよ」
「そっか……うん」
ピチャ……
「……」
ピチャピチャ……
「……」ムズムズ
ピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャピチャッ!!
「ぎゃーーッ!? 何遊んでるんだよ!!」
「???」
「純粋すぎる眼差し!? 何が悪いのみたいな表情を見せないでくれよ!」
「……フン」
バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャッ♪
「だからぁああああああ!!!」
「……♪」
子供心が少し戻りました♪
数分、水?遊びを行った後はしっかりと片づけを行い。少し遅めの朝食をとることにした。
ちょっとふざけすぎたせいか、ヘスティアちゃんはご機嫌ななめの様だ。全く、こんな時はベルちんをヘスティアちゃんに投げ込めば……
「そういえば、ベルちんはどこ行ったのさ?」
「ベル君なら朝早くにダンジョンに言っちゃたよ!!」
「なに。まださっきの事怒ってんの?」
「君の事じゃないよ……ったく。ベル君め」
あらら。ベルちんなんかしちゃったのかな?
こんな時はベルちんのことを話してあげた方が良いよね。
「そういえば、ベルちんの事なんだけど」
「ん? ベル君がどうしたんだい」
「あの純粋無垢な少年がついに初恋しちゃったんだよねー。いやぁ、今日の夜は赤飯たかなくちゃねー」
「……ヴァレン某ぃーーーーーーーーーッ!!」
「うぉい、どったの!?」
むきぃーーーーッ!!と、ツインテールを逆立てて怒りを爆発させてた。
フライパンの中にある目玉焼きとウインナーをさらに置いて、食パンを取り出し怒り奮闘の主神様の前に、料理を並べる。
「はいはい。怒りはその辺にして料理にしましょ……あ、ミルク出すの忘れてた」
「……ミツキ、まだ戻ってないのかい?」
「はぁ? なんのことだ?」
急にブルブル震えだして変なヘスティアちゃんだな。
それより、ヴァレン某ってお姫のことだよな? 目の前でモシャモシャとリスのように食べるおこちゃまを見ると、こちらに気づいたのかクルっと顔を向けてきた。
「モチャモチャ……なんだい?」
「……リスじゃなくてハムスターだな」
「なんのことだい?」
「いや、こっちの話だ。それより、今日のベルちんは張り切ってるね。ステータスに変化でもあったか?」
「……ベル君には言わないかい?」
「どいう言うことだ?」
急に黙ったかと思いきや。ムムム……と一人で考え出してつまらん。ツインテール両方もってブンブン回しといてやる。
おおぉ、良く回ることで♪
「うん、ミツキ君には言っておいた方が……って、僕の髪で遊ぶんじゃないよ!」
「ん? あぁ、ごめんごめん。で?」
「ベル君にスキルが発現したんだ」
「へぇ。そりゃめでたいね……けど、なんでベルちんに言っちゃダメなんだ?」
「ベル君のスキルは―――」
「リアリスフレーゼ……どういったスキルなんだ?」
「うん。早熟、懸想が続く限り持続する、懸想の丈により能力向上」
「思いが強ければ強いほど早熟、力が増すって? 何それチート級能力? まさかと思うけど?」
「僕がやると思うかい?」
「こりゃ、失敬。にしても……それが昨日発現したということは、お姫が関係してるんだろうな」
「ふん! 昨日、帰って来てからずっとヴァレン某の話ばっかさ!!」
なるほど、それでヘスティアちゃんの機嫌が悪い訳だ。おそらく、これが発現理由はお姫がベルちんを助けたからだろう。
その可憐な立ち振舞い、強さに心から惚れ込み。彼女に近づこうとする思いで発現したってか……まぁ、可愛い少年だこと。
「けど、これベルちんが知ったら調子に乗って無茶するだろうな」
「ベル君に限って調子にはならないよ! けど……」
冒険者であるならば、強くなればなるほど試してみたくなるもの。さらに奥の階層へ足を運ぶだろうな。
だが、奥の階層はレベルや強さだけで突破できるほど甘くない。ダンジョンに本気で挑むなら、知識、そして仲間が必要になってくる。
座ってるソファーに大きくもたれ掛った。ベルちん大好きヘスティアちゃんからしたら、危なっかしいスキルだよなぁ……
「まぁ。ベルちんのお守は俺がするさ」
「ミツキ……やっぱり君は頼りになるよ!!」
「良いって、良いって、ヘスティアちゃんのそのおっぱベブシ!?」
感動するヘスティアちゃんに抱き付こうとしたら、主神様のコメットぱ………あれ?これどっかでくらったような気が―――
遠くなる意識の中、ベルちん馬鹿してないと良いけどと思うミツキであった。