孤高の歌姫が変えた生活   作:アイファー

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何か最初友希那さんヤンデレっぽくなった。

後少し、ほんの少し、シリアス入った。


一緒に居たいから

軽い昼食を食べ終え、再び街を歩く。さっきの所は本当に美味しく、友希那が言っていたみたいにまた来てみたい所だった。もちろん約束した通り二人で。誰かを誘うのもいいが、出来れば二人でまた来てみたいものだった。

 

「次どうする?」

「少しこの辺りを歩いてみないかしら?」

「そうだな。面白いものもありそうだしな」

 

昼食をとり終えた後はこの辺をブラブラ歩くことになった。あまり知らない所だから楽しみだった。

 

「歩くことになるけど友希那は疲れてないか?」

「私は大丈夫よ...ただ」

「ん?」

「手を繋いでも...いいかしら?」

「えっ....」

 

友希那と?ここで?

さっきは人も居なくて、緊張しながらも手を繋いでいたけど、ここは普通に人が居る。それより第一になんでそんなに手を繋ごうとするんだ?俺からしたら嬉しい限りだが友希那は嫌じゃないんだろうか?

 

「えっと...ここだと人通りも多いし、やめておいた方がいいんじゃないか?」

「人に見られてはいけない理由でもあるのかしら?」

「いや、無いんだが、俺達付き合ってると思われるぞ?」

「それは思い込みであって事実ではないでしょ?私達が周りに合わせる必要なんてないと思うわ」

「.......」

 

ここで断れば俺は友希那の事嫌いと思われる可能性がある。それに俺自身も手を繋ぐ事を求めて居るから断れない。

もうこれ、誘われたらYESの選択肢しかないんだろうな。

俺はそっと友希那の手をとる。

 

「ふふっ...ありがとう」

「別に、お礼とかそういうのじゃ無いだろ」

「それでもよ、慎也がこうしてくれた事に嬉しく思ってるから」

「.......」

 

俺となんか手を繋いで友希那は嬉しいのか....

俺は全然いいのだが、こうはっきり言われると恥ずかしいし、勘違いしそうになる。

 

 

 

.......

 

私はなんで手を繋ごうなんて言ったんだろう。しかもこんな所で。もしあの言葉で慎也から変だと思われてたらなんて考えると思い切りすぎた行動だったと思う。それでも慎也は私の手をとってくれた。

 

優しい

 

暖かい

 

ずっとこのままで居たい

 

それでも

一度切り捨てた気持ちをもう一度なんておこがましいわよね。慎也と二人で出かけられて、手まで繋げてまるでデートしているみたい。これだけで私の心は満たされた。

満たされているような気分になった。

だからこれで満足。好きなんて心の奥に閉まっておかないと。明日からはいつも通り、Roseliaの皆と慎也と練習をやっていく。それで充分だから。FWFの為にいつも通りに。

 

いつの間に私は慎也の事を好きになっていたのかしら....

 

「友希那?」

「え?何かしら」

「ぼーっとしてたみたいだけど大丈夫か?」

「なんでも無いわ。行きましょう」

 

こうして二人でまた街を歩き出す。

 

 

 

何処へ向かうとか無く道に沿ってただただ歩き続けていた。案外それは楽しいもので色々な物が見れた。

 

「結構面白いな。俺たちの街とは全く違うから」

「そうね、自分たちの街には無いお店とかもあって中々楽しいわね」

「あ、楽器店があるけど寄って見るか?」

「そこは今はもう行かなくても大丈夫な所」

「どういうことだ?」

 

自分で言うのもあれだけど、半分断られて半分行くことになると思った。それは友希那自身楽器を使わないからという理由で断れると思ったが少し予想外の事で断られた。

 

「昔、一人で歌っていた時はギターも少しやっていたの」

「友希那ってギター弾けたんだ」

「紗夜ほどは上手くは無いけどそれなりには」

「へぇー。孤高の歌姫か...」

「......」

「気に触ったか?悪かったな」

「いえ、大丈夫よ。ただ昔を思い出す呼び名だと思って」

 

昔こそそう呼ばれていたのだろうけど、今はバンドを組んでいきいきやっている様な気がする。俺は1人の頃の友希那の歌は知らないが、俺は今の友希那の歌はとても好きだ。

 

「今はバンドがあるんだからな。お前ならお父さんの夢にいけるかもしれないな」

「慎也もその時まで一緒に居てくれるかしら?」

「お望みなら」

「ありがとう」

 

自然と友希那の手に力が入ったため、俺も握っている手に力を入れる。

 

「......」

 

友希那の顔が若干赤くなっているような気がした。やっぱりこの人とはずっと一緒に居たい。

 

すると身の前からいかにも悪そうな不良が歩いてきた。しかも二人。関わりたくないから無視をしようとしたが二人の足が段々こっちによって来て、丁度友希那の肩と接触するくらいまで近づき歩いてきた。

 

「っ!」

 

友希那と不良が通り過ぎる直前肩がぶつかるのを避けるため、急に繋いでいた手を自分の方に引っ張る。

 

「キャ!」

「っ!ちっ」

 

俺の事を睨みながら舌打ちをし、何も無く通り過ぎて行った。引っ張られた友希那は俺の胸に体と頭が接触している。

 

「大丈夫か?急に引っ張って悪かったな」

「.......」

「友希那?」

 

ん?何か反応が無い。大丈夫か?強く引っ張り過ぎたかもしれない。

 

「え?なんで友希那....」

 

顔を俺の胸に埋めて居てよく見えなかったが、何故か泣いて居るように見えた。一度自分の胸から離させる為に、肩を掴んで離そうとするが友希那が手で洋服を掴んで離れようとしない。

 

「もう少し....このままで...」

「....分かった」

 

何故だが分からないけど俺は無言でそのままずっとまて続けた。運いいことに、周りには誰もいなかった為人に見られることは無かった。

 

 

 

なんで...なんで...

もう慎也への気持ちは出さないって決めたのに、決めて直ぐにこんな事になるの?我慢してたのに、急に引っ張られて抱き合っているみたいになって、抑えて得たのに、我慢してたのに、涙が出てしまった。

 

 

 

暫く友希那があのままになって、時期に友希那が俺の胸から顔を出す。目は少し赤くなっていたけど俺は何も聞くことはしなかった。あの後は何処かに行こうと言うことも無く、帰ることになった。時間も4時過ぎくらいで電車から出ていつもの帰り道に着く。

 

「今日はありがとう」

「あぁ、礼を言われるほどでも無いけどな」

 

今日は色々あったな。一緒に昼食とったり、手を繋いだり、正直ずっとドキドキしていた。俺はいつもみたいに友希那を家まで送り届ける。

 

「ありがとう」

「気にすんな、いつもの事だろ」

「えぇ」

「それじゃあな、本当に楽しかったよ」

「...慎也」

「ん?」

 

後ろから友希那に呼び止められて、振り返る。

 

「少し....家に上がらない?」

「え?」

 

それは予想もしていなかった言葉だった。

 

 

 

特に断る理由もなく、言われた通り友希那の家に入る。友希那の家は作詞の手伝い以来に入ったな。両親はまだ仕事で帰っていないらしく、家には俺と友希那2人だ。

 

「それで、何かあったのか?」

「これと言った用は無いわ」

「なんだそれ...」

「いいでしょ?もう少し慎也と居たかったのよ」

 

....何かあったのか?

普通あんなことなんて自分が好きな相手にしか言わないだろ?なんで友希那がそんなことを...

何かやられっぱなしだな。こんな可愛い人にこんな事を言われるなんて。

 

「...ひとつお願いがあるのだけどいいかしら?」

「俺が出来る範囲なら」

 

ふぅ、と一息ついて友希那が話す。

 

「今日の私の事は忘れて欲しいの」

「....はっ?」

 

 

 

 

 

友希那に意味のわからない事を急に言われて、あまり理解が追いついていなかった。

 

「そうじゃ無いと私が耐えられないから...」

「耐えられないって何に?」

「それは...」

 

耐えられない?何から?それは聞いても友希那から答えは返ってこなかった。俺は今日の出来事が凄く楽しく感じた。それなのに忘れるなんて。意味もなく、そんなことは絶対にしない。だって...

 

「嫌だよ」

「え?」

「そのお願いは聞く気は無い」

「なんで...」

「今日の友希那との時間は忘れる気は無い」

「なんでよ...」

 

だって俺は....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友希那の事が好きだから」




ケチャップ伝道師さん、評価ありがとうございます。
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