俺、
あの男が何者か謎だが確かに転生をしていたため信じることにした。
産まれてから4年間は恥ずかしい思い出ばかりだからカット。
昨日、4歳の誕生日を迎え、今日からは屋敷の庭の中なら自由に動き回っていいことになった。なので早速向かい側の家を確認することにした。
ゆっくりと門を開いて外を見る。向かい側には確かに道場らしきものがあり、看板には八重樫道場と書いてあった。
ふむふむ、八重樫家か。道場の看板を見た後、視線を八重樫家の玄関に向けると、1人の女の子が顔を覗かせていた。しかも、同時に目があった。
「っ!!!」
ビリッと来た。直感的に分かったのだ。あの子の前世が俺の前世の幼馴染であることが。どう反応したらいいかわからなかったので思わず門の中に顔を引っ込めて、今度は目だけを覗かせる。
ビリッと来たときに女の子も何かを感じたのか、咄嗟に顔を引っ込めて、俺と同じ様に目だけを覗かせていた。
じーーーーーーーー
「刃!そろそろ始めるぞ!」
約1時間ほど目を合わせていただろうか。父こと18代目千子村正から声がかかったため、返事をして門を閉じる。
閉じる時に、女の子と瓜二つの女の子が女の子を連れて家の中に入っていくのを捉えてから門を閉じた。
門を閉じきるその時まで俺も女の子も一切目を逸らすことは無かった。
門を閉じたら俺は村正の声がした所に向かう。そこは、離れにある蔵で、中には鍛冶場と武器庫、何も無い部屋があった。
俺が来た時、村正は何も無い部屋にて座禅を組んで座っていた。
「来たか。これからお前には辛く、酷いことをする。だが、それを乗り越えたらあとは楽さ。そして、すぐとはいえないが千子一族が代々持ち得る力を扱えるようになる。だから俯せになって目を閉じてろ。…………歯を食いしばれ。」
「うん」
最後に不穏な一言を聞いたが、村正を信じて目を瞑り、持っていたタオルを口に挟む。その間に部屋から出て戻ってきた村正が声を掛けてきた。
「始めるぞ!!!」
──ジュウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!
「ひぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
それと同時に左臀部辺りに焼き鏝を押し付けてきた。思わず悲鳴を上げるほど熱い。
それでも焼き鏝を退けようとしない村正。上半身を仰け反らせても村正が足で抑えるため、悲鳴を上げ続けるしか出来なかった。
──カチッ
しばらくしたら、そんな音と共に、薄緑色に発光するラインのようなものが身体全体に浮かび上がった。
これが何かを村正に聞き出す前に激痛と精神的疲労から俺は意識を潰えることとなってしまった。
次に目が覚めた時は一週間後の昼頃だった。