辺りが暗くなり、夜の帳が下りた町をリアス・グレモリーは走っていた。
忘れ物をしたと兄に伝えたリアスは急いで公園まで走っていく。
そんなリアスの後ろを青年が追いかける。
「リアス、1人で先に行かないでおくれ」
「申し訳ありません、お兄様」
兄に窘められリアスは歩幅を合わせる。
2人は先程来ていた公園まで訪れていた。
「私はここにいるから、リアス忘れ物を取っておいで」
「わかりました」
そう言ってリアスは公園の中に入っていく。
手洗い場に着いたリアスは忘れ物だったハンカチを拾い上げポケットにしまった。
「やっぱりここにあったのね…………あれ?」
手洗い場の奥、ブランコの方にリアスはナニカを見つけた。
あれはなんだろうとリアスは不思議に思いリアスはナニカの元へと歩き出す。
夜目の効くリアスは段々と近づくにつれそのナニカの正体がわかってきる。
嫌な予感がしたリアスは急いでナニカの元へと走った……
「…………な、なんで…?……い、イッセー…く、ん?」
リアスが見つけたものは全身を滅多刺しにされ変わり果てたイッセーの姿だった。
「い、いや、…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
公園にリアスの悲鳴が響いた。
青年は悲鳴を聞くと妹の元に急いで向かった。
青年が側に着くと妹は見覚えのある小さな子供を抱き抱えて泣いていた。
「リアス……一体?…」
リアスが抱えていた少年は今日リアスと遊んでいたイッセーという男の子だった、自分と逸れたリアスを彼は自分がリアスを見つけるまで一緒に遊んでくれたと帰りに嬉しそうに語っていた。そんな彼が一体何故?
「お兄様!イッセーが!イッセーが!!」
「落ち着くんだリアス」
「お兄様!彼を、イッセーを助けて下さい」
リアスは泣きながら兄に縋った。
兄は抱えているイッセーの姿を見た。…可哀想に全身に刺し傷を負い左腕を潰されたイッセーの変わり果てた姿に心を痛めた。
「……イッセー君を転生させよう…」
「お兄様、それって…イッセーを悪魔に…お兄様、不死鳥の涙なら…まだイッセーを…」
「いや…もう彼の様子では無理だろう、もし不死鳥の涙を使うとしても今は手元にない…今から急いで取ってきた所で彼は間に合わないだろう……」
そう言うと兄は悪魔の駒を取り出した。
「ここで彼を僕の眷属悪魔として転生させる。悪魔の生命力ならまだ間に合う可能性が高いからね」
本当はリアスの駒が使えれば良かったのだけどと青年は続けて言った。
[悪魔の駒]それは悪魔以外の種族を眷属悪魔として転生させることのできる魔道具。
先の大戦で数を減らし、出生率の低さを補う為に出来たもの。貴重な物な為、一部の悪魔にしかまだ浸透していないもの。
リアスはまだ幼い為悪魔の駒を持っていなかった。青年はリアスにイッセーを寝かせる様に指示を出し、イッセーの胸元に駒を置いた。
青年が呪文を唱えるとイッセーの周りに魔法陣が展開し光が彼の身体を覆っていきイッセーを悪魔に転生させた…。
「これで、一先ずは安心だ…」
青年がイッセーの身体を見ると、出血は止まり、青くなっていた顔に少し赤みがもどりだし駒の魔力によって少しづつ彼の身体を癒していった。
「お兄様!ありがとうございます!」
「…やはり、左腕の回復が異常に遅い…………グレイフィア」
彼がそう呼ぶと彼の足元に魔法陣が現れその中からメイド服を着た銀髪の女性が出てきた。
「御呼びでしょうか、サーゼクス様」
「予定変更で、このまま冥界に1度帰る。が、正規の手続きを踏んでいる時間がなくてね。転移魔術でグレモリー領まで移動するから君には補助とこの少年を頼みたい」
「畏まりました。では、リアス様は私の側に」
グレイフィアはそう言うと、少年を抱え上げた。リアスはグレイフィアの側に立ち不安からか彼女の服の袖をギュッと握った。
サーゼクスは魔法陣を展開すると魔力を高めた。
「大丈夫です、リアス様。この少年はサーゼクス様が助けて下さいます」
「………はい」
高まった魔力と共に4人は魔法陣の中へ消えた。
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閑静な住宅街の一角に兵藤と書かれた表札のある家がある。
昨日までイッセーが暮らしていた家には今は彼の代わりとなった転生者が住んでいた。
兵藤一誠に成り代わった男は1度死んだはずだったが神と名乗った者によって第2の人生をやり直していた。
どうやら手違いで死なせてしまったらしく神は自分の希望に沿った形で転生させてくれると言うものだから男はこの世界への転生と3つの力を与えて貰った。
1つ目は無条件に肯定されるチカラ、2つ目は兵藤一誠として生きるための容姿、あと3つ目は1つだけ自分以外の者の持つ力を奪い取るチカラ。男はこの3つのチカラでこの世界でのやり直しを希望し、転生して直ぐに行動に移った。それは本物の兵藤一誠の殺害。兵藤一誠として生きて行くにはオリジナルは邪魔な存在でしかなかった。早々に始末しイッセーが本来持っている赤龍帝の力を奪った男は思い通りになる世界に満足していた。
ククク…これでこの俺が兵藤一誠でありこの世界の主人公だ!後は時が来るまで待機して時が来れば…………リアスも明乃も白音もアーシアも兵藤一誠に好意を抱いていた女は全て俺のモノだ!!
男は下品な笑みを浮かべながら眠りに就いた。
見切り発進で2話目に入りました。
読んで頂いてありがとうございます。