トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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更新が遅れてしまい申し訳無い。
本当は一話完結で出す日常回だったのですが、気がつくと9000字超え.....
前半後半に分けさせて下さい。


それでは、15話ご覧下さい。


Produce 15#羽丘学園プチ体育祭"前半戦"

 

 

 

 

『乾杯〜!!』

 

グラスとグラスがぶつかる音と共に、乾杯の声が響き渡る。しかし、俺たちはまだ学生なのでグラスに注がれているのはジュース。今は、ライブ成功の打ち上げを控え室で行なっている。

 

 

 

「いやー、それにしてもRoselia凄かったな!」

 

「あこも頑張ったよお姉ちゃん!」

 

「なかなかやりますね、湊さん」

 

「当然の結果よ」

 

 

あっちではあこや巴が仲睦まじく話し合っていて、こっちでは蘭と友希那がお互いについて話し合っている。アフグロやポピパのメンバーも勿論参加している。みんなで成功させたライブだからな。

 

「しかし、あそこまでアンコールを頂いたのは初めてでしたね」

 

「本当に、最後の方はマジでやばかったね〜」

 

「私....ちゃんと出来てましたか....?」

 

「りんりんは完璧だったよ!」

 

紗夜さんの言う通り、というか俺の予想通りRoseliaが一通り演奏しきった直後に、まるで打ち合わせでもしてた様な感じでアンコールが飛んできた。それに答えないわけにもいかず、結局遅くなってしまったのである。

 

 

 

 

 

「取り敢えずみんなお疲れ様。やまぶきベーカリーのパンの差し入れ貰ったから食べてくれ」

 

 

『いただきま〜す!』

 

 

 

千紘さんが帰り際に差し入れがあるからといって沢山パンを貰った。どうやら、最初から渡すつもりだったらしい。あ、因みに千紘さんが会場に居たのに気付いた沙綾は顔真っ赤にしてました。終わってから純や紗南達にも会えたみたいで良かった。

 

 

 

 

「はぁ、これで一休みできる。ここ最近休めてなかったから帰って寝るか.....」

 

 

「何を言ってるの宗輝。明日は羽丘だけ登校よ」

 

突然こんなことを言い出す友希那。しかし、明日は日曜日。普通は学校なんてお休みなのだから登校するのはおかしいのである。

 

「何で俺たちだけ登校しなきゃいけないんだ?」

 

「聞いてないんだね....」

 

 

 

 

 

 

「明日は、羽丘学園プチ体育祭!で有名なリレーカーニバルがあるんだよ!」

 

いつになくはしゃいでいる巴。あ、こいつ体動かすの得意だっけ?でも、そんな話聞いてない。それに羽丘学園プチ体育祭って何だよ。まだ5月なんですけど?

 

「何で俺だけ知らないんだよ....」

 

「ごめんね、日菜ちゃんが明日にしようって....」

 

「あいつの仕業か....ていうか、あいつの権限で変えられんのかよ」

 

「むーくん、私達応援しに行くね!」

 

「他の学校の生徒は来てもいいのかつぐみ?」

 

せっかくの日曜日なんだから、花咲川組は休めば良いのに。いや、元は俺も花咲川組なんだけどね。あれもこれも全部日菜じゃねぇか。

 

 

「ウチの宣伝にもなるからオッケーだって」ハイ

 

「本当適当だな.....」

 

つぐみが見せてくれた携帯の画面には、日菜とのメールが映し出されていた。つぐみが言ってくれた文まるまま書かれていた。宣伝って何宣伝する気だよ。

 

 

 

 

「はぁ、もうヤダ、帰って寝る」

 

 

 

その日、家に帰って眠りについたのは24時過ぎ。翌朝、香澄に起こされたのは朝7時。睡眠時間だけ見れば7時間くらいあるのだが、そこまで働き詰めだった事を考慮して後半日程は寝ておきたかった俺であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「むーくんおっきろー!でないと遅刻するぞー!」ドゴォ

 

「うぐっ、だからダイブで起こすのやめろって.....」

 

 

香澄にみぞおちダイブを決められて起きたライブ翌日の日曜日。いつも通り8時登校である。不幸中の幸いなのか、お昼で終わるとのこと。出る種目すら分かってないのにな。

 

 

「お前はライブ出てたのに元気なのな」

 

「確かに疲れたけど、むーくんの応援だから頑張る!」

 

「因みに、他のみんなは....」

 

 

ピンポ-ン

 

 

タイミングが良いのか悪いのか、俺が話している時にインターホンが鳴る。俺の家知ってる人少ないはずなんだけどな。

 

 

「はいはい、どちら様ですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.....来ちゃった♪』テヘペロ

 

 

 

そこには、ポピパやハロパピ、パスパレにロゼリアといった4バンドの花咲川組が全員集合していた。

 

 

「すみません、人違いです」バタッ  

 

「あー!みんなつかまえろー!」

 

『おーっ!!』

 

 

女の子とはいえ、これは数の暴力といえる。流石に勝てるわけがなく、全員家の中にあがらせてしまった。幸い、元々4人家族で暮らしていた家なのでギリギリ入れた。

 

 

 

「いや、何で来たんだよ....」

 

 

「宗輝君のこと応援しに来たよ!」

「ブシとは、時に裏方にも徹するものです!」

「怪我しないか心配だから見守ってるわ」

 

 

他の奴らは最悪構わないがパスパレに限ってはヤバイだろ。なんつっても芸能人だからな。

 

「んで、何で美咲はミッシェルのハチマキなんかしてるんだよ」

 

 

「今日はミッシェルが来れないらしいから美咲が代理で来てるのよ!」

「という設定です.....」

「美咲ちゃん、応援頑張ろうね!」

「かーくんに呼ばれて来たよ!」

 

それして応援されたら俺じゃなくて美咲の方が目立ちそうだな。それはそれで面白そうではあるが。

 

 

「紗夜さんと燐子先輩は疲れてないんですか?」

 

 

「日菜が迷惑をかけているのだから、私が尻拭いするしか無いですから」

「私も.....応援したかったので....」

 

紗夜さんそれなら直接日菜に言ってやってください。それでも聞きそうにはないですけどね。そして、相変わらず燐子先輩は女神である。

 

「ポピパはもういいや」

 

 

 

「何だよそれー!どうでもいいってことか!」

「有咲ちゃん落ち着いて....」

「このパン食べてもいい?」

「おたえさっき朝ご飯食べてたじゃん」

 

 

予想通りの反応ありがとう有咲。それをなだめるりみりんまで想定済みである。おたえ、お前はマジで何やってんだよ。

 

 

 

「もうどうにでもなれ.....」

 

 

 

この後、大所帯で登校して朝から注目を浴びたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~羽丘学園運動場~

 

 

 

「それではー、羽丘学園プチ体育祭こと"リレーカーニバル"を開催します!」

 

 

生徒会長である日菜のコールと共に、忌まわしきリレーカーニバルとやらが幕を開ける。明らかに生徒数より多い観客。理由は大体察しがつくけどな。

 

「え⁉︎あれ彩ちゃんじゃない⁉︎」

「じゃあ、隣にいるのは白鷺千聖⁉︎」

「イヴたんかわゆす、流石僕の嫁」ハスハス

 

ワイワイガヤガヤ

 

一人オタッキーなセリフが聞こえたがほっといておこう。くれぐれも本人達に気付かれないようにな。

 

 

「蘭、俺何の競技に出んの?」

 

「宗輝には2種目出てもらう予定だよ」

 

「モカちゃんは〜、応援係で〜す」

 

俺も応援係が良かったわ。蘭達の応援なら死ぬ気で頑張れるぞ。なんなら応援団長でもやってやる。

 

「ひまり達は?」

 

「私は一番しんどくない50m走だよ!」

「私は生徒会の手伝いあるから何も出ないかな」

「私はスウェーデンリレーの400mに出るぞ!」

 

みんな1種目とかなのに何で俺だけ2種目もでなきゃいけないわけ?まぁ運動は得意だけど。

 

「あれ、そう言えば蘭は何に出るんだ?」

 

「べ、別にそれはいいでしょ」

 

「何だよ、みんなの応援もしたいから言ってくれよ」

 

 

 

「.....二人三脚リレー」

 

 

 

二人三脚リレーか。俺あんまりあれは得意じゃないんだよなぁ。運動神経悪い奴とペアになったりしたら最悪だぞ。

 

 

「ペアは誰なんだ?」

 

 

「......宗輝だよ」///

 

「え、俺なのか。まぁ、蘭とだったら良いや」

 

蘭は運動神経良さそうだしな。他の知らない女子と組まされるよりマシだ。

 

 

「因みに〜、クラス対抗リレーにも出てもらいま〜す」

 

「怪我しないようにだけ注意しとこ....」

 

 

今日は昼から帰って爆睡してやることを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-第一種目-

 

 

『第一種目 50m走に出場する人は.....』

 

 

開会式と準備体操が終わり、自分たちのクラスの待機場所に着き数分。50m走のアナウンスが聞こえてきた。50m走にはひまりが出るんだったっけ。

 

「私の出番だね!優勝できるように頑張るぞー!」エイエイオ-

 

 

 

 

「ひ〜ちゃん頑張ってね〜」

「ひまりガンバ!」

「怪我しないように気を付けてね」

 

「何でそこ合わせてくれないの!」

 

「いつも通りだろ。俺も応援してるから頑張れ」ナデナデ 

 

「頑張る!1位になったら膝枕してよ!」

 

 

 

ひまりもいつも通りの反応。あんまり足も早くなさそうだし1位はキツそうだけどな。

 

 

「おーい、宗輝いる?」

 

「リサ先輩?宗輝ならここにいますけど」

 

「ん、何で3年のリサがここにいるんだよ」

 

「50m走、友希那も出るんだよ。応援してあげてね〜」

 

友希那も50m走なのか。あいつも運動苦手そうだな〜。友希那が走るところなんて滅多に見られないし。

 

「リサは何に出るんだ?」

 

「私は障害物競争かな。日菜も出るらしいよ」

 

「お、なら勝負じゃん。どっちも応援してるから頑張れよ」

 

 

そんな話をしていると行進曲が流れ始めて入場が始まった。1学年5組程度走るっぽい。

 

 

 

 

 

『よーい、ドン!』

 

まずは一年生から始まった。時々、足の速い子がいたりして見るのも案外楽しいな。そして、一年生最後の組。そこには、見知った顔が混じっていた。

 

 

「あれ、明日香いるじゃん。50m走だったんだな」

 

「あっちゃん一番楽だから選んだらしいよー」

 

何というか明日香らしいというか。あいつ運動は得意なんだから違うのいけば良かったのに。よし、ちょっと意地悪してやろう。

 

「香澄、始まったら声出して明日香応援するぞ」

 

「勿論だよ!あっちゃんの為に頑張る!」

 

 

 

 

『よーい、ドン!』

 

 

「明日香ー、頑張れー!」

「あっちゃんー!1位になったらむーくんが膝枕してくれるよー!」

 

おい、いつ決まったよそれ。さっきのひまりのやつだろ。明日香運動神経良いんだから1位なんて余裕で.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あっちゃんこけちゃった」

 

「多分お前のせいだな....」

 

 

明日香は見事に周りに置いていかれ、4位でゴールした。

 

 

 

 

 

 

『次は、2年生です』

 

 

1年最後の組が走り終わってすぐに2年の走者が準備を行っていた。ひまりの番は3番目。

 

 

「次、ひまりだよ」

「ひ〜ちゃん頑張れ〜」

「モカ、声届いてないと思うぞ」

 

1.2番目が滞りなく走り終わり、遂にひまりの番。遠目から見ても少し緊張気味なのが分かる。

 

 

 

 

 

『よーい、ドン!』

 

開始の合図と共に全員が一気に走り出す。ひまりは少し遅れてしまい3位でスタート。

 

 

「ひまりー!頑張れー!」

『膝枕の為にー!』

 

だから何でそれ言うんだよ。さっきの明日香みたいに気が散ってこけたりしたらどーするんだよ.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ひまり1位じゃん」

 

「どんだけ膝枕して欲しかったんだよ.....」

 

 

 

この後、帰ってきたひまりに膝枕して周りの人に見られてかなり恥ずかしかった。

 

 

 

 

 

 

『最後は、3年生です』

 

 

1.2年が終わり、最後に残った3年生。見た感じ友希那しか知ってる奴がいないのでそこまでパス。

 

 

「次は湊さんの番ですね」

「頑張って...ほしいです....!」

 

ロゼリアの二人も友希那の事を応援している。当然、メンバーには勝ってほしいだろう。だがしかし、友希那の運動の実力は未知の世界。どんどん友希那の番が近づいてきて、ラスト1組。友希那の出番。

 

 

 

 

『よーい、ドン!』

 

 

しかし、こちらの予想とは裏腹に好スタートの友希那。1位と僅差で走り始めた。

 

 

「あの調子ならいけそうですね」

「頑張って...ください....!」

 

「友希那ー!その調子で頑張れー!」

 

 

「......」ピクッ

 

 

「湊さん、ペースが上がりましたね」

「流石です....!」

 

「最後まで頑張れ!」

 

 

「......」ピクピクッ

 

 

「1位でゴールしましたね」

「やりました.....!」

 

 

 

「流石は友希那だな。グングンペース上がってったじゃん。機嫌も良さそうだったし何か良いことでもあったんだな」

 

 

『(それは多分誰かさんのお陰だと思うよ)』

 

 

無事、50m走は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

-第二種目-

 

 

『第二種目 二人三脚リレーに出場する.....』

 

続いて第二種目である二人三脚リレーのアナウンスが聞こえてくる。これには蘭とペアで出る予定だからさっさと入場門まで移動するか。

 

 

「よし、じゃあ行くか」

 

「うん、よろしくね宗輝」

 

 

蘭と共に入場門へ集まった頃には出場する生徒が沢山並んでいた。その中から自分のクラスの位置を見つけ待機する。そして、全員が揃ったのを確認でき次第行進が開始される。

 

 

「というより、俺らがアンカーなんだな」

 

「多分宗輝いるからでしょ」

 

スタート位置についてからみんなが準備を始める。俺たちはアンカーなのでまだ準備しなくても大丈夫だ。

 

 

 

 

『位置について、よーいドン!』

 

ピストルの音が鳴り響き競技が開始される。自分のクラスの色のカラーコーンを回って帰ってきてタスキを渡すという感じのコース。滑り出しは順調で現在2位。

 

「A組頑張れー!」

「B組負けんな!」

「C組ファイトー!」

 

それぞれが仲間を鼓舞しようと一生懸命に応援をする。

 

「むーくん!頑張れー!」

「蘭〜、コケたりしないでね〜」

 

 

 

「まだ走ってねぇっつの」ハァ 

「モカ、そんな心配いらないから」ハァ 

 

お互いにため息をつく。しかし、その言葉を聞いて少し緊張がほぐれた気がする。やはり、応援の力は偉大だ。

 

 

「あと一組で俺らの番だ。そろそろ準備するか」

 

「じゃあ.....よろしく」

 

 

2位をキープしたまま、アンカーである俺たちにタスキが回ろうとしている。少し急ぎながらも解けないようにしっかりと足と足を固定して、蘭の腰に手を回し位置につく。

 

 

「練習なんかしてなくてぶっつけ本番だけど、蘭とならいけそうな気がするよ」

 

「私も宗輝となら優勝できる気がする」

 

 

そして、タスキを受け取って走り出す。

 

 

 

「1・2、1・2、1・2!」

 

 

 

自分でも驚く程、息がぴったりあった走りが出来ていた。しかし、驚いている暇など無い。1位と僅差で折り返し地点に到達した。

 

 

『宗輝君頑張れー!』

『行けるぞ蘭ー!』

 

 

俺たちを応援してくれる声が聞こえる。応援してくれる奴らいる。そいつらの期待を裏切らないように精一杯走り抜く。

 

 

「蘭!一気にペース上げるぞ!」ハァハァ

「了解!」ハァハァ

 

 

二人共既に体力を消耗してしまい掛け声をかける余裕も無い。しかし、既に掛け声など必要ない程に俺と蘭は走ることが出来ていた。

 

 

「いっけぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『最後に追い上げを見せたA組が1位でゴールッ!!』

 

 

見事、A組は1位でゴールすることが出来た。

 

 

「やったな蘭!1位だぞ!」ギュッ

 

「ちょ、近い....汗かいてるからやめてよ」///

 

俺は嬉しさのあまり蘭に抱きついてしまった。汗など今更気にしている場合ではない。

 

 

「最後、俺が自分勝手にペース上げちゃったけどついてきてくれてありがとな」ナデナデ

 

「まぁ、私も1位取りたかったしね.....」///

 

 

蘭と応援してくれたみんなのおかげで1位を取ることが出来た二人三脚リレーであった。

 

 

 

 

 

 

~後半戦へ続く~

 

 

 





既に後半戦はストック済ですのでご安心を
ほのぼのした日常回が続くかと思われます


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