絵描きのIS   作:Haganed

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マジで何なんですか(困惑)

寝てる間にお気に入り登録者400人突破とか……ネタなしで圧倒的感謝ッ!しか言えないじゃないですか(歓喜)

ただまぁ、原作主人公の扱いが悪くなるような言動に意見する声もあったので救済……というより彼の理解を深めていけるようにしていきます。

そしてまさかの主人公の天災発言……いや確かに天災ですね。何で万人に受け入れられてるほどの絵を描けるんだよ(ツッコミ)。

キリが良いので、ちょっと短めです。


理解 2

 専用機──それはIS乗りならば誰しもが憧れるもの。血のにじむ努力と悲鳴を上げる体に鞭打つ無謀を数え切れぬほど行い、漸く手に入れられる自分だけの力。それは私とて、何者とて同じ。実績が認められて初めて他者からその力を扱うに値する人物だと選ばれるのだから。

 

 しかし、織斑一夏。彼はその努力をせずに専用機を手に入れた。そのことに対しては何てことはなかった、金や権力に物を言わせる輩を幾度となく私だって見てきました。今更彼に専用機が譲渡される件については何も言いませんでした。貴重な男性操縦者に対して、データ取得をする機体が提供されるのは予想していましたから。

 

 けれど、フウカ・ナミヤマ氏に関しては予想外にも程があった。彼のために態々我が国イギリスを含めた3ヶ国による共同制作のISが、彼のために技術力を結集させるのだから。まずこのISの共同制作が有り得ない。

 

 他国との技術競争、それらが一時的に消されてただ1人のために作られていく。これ以上名誉なことは先ず無いのは確かです。そのISのことを知ったのは、放課後。そして彼の乗るISが戦闘用ではなく芸術制作用として開発されることも。

 

 一波乱、巻き起こりそうな予感がしますわ……。幾ら女尊男卑の中受け入れられた彼とはいえども、この件で女性権利団体が何か動きを見せてくる可能性とて考えられる。彼女らの毒牙に彼が被害を被ってしまうのだけは何としてでも避けなければならない。世界の宝ともいえる彼は、イギリスの威信に掛けて私が守らねば。

 

 と、そう思い立ったが吉日というように彼と鷹月静寐さんの部屋に向かったのですが…………なぜ水色髪の2年生がこの部屋で土下座をしておられるのかは理解できませんでした。そして鷹月さんの腕の中で泣いておられる彼の姿と微妙な表情の織斑一夏も居ました……何かやらかしましたわね。

 

 

──

───

────

─────

 

 

 波山楓花の護衛、それがロシア国家から言い渡された任務であった。彼のことはよく知っている……世間一般的に言えばだけど。流石にいつも隣に居る彼女ぐらいに知ってることはない。知ってたらストーカー扱いされて彼への印象も悪くなるからやらないわよ。

 

 護衛の任に着くことを彼女さんと彼に伝えて部屋へと一緒に向かった。かなり気難しい性格とは聞いていた。障がい者というハンデがありながらも世界に認められ生きる人なのは勿論のこと知っている。なので前提として彼が不愉快になることだけは避けていくつもりだったのだが…………最大のヘマをやらかしてしまった。

 

 部屋に入った途端、彼の使う絵の具の1つ、黄色の絵の具を踏んづけてしまって殆どの量を減らしてしまったのだ。床の一部が鮮やかな黄色が広がり、つい“あっ”と声を出してしまった。その私の声に気付いた彼が振り向いた途端、ぶわっと一気に泣き始めてしまった。

 

 その泣き声を聞いてか素早く織斑一夏君が駆け付けると、あら不思議。鷹月さんにあやされている波山楓花を泣き顔にさせた私という構図が完成しちゃった……楽観できるわけないでしょこんなの!誠心誠意の土下座ぐらいしか思いつかないわよ!ついでにいえばイギリスの子まで来る始末だし……。

 

 

「あの、更識先輩。頭上げてください。絵の具の件も、フーくんが自己管理できてなかったせいですし。」

「あ……うん、ありがとう。」

「それにパイライトぐらいまた買えば良い話ですから。」

 

 

 いや宝石! というかその絵の具自体の価値も知ってるから尚更土下座しなきゃならないのに、何でこの子はこうもあっさり言えるのよ!

 

 

「パイ……ライト?」

「宝石の1種ですわ。」

「げっ、きみは……」

「そんなに邪険にしないでくださいまし。ナミヤマ氏に此度の件でご挨拶に伺っただけですわ。……で、これは一体どういう状況でして?」

「黄色の絵の具が殆ど消えちゃってね。それで」

「……泣いていると、成程。しかし失礼ながら、またパイライトは買うことが出来ますが。」

「その絵の具、態々フーくんと一緒に原産地まで行って購入したヤツでね。フーくんが気に入ったものばかりで作られてるから思い入れがあるんだよ。」

 

 

 絵のためにそこまでする時点で既におかしい。というか彼【現代のフェルメール】とか【現代のゴッホ】とかって普通に呼ばれてたりするから、彼にとっておかしい事では無いのかもしれないけど!

 

 

「ヒグッ……エグッ…………」

「フーくん、今回のことはフーくんがちゃんと元の場所に戻してなかったから起きたことだよ。こんな思いしたくなかったら、これからはキチンと片付けるんだよ。」

「……ぅん」

「よしよし。ほら、鼻かんで。」

 

 

 やっぱり手馴れてるわねぇ、10年以上も一緒だと慣れもあるのね。いやそればかりはどうしようも無いのだけれど、正直見ていると簪ちゃんのことを思い出しちゃうのよねぇ……ずっと簪ちゃんと話してないし、私もこんな風になれたらなぁ。

 

 

「慣れてるんだな。」

「まぁずっと一緒ならね。それに誇らしいしものもあってね、そうじゃなきゃ態々日本国籍からフランス国籍に変えたりしないし、バイリンガルになろうともしないよ。」

「……凄いな、それって。」

「その分、勉強が必要だったけどね。……そうそう、確か織斑君勉強は進んでるのかな?」

「うっ……ま、まぁなんとか。」

「分からないところはあるんじゃないの?」

「ギクッ」

「ハハハハ! まぁそんなことだろうと思ったよ、良ければ勉強見てあげようか?」

「マジでか!?」

「一応入学時の筆記試験じゃ五位だったし、その教材のことならある程度は教えられるよ。今日の……そうね、8時から10時まではどう?」

「ぜ、是非とも!」

「まぁ、見てられなかったしね。」

 

 

「ナミヤマ氏」

「……んぅ。」

「此度の専用機の件に関して、友好の証をと。」

「………………ん、と。」

「?」

「んと……セシ、リアさん?」

「はい。」

「コロネって言って、ごめんなさい。」

「! い、いえいえ気にしてませんわ! ですから頭をお上げになってくださいまし!」

 

 

 ……と、取り敢えず用事を終わらせて私を含めた3人は部屋から出て行く。初っ端っから何でこんな失敗を……虚ちゃんにまた正座とお説教されちゃう〜。

 

 

─────

────

───

──

 

 

「ん? 一夏、こんな時間に出かけるのか?」

「あぁ。鷹月さんいるだろ、その子に勉強を教えて貰える約束したからさ。」

「なにっ!?」

「うぉおぅ、ビックリしたぁ。」

「い、一夏……貴様……!」

「ん?」

「────いや、うむ。私も行って構わないか?」

「箒もか?良いとは思うけど。」

「なら少し待ってくれ。」

 

 

 篠ノ之箒はすぐに身だしなみを整え、そして織斑一夏と自室を出て行った。普段の彼女ならばここで何かしら暴挙、または言いがかりを付けそうではあったが、なぜだかそれらを抑えた。

 

 彼女が気になっている、波山楓花を改めて確かめようとしているからだ。下手に騒いではその機会すら失われる恐れもある。ならば穏便に、それでいて賢く済ませるのが良い。そう考えながら廊下を歩いていると、ふと一夏から話しかけた。

 

 

「なぁ箒」

「何だ?」

「今日鷹月さんと……波山の部屋に行ったんだけどさ。」

「ほぉ?」

「波山って……何か束さんに似てるなって。」

「あぁ……」

「でも束さんとはちょっと違うというか。」

 

 

 篠ノ之束と波山楓花の共通点。世界的に見れば、その影響力が先ず当てはまる。ISも、彼の絵も世界が知っている。だが、この2人や織斑千冬からしてみれば、彼と彼女が似た者同士にも関わらず色々と違う点が挙げられる。

 

 

「束さんはこう、何を考えてるのか分からない時があるんだよな。言動も……あぁ何て言えば良いんだ?」

「……私が言うのもあれだが、少し人を見下すような態度を取ったりもするな。」

「けど波山は、オルコットさんに謝ってた。」

「謝ってた?」

「オルコットさんに対して何を言ったのかは分からないけど、自分の責任もあるって自覚は波山にあった。」

 

 

 呆れるようなため息だけが吐き出され、一夏は額を押さえる。

 

 

「あの時、波山を引き合いに出した自分を恨んでる。」

「……聞かせてくれるか?」

「……アイツのことを最初は、人や周りの事を考えない奴と思ってた。でも、波山は誰かに対して謝ったり、他人の意見を聞いてその通りにしていた。ワガママな奴じゃなくて、ちゃんと人を理解することをしていた奴だった。」

「──それでいて、自分の思いは崩していなかった。」

「あぁ……そうだな。単にめちゃくちゃ素直なだけだったんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「……そうだな。確かにアイツは、そんな奴なのかもしれん。」

「……仲良く、なれるかな?アイツと」

「なれるさ、必ず。」

「──ありがとう、箒」

「礼には及ばん。」

 

 

 そうして2人の部屋に着き、ドアをノックして待つ。少しするとゆっくりと扉が開けられて鷹月静寐が待っていたが、自分の口元に人差し指を当てて部屋の中を指さし、2人はその部屋の膨らんだベッドを見た。

 

 波山楓花がぐっすりと眠っていた。アイマスクを着けて背を丸めている胎児のポーズをとって寝息を立てながら、それを見た2人は納得して静かにその部屋で織斑一夏は勉強を、篠ノ之箒は彼の安心しきった顔と勉強風景を交互に見ていた。




追記

執筆中に500人突破してて森生えました。
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