「…………ん、うぅん………………はっ!」
俺は村正に焼き鏝を押し付けられたことによる激痛と精神的疲労から気絶してしまったらしく、目を覚ましたら、布団の中にいた。
「………………一体あれはなんだったんだ……?」
気絶前に見た薄緑色に発光するラインの様なものが気がかりで、あの時に聞こえた音、電気を付けるスイッチの様な音だったのでそのイメージを取ってみた。すると、
──カチッ
全く同じ音とともに身体全体に薄緑色に発光するラインが迸った。
上手く言えないが、感覚的に神経っぽく感じた。
ラインを着けたり消したりと感覚を掴むために何度もしていたら、部屋の襖が開かれ、母である
「あら、目が覚めたのね?顔を洗ったら居間に来なさい。あなたのそれが何かをお父さんが教えるからね。」
身体を拭くつもりだったのか手にはタオルとお湯の入った桶を持っていたが、俺が起きたからか拭くことなく戻って行った。
俺は寝間着から甚平に着替えてすぐに居間に向かった。俺のこのラインがなんなのか気になるのだ。
居間に着いたら、村正が胡座をかいて待っていた。
「おう、ようやっと起きたか。怒りたいだろうがまぁまずは座って俺の話を聞け。」
「分かった。」
村正と向き合って座り、目を見据える。
「まず、この世界には不可思議な力が存在する。それは魔術というものでな、神秘がある限り扱える力だ。
そしてその力を扱う者を魔術師という。この千子家もそういう存在だ。魔術師は様々なアプローチで根源に到達しようと日々研鑽している。今までで根源に到達出来たものは数人しか居ない。
千子家は鍛冶で根源に至ろうと研鑽している一族だな。
昨日、刃に焼き鏝を押し付けたのは魔術師として重要な魔術回路を開くためのものだ。他の家は他の家で開き方が違うのは覚えておけ。
それで、魔術回路には属性と魔力量を示す数がある。今からお前の分を数えるから開けるか?」
薄緑色に発光するラインは魔術回路らしく、俺は魔術師になったらしい。そして、今から属性と量を調べるらしい。村正の指示通りに魔術回路を開く。
「もう開き方を馴染ませたのか。……
何かの呪文を唱えたら、俺の体の隅々を凝視してくる村正、正直に言うと気持ち悪い。誰が好きで男に見られないとならないのだろうか。
「……ふむふむ、なるほどな。属性は火と地、回路は50本、起源は武器か。あ、起源はあらゆる存在が持つ、原初の始まりの際に与えられた方向付け、または絶対命令。あらかじめ定められた物事の本質だ。
お前なら出来るかもしれないな。とりあえず5歳になるまで世界各地を旅して、知識を蓄える必要がある。度をしながら千子家の魔術を教えてやるよ。」
「う、うん。」
俺の属性と魔力量、起源が分かった途端今年1年何をするのかが次々と決まり、世界各地を旅することになった。あの子に会えなくなるのは悲しいが、守る術に成り得る魔術を習得するには今は耐えるしかないだろう。千子家の魔術が何かは分からないが、手に入れてみせる。
─翌日、旅に出た。帰って来るのは一年後だ─