トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~ 作:Lycka
まず、新たに☆4評価頂きました FeIishiaさんありがとうございます!!
初めての☆4評価でまだまだ自分が力不足だということを再認識しました。
他の方の作品を見つつ、良い部分は吸収していき文章力ももっと磨いていこうと思っておりますので今後ともご贔屓にしてくださると嬉しいです。
今回も前回に引き続きリクエスト回となっております。
それでは、34話ご覧下さい。
俺史上最強の風邪を引いた日の翌日。何故か香澄と令香がナース服を着て添い寝していたのに気付きそっと抜け出そう、としたところまでは良い。
「抜け出せん」
「んっ......むーくんぅ」zzz
「おにぃちゃんのえっちぃ......」zzz
どうにかして抜け出そうとする程二人とより複雑に絡み合ってしまう。二人の今の装備はナース服(ショートVer)であり、簡単にパンツやら何やらが見えてしまう。
「頼むから起きないでくれよ〜」
「起きなかったらどうするつもり?」
「そりゃ勿論事故を装ってだな......って明日香⁉︎」
「取り敢えず撮っとくね」カシャ
幼馴染の妹に弱みを握られました。
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「許して下さいお願いします」
「むーくんおはよぉ〜」
場所は変わって一階リビング。寝起きの香澄と令香は置いといて、現在俺は正座、明日香がソファに座っての
「罰として一つだけ言う事を聞いてもらうから」
「出来る限りの命令でお願いする」
「今日一日私に付き合ってもらうから」
「それくらいならいつでも大丈夫だからな」
てっきり小悪魔明日香ちゃんの無慈悲な命令が下されると思っていたんだが。案外今日の明日香は天使だったりする?いや、明日香はいつでも天使だな。三大天使に加えて明日香も入れて四大天使の誕生である。
「あっちゃん私は?」
「お姉ちゃんは留守番だよ」
「そんなぁ」
「じゃあ令香は⁉︎」
「お前も留守番な......って事で良いんだろ?」
そう言うと明日香は首を縦に振ってくれた。無事明日香の意向を汲むことが出来て満足である。
それから一旦お互いの家で準備ということで香澄と明日香は帰宅。ぶーぶー文句を言っている令香を何とか宥めて俺も準備に取り掛かる。まぁ準備と言っても着替えるだけなんだけどな。基本、香澄とか明日香達身内で出掛けるときは半端なく気を抜いた格好になるから気を付けろと言われた。最近ではかなり気を配る方にはなってきたが、やはり今の今までファッションというものに興味が無かったのが一番の理由だろう。一回寝ぼけてパジャマで学校行こうとしてたらしいけどな。
「準備出来た?」
「おう、バッチリよ」
「じゃあ行こっか」
~駅前デパート~
「そういや今日は何処に行くんだ?」
「もう着いてるよ」
「こんな近場で良いのか?てっきり俺は電車でも使って遠出するのかと思ったぞ」
歩くこと数十分。俺は駅まで歩いてそこから電車に乗ると思ってたけど違ったらしい。ここは駅前のデパート。最近改装オープンしたらしく真新しい店がズラリと並んでいる。昨日彩が買ってきてくれたのはここの中の店だったのか。見つけられたら帰りに買っていこう。
「取り敢えず適当に歩こっか」
「明日香ちゃん行くとこ決めてから歩かない?」
「ヤダ」
「嫌って言われてもなぁ」
「あれ、明日香ちゃん?」
行くところを決めずに適当に歩く案について話し合っていると誰かに話しかけられてしまった。俺じゃなく明日香が。まぁ俺の知り合いなんて数十人くらいしか居ないからまず会わないだろう。というよりどっかで聞いたことある声な気がする。
「やっぱり明日香ちゃんだ」
「明日香、呼ばれてるぞ」
「ん、こんな日の朝早くから呼ばれるわけ無いじゃん」
「いや、ほら後ろ」
明日香が後ろを振り返ると若干涙目になっている何時ぞやの明日香の友達がいた。
「何で六花がいるの?」
「バイトの買い出しを頼まれて......」
「土曜日の朝早くから大変だな」
「お、おはようございます!」
ちょっと、いきなり挨拶はやめてほしい。声大きいから周りの人も若干引いてるよ。俺もちょっとビックリしちゃったじゃん。
「良かったら朝日さん?も一緒にどう?」
「え!い、良いんですか?」
「別に良いよ。な?明日香も良いだろ?」
「はぁ......せっかく二人きりになれたと思ったのに」
結局、明日香も渋々了承してくれた。何だかんだ姉や友達には甘い明日香である。その甘さを俺にもちょっと向けてくれるとありがたいです、はい。
「なら早速行くか」
「はい、よろしくお願いします!」
「......六花のおたんちん」
「えぇ!!明日香ちゃん私何かした⁉︎」
見るからに明日香の機嫌が悪くなっているので取り敢えず頭を撫でておこう。小さい時からこれをすれば万事解決してきた実績があるからな。香澄と令香にもこの戦法は有効。但し蘭とか有咲にいきなりやると高確率でプレゼントとして拳が返ってくるから注意。しかも、普通に顔面狙ってるからあの子達。
「あのー、明日香ちゃんと先輩は付き合ってるんですか?」
「んー、やっぱこうしてるとそう見える?」
「そろそろやめてよ宗輝、恥ずかしい」
「嫌だ、俺が拒否する」
しばらく俺と明日香の攻防が続いたが進まないので一旦休戦。
「ていうか先輩呼びなんて初めてされたわ」
「まぁ私もあこも宗輝呼びだからね」
「宗輝先輩でも良いぞ」
「じゃあそう呼びますね!」
その後元気よく"私のことは六花で良いですよ!"と言ってくれた。なんて良い子なんだろう。聞くところによるとギターとか引けるらしいし、なんならバンドメンバー募集してるらしいし。俺の方で情報だけでも集めといてあげるか。
「じゃあ六花の買い出しの方から始めるか」
「良いんですか?」
「やる事決めてなかったし良いよ」
「流石明日香、臨機応変な対応力は俺に似たのか?」
「宗輝に似るのだけは嫌だ」
明日香に嫌と言われてしまった。意外と心に響くんだなこれ。令香とかに言われたら死ねるレベルだなこりゃ。絶対嫌われないようにしよう。
「取り敢えずタオルと洗剤、あとシャンプーとか買います」
「なら、あそこにしよっか」
「明日香お店知ってんの?」
「初めて行くところに誘うわけ無いじゃん」
それからは明日香の案内で次々に買い出しの物を購入。
「見ろ明日香!これ炭の石鹸だってさ!」
「はいはい、最近出たやつね」
「見て明日香ちゃん!こんなところにポピパさんの名前が!」
「誰か試し書きで書いたんだろうね」
今日は主に明日香がツッコミ役らしい。
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「ちょっと休憩しない?」
「ん、時間も時間だし飯でも食うか」
六花の買い出しはタオルや洗剤に留まらず、筆記用具や衣類など数えるだけでも数十種類の物を次々に購入。途中、ペンの試し書きでポピパの名前があったのにはビックリしたけど。今やそれ程までに成長したのかと思い嬉しくなってくる。俺がどうこうした訳では無いのだが。
「六花は何食べたい?」
「今日は俺の奢りだから遠慮すんなよ」
「えぇ⁉︎そ、そんな悪いですよ!」
「こんな時くらい我儘言っても良いんだぞ?」
気を遣ってくれるのはありがたい。明日香もこういうところは見習ってほしいもんだ。最早家を出る前からお昼は俺の奢りだって決まってたからな。個人的な意見だけど、男が奢るの当たり前だと思ってる女の人嫌いなんだよなぁ。別に明日香とか令香とかなら良いんだけど。なんなら俺からお願いするレベル。
「じ、じゃあお寿司とかどうですか?」
「お、良いねお寿司」
「でも近くにお寿司屋さんってあった?」
「まだまだリサーチ力が足りないな明日香は」
実は俺はもう見つけてある。ほら、日本人だからさ?嫌でも目に入ってくるわけよ。別に俺がお寿司大好きだからお昼行こうと思ってたとかじゃないからね!!
「宗輝、気持ち悪い顔してる」
「明日香が辛辣、六花助けて」
「え、えぇ⁉︎」
そんなこんなで無事近くの回転寿司屋さんに到着。流石に回らないお寿司屋さんに連れて行く程の経済力と甲斐性は今のところ無いからな。
「腹一杯食べてくれよ」
「はい、ありがとうございます!」
一々頭を下げてまでお礼言わなくても良いのにな。こっちまで返しそうになるから。
「宗輝、そこの醤油とって」
「ん、ほい」
「ありがと」
「明日香」
「はいはい、わさびね」
明日香達とお寿司屋さんに行くと必ず目にする光景である。俺が醤油を取って渡し、明日香にわさびを取ってもらう。香澄はお茶係。
「六花は熱いお茶大丈夫か?」
「あ、大丈夫です」
「なら熱いの三つな」コトッ
食べる準備が整い、それぞれ注文したり回ってきたものを食べ進めていく。
「そういや六花ってどこら辺に住んでるんだ?」
「今は親戚がやってる銭湯に住み込みで......」
「私も前に行ったことあるよ」
「銭湯かぁ......」
銭湯には良い思い出と悪い思い出があるから何とも言えない感じ。
良い思い出は確か丁度1年前くらい。香澄と明日香と俺の三人で銭湯に行って、当然男湯と女湯で別れる。しかしながら、そこの銭湯ボロい事で有名な場所で男湯から女湯を覗くことが出来る小さな穴が存在する。常連さん達の間では結構通な情報だった為あまり使われていなかったのだが、まさかその日に偶然俺が見つけるとは。興味本位で覗いてみるとあら不思議。三人が産まれたままの姿でお風呂に入っているではありませんか。まぁいわゆるラッキースケベってやつだな。ん、悪い思い出?そりゃ勿論後でバレて明日香にこってり叱られたことだ。
「バイトも掛け持ちしてるそうだし大変だな」
「リニューアルオープンしたばかりなので」
「Galaxyだっけ?」
「ああ、最近リニューアルオープン記念でライブしたらしいじゃん」
残念ながら俺の知ってるバンドは出てなかったけど。ポピパはあの時忙しかったからなぁ。アフグロも出てなかったしハロハピもパスパレも。友希那達も練習でCiRCLEに籠ってた時期だな。
「いつかそこでライブしたいな」
「は、はい!是非ウチで!」
「おう、考えとくよ」
「お姉ちゃんならすぐやりたいとか言いそうだけど」
分かる、分かるぞ明日香。でも今はダメなんだよ。今はあいつ新曲作ろうとか言って悩んでる最中だから。
「まぁなんとかなるだろ......明日香サーモン取って」
「はい、それにしてもサーモンばっかだね」
「好きなんだから仕方ないだろ」
「サーモンだけで何皿食べてるんですか?」
「んー、軽く10皿くらいか?」
いや、でもサーモンと一口に言っても炙りサーモンやらとろサーモンやらで色々あるからな。そこ間違えちゃダメ、ゼッタイ。
「これが普通なの?」
「宗輝がおかしいだけだから安心して」
結局お会計で調べてみたところ、サーモン系だけで15皿食べてた。
~Galaxy~
お寿司を食べ終わり、一度買い出しの物を置きにGalaxyへと足を運んだ。
「重い、しんどい、疲れた」
「はいはいお疲れ様」
「宗輝先輩ありがとうございました!」
「どういたしまして」
後半はほぼ荷物持ちと化していた俺。六花はまだ持ちますよ?とか言ってくれたから良いけど、明日香もちょっとは気にして欲しかった。お陰で明日は筋肉痛だ。
プルルルル.プルルルル
「着信だ......もしもし」
1日に一度聞くか聞かないかの着信音が聞こえた為応答ボタンを押して携帯を耳に押し当てる。すると、そこから聞こえたきたのは元気な声。まぁ名前見たから誰からかかってきたかは分かってたけども。
「もしもしむーくん?今何処にいるの?」
「Galaxyってライブハウス」
「じゃあみんなで行くね!」
「は?ちょ、おい待てよ」
しかし有無を言わせず電話を切る香澄。
「誰からだったの?」
「明日香の大好きなお姉ちゃんからだ」
「大好きは余計、それで何て?」
今からこちらに向かってくる事を明日香と六花に聞こえるように伝える。
「えぇ⁉︎ポピパさんが今から来るんですか⁉︎」
「おう、多分だけど5人揃ってるぞ」
だって電話越しにみんなの声聞こえたし。りみりんが"迷惑じゃないかな?"とか言ってたり、おたえが"Galaxyなら知ってるよ"とか言ってたり。更には有咲が"今からは流石にマズイんじゃね?"と諭す様子が伺えたり。結局沙綾が"でも有咲は宗輝に会いたくないの?とか聞いて有咲がツンデレ発揮してたり。
「あわわわわ!!早く綺麗にして片付けなきゃ!」
「別に練習しに来るだけだろうから大丈夫だろ」
「練習しに来るって言ってたの?」
「いんや、これは俺の勘だ」
香澄関連の事と、悪い方面に関しては俺の勘は怖いほど的中する。悪い方面とか主にこころとかメイドちゃんとか何処かの事務所の敏腕プロデューサーとか。俺が振り回される体質なのは今も昔も変わってないらしい。父さんも昔は母さんに良く振り回されてたって言ってたっけな。今度父さんの肩でも叩いてやるか。
「むーくん来たよー!!」
「ほら、噂をすればお出ましだ」
姿は確認できるがまだ遠い。だがそんな事はあいつにとっては関係ないらしい。周りに人がいるいないも関係なしに大声で名前を呼ぶのはやめて頂きたい。
「香澄早えぇ......」ゼェゼェ
「有咲走ってきたのか?」
「何だかんだ言って有咲も走ってたじゃん」
「沙綾うるせーっ!!」
香澄が一番乗り、その後をみんながぞろぞろとついてきていた。やはり運動となると香澄に分配があるのだろう。有咲何て一年程前までは引き篭もりよろしくニートな生活を送ってたからな。まぁ頭が良い故の行動だからあまり咎められはしなかったけど。
「ポピパ唯一の良心であるりみりんにも今回は止められなかったか」
「ご、ごめんね宗輝君」
「全然大丈夫だぞ、りみりんこそ走ってきて怪我なかったか?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとね」
りみりんは正義、りみりんは可愛い。普段はチョココロネ教のりみりんだが、そこを除けば可愛らしい女子高生なのだ。ゆりさんは大人っぽい美人さんだったけど、りみりんはその逆を行く正統派の妹系美少女だろう。りみりん妹とか最高かよ。おっと、また得意の妄想癖が出てしまっていたようだな。最近こういうの考えてるけど中々気持ち悪いよな。
「むっくん私は?」
「おたえはおたえのままで良いんだぞ」
「やったー」
「それ褒めてるの?」
褒めてる、十分褒めてるぞ沙綾。不思議ちゃんのおたえがいるからこそのポピパだろう。逆におたえのいないポピパ何て考えられん。俺が許さん。
「宗輝」
「ん、何だ今良いとこなんだよ」
「さっきから六花がボーっとしてる」
「ポピパさん......何て幸せなんだろう」
「そういや六花は熱烈なポピパファンだったな」
そこから更に香澄が六花に抱きついて六花がオーバーヒートするまでがテンプレ。その後無事にGalaxyにて合わせの練習を2時間程度して帰宅。明日香も六花も初めてポピパの練習風景を見たらしく、明日香は優しい目で見守ってたし六花は終始ボーっと見つめてた。
「ただいま〜」
「おー、お帰りお兄ちゃん」
もう定着しつつあるが、家に帰ると令香が出迎えてくれた。やっぱ家で待っててくれてお帰りを言ってくれる人がいるなって良いよな。1年の時は一人暮らしみたいなもんだったからこんな気持ち考えたことも無かったけど。香澄が居たからそこまで思わなかったのかも知れんな。
「お兄ちゃん今日は疲れたからもう寝る」
「じゃあ私も一緒に寝る〜♪」
「バカ言え、疲れてる元凶はお前と香澄のせいだからな」
「何のことかな〜」
明後日の方向を向きながら口笛を吹き誤魔化す令香。まるで漫画の様な対応。
「これやるから我慢しろ」
「ほぇ?これなに?」
「駅前で買ってきたスイーツ。俺の分と香澄の分も入ってるから残りは冷蔵庫な」
「おぉ、お兄ちゃんありがと!」
令香が元気良くリビングへ行ったのを確認して自分の部屋へあがる。電気は付けずそのままベッドへダイブ。少し汗もかいていたが今は睡眠欲が勝っているので身を任せようと思う。
「偶にはこんな休日もありかな」
そんな独り言を呟きながら、あこ風に言うと自らの内に広がる深遠なる世界へと向かっていった。
~To Be Continued~
宗輝「はい、来ましたおまけのコーナー」
宗輝「今回はみんな大好き花音先輩だ!」
花音「ふえぇぇ......だ、大好きってどういう事?」
宗輝「それですよ、その反応」
花音「反応?どういう意味なの?」
宗輝「花音先輩は自分の事どう思ってます?」
花音「え、えーと、方向音痴?」
宗輝「惜しいですね。因みに俺は方向音痴でポンコツな先輩だと思ってます」
花音「ひ、酷いよ宗輝君!」
宗輝「でも方向音痴で迷ってても大体俺が見つけたり、ポンコツでもやる時はやるところとか俺は好きですよ」
花音「す、好き⁉︎」///
宗輝「はい、でも流石に方向音痴は治す努力しましょうね」
花音「それはいつも頑張ってるんだけど......」
宗輝「花音先輩に治してもらわないと俺も困ります」
花音「出来るだけ頑張る......ちょっぴりわざとだけど」
宗輝「時々わざと迷ってるフリしてるんじゃないかって思うんですよね」
花音「ふえぇ⁉︎そ、そんなこと無いよ?」
宗輝「本当ですか?千聖さんに誓って言えます?」
花音「何で千聖ちゃんが出てくるの?」
宗輝「その方が花音先輩嘘つかないんで」
花音「(滅茶苦茶バレてる⁉︎)」
宗輝「後で千聖さんに聞いときますね」
花音「ふえぇ!!それだけはやめてー!!」
-End-
最初の方でアンケートでCHiSPAやRASも出すとか言ってましたが、やっと六花が登場。
六花推しのみなさん、お待たせしてすみませんでした。
実はチョコっとだけ出てたには出てたんですけどね。
これからは本格参戦していきますので。