元社畜と陽だまりの彼女   作:野兎改二

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めちゃくちゃ久しぶりです


第六話

 「それでねー、そこのチョココロネが美味しいんだけどなぜかいつも売り切れてるんだよね~、この世界の七不思議だよー、ねー、なぎさん聞いてるー?」

 

 

 

 CiRCLEでアルバイトを始めてから1ヶ月が経った。時が進むのは早いものでこの生活にも慣れてきたところである。そして今、リサとモカがアルバイトをしているコンビニで仕事中のモカと雑談をしている。最近はよくこうしていることが多く、数週間前までは流石に他のお客さん達に迷惑ではなかろうかと思っていたが、モカがあまりにもしつこいので諦めた。今ではこうして互いに名前を呼ぶ仲である。

 

 

 

 「ああ、聞いてる聞いてる、なんだっけ、その店のメロンパンが美味しいって?」

 

 

 

 「全然聞いてないじゃーん、まあメロンパンもおいしいけどね~」

 

 

 

 「ホント二人とも仲いいよね、付き合ってるの~?」

 

 

 

 そこにリサがニヤつきながらこちらに近づき、面白いものを見つけたと言わんばかりの表情をしながらそう問うてきた。

 

 

 

 「まさか。僕は大人だよ?女子高生なんかとそういう関係になってしまったら周りからの目が痛い」

 

 

 

 「えー、モカちゃん悲しいよ~」

 

 

 

 ならもっと悲しそうな顔をしてくれ。

 

 

 

 「でも凪さん、周りが気になるだけで凪さん自体はそういう関係になってもいいってことだよね」

 

 

 

 「揚げ足を取るんじゃない、というかホント女子高生ってこういう話好きだよね」

 

 

 

 「そりゃー、青春を生きてますから~」

 

 

 

 その割にモカ、キミは食というものにかなり時間を捧げているがそこのところはどうなんだ。言わないけど。

 

 

 

 「女の子を食欲お化け扱いするなんて、モカちゃん泣きそうだよー、しくしく」

 

 

 

 「なんで考えてることがわかるんだ・・・あと嘘泣きはやめようね」

 

 

 

 「はははっ、本当に仲がいいね二人とも、一体いつの間にそんな仲良くなったのか気になってきたよ~」

 

 

 

 僕もよくわからない。ただこの天然っぽそうで計算高いモカに引っ張られただけだ。

 

 

 

 「おっと、僕もそろそろバイトの時間だな、いや、まだちょっとあるか」

 

 

 

 「そういえばなんで凪さんはアルバイトを?前までちゃんと仕事をしてたっていうのは前聞いたけど」

 

 

 

 「なにそれモカちゃん知らなーい」

 

 

 

 この前リサには少し話したけどモカには僕の過去のことを全く教えてない。まあそんな大した過去じゃないし、ただの社畜だっただけなんだけど。

 

 

 

 「じゃあちょっとだけ話すよ、僕はもともと車の整備士をやってたんだ、とはいってもたかだか1年だから大したことはできないけど、車は好きだったから少しくらいの知識はあるよ」

 

 

 

 それからなぜその会社を辞めたのか、どういうことが嫌だったとか、それはもう高校生に聞かせるようなことではないことまで話した。

 

 

 

 「いや・・・なんかごめんね凪さん」

 

 

 

 「これは流石のあたしもちょっと引くよー」

 

 

 

 なんか同情された。モカに関しては一人称が普通になってるし。

 

 

 

 「いやいや!そんな顔しなくていいから二人とも!これらは僕が弱かったから起きたことなんだ」

 

 

 

 「アタシは、そんなことないと思うな、まだ凪さんと出会ってから1ヶ月しか経ってないけど、それなりに凪さんの良い所は知ってるつもりだよ?」

 

 

 

 「モカちゃんもー、なぎさんのことは好きだよー、話聞いてくれて暇つぶしになるしー」

 

 

 

 「そうかな、でもモカ、そんな簡単に男に好きだなんて言わないようにね、それで勘違いする人だっているんだから」

 

 

 

 「なんか怒られた」

 

 

 

 「ごめんごめん、でも二人ともありがとう、いままでそんなこと言って貰えたことなんてなかったからうれしかったよ、じゃあ僕はアルバイトがあるから、またね」

 

 

 

 「またきてねー」

 

 

 

 「またね凪さん、今度はライブ、見に来なよ」

 

 

 

 そう別れを告げて僕はそそくさとコンビニを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんであんな話をしてしまったのだろう、またリサに励まされてしまった。それにモカにまで。

 

三歳近く年下の女の子に話すことでもないし、それに恥ずかしい。

 

 

 

 穴があったら入りたいとはこのことだな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お腹すいた」

 

 

 

 「待て何故君がここに」

 

 

 

 コンビニを出た僕が目指した場所は、チョココロネがおいしいとかメロンパンが美味いとかなんとかでモカが熱弁していた店、やまぶきベーカリーである。そんでもってその店に来てみたらこの爆食お化けもといモカがいた。

 

 

 

 

 

 「あ、モカ。いらっしゃい、今日は何食べるー?」

 

 

 

 早速店に入るとカウンターの奥から明るめの髪を後ろで結った、所謂ポニーテールの少女が出てきた。

 

 

 

 「あ、そちらのお客さんも、いらっしゃい」

 

 

 

 「あ、どうも、お邪魔してます」

 

 

 

 コミュ障が炸裂した。

 

 いやほら、女の子と喋ることってあんまりないじゃん?・・・いや最近結構多いような気がする、むしろ同姓の人と話すことの方が少ないような。僕はいつの間にぼっちになってしまったのだろう。

 

 

 

 「なぎさーん、これとこれとこれ買ってー」

 

 

 

 「だが断る」

 

 

 

 「あーっ、それなんか聞いたことあるー!」

 

 

 

 まさかのこの店員の女の子がくいついてくるとは思わなかった、いやまあおかしくはないんだけど別に。

 

 

 

 「そういえばまだ自己紹介してなかったね、私は山吹沙綾。ここやまぶきベーカリーは実家なんだけど一応お手伝いとしてやってるんだ、よろしく!」

 

 

 

 互いに自己紹介を終え、並んでいるパンたちを眺める。

 

え?僕の自己紹介?そんなの誰得にもならないので割愛、一応噛まなかったとだけ言っておこう。

 

 

 

 「今日もおいしそうなパンたちが並んでますねー、モカちゃんが全部食べちゃうぞー」

 

 

 

 え、この子本当に全部僕に払わせようとしてるの?普通に鬼なんだけど。

 

 

 

 「こらこら、さすがに全部はダメだからね?財布がもたない」

 

 

 

 「ほんとに奢ってくれるのー?冗談だったのに、・・・ふっふっふー、さすがはモカちゃん策士」

 

 

 

 「はいはい、どれ買うの?もうなんか面倒くさくなってきた」

 

 

 

 「むー、なぎさんおもしろくなーい、あ、チョココロネ五つくださ~い」

 

 

 

 いや普通に買うのかよ、しかもチョココロネ五つとかどこにそんな量が入るんだ。

 

 

 

 「まいど~」

 

 

 

 明日から節約だな、いやどんだけ金ないんだ僕は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公キャラ変わった?
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