孤高の歌姫が変えた生活   作:アイファー

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名前で呼んで

晴れて生暖かい風が吹いている昼前時

大して教師の授業を聞かず俺は窓の外を眺めていた。窓際の席な為、日差しも暖かく、まともに授業なんて受けていたら確実に寝る。

俺はふと、昨日の出来事を思い出す。

 

『にゃー、にゃーん』

 

湊さんが猫の真似をしていた。

別に猫の真似する女子なんてこれまで何人も見てきていた。だけど俺は少し驚いている。何の真似をしているかでは無く、誰が真似をしているかという事に。

 

「にゃー」

 

か、

自分でもやると少し恥ずかしい。それを湊さんは俺に見られたんだよな、

でも、普通に可愛かったと思うんだけどなー。湊さんが猫の真似なんてそうそう見られない、と言うよりもう見られない。普段の湊さんとは違う一面も見れて新鮮だったし、また見てみた────

 

「じゃあ次、上倉、読め」

「え、あ、はい」

 

ヤバい、全然話聞いていなかった。いきなり教師に呼ばれたせいで何処を読めばいいかなんて全然分からない。

隣の席の人の開いているページを目線だけ変えて見るもよく見えない。

 

「はぁ、もういい。授業くらいちゃんと聞け」

「はい、すいません」

 

あー、ったく面倒くさいな、早く授業終わんないかな...

 

 

 

それからは適当に授業を受け続け、ようやく学校と言う監獄から解放される。

 

「慎也、一緒に帰ろうぜ」

「大して家も近くないんだし、一緒に帰る必要余り無いと思うんだが」

「冷たい事言うなって、少しでも話して帰ろうぜー」

「はいはい、分かったよ」

 

一緒に帰るとなるとカフェテリアまでの道を通り過ぎ無いと行けないから昨日見たいに読書は出来ないか、

別れた後また戻って向かうのも面倒なので今日は諦めるか。

 

「慎也ー、はーやくー」

 

涼介に呼ばれ、二人で校門を出る。

 

「そう言えばさ『Roselia』ってバンド知ってる?」

「ん?何それ?」

「我らのクラスに在する歌姫、湊友希那さんがボーカルの超有名バンドだよ」

 

あぁ、昨日思った湊さんの組んでるバンドってRoseliaって言うのか

 

「それがどうかしたのか?」

「それがさぁ、バイト先の先輩からRoseliaのライブチケット貰ったんだけど、丁度予定あって行けねーんだよ」

「それはお気の毒様で」

「だからさ、このライブチケットあげるよ」

 

ライブ、Roseliaのライブか

昨日も言ったが行きたいとは多少なり思うが、人混みが嫌いなんだよな

 

「悪い、そう言うのは苦手なんだ」

「そうか、他あたるか、じゃあな」

 

そう言って涼介は、分かれ道で俺と反対の方へ帰って行った。

俺も早く帰りたい為家に直行した。学校でも面倒な事になったから早く家でゆっくりしたい。

 

 

 

「あーっ、疲れたー」

 

家に着くなり直ぐに自分のベッドへと転がる。

本を読もうとしたけど今日はなんか眠い...ちょっと寝よう学校疲れたし

 

 

 

「ん、んー」

 

目を覚まして時計を見ると一、二時間経っていた。うん、中々いい時間に起きる事が出来た。ベッドから起き上がりリビングへ向かう。

 

「あ、そうか、今日親居ないんだ」

 

と言うより二、三日家を開けるらしく夕食は自分で作らないといけない。料理ならそれなりにする事が出来るので軽く何か作って食べることにでもしよう。

 

「とは言ったもののなー」

 

材料が無ければ何もする事が出来ない。俺は仕方なく買い物をしに出かけることにした。

 

家を出て何を作るか考えていると昨日と同じ場所に昨日と同じ様にしゃがみこんでいる少女がいた。

 

「ふふっ、可愛いわね、ほら、にゃーん、こっちおいで」

 

あ、また居た。

 

「こんばんは、湊さん」

「えっ?!か、上倉君?なんでまた、こんな所に...?」

「いや、家直ぐそこだし、買い物しようと思って家を出たら湊さんが居たって言う流れで」

 

まさかまたこの湊さんが見られるなんて...

それにしても湊さんってほんと猫好きだなー、前からここにいたっけ?

 

「上倉君はこの辺に住んでいたのね、それにしても買い物って何を買いに行こうとしたの?」

「あぁ、今日から三日間分の食材だよ、親が家を空けるらしいから自分で料理しないといけないから」

「凄いわね、自分で料理なんて私には出来ないわ」

「別に凄いほどじゃ無いよ、湊さんのその綺麗な声に比べれば」

 

ぽっ、と昨日みたいに顔を赤くしていく湊さん。

何か変な事言ったか?女子となんて全く話さなかったからああ言われた時の言い返し方がよく分からない。

 

「あ、ありがとう...そう言われるとは思わなかったわ」

 

あ、もしかしてかなり恥ずかしい事言ったゃったパターンかも、歌姫と呼ばれるくらいだからライブでも凄い歌を歌うもんだと思って言ったけど、今の言葉だけ聞くとただのナンパじゃん。

 

「あの、変な意味とか無いから、勘違いとかしてたら謝る、すみません」

「え、えぇ、大丈夫よ、それにしてももう暗くなってきたわね、私もそろそろ家に帰るわ」

「あぁ、それじゃあ」

「さようなら」

 

そう言い湊さんは商店街の方へ歩いていった。

あれ?湊さんって家商店街の方にあるのかな?

「湊さん」

「?...何かしら?」

「もしかして家って商店街側だったりする?だったら俺も買い物で用あるから送ってくよ」

「え?それは悪いわ、無理に送って貰わなくても大丈夫よ」

「さっきも言ったけど俺も商店街に行くんだ、結局途中まで一緒なんだしどうせだったらって事で」

 

実際もう日が落ちてきていて暗いから危ないし、わざと一人にさせる必要も無い。

 

「じゃあ、お願いするわ、ありがとう」

「あぁ、気にすんな」

 

こうして俺は湊さんを家まで送ることになった。

 

 

 

商店街付近に出て、さっきの住宅街よりは明るくなった。

 

「不思議ね、貴方みたいに自分から私に話しかけに来るなんて」

「なんだ?寂しかったのか?」

「そう言う訳では無いわ」

 

あーごめんなさいごめんなさい、だからそのマジで違いますみたいな目やめてくれ、普通に怖い

 

「......なんで上倉君は学校で余り他人と話さないの?」

「湊さんから言われると思わなかったわ、別に余り多くの関係を持ってトラブル起こすよりはいいだろ?」

「私は話しかけないだけで友人くらいいるわ」

 

多分それってRoseliaのメンバーとかなんだろうなー。

 

「それってRoseliaのメンバーの事?」

「バンド...知っていたのね、でも私は友人とかでは無く、同じバンドメンバーの仲間と思っているわ」

「仲間か、そういうのが居て羨ましいな」

「そうかしら?」

 

Roseliaのバンドについてだったりと話しながら歩いていると湊さんが足を止めて立ち止まる

 

「着いたわ、わざわざありがとう」

「そうか、分かった、それじゃあまた明日、湊さん」

「...ねぇ?その呼び方やめない?」

「湊さん、ていう呼び方のことか?」

「そう、苗字より名前で呼びあった方が私も気を遣わなくて済むし」

 

湊さんを名前でか、学校とかで呼んだりしたら他の男子から変に見られそうだなー

まぁ湊さんがそう言うんだしここは呼ばせてもらうか。

 

「分かった、また明日な、友希那」

「え、えぇ意外とあっさり呼ぶのね」

「そっちの方が気を遣わなくて済むんだろ?こう呼ぶのも嫌いじゃ無いし」

「そうね、また明日、し...慎也」

「ああ」

 

挨拶を交わし俺は友希那の家から離れていく。

名前で、か

少し強がっていたが俺も少し恥ずかしかった、それでも名前で呼んでなんて言われた事なかったから勢いで言ってしたまった。

 

「名前で呼べるは嬉しいけど学校で何か言われないかなー」

 

そう思いながらも嬉しい感情が勝ってまぁいっかと解決する。

さて、何買おうかなー。

そのまま俺は再び商店街へと向かった。




関係深めるの早すぎじゃね?
書いてて思った作者でしたが、こっちの方が書きやすいということで
まぁいいやと結論に至りました。

間違いや誤字脱字があったら言って頂けると嬉しいです。
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