孤高の歌姫が変えた生活   作:アイファー

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不明瞭な自分の想い

テストが終わり初めての土曜日。

俺はいつも通りRoseliaの練習に来ていた。練習はいつもみたいに、音の調整や、1曲通して演奏したりしている。俺も聴いて感じたことを伝えて、それを聞いたメンバーがまた調整し始める。この感じも結構慣れてきた。

 

初めはいきなり友希那に連れてこさせられ、音楽未経験の俺に感想を聞いてきた。あの時は本当に大変だった。今は前みたいな事を言うことは少なくなったが、まだまだ自分でも言っている事が合っているのか分からない。

 

「そろそろ時間ね。片付けましょう」

 

片付けを始め、俺も出来ることはする。ずっと見ていた為、何となくならこういうのは覚えてきた。

 

「ふぅー、今日も疲れたー」

「あこ、お腹空いちゃったー」

 

それもそのはずだろう。午前9時に始まり、今は午後1時前だ。何もしていないはずの俺もお腹が空いてきたし。

 

「ねぇねぇ、この後皆でファミレス行かない?どうせなら皆でお昼食べようよ」

「ああ!それいいねリサ姉!あこは行きたーい」

「と言うより皆この後予定大丈夫?」

「はい、私は構いません」

「私も大丈夫よ」

 

そうして皆がファミレスに行くことになった。

 

「慎也も行くでしょー?」

「え、俺も?」

「あったりまえじゃーん。皆の中には慎也も入ってるんだからね」

「あ、あぁ、分かった。俺も大丈夫だ」

「よし、決まりねー」

「.....」

 

こうやって誘ってくれるのは嬉しい。だけどRoseliaのメンバー全員は俺の事どう思ってるんだろう。あの時、急に出てきた見ず知らずの男の言うことを聞いてくれて、こんな風に食事にも誘ってくれる。

最初は言われた通り思ったことを伝えて終わりだったけど、今は友達の様にしてくれている。

 

宇田川さんはゲームの話をしてくれたり、

 

氷川さんは学校の事について相談に乗ってくれたりする。

 

嬉しいけど、俺がRoseliaとこんな関わっていいのだろうか、ただの一般人の俺が....

 

 

 

練習も終わり皆で近くのファミレスに昼食を取りに来た。

 

「あ、いつもの席空いてる。慎也さんそこに行きましょう」

「いや、俺、いつもの席とか知らないから」

「あぁそっか、こっちです」

 

そういい宇田川さんが、いつもの席と言う所に案内してくれる。その席に座り、メニューを見る。

 

「うーん、あこどれにしよっかなー」

「私は...あまりお腹が空いていないので、この麺のやつにします...」

「アタシはこのグラタンでいいかな」

「では私は、これと、このフライドポテトで」

 

氷川さんってこういうの食べるんだ。どうって事は無いけど少し以外だった。まぁポテトは皆で食べるようにと言うことで頼んだのかも知らないけど。

 

「私はこれにするわ」

「よし、あこはこのハンバーグにしよっ」

「じゃあ俺も適当に...」

 

そうして皆が夫々食べるものを決めて注文をする。何時も皆はこんな感じでファミレスで食事をしていたのかな。

 

「今日の練習もお疲れ様。慎也もお疲れ様」

「あぁ、友希那もな」

 

お疲れ様と言われるほど何かした訳でもないけど、とりあえず言葉を返しておく。

 

「明日の練習は無いから、好きに使うといいわ」

「りんりん、久しぶりにNFOやろうよ」

「うん、いいよ」

 

宇田川さんと白金さんが予定を作った。こんな風なのを友達とか言うのかな、涼介とは友達だったりするのかな。相手がどう思ってるか知らないからそうとも言えないけど。Roseliaの中でも今の俺の立場があまり分からない。

 

「どうしたの?大丈夫かしら」

「え?」

「無表情でぼーっとしてたわよ」

「あ、あぁ、大丈夫だ」

「そう...」

 

こんなどうでもいい自分の事で気を遣わせることも無い。普通にしてよう。

 

「......」

「どうしたんだ?友希那」

「え、いや、なんでもないわ」

 

お前もどうした?ずっと俺の顔見てたし、顔を赤くする必要も無いだろ。

 

「ふふっ」

「リサもなんだよ、さっきの会話に面白い所でもあったか?」

「いーや、進展してるなぁって」

「意味が分からん」

 

進展ってなんだよ。偶にリサの発言は理解ができない時もある。ただ友希那と一言言葉を交わしただけだろ。特に特別な感情を抱いてるわけでも────

 

ないのかな?

何故かそれを無いと言いきれなかった。別に言ってしまうのは簡単だけど、何か心に残りそう。

初めて友希那とあった時より彼女への感じ方が違う気がする。それが何かは分からない。けど、リサとかとは違う確かな気持ち。

本当に変えてくれたな、あの孤高の歌姫様は...

 

 

 

頼んだ物も全て来て、皆それを食べ終えた頃

 

「この後皆どうすんの?」

「楽器も置きたいですし、私は家に帰ります」

「あこは家で予定が出来たので帰ります」

 

そう言えばさっき帰って白金さんとゲームするとか言っていたな

 

「皆帰っちゃう感じ?」

「俺はそうする」

「私も今日は帰ることにするわ」

「そっか、今日はここでお開きだね」

 

そう言い席を立ち、会計を済ませて全員でファミレスから出る。

 

「それじゃあね♪」

「皆さんさようならー」

 

そんな感じに全員が家に帰っていく。俺も帰ろうとすると後ろから声がかけられる。

 

「ねぇ」

 

聞こえた方へ目を向けるとそこには友希那が立っていた。

 

「なんだ?」

「少しいいかしら」

「ん、大丈夫だけど」

「少しこっちに来てくれるかしら」

「あぁ」

 

少し歩いた所にあるベンチの所で二人で座る。

 

「それで、どうした」

「慎也、何かあるなら言って欲しいわ」

「何か?」

「今日はずっとぼーっとしてたわよ。」

「あぁ、すまん。練習とか集中出来てなかったな」

「そう言うことではないわ。ただ心配だったのよ」

「心配?」

 

変に心配かけてたのか。悪いことしたな。自分のことなのに関係ない友希那にこう言わせるなんて。

 

「えぇ、何かあったかしら?」

「大丈夫だ。お前には関係ない」

 

そう一言で言っておく。

 

「何故?」

「何故って俺の事情だからだよ」

「貴方の事情を私も相談に乗ってはいけない?」

「関係ない」

「...関係あるわよ」

「何処に?」

 

何か呆れたような顔をして言ってくれる。

 

「だって貴方もRoseliaの一員でしょ?」

「え....」

 

それは思いもよらなかった言葉だった。それも丁度考えていた答えかのような。

 

「だからここに関係があるわ」

「...それは他がそう思ってるとは限らない」

「はぁ、そんなことないじゃない。皆そう思っているわよ」

「....」

「分からないなら今はまだそれでいいわ。でも私はそう思ってるわ」

 

俺がRoseliaメンバー....

そんなことで良いのかな、今まで悩んでたけどこんな簡単に答えは出るし、関係があるとか。

 

「そうか...何となく悩みは解けたよ」

「?そう」

「あぁ、ありがとな」

「あまり力になれた気がしないわ」

 

大丈夫だ、と言いながら俺はベンチから立ち上がる。

なんかどうでもいい事で悩んでた気がするなぁ。こういうのって自分じゃ気づきにくいんだよな。

 

「ちょっと俺は先に帰る」

「そう、さようなら」

「あぁ」

 

そう言って俺も家に向かう。

 

 

 

なんだろうな。ずっと友希那の事が頭から離れない。相談に乗ってくれようとしたと言うだけじゃなく、他にも何かがあるような。

 

『でも私はそう思ってるわ』

 

なんでそんなに俺の事を考えてくれるんだ....

湊友希那....

訳もわからず名前を思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は友希那の事好きなのか...?




ぼるてるさん、シルスキーさん、ゴリおさん評価ありがとうございます。
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