トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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色々キングクリムゾンしてます、すみません。
最近、他の方のものを読んで勉強しております。
自分のものが圧倒的に短いことを確信しました。
今回のものでも、他の方々のもので少なめくらいだと思っております…



Produce 2#始動開始

 

 

 

時は過ぎ、花咲川学園の入学式から1週間が経とうとしていた。そんな中、香澄が突然言い放つ。

 

 

 

「私達、バンド組むんだけどむーくんもやる?」

 

 

「ほえぇ?」

 

 

我ながら意味の分からない声が出たと思う。それくらい意味が分からなかったんだから仕方ない。バンド?どうして?何故?誰と?そんな疑問ばかり浮かんできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

場所は花咲川学園1–A。もう既に授業は終わり、各々帰る準備やら部活の準備やらで忙しなくしている。そんな中香澄が放った先程の言葉。

 

 

「香澄さん?何故バンド?」

 

「キラキラドキドキしたいから!」

 

「あ、さいですか。」

 

 

 

相変わらず香澄が香澄でホッとした。というわけではなく。

 

 

「いやいやいや。そもそもメンバー居んのか⁉︎」

 

「ちゃんと集めたもん!有咲でしょ〜、りみりんでしょ〜、あとはおたえかな!」

 

「あと1人足りない件について話してもらおうか。」

 

「沙綾誘ったんだけどなんかバイトあるから無理みたい!」

 

 

なんか、そんなような事言ってたな。あ、因みにこの私斎藤宗輝。現在アルバイトをしております。なんでかって?そりゃもちろんお金よ!無い!遊ぶお金が圧倒的に!だから、やまぶきベーカリーにお勤めしている次第でございます。

 

 

 

そして、香澄の会話に出てきた女の子達。市ヶ谷有咲、牛込りみ、花園たえの三人。この一週間で香澄が集めたバンドメンバーらしい。そのせいで最近放課後は用があるとかで一緒に帰らなかったのか。お陰で約一週間、一人で下校する羽目になったぜ。……別に、寂しかったとかじゃないんだからね!

 

 

自分でやってて恥ずかしくなるな、これ。

兎にも角にもバンドやるにはメンバーが集まらない事には始まらんだろう。

 

 

「それで香澄。練習とかは何処でやるんだ?」

 

「有咲ん家!蔵!」

 

「そんな片言で話されてもな。説明してくれ。」

 

「了解しました!」

 

 

そうやって、ピシッと敬礼のポーズをする香澄。そんな香澄を見て久しぶりに心から笑えた気がした。

 

 

 

 

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香澄からある程度の説明を受けた俺は練習場所である市ヶ谷有咲宅へ向かっていた。もちろん、香澄も一緒に。メンバー紹介も兼ねて練習をするんだとか。まだバンドするって言ってないんだけどなぁ。しかしそこは香澄、そんなこと関係なく話が進んでいきます。

 

 

「ここが有咲ん家ね!覚えたむーくん⁉︎」

 

「覚えた覚えた。んで、さっき言ってた蔵ってどこだ?」

 

「驚かないでよ〜!びっくりするよ〜⁉︎」

 

それどっちだよ⁉︎驚いて欲しくないのかビックリしてほしいのか分からん。そして何故に香澄が自慢げなんだ…。まぁ行ってみりゃわかるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていた時期が私にもありました。

蔵に着いた途端、開口一番俺はこう言った。

 

 

 

「なんで地下あんの?というより広くねこの家?お金持ちかな?」

 

 

 

だってしょうがないじゃん!家入るところ門あるし、庭はクッソ広いし、おまけに地下まであるし。本当に何でもござれである。

ここまでになると、メンバーである市ヶ谷有咲という女の子にも興味が湧いてくる。どんな子だろうと期待を膨らませ妄想していると、香澄に呼ばれハッと我にかえる。

 

 

「むーくん!みんな待ってるから行くよ!」

 

「お、おう。すまんすまん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

「じゃあ紹介するね!右からおたえとりみりんと有咲!」

 

 

おいおい、誰かこの子に紹介の意味教えてやってくれ。名前だけなら学校で聞いたしなんならそれ以外のことも聞いたよ!

 

 

「これじゃあ紹介になってないよ、香澄ちゃん…。」

 

「ったく、しょうがねぇなぁ。まずは私から。市ヶ谷有咲、よろしく。」

 

「牛込りみです。よ、よろしくお願いします。」

 

「花園たえです。というより、同じクラスだよね。なんで、香澄から名前聞いてわかんなかったの?」

 

 

「んん?同じクラス?そだっけ?」

 

「むーくんはね!あんまり人と関わろうとしないから友達居ないの!だから、仲良くしてあげてね!」

 

 

やめて!そんなに笑顔でこの人友達いないです宣言しないで!まぁ確かにあまり人とは積極的に関わることはしないな。あと、、、、単純に人の名前を覚えるの苦手なんだよ。おっと、俺の紹介がまだだったな。失敬失敬。

 

 

「俺は斎藤宗輝。香澄とは小さい頃から一緒に居る。まぁ幼馴染ってことだな。あんまり苗字で呼ばれたくないから名前で呼んでくれると助かる。」

 

「よろしくね宗輝君。」

「よろしく宗輝。」

「よろしくむっくん。」

 

 

皆一様に挨拶をしてくる。呼び方は一緒じゃないんだけどな。というよりむっくんて…。一瞬、赤い毛皮の何かが頭をよぎったぞ、マジで。

 

 

「よろしくな、有咲、りみりん、おたえ。」

 

 

 

「ちょ、おまっ、いきなり名前呼びかよ…」

「宗輝君、りみりんはちょっと…」

「むっくんとは気が合いそうな予感がするよ。」

 

 

「んん?ダメだったか?有咲?りみ?」

 

ダメって訳じゃ、ない、けど…///」

はぅぅ…///」

 

 

ナニコレ?少女が悶えてるんですけど…。可愛くないですか?いや、可愛いに決まってますよ。

 

「可愛いな有咲とりみりんは。」

 

『…‼︎///』

 

 

 

あれ?俺なに言っちゃってんの⁉︎バカなの!死ぬの⁉︎気付いたら口に出してたとか何処のラノベ主人公だよ、、、爆ぜろ。なんて、自分自身でツッコミをかましていると茹でダコの様に赤くなった二人が逃げていった。俺悪くないよね?

 

 

「むーくん、私は私は⁉︎」

 

「はいはい、世界一可愛いよ。」ボウヨミ

 

「むっくん私は〜?」

 

「おたえは可愛いというより美人さんだな!」

 

「ッ!あ、ありがと//」

 

 

あるうぇ?おっかしいな〜?おたえも顔赤くして俯いてるぞ〜?おたえがそんな反応するとは思ってなかったな〜?ていうより、有咲とりみりん居ないしおたえもさっきからだんまりだし、これ練習どーなんの?

 

 

「むーくん。女の子にあんまりそーゆーこと言っちゃダメだよ?」

 

「お前さっき聞いてきてただろ。多分、学校にあんまり男子居ないから慣れてないだけだろ。」

 

「むーくんの場合、容姿も理由に入るんじゃない?」

 

「そーか?確かに俺はカッコいいけどな!」

 

「自分で言ってると気持ち悪いよむーくん。」

 

 

 

とうとう香澄にまで気持ち悪いと言われました。むーくん絶賛ヘコんでます…。自分でむーくんって言ってるの超気持ち悪いな、やめよう。なんやかんやあって、本日の蔵での練習、略して蔵練は中止となりましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

蔵練(仮)の次の日。曜日は土曜。そう、休日である。世間一般的に言えばお休みの日。しかし、そうも言ってられないのが現実である。

 

 

「いらっしゃいませ〜。ただいまメロンパン焼き立てで〜す!」

 

 

元気にやまぶきベーカリーのバイトやってます。あらやだ土曜出勤なんて社畜じゃない。いや、マジで笑えない。でもやまぶきベーカリーに来る理由ならある。

 

「いらっしゃいませ。メロンパンと一緒にチョココロネもいかがですか〜?」

 

 

そう、俺の隣で可愛いエプロン姿をしてる沙綾をバンドに誘う為だ。

香澄が前誘った時はバイトあるから無理って言ってたみたいだけど…。一緒に仕事してて理由がそれだけでない事ははっきり分かった。

 

 

まず、沙綾のお母さんの千紘さんの身体が弱い事。前にもバンドは組んでいたみたいだが、ライブ前に千紘さんが倒れた事があるらしい。それから沙綾がお店の手伝いをするようになったとかなんとか。沙綾のお父さんの亘史さんもお店の手伝いをするけれど、圧倒的に手が足りないせいで沙綾が居ないとお店が回らない状況である。

 

 

そして二つ目は純と紗南である。

純と紗南は沙綾の弟と妹で俺もここに通うようになってから相手してやる事が多い。しかし千紘さんがあの状態の為、純や紗南の世話も沙綾が担当している。

まぁこんな状況では流石にバンドは出来んわな。それで俺がやまぶきベーカリーのバイトとして手伝ってる訳だ。ん?お金?そんなの表向きの理由だ。

…ちょっとだけ本音だけどね。

 

 

「なぁ沙綾。香澄達とバンド組んでやってくれないか?香澄達も沙綾に入って欲しいみたいだし…。」

 

「またそれ?言ったでしょ。お店がこんな状況の中バンドなんてできないよ。」

 

「それは俺が手伝うからいいだろ?なんなら毎日来てもいいまであるぞ。」

 

「それは流石に宗君に迷惑でしょ。ほら、今はお仕事お仕事。」

 

「お、おう。いらっしゃいませ〜。」

 

 

 

このままではダメだ。

沙綾は確実にバンドに入りたいと思ってる。けど、周りがそれを許してくれないんだ。そんなことはあってはいけない。周りのせいでそいつが悩んでるなら、俺は助けてやりたい。どうにかしてやりたい。

俺が昔、香澄に助けてもらったみたいに。

 

 

 

 

今度は、俺が助ける番だ。

 

 

 





平均どのくらいの文字数なんですかね?

次回も出来れば早めに更新致します。

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