トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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少し勤務形態が変わった主です。
前述の通り、勤務形態が変わったので更新時間が変わってくると思いますが、基本的な部分は変えませんのでご安心を。
アンケートの結果に倣って頑張って週2は目指そうと思いますので。

それでは、32話ご覧下さい。


Produce 32#ちょまかわ裁判

 

 

 

波乱万丈なミッシェルランドを堪能した次の日、香澄に起こされて連れてこられたのは有咲の家の蔵。既に7月に入っており日差しが煩く照りつけている。セミは忙しなく鳴いており、まさに夏を感じさせる天候だった。

 

 

 

「有咲〜」

 

「来たよ〜」

 

 

 

失礼ながら俺も香澄も間の伸びたゆる〜い挨拶をしながら門をくぐる。庭には有咲と有咲のお婆ちゃんが丹精込めて育てた盆栽が所狭しと並んでいる。残念ながら俺には盆栽の才能が無いらしく、前は有咲に"もうちょっと勉強してからこい!"と言われてしまった。

 

 

 

「あら、いらっしゃいお二人さん」

 

「ご無沙汰してます」

 

「有咲なら蔵にいるよ」

 

「ありがとうお婆ちゃん!」

 

 

 

優しく微笑んで送ってくれる有咲のお婆ちゃん。手にはほうきを持っていたので、おそらく庭の手入れだろう。いつもお世話になっているので手伝って行こうとも思ったが我らが姫を怒らせるわけにはいかないので帰りにでも手伝おう。

 

 

 

「有咲来たぞ〜」

 

「適当に座っててくれ」

 

「何で今日は私達呼んだの有咲?」

 

 

 

実のところ、香澄にすら今日は蔵に来てくれとしか伝えてなかった有咲。ポピパの事で何か相談事か、或いは演奏自体に気になる点があるのか。

 

 

 

「宗輝......最近の出来事言ってみ」

 

「ん、まずパスパレのマネージャーだろ。あん時はマジで大変だったな。学校早退させられるわ休日に出てきて事務仕事やらされるわで疲れた。そんで遊園地行ってショッピングモール行ってミッシェルランド行ってきたぞ」

 

「むーくん居なくて寂しかったよ!」

 

「すまんすまん、今日は一日相手してやるから」

 

 

 

この前はパスパレ、その後アフグロにハロパピ。途中学校があったが学校でもベタベタな訳ではないので香澄達といる時間は割と少なかったように感じる。

 

 

 

「それがどうかしたのか?」

 

「むーくん撫でて〜」

 

「あいよ」ナデナデ

 

「学校帰りに羽沢珈琲店に寄ってイチャコラしてたり、北沢精肉店に寄ってコロッケ食べさせあいっこしてたの忘れてるぞ」

 

「お、そうだったわ確かに......ん、何で有咲知ってんの?」

 

 

 

 

おかしい、何でそのこと有咲が知ってんだよ。香澄達と別れた後つぐんちに行ってこっそりコーヒー楽しみながらつぐとお話したのダメだった?はぐみんとこにも寄ったらハロパピ勢揃いしてたからみんなでコロッケ食べたのもダメ?もしかして、情報源美咲だったり?

 

 

 

 

「逆に何でバレないと思った」

 

「いや、だってさ」

 

「ん、これ見てみ」

 

 

 

そう言って有咲が差し出した携帯の画面に映っているのは流行りのSNS。"バカップル爆誕w"とか"リア充爆発しろ"だとか"今なら羽沢珈琲店のブラック一気飲み出来る自信あるわ"とか書かれてた。みんなと食べさせあいっこしてる写真を添付されて。

 

 

 

「ごめん、急用思い出したわ」

 

「むーくん帰る?」

 

「おう、今すぐにな」ダッ

 

 

 

悪い予感がプンプンするので早めに撤退しよう。これは逃げでは無く戦略的撤退というものだ。つまり、俺は負けてない。何と戦ってるんだって話だけど。

 

 

 

そそくさと蔵から出ようと思いドアに手を掛けた瞬間、逆方向からドアが開かれた。

 

 

 

「むっくんダメだよ逃げちゃ」

 

「ちょっとお話しよっか」

 

「おたえ、沙綾もこんな朝早くにどうしたんだ?」

 

「それはね、宗輝君を逃さない為だよ?」

 

「りみりんの口からは聞きたくなかったよ」

 

 

 

見事にポピパ全員集合である。沙綾は若干怒ってるし、おたえはおたえで逃さないとか言いつつこっちに抱きついてきてるし。りみりんは相変わらずやまぶきベーカリーの袋を嬉しそうに片手に持ちつつも俺の服のちょこっと掴んできてる。

 

 

 

「だから香澄に何も伝えてなかったのか、やるな有咲」

 

「こいつに伝えるとバレる可能性があったからな」

 

「取り敢えず始めよっか」

 

「因みに何を始めようとしてます皆さん?」

 

「それは勿論......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『裁判だよ!』

 

 

 

 

 

____________________________________________________

 

 

 

 

 

 

「え〜、ではむーくん容疑者!」

 

「有咲変われよ、これじゃ全く雰囲気出ないぞ」

 

「香澄、お座り」

 

「はい!」

 

 

 

 

俺が床に正座。その前に机を置きソファに5人が座っている。裁判官を香澄にやらせていたが雰囲気もクソも無いので交代。それにしても、段々と香澄の扱いが上手くなってきてる有咲。今度香澄検定で勝負してみよう。

 

 

 

「じゃあ内容を整理しよっか」

 

「自分で吐きな」

 

「さっき言った通りだってばよ」

 

「余罪の確認しないとだね」

 

 

 

おたえ、余罪なんて言葉知ってたんだな。みんな普通に俺がボケたのスルーしたし。有咲はガチだし沙綾もどっちかっていうとガチ。りみりんは何かチョココロネ食べながらこっち見てるし。もう正直に吐いたほうが良さそうやんな。

 

 

 

「他には?」

 

「......火曜日にこころん家行って夜まで一緒に居た」

 

 

「後は?」

 

「......木曜日は蘭とモカと一緒にラーメン」

 

 

「最後に?」

 

「......一昨日は彩と千聖さんとデート」

 

 

 

「はい、アウト」

 

 

 

 

待って、俺にも言い訳させて。こころん家行ったのはメイドちゃんからいきなり電話が来てお嬢様が大変なのです!とか言われたから激チャで向かったら普通にしてた。ラーメンはこの前のネックレスのお礼でその日は蘭とモカしか行けなかったけど。一昨日のは完全にプロデューサーさんのせい。そういうところも仕事の一つよ、とか言って強制的にデート。

 

 

 

「どう思いますかみなさーん」

 

「これはアウトだね」

 

「むっくんアウト〜」

 

 

 

なんか適当になってきてない皆さん?香澄を見習え、もうウトウトし始めたぞコイツ。

 

 

「りみりんは?」

 

「まぁ......アウトかな?」

 

「最後の希望がたった今絶たれた」

 

「はい、判決。極刑な」

 

「んなアホな」

 

 

 

市ヶ谷裁判官からの判決は無慈悲にも極刑。おう、なら俺も対抗してやるよ。拳じゃなくて頭でな。人間考える為に脳みそあるってこと見せてやんよ。

 

 

 

「よーし、じゃあ今度は有咲が容疑者役な」

 

「......はぁ?」

 

「香澄起きろ、有咲が大好きだってさ」

 

「え、本当に⁉︎私も有咲大好き!!」ギュッ

 

「やめろ、離せ!!ちょ、おまえぇ!!」

 

 

 

悪いが香澄に時間稼ぎをして貰おう。そのうちに俺たちは準備に取り掛かる。

 

 

 

「沙綾、おたえ、りみりん」

 

「相変わらず好きだねこういうの」

 

「いえっさー」

 

「何するの?」

 

 

りみりん、この流れでいったら一つしかないだろう!!

 

 

 

「有咲好きによる、有咲の為の裁判」

 

 

 

「略して......"ちょまかわ裁判"だ!!」

 

 

「どこも訳せてないよそれ......」

 

 

 

 

 

俺と有咲の立ち位置を逆転させて裁判リスタート。

 

 

 

「さて、それでは被告人、前へ」

 

「はい!」

 

「お名前をどうぞ」

 

「戸山香澄です!」

 

 

俺は裁判長で、被告人が香澄。その他諸々で沙綾、おたえ、りみりん。大体俺と香澄のツートップで有咲の罪を暴こうではないか」

 

 

 

「有咲は可愛すぎるのがいけないと思います!」

 

「......ッ!!何言ってんだよお前ら!!」///

 

「お静かに、今度うるさくすれば俺の携帯に入っている秘蔵の有咲コレクションVol.1を拡散しますよ」

 

「知らない間に何やってくれてんのお前!」

 

「おたえ、沙綾、レッツゴー」

 

 

 

正座を解きこちらへ来ようとしていた有咲を二人に抑えてもらう。これくらいではまだまだ気が済まない。有咲の可愛いところドンドン出しちゃおうぜ。

 

 

 

「具体的にお願いします」

 

「えーっと、全部!!」

 

「香澄それじゃ説明になってないよ」

 

「有咲はツンデレさんだー」

 

「そう!!そこが一番重要なんだよおたえ!」

 

 

 

有咲を語る上で一番重要と言っても過言ではないぞ。たかがツンデレと侮ることなかれ。一撃必殺の有咲のツンデレ、事と場合によっては即死効果をもたらすレベル。

 

 

 

「有咲は顔が可愛い、スタイルが良い、人一倍仲間想いだし意外と世話焼きだったりもする。香澄なんかの場合モロそんな感じだけど、押しに弱いところもグッドポイント。和風が好きなのも個人的にはキュンとくる。前に見たけど盆栽に優しく微笑みながら話しかける有咲は控えめに言って尊かったな」

 

 

「ちょ、お前何言ってんの⁉︎」///

 

「はいはい出ました、ちょまかわちょまかわ」ナデナデ

 

「ふざけんなーっ!!」///

 

「ありしゃ〜!!」

 

 

 

香澄が耐えきれず有咲の元へダイブ。有咲諸共押し倒してしまった。こんな百合展開は日常茶飯事なので初見さんは驚かないようにして頂きたい。これが本当の"かすあり"である。

 

 

 

「有咲大丈夫か〜?」

 

「そう思うんなら助けろよ!!」

 

「仕方ないなぁ。香澄、こっち」クイクイ

 

「むーくん!!」ダキッ

 

 

 

招き猫のように香澄を誘導して我が腕の中へと誘う。この最後らへんの言い方、あこに言ったらめちゃくちゃ喜びそう。今度自慢げに披露しよう。燐子先輩も呼んで三人で厨二病ごっこでもするか。

 

 

 

「何でそんな片言で制御できんだよ......」

 

「何年幼馴染やってると思ってんだよ」

 

「ん〜、10年くらいかな⁉︎」

 

「惜しいな〜、香澄覚えとけよ。正確には11年と5.5ヶ月と12日だ」ナデナデ

 

「むっくん変態だ〜」

 

 

 

変態とは心外だなおたえ。俺は記憶力は良い方なんでな、昔から真剣衰弱とかババ抜きは負けた事ないぞ。香澄の相手限定ならな。コイツ馬鹿正直に目の前でカード移動させるから目で追えば楽勝なわけよ。

 

 

 

「結局何が言いたかったの?」

 

「よくぞ聞いてくれた沙綾。つまるところ、有咲は自分の事をもっと知っといた方が良いってことよ」

 

「具体的にはどんな感じなの?」

 

「流石りみりん、良い質問だ」

 

「んふふ〜、むーくんだいしゅき〜」

 

 

 

乱れつつあった場の雰囲気を一言で戻す辺り沙綾らしい。そんでりみりんもナイスチョイス。俺の胸に顔擦りつけながら告白紛いの事をしている子の事は今は放っておこう。

 

 

 

「具体的に言うとだな、今から有咲プロデュース大作戦を決行しようと思う!!」

 

「はぁ⁉︎何言ってんのお前⁉︎」

 

「市ヶ谷容疑者はお静かに、では皆さんの意見をお聞かせ下さい」

 

 

『意義無し』

 

 

有咲以外のメンバーが声を揃えて意義無しという結論に至りましたとさ。

 

 

 

 

「それでは早速行動に移るか、みんな有咲をよろしく」

 

「は、ちょお前ら待てよ!腕引っ張んなぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「てことでやって来ました」

 

「ここ前来たことあるお店だね」

 

「おたえとりみりんと三人で来たよね」

 

 

 

沙綾、おたえ、りみりんは既に来店済みだそうなお店へ到着。俺は最近の女の子のファッションの流行りとか全然知らないからその道のプロに聞いておいたぞ。リサ曰く、"あのお店なら何とかなるんじゃない?"とのこと。リサ、お前の案を信じるぞ。

 

 

 

「じゃあさっきも言った通り、誰が一番有咲に似合うコーディネートを出来るか対決な」

 

『はーい』

 

「有咲はモデルだからそこらへんで座っててな」

 

「分かったよ」

 

 

有咲も諦めてくれたみたいで大人しくしている。連れてくる途中有咲が動いて胸に手が当たってしまった時はマジで殺されるかと思ったけどな。案外有咲の反応が薄かったので助かった。

 

 

 

「それじゃ〜、よーいドン!!」

 

 

 

それからは有咲が着たらその辺の男はイチコロであろうコーディネートを探して店を回った。有咲の事を変な目でみる輩は俺が取り敢えずぶっ飛ばしといてやるから安心しろ。こう見えても柔道やら空手の類も一通り経験済みだから。

 

 

 

「んで、何でお前は俺と一緒にいるわけ?」

 

「だってむーくん今日は一日相手してくれるって言ったもん!」

 

「言ったもんってなぁ......まぁ俺とお前二人で1組でいいか」

 

「やったぁ!!じゃあ早く探そむーくん!」

 

 

 

俺としては一人でじっくりゆっくり悩みながら決めたかったんですけどね。香澄に手を引かれ取り敢えず店内を一周。それから有咲に似合う服やら何やらを決めていくことになった。

 

 

 

「これとかどうかな?」

 

「んー、俺的には......」

 

 

 

 

 

 

~試着室~

 

 

 

 

 

「本当にこれ全部着るのか?」

 

「当たり前だろ、早くしてくれ有咲」

 

「さっきから何ウズウズしてるの宗輝」

 

「待ち遠しくて仕方ないんだよ、そう言う沙綾はどうなんだよ」

 

 

 

数十分程時間をかけてみんなのコーディネートが決まったので試着室にて結果発表。勿論、全て有咲に着てもらい最終的に有咲の独断と偏見で審査する。

 

 

 

「じゃあ一個目いくぞ」

 

「どうぞ〜」

 

 

 

恐る恐る試着室のカーテンが開けられる。

 

 

 

「あれ、これ私のやつじゃん」

 

「沙綾のコーディネートか」

 

「うむ、有咲可愛いぞ」

 

「お、おう」///

 

 

 

沙綾'sコーディネートは至ってシンプル、ミニスカートに少し大きめなシャツを合わせて小物にチョーカーを付けている。靴もサンダルと全体的に軽装で今の時期にピッタリの服装で涼しそうだ。

 

 

「なんかいつも通りの感じだね」

 

「確かに有咲そんな感じだもんね」

 

「つまり有咲はいつも可愛いってことだね」

 

「おたえぇ!!」///

 

「あんま時間ないから次行ってみようか!」

 

 

 

 

あれよあれよと再びカーテンがオープン。

 

 

 

「あ、これ私の選んだやつ」

 

「おぉ、次はりみりんだね!」

 

「ふむ、有咲はやはり可愛いな」

 

「恥ずかしい......」///

 

 

 

りみりん'sコーディネートは案外予想を外し、俺の発想には無かったストレッチ素材のスキニーにニット素材の服を合わせている。今まで見たことのない雰囲気なので新鮮味を感じる。

 

 

 

「お姉ちゃんが良くこんな感じの服装してたから」

 

「言われてみれば確かにゆりさんっぽいな」

 

「じゃあ次は私の着てみてよ」

 

「おたえから指名入ったから次な」

 

 

 

最早着替えに慣れてきたのか、ものの2.3分で三度カーテンがオープン。

 

 

 

「流石おたえ、奇抜なチョイスだ」

 

「後で覚えてろよおたえぇ!!」

 

 

 

見事におへそを丸ごと見せ散らかしたファッション。下は勿論ショートパンツでスラッとした有咲の綺麗な足を拝見できる。そして何より注目すべき点は有咲の超絶可愛いおへそである。おへそが可愛いって今日日聞かねぇけど見てみりゃ分かるさ。

 

 

 

「あらお腹に小さい有咲ちゃんがいまちゅね〜♪」

 

「おま、馬鹿にすんなぁ!!」///

 

「こちょこちょこちょ〜!!」

 

「ひっ、ちょっと、宗輝やめっ......はぅ!!」///

 

 

 

おへそを見ていると何だか意地悪したくなってきたので適当にこちょこちょやってみる。するとあら不思議、みるみるうちに有咲の顔が茹で蛸のように赤く沸騰しているではないか。まぁ俺が10割原因なんだけどな。心なしか蕩けているように見える。今の有咲、正直言ってかなりえっちぃぜ。

 

 

 

「ほれほれ〜、抵抗してこんかい〜」

 

「お客様」

 

「すみません今いいとこなので」

 

「店内ではお静かに」

 

「あ、はい」

 

 

 

店員さんによって俺の極上の有咲タイムが幕を閉じた。有咲も息が上がってるようだしここら辺で我慢しとくか。また今度やらせてもらおう。

 

 

 

「最後はむーくんと私のだね!」

 

「さぁ皆の者刮目して見よ」

 

 

 

有咲もくたびれた様に室内へ戻り数分で着替え終わって出てくる。

 

 

 

「おー、何だかシンプルで良いね」

 

「有咲ちゃん似合ってるよ」

 

「もっと派手なの選ぶと思ってたけどね」

 

「残念だったな沙綾、その路線は今回に限り無しだ」

 

 

 

結局俺も香澄も選ぶことができなかったので、一度頭を真っ白にして考えてみた結果がこれだ。

 

 

内容はとてつもなくシンプル。純白のワンピースに麦わら帽、素足にサンダルと言った夏要素しかないコーディネート。しかし、このシンプルなコーディネートを着こなせることが出来るのはごく僅かな数しかいないと俺は思ってる。有咲に関しては問答無用で似合ってる、可愛い。

 

 

 

「こんなの着た事無いし恥ずかしい」///

 

「安心しろ有咲、約1名可愛すぎて自我を保ってない」

 

「ありしゃ可愛い〜!!」ダキッ

 

「かすみぃ!!」

 

 

 

またもやかすあり展開。誰得なのか分からないが目の保養にはなるので良しとしよう。決して俺が欲しているとかそんな事は無い。断じて無い。

 

 

 

「じゃあ全員分出揃った事だし1位決めようぜ」

 

「有咲どれが一番良かった?」

 

 

 

 

沙綾の質問に少し考えるようにしている有咲だが、そこまで時間を待つ事なく答えに至った。

 

 

 

 

「......これがいい

 

 

「ん?聞こえなかったからもいっかい頼む」

 

「これが一番だっつってんの!!」///

 

 

 

トマトのように顔を赤くしてプンスカ迫ってくる有咲。どうやらまた勝ってしまったらしい。いや俺大体負けてるんだけどね。小学校の給食当番のジャンケン大体負けてたし。何なら令香との勝負に限って言えば全部負けてる。

 

 

 

「じゃあ一緒に会計行くか」

 

「へ?これ買うのか?」

 

「当たり前だろ、有咲気に入ってくれてんなら尚更だよ」

 

「いや、悪いってそんなの」

 

 

 

先程までツンデレを最大発揮していたとは思えない対応ありがとう。しかしここは俺も譲れない。

 

 

 

「いつも頑張ってる有咲にプレゼントだって」

 

「でも......」

 

「貰ってくれないのか?」

 

「......分かったよ」

 

 

 

渋々了解してくれた有咲。最初から一番は買うってみんなと約束してたからな。

 

 

 

「その代わり一つだけ約束だ」

 

「約束って何だよ」

 

「絶対に無理しない事、分かった?」

 

「お、おう」

 

 

 

無理して体壊すのが一番ダメだからな。沙綾然りつぐみ然り何故かガールズバンドメンバーは無理したがる奴が多いからな。こうやって釘打っとか無いと碌な事にならない。信用してないんじゃ無い、心配してるからこそこうやって約束してる。

 

 

 

「よし、じゃあ帰りますかね」

 

「夜ご飯の材料買って帰ろうよむーくん!」

 

「お、そういや今日はお前と明日香はウチだったな」

 

 

 

その後は仲良く今晩の材料を適当に買って各自解散となった。

 

 

 

 

 

 

~斎藤宅~

 

 

 

 

「たでーまー」

 

「お邪魔します!」

 

 

買い物袋を右手に、左手は香澄と繋いで我が家へ帰宅。俺が二つ袋を持とうとしたら香澄に"むーくんも無理しちゃダメ!"と言われて現在の状況に至る。実は俺も無理したがる奴らの仲間かもしれんな。

 

 

 

「あら香澄ちゃんいらっしゃい」

 

「もうあーちゃん来てるよ!」

 

「なんだよ、もう明日香来てんのか。後で呼びに行こうと思ってたのに」

 

「取り敢えず夕飯の支度しましょうか」

 

 

 

買ってきた食材を一度整頓し使わないものは冷蔵庫へ並べて入れておく。俺と母さんと二人で最初は調理していたのだが、途中から明日香と香澄もやりたいと言い出したので三人。最終的に令香も参戦して母さん除き四人で料理。

 

 

香澄に関しては触れないでおくが、令香は人並みに料理はこなせる。兄への愛が120%込められているので俺限定でそこら辺のプロよか美味い。ウチの教訓その1、"料理は愛"が忠実に再現されている。

 

 

 

『頂きます!』

 

「ん〜、やっぱりいつも美味しいね!」

 

「まぁいつも通り作ったからな」

 

 

全員で食卓を囲み頂きますして食べ始める。香澄と令香の声で俺と母さんと明日香の頂きますはかき消されてしまったがそれはどうでもいいだろう。

 

 

 

「聞いてよあっちゃん!今日はみんなでね......」

 

「はいはい、それで......」

 

「お兄ちゃんおかわり!」

 

「はーいよ、香澄は?」

 

「私もおかわり!」

 

 

 

 

こうして今までもこれからもずっと楽しくやっていければ良いなと思いつつ、俺は一生懸命台所を走り回った。

 

 

 

 

 

 

~To Be Continued~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宗輝「やってきました、おまけのコーナー」

 

 

宗輝「今回のゲストは香澄と明日香だ!」

 

 

香澄「私2回目だけど良いの?」

 

 

宗輝「メタ発言はヤメテネ」

 

 

明日香「私が初めてだから大丈夫でしょ」

 

 

宗輝「というか明日香最近肉付いてきてる?」

 

 

香澄「あー、確かにあっちゃん太った?」

 

 

明日香「やめてよ二人共!そ、そんなわけ無いじゃん!」

 

 

宗輝「でも、前寝言で"もう食べらんないよぉ"とか言ってたぞ」

 

 

香澄「お風呂で"どうしたら痩せて宗輝に......"とか聞こえたよ?」

 

 

明日香「わ〜!!やめてお姉ちゃん!」

 

 

宗輝「ほほう、何やら俺に知られたくない秘密があるようだな」

 

 

明日香「そんなのないから!だから近付かないで!」

 

 

宗輝「香澄、ゴー」

 

 

香澄「らじゃー!」

 

 

明日香「ちょ、お姉ちゃん何言いなりになってんの⁉︎」

 

 

宗輝「香澄検定1級の俺にかかれば容易いことよ」

 

 

明日香「何それ聞いたことないよ!」

 

 

宗輝「さぁ観念するんだな明日香ァ!!」

 

 

 

 

この後めちゃくちゃコチョコチョした。

 

 

 

 

 

-End-





タイトルでネタバレしてましたが有咲回となりました。
本来であればポピパ回にしようと思っていたのですが気付けば有咲回に......
全ては可愛すぎる有咲がいけないんです許してください。
文句は有咲までお願いします。
きっとツンツンしてデレてくれますよ。

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  • 今まで通りで構わん
  • 最低週1は欲しいぜ
  • 頑張って週2.3

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