俺は今日もRoseliaの練習に来ている。最近は放課後にRoseliaの練習に行く日が続いている。休憩時間に俺はメンバーの行動について考えていた。確実性の無い俺の指摘をメンバー達は聞き入れ、直している。本当にいいのかな?
「本当に俺が言うことは正しいことなのか....」
「何を言ってるのかしら、前にも言ったけど、貴方の指示は的確でメンバー達の実力も上がってるのは確かよ」
「そうだと良いんだけどさ」
「えぇ、今度のライブまでもう日は少ない。それまでに完成させるには、貴方がいることが1番の近道なの」
そう言えば、俺が練習に来るようになってからの初めてのライブだな。自分のせいで評判が落ちたり、下手になってるとか思われないだろうか。それだけは1番避けたい事だな、せめていつもと変わらない演奏だといいんだが....
「あ、そう言えばさー、慎也はアタシ達のライブ来てくれるの?」
「あー、チケット持ってないから見れないな」
「あ、そっかーちょっと待ってね」
何やらリサが自分のバッグをあさり始める。少ししてリサは直ぐに自分の所に戻ってきて一枚の紙が自分に向けられる。
「はいこれ、あげるから絶対見に来てよね」
そう言って渡されるのはRoseliaのライブチケットだった。
「アタシ達にも渡したい人に渡せって1枚ずつ貰ってるんだよね」
「いいのか?」
「うん、見に来て欲しいし」
「いや、もっと渡したい人居ないのか?」
「あーそういう事?慎也にはお世話になってるし、全然いいよ」
リサは俺の手を取り、取った手の上に自分が持っていたチケットを置いてくれる。
「ありがとう....」
ウィンクをしてリサは自分の位置へ戻ってベースの調整をし始める。
確かライブの日って次の土曜日かだったよな、予定も特に無いから行ってみよう。人混みは苦手だけど、今は行きたいという気持ちの方が勝り、行くことを決めた。
「それじゃあ、再開するわよ」
休憩時間が終わり、練習がまた始まる。ライブ、楽しみだな....。
そんな自分に合わないような事を考えるのだった。
「時間も近づいて来たし今日はこれで終わりにしましょう」
時計を見るとスタジオの終了時間まで5分前の時間になっていた。集中していたせいか、全然気づかなかった。時間が過ぎるのは早いものだな。
「早く片付けてここを出ましょう。時間が過ぎてしまいます」
「アタシは次の予約とってくるねー」
練習が終わり、夫々が片付けや、次の予約をとったりと動き始める。
「お疲れ様。今日もありがとう」
「あぁ、友希那もお疲れ様」
友希那と軽く挨拶を交わす。前までは会話どころか挨拶だってしない関係だったのに、今はこうやって練習にまで来て話せてる事が嬉しい。
「予約、とってきたよー」
「ありがとう。それじゃあ、帰りましょうか」
そうして俺達はスタジオから出て、夫々が家路に着こうとしていた。
「皆さんお疲れ様でしたー。また練習でー」
「皆さんさようなら....お疲れ様でした」
「はい、私も失礼します」
三人が帰って行き。俺、友希那、リサの三人になる。
「私達も帰ろっか、慎也の家ってどの辺なの?」
「え?俺は────」
ざっくりだか俺はリサに自分の家を教える。するとリサは少し驚いたような顔をした。
「えぇっ、それうちらと帰る方向同じじゃん!一緒に帰ろうよ」
「あ、あぁ、分かった」
「友希那もいいでしょ?」
「構わないわ」
俺は帰り道を友希那、リサと帰るのだった。友希那と二人で帰ったことはあるが、リサとも帰るのは初めてだ。家ってどの辺にあるんだ?
帰り道が同じってことは俺と家が近い可能性もあるのか。
「ねぇねぇ慎也、アタシと連絡先交換しない?」
「連絡先?分かった」
何気に許可したが、今俺は女子と連絡先を交換しようとしている。今まで女子と交換した事が無いから少し緊張する。
「これで....うん、オッケー、ありがとね」
「うん」
これで俺の携帯の中には一人の女子の連絡先が追加された。
「友希那は交換しないの?それとももう持ってる感じ?」
「え!?ま...まだよ」
「貰ったら?何時でも慎也と話せるよ~?」
「....じゃ...じゃあ、お願いするわ...その...交換しないかしら?」
「う、うん」
友希那は、リサとは逆に、慣れない手つきで携帯をいじって俺と連絡先を交換した。さっきの言葉撤回。俺の携帯には二人の女子の連絡先が入ったのだった。
「着いた、ここ、俺の家だから」
「へぇーここがぁ」
「まぁ二人の事も送るよ、リサって家どの辺?」
「私の家の隣よ」
「え?隣?」
リサって友希那と家近かったんだ。前友希那の家に行った事あるけど気づかなかった。...と言うよりその時はまだリサの事は知らなかったから当たり前か。
「アタシと友希那って幼馴染なんだよ」
「だから家が近いし、一番仲いいんだ」
「ふふ、そう見える~?」
練習中の休憩時間もよく二人で話してるし、一人だけ友希那の事呼び捨てだった。俺を抜いてだが。
商店街を抜け、友希那の家の前に着く。
「えっと、ここがリサの家?」
友希那の家の隣だから多分ここだ。それにしても本当に近いな。道路一本挟んだ先だ。
「そうだよー、昔はよく窓から話したよね~」
「昔の話しよ」
本当に仲がいいな。リサは昔から友希那を知ってたんだな。友希那って昔はどんな性格だったのかな?
「それじゃ、また明日」
「うん、じゃあねー」
「さようなら」
二人を見送り届けた後来た道を俺はまた戻る。今日はリサの今も知って、二人の連絡先も手に入れた。色々といい日だったな。
俺はあれから真っ直ぐ家に帰った。家では既に母さんが夕食を作っていてそれを食べて自分の部屋に入った。テレビを点けるも何も面白いものはやって無い。
ピロリーン
不意に自分の携帯から音が鳴る。見ると一通のメールが届いていた。
『今井リサ』
なんの用だ?届いたメールを読む
『友希那と上手くやってんじゃん!いいねいいね』
意味がわからない。仲良くはしてるつもりだけど
『意味がわからない。友希那とは普通に接してるだけだ』
『あんな、恥ずかしがった友希那見るのは久しぶりだったよ。これからも友希那と仲良くねー』
恥ずかしがった友希那?そんなのもう何回も4回くらいは見たけど....
『仲良くはしていくつもり』
そう返信してベッドに寝っ転がる。
湊友希那
彼女にあって俺は生活が大きく変わった。さっきもああやって女子とメールするなんてありえない話だし、まさかRoseliaの練習に誘われるなんて。最初は話しかけづらいと思っていたけど実際にそうじゃなく、話していると楽しい。リサと話す楽しいとはまた何か違う。
「友希那....か」
あまりこういうのは慣れない。とりあえず今は今度のライブを応援しよう。リサから貰ったらチケットで見に行って何か言ってあげよう。Roselia皆に。
俺は今度の土曜日が凄く楽しみになった。早く土曜日になんないかな....
そんな事を考えるのだった。
書き始めと書き終わりを書くのが一番苦手