トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~ 作:Lycka
意外とルーレットが偏ったりしたのでちょいと変更加えてます。
(4回連続で同じキャラが出た時は焦りました)
それでは、17話ご覧下さい。
"ジューンブライド"
この言葉の示す意味は、端的に言えば幸せとなるだろう。世間一般的に6月に挙式や籍を入れるとジューンブライドと言われている。女の子の夢と言っても過言では無いが、男からしたら割と気にしないかもしれない。因みに、俺は相手に合わせるタイプ。
今回は、そんな"ジューンブライド"に因んだお話。
***
Roseliaの主催ライブやらリレーカーニバルやらで疲れた日から数日、今日は金曜日。今の女子高生風に言うと華の金曜日とかって言うのか?授業も難無く終えて帰宅しようと準備していた。
「宗輝、一緒に帰る?」
「今なら特別に〜、モカちゃんも付いてきま〜す」
今しかお前はついてこねぇのかよ。テレビ通販の真似事か。
「ならみんなで帰るとするか」
「みんな帰るよ〜」
「ごめん、用事あるから先に行っててくれる?」
「つぐ、なんかの頼まれごと?」
「うん、日菜先輩に呼ばれてて」
何故だろう、すっごい嫌な予感がする、ていうかそれしかしない。刻一刻とそれは近づいてきていた。
バタバタバタ
「お、つぐみちゃんみっけ!丁度宗輝もいるし良かった!」
「日菜先輩⁉︎」
「言わんこっちゃない.....」
日菜が顔を輝かせてこちらへ走ってくる。まためんどくさいことに巻き込まれると感じながらも少し楽しんでいる俺がいる。これは日菜のせいだな、そうに違いない。
「明日、CiRCLEで面白いことするから来てね!」
「面白いことって何ですか⁉︎」
「んー、それはまだ秘密だよ!」
「とにかく明日CiRCLEに行けばいいだろ」
「そゆこと!このこと伝えたかっただけだからつぐみちゃんももう帰っていいよー」
そう言い残して日菜は颯爽とその場を去っていった。CiRCLEで何するつもりかは知らんが兎にも角にも明日行ってみるしかないな。
「とりあえず帰るか」
「そうだね」
この時はまだ、あんなことになるとは思ってもみなかった。
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そして、次の日。俺は日菜からメールで"宗輝は10時着!時間厳守!"と送られてきていたのでそれに従って10時ピッタリにCiRCLEへ到着。扉の前まで歩き自動ドアが開く。
「あ、宗輝君じゃない。みんなもう来てるよ」
「まりなさん、お久しぶりです」
「お久しぶりなのは誰のせいなのかな?」
いや、あんたが主催ライブで休みとるからこの一週間一人でやらないといけなくなってるんでしょうが。しかし、そんなことは面と向かっては言えないので作り笑いでその場は誤魔化す。
「みんなが待ってるので行ってきます」バッ
「もう!後で覚えておいてよー!」
そんなまりなさんを置いて、俺は奥へと進んでいく。みんなが待っているとは言っていたが誰がいるんだ?来るメンバーなんて聞かされてないしな。まぁ、行ってみりゃ分かるか。
どんどん奥へと進み、ライブステージへと繋がるドアを開ける。
ガチャ
『第一回!誰が一番お嫁さんに近いか⁉︎お嫁さん選手権〜!』
パチパチパチ
「はぁ?」
俺がライブステージがある部屋へ入るや否やそんな声が聞こえてくる。声の主は暗くてよく見えないので確証が持てない。暗くて周りが見えないので辺りを確かめつつ声のする方へ向かう。そこで、照明が一気に点灯する。
『まずは回答者の紹介からいきましょう!』
先程の声の主は、まさかの麻弥。あれは機械をいじったり隙間に入ったりしているときのテンションだな。あのフヘッている時の麻弥もなかなか.....というより先にこの状況を説明してくれ。
『まずはこの人!Poppin'Partyの天然担当!今まで見てきたウサギの数は数知れず。ウサギと天然において右に出るものは無し!花園たえ!』
「ポピパの為に頑張るよー」
麻弥の紹介でスポットライトが当たった場所にいたのはおたえ。というより、そこステージだよな?何勝手に改造してくれちゃってんの。後で直しとけよ、主にまりなさんがしんどくなるだけだから。
『次にこの人!After glowの赤メッシュ、幼馴染バンドのギターボーカル!見た目はパンクなこの少女、実は華道も出来るんです!美竹蘭ー!』
「(さっさと終わらせてバンド練習しよう)」
次に現れたのは蘭。おたえとは違い無言のままだったが早く終わらせてバンドの練習でもしようとか考えてるんだろう。何で分かるのか?それは俺と蘭の仲だからな。伊達に羽丘通ってねーよ。
『三人目は、我らがPastel Palettesのリーダー!噛んじゃうところも可愛らしい!エゴサーチの鬼こと丸山彩ー!』
「麻弥ちゃん!その紹介やめてよー!」
三人目は彩。紹介の通りエゴサーチしては傷付いたりへこんだりする癖がある。その度に俺に泣きついてくるのをそろそろやめてほしいんだけどな。
『四人目はこの人!超本格派バンドRoseliaからの参戦!観客を虜にする美声を持つ"歌姫"湊友希那!』
「この闘い、負けられないわね」
四人目は意外や意外、まさかの友希那が参戦。バンドのことに関してはプロ並みの意識の高さだが、最近、少し天然というかボケている点が否めない。
『そして最後の五人目!世界を笑顔にするハロー、ハッピーワールドのベース!コロッケ大好き北沢はぐみ!』
「むーくんの為に、はぐみ頑張る!」
最後の五人目ははぐみ。ここで満を持してハロパピ三馬鹿の内の一人が登場。破茶滅茶な展開になること間違い無しだな。
『紹介が遅れました、解説は大和麻弥でお送りします』
ここで麻弥が遅ればせながら自己紹介。
いや、何このカオスな空間。まずお嫁さん選手権って何よ。全く状況が掴めてこないんですけど。
「なぁ、俺って何の為に呼ばれたんだ」
『宗輝君には審査員をしてもらいます』
冷静な顔をした麻弥にそう告げられる。さっきまでDJみたいなノリでいってたのはどこにいったんだよ。
「何の審査員するんだよ.....」
「異論反論は一切認めませーん!」
「日菜、どこから出てきたんだよ」
「それはー、ほれ!」
パチッ
今までステージしか照らしていなかった照明が一気に点灯する。そして、観客席にいたのは顔見知りばかりだった。
「おたえー、頑張れー!」
「蘭〜、ふぁいと〜」
「アヤさん!ご武運を!」
「あぁ.......儚い」
勿論、5バンド全員集合。こんなことやってる暇あるんだったら練習しろよ、と心の中でツッコんでおく。どうせ実際に言ってももう遅いからな。
『今から出題する問題に5人の方に答えて頂きます。その回答を見た宗輝君にポイントをつけてもらい、最終的にポイントが一番高い人が優勝です!』
そこらへんのルールはよくあるクイズ番組形式なのな。一応安心したわ。
「優勝者には何があるのかしら」
『見事優勝した方には、一回だけ宗輝君に言うことを聞かせられる券が与えられます!』
「おいまて、そんなこと聞いてないぞ」
『すみません、今考えました』テヘペロッ
くそ、非常に残念だが可愛いので許してやろう。そう、可愛いは正義だ。いいか覚えとけ、可愛いは(以下略
「一日中むっくんとギター引こう」
「それは良い案だが、絶対にやめとこうな」
「別に私はそんなもの要らないけどね!」///
「言ってる割に顔赤いぞー蘭」
「もし優勝したら、お忍びデートして、晩御飯は高級ディナー、そして最後は.....は、恥ずかしくて言えない!」///
「先生、一人妄想の世界に入ってまーす」
「そうね、私が勝ったら一先ず結婚してもらおうかしら」
「結婚は言い過ぎな。というより一先ずってその後何させるつもりだよ」
「むーくんにコロッケ屋さん手伝ってもらおうかなー?」
「はぐみ、お前がこの中で一番まともだなんてな.....」
始まる前から既に訳分からん事になってるがもう知らん、なるようになれ。
『それでは、第1問!』
『旦那さんがまさかの体調不良でダウン!そんな時、あなたならどうしますか⁉︎』
ふむふむ、これは臨機応変な対応が求められるな。まさに主婦力やら嫁度やらが試される問題だ。
『さぁ、時間となりましたので回答を一斉にオープンしてください!』
ババン
おたえ「オッちゃんと一緒に添い寝する」
蘭「家事を先にこなして看病する」
彩「治るまでずっと側にいてあげる」
友希那「私達の音楽を聴かせる」
はぐみ「コロッケ食べさせる」
まぁ、おかしいところがあるが今は司会の麻弥に任せてみよう。
『回答が出揃ったところで採点に移ります!どうですか宗輝君⁉︎』
「まずおたえ、ウサギと添い寝は勘弁な、それに移るわ」0ポイント
「モフモフで気持ちいいのに」
「次に蘭、代わりに家事をこなしてくれるのはグッドだ。看病してくれる点も流石蘭、分かってるな」2ポイント
「こんなの普通だしね」///
「彩も俺的にはポイント高いんだけどなぁ。これじゃあ一日潰れちまうぞ」0.5ポイント
「でもその方が安心するじゃん!」
「友希那、お前は何考えてるか分からん」0ポイント
「音楽で体調を良くするのよ」
「はぐみ、体調悪いのに油物はNGだ」0ポイント
「サクサクで美味しいよ!」←意味が分かってない
『ポイントを獲得したのは美竹さんと彩さんだぁー!!』
「何で麻弥はこんなにテンション高いんだよ」
「この後、貸切でライブステージの隙間という隙間に入るらしいよー」
何でライブステージ貸切してまで隙間なんだよ。麻弥っぽいって言えば麻弥っぽいけどな。それであんなにテンション上がってんのか、聞かなきゃ良かったわ。
『続いて第2問ー!!』
『旦那さんがいきなりの残業!しかし、もう晩御飯は作り終えて子供も待機中。あなたならどうしますか⁉︎』
これは良くある事だな。まぁまだ高校生の俺が言える台詞じゃないけど。でも、これは回答が大体同じになるんじゃないか?
『それでは時間になりましたので回答をオープンしてください!』
デデン
おたえ「子供に先に食べさせて、オッちゃんにもご飯あげてから待つ」
蘭「子供と一緒に軽く済ませてから、帰ってきたタイミングで一緒に食べる」
彩「子供に食べてもらってから、作り直す」
友希那「子供と一緒に食べて、外食かコンビニで済ませてもらう」
はぐみ「コロッケを食べてもらう!」
まぁ今回はまともだな、最後の一人を除けば。
『さぁ宗輝君!採点をお願いします!』
「まずは回答が似てるおたえと蘭。おたえに関してはオッちゃんにも忘れずにご飯あげてて偉いな。蘭もその時に軽く済ませるのもコツだな」1ポイント
「毎日忘れずにご飯はあげてるよ?」
「流石に何も食べずには待てないからね」
「次に彩、作り直すってことはその時作ったのはどうするんだ?」
「ラップとかで包んで冷蔵庫に入れとけば翌日にでも食べられるよ!」
「なるほど、そして温かいご飯を作り直してくれるのか。彩の愛情のこもったご飯が食べられる奴が羨ましいな」2ポイント
「な、なら今度作ってあげよっかなーなんて....」///
「次に友希那だな。この回答は俺的には全然アリだ。無理して待つ必要も無いからな」1ポイント
「でしょう?宗輝の考えてることは分かるわ」
「最後にはぐみ。この回答だとコロッケしか食べられないのか?」0ポイント
「コロッケ食べれば元気でるよ!」
「そういうことじゃないんだよなぁ.....」
こうしてみるとやっぱりはぐみだけちょっとズレてるんだよなぁ。はぐみんちのコロッケはマジで美味しいから。でもこの問題の趣旨とはズレてるから点あげられないわ。
『二問目が経った時点での1位は美竹さん!続いて2位は彩さんだ!』
「流石は蘭!応援してるぞー!」
「頑張れ蘭ー!」
「このままの調子だよー!」
「っしゃーす」
現在トップの蘭を励ますべくアフグロメンバーが声を掛けて応援する。巴とひまりとつぐみは良いがモカ、それは応援なのか分からんぞ。
「彩ちゃん頑張れー」
「アヤさん!ここからは背水の陣です!」
「緊張せずに頑張るのよー」
僅差で2位についている彩にもパスパレメンバーから応援の声が掛かる。まだ二問しか問題が出てないが彩は良いお嫁さんになりそうだよなぁ。好きな人とかいんのかな?応援してやりたいし今度聞いてみよう。
『さぁ次がラストの問題です!』
『あなたが相手に求めるものは何⁉︎』
これ関係なくね?良いお嫁さん以前の問題じゃんか。まぁ聞いて損は無いから聞いとこう。
『それではラスト問題の回答をどうぞ!』
ババン
おたえ「動物好き、ギターを弾ける」
蘭「一緒にいて落ち着く、自分のことをわかってくれる」
彩「優しさと愛情!」
友希那「経済力、音楽」
はぐみ「むーくんみたいな人!」
これまたバラバラだな。そしてはぐみ、回答が俺みたいな人ってなんだよ。可愛いなチクショウ。
『ラスト問題なので一人一人に焦点を当てていきましょう!まずは花園さんからどうぞ!』
「動物好きだったら一緒にウサギ飼えるしギターとかも一緒に弾きたい」
「一緒に動物とか飼って世話出来たら楽しいもんな。ギターだってそれと同じだな」3ポイント
『おーっと!ここでいきなりの3ポイント!次に美竹さんどうぞ!』
「一緒にいて安心出来たり落ち着く人が好きなので....後、自分のこと分かってくれるのは少し我儘かもしれないですけど」
「蘭の言う通り、俺も落ち着く人好きだしな。自分のことを分かってくれることについては全然我儘じゃ無いと思うぞ。それも大事な要素の一つだ」3ポイント
「続いて美竹さんにも3ポイント!ここで追い抜けるか彩さん!』
「そんなに深い理由は無いけど.....優しくて愛情たっぷりの人の方が私は好きだから」
「彩なら好いてくれる人沢山見つかるだろ。結婚した後もラブラブで続きそうだもんな」4ポイント
『これは過去最高の4ポイント!大差だが巻き返せるチャンスです湊さん!』
「経済力は何をするにしても必要だわ。私の場合、あとは音楽が出来ると良いわね」
「確かに経済力は必須だな。求めるものが音楽ってのも友希那らしいな」3ポイント
『これまた3ポイントが入りました!最後に北沢さんどうぞ!』
「はぐみはむーくんが好きだから!」
「ここでストレートなの来たか。うん、素直に嬉しいから5ポイントあげちゃう!」5ポイント
『最後に最高得点5ポイントキターッ!!ここで終了となります!』
ワイワイガヤガヤ
合計三問とあまり多くはなかったがここで終了。後は結果を待つのみとなった。
『えー、それでは結果を発表します!結果はこちら!』
おたえ:4
蘭:6
彩:6.5
友希那:4
はぐみ:5
『という結果になりましたので、優勝は彩さんです!』
「やったぁ!これで宗輝君とデート.....じゃなかった。一つだけ言うこと聞いてもらえるね!」
彩、もうお願いされることが分かったぞ。最初からデートやらなんやら言ってたもんな。まぁ俺としても彩とデート出来るんだったら願ったり叶ったりだよ。ファンの人には申し訳ないけどな。
『これにて第一回お嫁さん選手権終了となります!』
「彩ちゃんやったねー!」
「流石はアヤさん!あっぱれです!」
「彩ちゃんならやれると思ってたわよ」
「ありがとうみんな!」
より一層メンバー同士の絆が深まった瞬間を垣間見た気がする。やっぱりみんな仲良くが一番だな。しかし、俺から言わせてみればみんな良いお嫁さんになると思うけどな。それに加えてみんな可愛いし。いつか理想の相手と結婚できると良いな。
「なぁ、これってもしかして第二回とか.....」
『あるに決まってるじゃん!!』
俺は日菜に聞いたつもりだったんだが、まさかの観客席のみんなからの返答。そんなにやりたいなら別に付き合ってやるけど。男は俺一人しかいないしな。それに、こんな風にみんなとワイワイしてる時間が俺にとっては幸せな時間だからな。
「仕方ねぇか.....」
誰にも聞こえない声で独り言の様に放った言葉は、みんなの声に掻き消されてしまった。
需要あれば第二回も開催しようと思ってますので。
次回はエゴサとデート回の予定です。
妄想フルMAXで頑張ります。
その為にも、お気に入り、感想等お待ちしております。