深緑の火星の物語   作:子無しししゃも

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第121話、会話&バトルでございます


第121話 暴走(中編)

「……あの、ダニエルさん」

 

 深く、より深く。

 地の底へと沈んでいくエレベーターの中で、エリシアは恐る恐る口を開いた。

 

「もしかして、体調が?」

 

 ダニエルとエリシアがエレベーターに乗り込んだのは数分前のことだった。

 幸いにも、エリシアが地下施設に続くエレベーターへと駆け込んだのは、ダニエルが応急処置を受けいよいよ出発しようとしていた間際のこと。

 

「い、いえ……息が、切れちゃってますけど……体は、まだ大丈夫です……」

「それはよかった……無理はなさらないでくださいね」

 

 多少特訓はしたものの、相変わらず虚弱体質のエリシアにとって全力のダッシュはやはり重い負担だったようだ。

 重傷と勘違いされダニエルと雅维の治療を終えたエンジニアのふたりに拘束されそうになった一幕こそあったが、事情を説明しどうにか送り出してもらえた。

 

「それよりも……まさか、ダニエルさんまで、ご家族が……」

 

 そうして今、ふたりはこうして胞子の拡散防止と並ぶもう一つのミッション……ワクチンの奪取、およびそれと密接に関わる首謀者の捕縛を目指して施設の最奥へと向かっているのだった。

 

「はは……まさかふたりして、親族が敵方にいるだなんて……どんな運命だってなりますよね」

 

 一刻も早い対処が望まれている場面である。

 ふたりが現状の情報共有に割けた時間は少なく、その中でも戦いの中で判明した個人的事情に触れられた時間はさらに少ない。

 

「でも……同じような人がいて、ちょっとだけ安心できました」

 

 だができすぎた不幸とでも言うべき境遇を共有できる人間がいたという事実は、多少なりとも緊張を和らげることにも繋がっていた。

 

 あと数分、エレベーターに乗ってからの時間がもう一度経つか経たないかという内に、目的地に到着する。

 そうして、血を分け合った最も近しい仲の人間と向き合うことになる。

 ふたりは、改めて覚悟を決め──

 

「あれ……」

 

 ──不意に、エレベーターが停止した。

 体感では、まだ到着には早いはずだった。

 エリシアとダニエルが階数の表示板を見れば、地下18階。表記されている最下層である。

 

「おかしいですね……ここより、もっと下のはずなのに」

 

 ダニエルの疑問に、エリシアも同意して頷く。

 いま目指しているのがこの研究施設の最下層なのは先に話していた通り。

 ただし、それは今いる『表記上の最下層』ではなくさらに下った先、施設が稼働していた当時ですらほとんどの人間が立ち寄らなかった区画だ。

 

「操作を間違えてしまったのでしょうか……」

 

 まるでエリシアの疑問に答えるかのように、扉がひとりでに、音を立てて開く。

 

 地下18階、特殊実験生物飼育棟。

 ふたりの前に広がるのは、幅の広い通路とその左右に位置する、それぞれ半透明と金属の壁で区切られた部屋だった。

 向かって左側、ガラス張りの壁から伺える部屋の内部にそこまで特筆すべき点はない。

 並んだ机には様々な機材が置かれ、棚の中には薬瓶が所狭しと並んでいる。

 どの研究施設でも見られる、一般的な実験室の例に漏れない部屋だ。

 

 右側は、ガラス張りとは真逆の金属の壁で覆われ、内側は見て取れない、

 実験生物の飼育棟というからには、そのために頑丈に造られた区画なのだろうか。

 

「テラフォーマー……?」

 

 ……などと、この施設の使用目的に考えを巡らせる暇もなく。

 エリシアの眼に真っ先に飛び込んだのは、通路全体の惨状だった。

 静謐、清潔であることが当然の研究設備としては、見る影もなく荒れ果てている。

 それも、時間経過による劣化などではなく明らかに何かが起こったような有様であった。

 壁から天井まで破壊痕が刻まれ、テラフォーマーの死骸がそこかしこに転がっている。

 

 状況から見るに、テラフォーマーとの交戦があったに違いない。

 だがテラフォーマーがいた、という事実自体が奇妙だった。

 ここに続く唯一のエレベーターは敵の手の者が守っており、それを打ち破った後は常にダニエルたちが見張っていた以上、侵入する余地など無いはずなのだが。

 そしてその骸もまた、尋常の手段で絶命したものではない。

 

「っ……!」

 

 そのような異常な光景の只中ですら、ダニエルは全く別のものを見ていた。

 

「よく来ましたね。……などと言うのは、場違いかもしれません」

 

 それは、通路の中途に佇むひとりの青年だった。

 纏っているのは、衣服としては妙な色艶のある黒色と、その上に羽織った白衣。

 左目にかけた片眼鏡も相まり研究者という風貌の彼は、ふたりがこうしてやって来る事を最初から知っていたかのように話始める。

 

「ここに止まるよう遠隔で操作したのは、私ですから」

 

 青年の言葉で、エリシアとダニエルは同時に足を進め、エレベーターから進み出る。

 このまま急いでエレベーターを再起動して……などという手段が取れる状況ではないとわかったからだ。

 

「あの時、エリシアさんには名乗りませんでしたね。私はフリッツ・アードルング。この閉鎖都市襲撃の主犯……というのが今の自己紹介になるでしょうか」

「あなたは、あの時の……」

 

“あの時”。

 平然と自己紹介した目の前の青年、フリッツの姿をまじまじと認め、エリシアは記憶の内から彼の姿を引っ張り出す。

 そうだ、一度だけ、会ったことがあった。

 ただ一度の邂逅だったが、今のエリシアには即座に思い出せた。

 それが、ナタリヤに関連するものだったからだ。

 もう生きてはいないと思っていたあの子がU-NASAの墓地を訪れた際に同行していた男性が、今この場にいる青年だった。

 

「それに、アードルング……」

 

 それからフリッツの姓を復唱し、エリシアはダニエルをちらりと見る。

 ダニエルから返ってきたのは、重苦しい首肯だけ。

 数多の感情を飲み込んだその顔に罪悪感を覚えながらも、彼女は話を進めるべく再びフリッツを見る。

 

「まずは、賞賛を。この戦いは、どうやらそちらの勝利で決したようだ。こちらは主戦力を失い、そちらはまだ動ける人員も多い。何より、軸となるものが止められてしまった。どこまでうまくいっても、ここから私たちの最終目的は果たせそうにない」

 

 大した感慨もなさそうに、この事件の主犯だという青年はすらすらと結果を認める。

 その認識は、エリシアとダニエルの考えとも一致していた。

 

「……はい。もし私たちが全滅してワクチンを持ち帰られなかったとしても、世界中に胞子を飛ばすことは難しいでしょうから」

 

 補足するようにエリシアが続けたのは、互いの思惑と現状について。

 胞子を拡散する装置が破壊され、その影響力は次第に薄まっていくだろう。

 そうなれば、敵の第一目的と推測される『世界の滅亡』は実現性を大きく減ずることとなる。

 

 既に拡散した胞子の増殖力がどれ程かはわからないが、新たな供給源が無ければ今よりも拡散速度が落ちるのは間違いない。

 そうなれば仮にフリッツが凄まじい強者で部隊が全滅し成果を持ち帰れずとも、各国の研究による新たなワクチンが間に合う可能性が高い。

 

「……あなたは、どうして私たちをここに?」

 

 だからといって、わざわざ敵の前に姿を現し殊勝に敗北宣言をする必要などないのもまた事実である。

 当然の疑問に対するフリッツの回答は、懐に手を入れる動作だった。

 

「エリシアさん。こちらを」

 

 咄嗟に身構えたふたりを他所にフリッツが取り出したのは、一本の注射器だった。

 警戒されるのは当然理解しているのだろう。

 数歩分エリシアに近付いた彼はそれを床に置き、再び後ろ歩きで元の位置へと下がる。

 

「ワクチンの中でも、より濃度を上げた重汚染地域用のものです。これがあれば、胞子が充満する空間でもしばらくは保つでしょう。疑わしいというのであれば、私が先に半分打っても構いません」

「……どうして?」

 

 不可解な贈り物に添えられた説明は、それだけ知れば納得がいくものだった。

 だが、エリシアは思わず呟いてしまう。

 

「あの子は、この地の底で貴女を待っていますよ」

 

 回答になっていない回答と共に、フリッツはふたりの背後を指さす。

 そこには当然開いたままのエレベーターがあり、エリシアの顔を見ていることから“あの子”が誰を指しているのかは明確だ。

 つまりは、エリシアに『行け』と言っているのだろう。

 

「どうしてか、教えてください」

 

 注射器を拾い上げながらも、エリシアはもう一度問う。

 戦況について両陣営が認める客観的な分析をし、エリシアに物品を渡し、その内容について説明する。

 今のやりとりに限らないフリッツの言葉全てに、不明な内容はない。

 余計なもの一切を切り捨てた、ある種研究者らしいとも言える簡潔な説明だ。

 

「あなたには、そんな事をする理由なんてないじゃないですか」

「……」

 

 だからこそ、その切り捨てられた部分がわからず不気味だった。

 敗軍の将であるならば、どうして逃げようとしていないのか。もし降服するつもりにしても、真っ先にその意思を表明していないのはどこかおかしい気がした。

 

 状況を考えるに、このまま自分たちが最下層まで行けば普通のワクチンが通用しないような何かが待ち構えていて、問答無用で死んでいたのかもしれない。

 ならばそれを黙って見送るだけで指揮官と戦力のひとりを始末できるのに、どうしてわざわざこうして引き留めて対策となるものまで渡してきたのだろうか。

 

 味方側の人間だと言われた方が自然とまで思える、不自然極まりない振る舞い。

 彼は一体何の目的で、何の感情でこのような真似をしているのか。

 

「あなたがどう思っているか知らないことには、決めかねます」

 

 “あの子”に触れられざわめく内心を押し留めながらも、エリシアは退かなかった。

 叶うものならば、今すぐにでもフリッツの言う通りにしたいのが偽らざる本音だ。

 だが今の自分は任務の達成を命じられた指揮官であり、隣には命を預かった部下がいる。

 相手の言うがままになるには、あまりにも情報が足りない。

 

「……先に言っておきますが、私は降服などするつもりはない」

 

 しばし回答に詰まった後、フリッツはふうと息をつく。

 片眼鏡の奥で瞳が微かに細められ、エリシアとダニエルを順に見つめる。

 

「なのでこれは、戦力を分散させその隙に逃れようとする策だと思ってもらって構いません。何ならふたりがかりで、私を捕縛しようとしてもいい」

 

 鉄面皮を崩さないまま言ってのけるフリッツに、エリシアは判断を迫られる。

 やはり、何を考えているのかわからない相手だった。

 馬鹿正直にそんな事を言う必要性はなく、さりとてこちらを惑わせようとしているには落ち着きすぎている。

 

「……エリシアさん。この人と──兄さんと、ふたりで話をさせてください」

 

 判断に悩むエリシアの沈黙を打ち破ったのは、ダニエルだった。

 

「大丈夫なのですか……?」

 

 フリッツの言った内容を考えれば、彼の言葉が意味するところは明確である。

 自分ひとりで、この場を受け持つ。もし……いいや、ほぼ確実に待ち受けているであろう戦闘になればフリッツを止める。そう言っているのだろう。

 

「あの人は昔から運動オンチでした。ヨーゼフ博士にしごかれU-NASAで訓練した僕の方がよっぽど強いので安心してください」

 

 冗談めかして笑い、ダニエルはエリシアを促すようにエレベーターを指差す。

 それが安心できる根拠でない事などエリシアにはわかっていたし、なによりもダニエルが知っている。

 だがダニエルの顔に浮かぶ隠し切れていない感情を察し、エリシアは静かに頷く。

 

「ダニエルさん……その……うまくいくように、願っています」

 

 健闘を祈る。ご無事で。

 去り際にエリシアが選んだのは、この戦いで今まで場を任せてきた部下たちにかけたものとはまた違った言葉だった。

 もちろんそれらの感情が無いわけではない。

 だが、今のダニエルに向けてはこの言葉が最も相応しいと考えたのだ。

 

「はい。エリシアさんも、どうかうまくいきますように」

 

 そしてダニエルが閉じていく扉へとに向けた言葉も、また同じ。

 フリッツを注視しながらも、彼はそっと左手を上げて彼女を……自分と同じ、これから家族に会いに行く上官であり戦友を見送った。

 

 

「ダニエル……しばらく見ない内に、随分と言うようになったな」

 

 そして、残されたのは向かい合うふたりの研究者だった。

 エレベーターが稼働する音をバックに、ダニエルは改めてフリッツの真正面に立つ。

 

「だが、相も変わらず甘い。()がエリシアさんに渡した薬品が、毒物の類でないと何故確かめなかった?」

 

 家族の再会というには、あまりに冷え切った空気だった。

 口調こそエリシアに対するものより砕けていたが、フリッツがダニエルに向ける瞳は冷ややかで、そこにはどこか値踏みするかのような色が伺える。

 

「……兄さんは、そんな人じゃなかったからだ」

 

 対するダニエルは、言葉だけを見ればどこまでも感情的だった。

 油断はしない。十年以上も行方を眩ませていた家族との再会を喜ぶ場面などではないとわかっている。

 相手の一挙手一投足を観察し、動きに対処する算段を付けている。

 

「失望ものの回答だよ。ではお前の兄は、元々世界を滅ぼすようなテロの主犯になる人間だったと? そこが変わっているというならば、性根は何一つ変わっていないとどうして言えるんだ?」

 

 甘さと現実的な視点が入り混じった弟の態度に、フリッツはため息を付きそっと腕を掲げた。

 その手首がめきめきと形を変え、細長い肉の塊としか形容しようのない奇妙な構造が伸長していく。

 

「本当に、やるつもりなんだね……」

「僕は事実しか言っていない。降服するつもりなどないし、早々にこの施設から立ち去らせてもらうとしようか」

 

“薬”を摂取する瞬間を見逃したわけではない。

 ならばこのフリッツの変化はαMO手術か、変態薬を注ぎ込む機能を持つ専用装備によるものか。

 臨戦態勢を整えたフリッツを前に、ダニエルもまた自身に“薬”を取り込みその身を変じさせていく。

 

「肉親の情で半殺しで済ませてもらえる……などという甘えは捨てることだな」

 

 腕に形成された器官を構え、フリッツは酷薄に吐き捨てる。

 相対するダニエルはぐっと唇を噛み、思考を戦闘のためのものへと切り替えた。

 幼少期のような和やかな会話が交わせると期待していたわけではない。だが今のフリッツは、僅かな言葉すら通じる余地が無さそうだ。

 

「……」

 

 積もる話も、聞きたい話も山ほどある。

 だがそれら全てを思考の隅に追いやり、ダニエルは相手の武器を分析する。

 形状からして、昆虫の毒針の類か?

 

 いや、それにしては外骨格のようなきちんとした型があるものではなく、不定形の肉がその形を取っているかに見える。

 それに、あの形状は、毒針というよりも──

 

 

 

「……銃?」

 

 不意に脳裏をよぎった感想と、毒針などの近接戦闘用の器官にしては不自然な、距離を詰めようとしないフリッツの動き。

 背筋を走った悪寒に従ってダニエルが身を躱したのと、フリッツの手首から生えた肉塊から何かが放たれたのは、同時だった。

 

 ダニエルが一瞬前に存在していた位置を、小さな肉の欠片が通り過ぎていく。

 一体、フリッツが放ったものはなんだったのか。

 

 それを考えるよりも先に、ダニエルは一気に踏み込み間合いを詰める。

 

「──!」

 

 目を見開いたフリッツが飛び退くよりも、ダニエルが接近戦の射程に到達し拳を繰り出す方が先だった。

 腹を狙った一撃は回避の隙もなくフリッツの腹に突き刺さり、そして。

 

「驚いたよ、ダニエル。だが……観察が足りなかったな」

 

 硬い感触をダニエルの拳に与え、止まった。

 衝撃でよろめいてはいたが、フリッツがそれ以上のダメージを受けたような様子はない。

 

 やけに艶めいた色合いをしていた、フリッツの着衣。

 それは布の衣服などではなく、肌にぴったりと吸い付くような、薄い金属の鎧だった。

 

「脆弱な体、脆弱な手術ベース。ならばそれを補うための装備を身に付けているのは、当然だと思うが」

 

 決着を急いでいたのか、大振りな一撃で隙を晒してしまった。

 失敗を悟ったダニエルは反撃に備え、オオシャコガイの殻が形成された腕で顔を覆う。

 

 このまま耐え、様子を伺う。

 そう考えていたダニエルの耳がその音を捉えたのは、偶然だった。

 

 ぐじゅり、ぐじゅり。

 まるで肉の塊をかき回しているかのような、生理的嫌悪感を覚える音。

 戦士としての未熟故にダニエルはその音の方向につい目を向けてしまい、だからこそそれ(・・)を目撃できた。

 

 

 

 テラフォーマーの死骸から、人体が芽吹いている。

 

「うっ……!?」

 

 剥き出しの筋肉。目玉。指のようなもの。耳。何らかの臓器。

 人体の構造をめちゃくちゃに切り貼りしたかのような醜悪な肉塊が不規則に形成し、土壌を草本が覆うようにテラフォーマーの骸を覆っていく。

 

 そしてその肉塊は震え集まり、ある一つの形を成していく。

 

 

 

 フリッツの腕に形成されたものと同じ、不格好な銃のような形を。

 

「~~っ!」

 

 咄嗟に腕を振るい、背後を薙ぐ。いっそ惨めなほどに身を投げ出し、立っていた場所から転げるように離脱する。

 フリッツの腕から、テラフォーマーから生えた肉塊から放たれた弾丸を同時に回避できたのは、奇跡としか言いようがなかった。

 

 片方、背後からの銃撃に対しては、純粋な回避。もう片方、フリッツから放たれたものに対しては……腕の貝殻が、それを受け止めている。

 

「これは……何だ、これは……!」

 

 嫌悪感と危機感に自分の腕を見たダニエルの目に映ったのは、殻に阻まれた人体に侵入できないまま、人間の器官を芽吹かせる異形の肉塊。

 栄養が得られないからかすぐに増殖は止まったが、もし急所さえ避ければ……などという甘い考えで身体の末端にでも受けていたら、自分はどんな末路を辿っていただろうか?

 

 

「……先生にしごかれ鍛錬を重ねたというその言葉、冗談ではなかったと認めよう」

 

 戦慄するダニエルをただ冷静に見据えながら、フリッツは静かに賞賛する。

 

 

「だが……全ては無意味だ。たとえ今お前たちが僕たちを止めたところで、世界が辿る結末は変わらないように」

 

 そして同時に、無感動に淡々と告げる。

 彼が絶え間なく学び手にした技術の結晶たる、生物の特性を十全以上に引き出す手術の手際。

 絶望し溺れる彼の手を取った何かに与えられた、その精神性を体現したかの如き悪辣な手術ベース。

 

 自身の怨嗟の集合体たるこの力が、世界を救わんとする戦士を踏み躙る。

 それこそが、世界を見限った自分の選択の正しさを、証明してくれるとでも言うように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フリッツ・アードルング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国籍:ドイツ/フィンランド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

29歳 ♂  174cm 59kg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

専用装備:M.O.H兵器・菌糸接続型強化外骨格『迷宮の卵殻(アイアシャーレ・ダス・ラビリンス)

 

 

 

 

 

 

 

αMO手術“寄生生物型” / "偽菌類型"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ハプトグロッサ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──魔卵の射手(ハプトグロッサ)照準(エイミング)

 




ご観覧ありがとうございました!
何がしたいんだ! この生き物一体なんなんだ!? などいろいろと謎なフリッツ、次回以降で何考えているかについては明かされていく予定でございます。
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