トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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新たに☆10評価頂きました カイ・シルフィルさん、☆6評価頂きました ぼるてるさん ありがとうございます!

久し振りの評価に胸を躍らせておりました。驚く事に2度目の日間ランキング入りを果たしました。内心、クソ嬉しかったです笑

それでは、40話ご覧下さい。


Produce 40#それぞれの想い

 

 

 

 

 

 

 

-翌日-

 

 

 

 

「おはよーお姉ちゃん」

 

「おはようあっちゃん」

 

 

 

結局、昨日はむーくんに会えずじまいだった。さーやは何とか蘭ちゃん達と会えて伝えることが出来たみたい。今日は他のみんなが頑張る番。

 

 

 

「むーくんち寄ってから行くね」

 

「お姉ちゃんも無理しないでよ」

 

「うん、ありがと」

 

 

 

やっぱりあっちゃんにはバレてるね。伊達に今まで私の妹をやっていない。多分むーくんの事についてもバレてると思う。でもあっちゃんが妹で良かった。これで何かあったらあっちゃんを頼ることが出来るね。

 

 

 

ピンポ-ン

 

 

 

「あ、お姉ちゃんおはよ!」

 

「れーかちゃんもおはよう!」

 

 

 

いつも通り挨拶を済ませ会話を交わす。何だかれーかちゃんの顔はスッキリしたようにも見える。多分だけど、今むーくんが頼れるのは私でもあっちゃんでも無い。れーかちゃんただ一人なんだと思う。それに関してはれーかちゃんに感謝しても仕切れない。でも、いつか絶対むーくんの辛い時は私じゃ無いとダメって言ってもらうもん!

 

 

 

「むーくん大丈夫そう?」

 

「今日は一日学校休むみたい」

 

「そっか」

 

 

 

昨日の今日で立ち直るのは流石のむーくんでも無理かな。むーくんのお母さんもいることだし、今日は取り敢えず他のみんなと一緒にやるべき事をやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

~花咲川~

 

 

 

 

「有咲おはよー!」

 

「お前は朝っぱらから元気だな」

 

「私はいっつも元気だよ!」

 

「(また見栄張りやがって)」

 

 

 

有咲はやっぱり元気があんまり無いみたい。こういう時こそ笑顔だよ有咲!

 

 

 

「今日は何やれば良いんだっけ」

 

「えっとねー、今日は———」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-side change-

 

 

 

 

 

 

「随分良くなってきてるね」

 

『ありがとうございます!』

 

 

「でも彩ちゃん途中で噛まなかった〜?」

 

「確かに、本番でやらないようにね?」

 

「もう〜!日菜ちゃんも千聖ちゃんも意地悪だよ〜」

 

 

 

 

私達パスパレは数日後に迫ったMVの撮影の練習で事務所に来ている。今日は何とかみんなのスケジュールが合ったから気の済むまで練習出来るね!日菜ちゃんや千聖ちゃんの言う通り、私が一番出来てないかもしれないけど。そこは努力で何とか出来る......はず?

 

 

 

「あとちょっとなので頑張りましょう彩さん!」

 

「ブシドーで乗り切りましょう!」

 

「麻弥ちゃんイヴちゃんありがとう!」

 

 

 

そうだよ、私は一人なんかじゃない。頼れる日菜ちゃんがいてしっかり者の千聖ちゃんもいて。機械関係に強い麻弥ちゃんがいる。ムードメーカーのイヴちゃんがいる。そして、私もその一人。この5人なら、パスパレならきっと大丈夫!

 

 

 

「ん、何だ。.......フムフム」

 

「プロデューサーどしたの?」

 

「君達に会いたい人がいるんだとさ」

 

『会いたい人?』

 

 

 

 

 

 

 

~控え室~

 

 

 

 

「ごめんなさい、貴重な時間潰しちゃって」

 

「会いたい人ってアリサさんだったんですね!」

 

「でも何故市ヶ谷さんが此処に?」

 

 

 

千聖ちゃんの言う通り、何で有咲ちゃんが私達に会いにきたのかが不思議だよね。私はてっきり宗輝君が来てくれたのかと思っちゃった。ここ最近会えてないからかなぁ。

 

 

 

「皆さんに伝えたいことがあって来ました」

 

「改まってどうしたんスか?」

 

「落ち着いて聞いて下さい」

 

 

 

 

 

 

有咲ちゃんが教えてくれた内容をすぐに理解することは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「え、え?どういうこと?」

 

「宗輝は......アイツは昔の()のせいで今も苦しんでるんです」

 

「そう、そういうことなのね」

 

 

 

 

何だか千聖ちゃんは分かったみたい。麻弥ちゃんや日菜ちゃんもさっきから一言も喋ってないけど、頷きながら話を聞いてるところを見ると分かっているらしい。私とイヴちゃんが未だ理解しきれていない状態で軽くパニックに陥ってしまっていた。

 

 

 

「つまりはジブン達が心の底でどう思っているかを恐れて距離を取ったという事ッスかね?」

 

「簡単に言えばそうなるんじゃない?」

 

「けど疑問な点はいくつか残るわね」

 

「疑問な点って?」

 

 

 

私達二人を置いてドンドン話が進んでいる。麻弥ちゃんの言葉通りの意味なら宗輝君が私達と距離を置いたってこと?でも何で?私嫌われるような事したかな?

 

 

 

「何故いきなりそんな態度をとったのかしら」

 

「それは、その......」

 

「有咲ちゃん、ちゃんと教えて」

 

「......香澄から聞いた話にはなるんですけど」

 

 

 

 

 

それからは宗輝君の所謂昔の話、それも小学生の頃の話を有咲ちゃんから聞いた。宗輝君は小さい頃周りからいじめられていて、そこから香澄ちゃんが救ってくれたという事。でも、いじめられた時に深く傷ついてしまいその傷が今もなお宗輝君の中に残っている事。それが何らかの形でもう一度宗輝君に影響を与えてこの事態に発展したという事。

 

 

 

バッ

 

 

 

「日菜ちゃんどこに行くのかしら」

 

「決まってるじゃん、宗輝の家だよ」

 

「家に行ってどうするんスか」

 

「助けに行くんだよ」

 

 

 

 

この前のアイドルライブの時も、それ以前に色々と宗輝君には助けて貰っている。それこそ感謝してもしきれない程に。私達も最初はバラバラに集められた5人だった。それから少しずつ少しずつお互いに切磋琢磨して成長して、時にはぶつかり合いながらも不器用なりに頑張って来た。そしてやっとここまで辿り着くことが出来た。それは紛れもなく私達5人の頑張りのお陰だし、支えてくれたスタッフやプロデューサーのお陰。そして、たった一人の男の子のお陰だと思う。

 

 

 

 

 

「でも香澄ですら拒否されたんですよ」

 

「有咲ちゃん達はそんなことで宗輝を諦められるの?」

 

「いや、そんな事は思ってないんですけど......」

 

 

「前に宗輝が言ってくれたもん。困ったりした時は頼ってくれって。多分それって宗輝にも言えることだと思う。それに、私は宗輝からのSOSとも取れると思うな」

 

 

 

 

それは私にも言ってくれた言葉。困ったり助けて欲しかったら遠慮なく頼ってくれていい。でもそれは宗輝君にも言える事と日菜ちゃんは言った。つまり、宗輝君も困ったりした時は頼るからっていう遠回しな表現?でも実際こういう状況になってしまっている以上、私達にはどうすることも出来ないよ。特に私なんか特別凄いわけでも何でもない。確かに研修生時代は頑張って努力を積み重ねてやっと今の地位まで上り詰めてきた。ここまで有名になったのはみんなのお陰だけどね。

 

 

 

 

「でも今は私達を信じる事が出来ないから一人で抱え込んで壊れてしまったわけね」

 

「けどチサトさんの言う通り、何故ムネキさんはいきなり?」

 

「えーと、多分それは私と奥沢さんの所為かもしれないです......」

 

「どういうこと?」

 

 

 

日菜ちゃんが有咲ちゃんの話に食いついた。私でも今まで日菜ちゃんと付き合ってきて見たことのない顔をしている。まるで有咲ちゃんに怒っているみたいにも思えるその表情。でも、ちょっとだけ日菜ちゃんの気持ちも分かる気がするよ。

 

 

 

「もし有咲ちゃんが普段から宗輝に心無い言葉をぶつけたりしてるのなら、私は絶対に許さないから」

 

「落ち着きなさい日菜ちゃん」

 

「だってそれが原因の一つかもしれないじゃん」

 

 

 

抑えきれないといった状態の日菜ちゃんを千聖ちゃんが宥める。麻弥ちゃんもイヴちゃんもさっきから険しい表情を続けてる。かく言う私も今はMVの撮影練習なんて気分じゃ無かった。

 

 

 

 

 

「......あの日の朝、私は生徒会の仕事がありました。その事を伝えると手伝おうかと言ってくれたんですけど......宗輝がいると色々と問題があるので断ったんです。言い方に棘があった事は認めます」

 

「問題って何?」

 

「その、言いづらいんですけど......」

 

「貴女も宗輝君の事好きなんでしょう?」

 

 

 

千聖ちゃんからとんでもない言葉が飛び出してきた。あ、有咲ちゃんが宗輝君の事を好き⁉︎今確認できてるだけでもパスパレメンバーは少なくとも全員好印象。それに加えてポッピンパーティーのみんなも加わるとなると数が多過ぎるよ!そうなると他の子達の可能性も出てくる......。前々から勘付いてはいたけど、もしかして私の好きな人ってモテモテ?

 

 

 

「そ、そんな訳⁉︎私はただアイツの事が好......ッ!!」

 

「す?やっぱり好きなんでしょう?」

 

「アリサさんも私と同じですね!」

 

「あーもう!それで良いですよ!」///

 

 

 

分かりやすく顔を真っ赤に染め上げる有咲ちゃん。まさか本当に好きなんて全然気付かなかった。千聖ちゃんの観察眼も中々のものだと思うよ。でもなぁ、ただでさえガードが堅い宗輝君。これは攻略するのに時間かかりそうかな。あ、でも他のみんなもいるから時間はあんまりかけてられないのか!

 

 

 

 

「私達は共に闘う仲間であり恋敵(ライバル)って事だね」

 

「え、えぇ⁉︎先輩方もアイツの事?」

 

「恥ずかしながらジブンは前からッスね」

 

 

 

 

日菜ちゃんは最初っから好感度振り切ってたし千聖ちゃんは恋人、というよりはお姉ちゃん願望もあるらしいし。麻弥ちゃんとイヴちゃんは前に一度女の子として助けてもらってる。私も何だかんだで色々と助けてもらってデートも一緒に行ってるし。こうしてみると、側から見れば宗輝君って......女たらしに見える?

 

 

 

「なら今やるべき事は一つね」

 

「うん、早く宗輝を立ち直らせないと恋敵(ライバル)としてみんなと闘う事も出来ないしね!」

 

「今度は私達みんなでムネキさんに助太刀しましょう!」

 

「......そうだね、こんな時こそ力を合わせないとね!」

 

「すみません、ありがとうございます!」

 

 

 

そんな、お礼なんてしなくても良いんだよ有咲ちゃん。さっき日菜ちゃんも言った通り、今は私達が宗輝君を助ける番なんだから。少しでも恩返しがしたいと思ってるのは何も私一人だけじゃなさそうだし。一人一人が頑張って、全員で宗輝君を助けてあげないと!

 

 

 

「あら、彩ちゃん案外余裕そうね」

 

「これが終わったらまた敵同士なんだからね!」

 

「これについてはジブン譲れないッスから」

 

「ブシドーで勝ち取ります!」

 

 

 

「私だって......絶対みんなには負けないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-side change-

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

「燐子ー?さっきからボーっとしてるよ?」

 

「あっ、すみません今井さん」

 

「何か心配事でもありますか?」

 

「りんりん一人で悩まなくても良いんだよ!」

 

 

 

今私達は練習終わりで近くのファミレスに来ている。最近はみんなの練習の質も上がり気味で波に乗ってきている。この調子なら近頃ライブをしても良さようね。

 

 

 

「燐子、何かあるのなら私達に相談して頂戴」

 

「バンドとは、関係無いんですけど......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宗輝が学校休んでる?」

 

「そのくらい普通じゃない?」

 

「私の気にし過ぎ、かもしれません」

 

 

「そこからは私が説明します」ハァハァ

 

 

 

 

突然声を掛けられたと思ったらそこには花園さんがいた。走ってきたみたいで息が上がっているようだけれど何か急用?にしてもここがよく分かったわね。最初こそリサの勧めで嫌々来ていたけれど、最近ではこれが当たり前になってしまった。......まぁこの近くに猫が住み着いているのは確認済み。決して会いたいからというわけではないわ。

 

 

 

 

「ちょっと、友希那聞いてるー?」

 

「ちゃんと聞いてるわよ」

 

「それで花園さんが何故?」

 

「......さっき燐子先輩が言ってた宗輝の件。あれ、ちゃんとした理由があるんです」

 

 

 

 

それから、その日あった事を花園さんに詳しく教えてもらった。今思えば宗輝の昔の事について聞いたのは初めてだった。前に家族構成云々やらは本人から聞いたものの、ここまで詳しい話を聞くのは初めてだったので少し驚いた。

 

 

 

「ふーん、そんな事があったんだね」

 

「今井さん、流石に反応が軽過ぎますよ」

 

「紗夜だってそんなに取り乱して無いじゃんか」

 

 

 

 

宗輝が昔よくいじめられていた事。戸山さんに出会って変わった事。けれど、昔のようになる事を恐れて人との距離を一定以上取ろうとしない事。今まで知らなかった事を沢山教えてもらった。そんな宗輝に私達がしてあげられる事。

 

 

 

「すみません、私達の所為で......」

 

「花園さんは、悪く無いですよ」

 

「そーだよ!ポピパは何も悪く無いじゃん!」

 

「でも......」

 

 

 

 

 

確かに、彼女達が宗輝の状況にいち早く気付き対応出来ていれば今回のようにはならなかったかもしれない。でも、そんなこと出来るわけがないのよ。人はみんなそれぞれ違って、相手の考えていることなんてわかりはしないから。私だって未だにリサが時々何を考えているのか何て分からない。でもそれで良いんだとも思ってる。

 

 

 

「さっき貴女は私達の所為で、と言ったわね」

 

「......はい」

 

 

「それは全くの間違いだわ。話を聞く限り悪いのは貴女達でも私達でも無い。ましてや宗輝でも無い。完全に昔の人達じゃない」

 

「湊さんの言う通り、貴女達は悪くないのよ。子供の頃は善悪の判断なんてつけようがないから咎められはしないけれど、立派にあの子の心に傷を負わせてしまった。なら私達が今あの子に出来ることは何?」

 

 

 

私の後に紗夜が続く。私も紗夜の言う通りだと思っている。私が"孤高の歌姫"だった頃にも少なからずイジメみたいなものはあった。陰湿で浅はかなものばかりだったから気にするまでも無かった。けれど、私の場合は原因が私にもある。それを見つけ正してくれたのは宗輝。そんな自分を殺してまで他人を優先してしまう様な生き方をしていた彼の一体何処に非があるというのか。敢えて言わせて貰うとするならば、もっと自分を大切にしなさいという事かしら。

 

 

 

 

「私は宗輝を信じて待ってるかな☆」

 

「私も、立ち直れると信じてます!」

 

「あこは精一杯励ましてあげる!」

 

 

 

ただ信じて待つ者も居れば必死に応援する者も居る。側にいて支えてあげる人も必要だろう。各々出来る事をやれば良い。そこで無理をしてしまったらまた宗輝に怒られてしまいそうね。私が無理をすれば貴方は心配して駆けつけてくれる?

 

 

 

 

 

「さて、貴女はどうするのかしら」

 

「......私は———」

 

 

 

 

 

 

 

 

-side change-

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま〜」

 

「お帰りお姉ちゃん」

 

 

 

結局、今日もむーくんには会えずじまい。有咲とおたえがパスパレのみんなとRoseliaのみんなに話が出来たのが今日の収穫。二人共上手くいって良かった。それなのに、私は二日連続でダメ。正直むーくんエネルギーが不足し過ぎててあまり元気も出ない。みんなの前では元気に振舞ってたけど有咲とかにバレてないかなぁ?

 

 

 

「夕飯出来てるからリビングね」

 

「うん、分かった」

 

 

 

 

 

 

夕飯の時もお風呂の時もずーっとむーくんの事ばかり考えていた。むーくんは私の太陽。カッコよくて時々可愛くて。それでいてすっごく頼りになる存在。同い年の筈なのにお兄ちゃんっぽくて偶に子供らしくて。最近はふざけてる事が多かったけど、昔は決してそんな性格じゃなかった。

 

 

 

 

最初に会った時、何かに怯えた様な目をしていたのを薄っすら覚えてる。話しかけるとビクッとした様子で、近づかせない様に自ら遠ざかっていく様に。昔の私もバカだったからそれでも話しかけ続けて今がある。そう思うと昔の自分は良くやった。

 

 

 

 

コンコン

 

 

「お姉ちゃん起きてる?」

 

「あっちゃん?こんな時間にどうしたの?」

 

「ちょっと話があるの」

 

 

 

 

ドアを開けてあっちゃんを中へ招き入れる。十中八九むーくんの事だろうと思うけど。あっちゃんにとってもむーくんは大切な人だと思うから。こういう時のあっちゃんの行動力は小さい頃から変わってないね。

 

 

 

「単刀直入に言うよ、宗輝と何かあった?」

 

「......あっちゃんも昔の事は覚えてるよね」

 

「忘れられるわけないじゃん」

 

「むーくんがまた昔みたいになったらあっちゃんはどうする?」

 

 

 

ここ二日間、自分なりにどうすれば良いかを考えていた。でも答えは出ないまま。こういう時に助けてくれたのは、いつもむーくんだったね。私に足りないところを補ってくれた。私がミスをすれば助けてくれた。あっちゃんだって同じだ。むーくんは私達姉妹と兄の様に接してくれた。昔の事を考えれば、ここまでの関係を築けたのは正直不思議だと思う。

 

 

 

 

「んー、私は私に出来る事を精一杯やるって感じかな」

 

「......ならさ、私はどうしたら良いと思う?」

 

「それ本当に言ってんの?」

 

 

 

 

あっちゃんは少し怒り気味に返事をする。私何かおかしいこと言ったかなぁ?

 

 

 

 

「お姉ちゃんにしか出来ない事あるじゃん」

 

「......私にしか出来ない事?」

 

「私でも駄目。多分れーかちゃんでも駄目。他のみんなでも無い、お姉ちゃんにしか出来ない事」

 

 

 

あっちゃんやれーかちゃんに出来ない事が私に出来るの?他のみんなの方がきっと上手くやれると思う。それでも、あっちゃんは私にしか出来ない事があるって言ってる。なら、それは何?

 

 

 

 

「私にしか出来ない事って何?」

 

 

「そんなの決まってるじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昔の様に、ずっと宗輝の側に居てあげたら良いんだよ」

 

 

 

 

「むーくんの、側に?」

 

「そう、昔立ち直れたのはお姉ちゃんのお陰だと私は思ってる」

 

「でも、むーくん学校休んでるし......」

 

「何言ってんのお姉ちゃん。昔はそんな事で諦めたりしなかったのに、そんな簡単に諦めても良いの?」

 

 

 

 

 

そうだ。昔はむーくんに何度拒絶されようと何度も何度もしつこ過ぎる程にむーくんと会っていた。そうしていると、いつからかむーくんの方から会いに来てくれる様になって。それが嬉しくて堪らなくてお母さんに一日中むーくんの話をしたのを今でも覚えてる。

 

 

 

「......ごめんあっちゃん、ちょっと弱気になってたみたい」

 

「そうだよ、お姉ちゃんらしくも無い」

 

「えへへ、ありがとねあっちゃん!」

 

 

 

 

待っててねむーくん。今度は私が助ける番だよ。

 

 

 

 

「でもねお姉ちゃん」

 

「ん、なーにあっちゃん?」

 

 

「お姉ちゃんも無理しちゃ駄目。しんどくなったり辛くなったら、いつでも私を頼って良いからね」

 

 

 

 

あっちゃんがいる。れーかちゃんがいる。そして私がいてむーくんがいる。あの楽しかった日常を絶対に取り戻すんだ。

 

 

 

「うぅ、あっぢゃん〜」ダキッ

 

「ちょ、お姉ちゃん辞めてよ!」

 

「あっぢゃん〜!!」

 

「......もう、仕方ないなぁ」

 

 

 

 

 

 

その前に、今はあっちゃんに甘えとこうかな。

 

 





40話ということで、ここまで読んで頂けたみなさんに感謝を。
正直ここまで続くとは自分でも思ってませんでした笑
皆様のお陰だと思っております!
お気に入り、評価、感想等頂けると主は大喜びしてリビングを走り回ります。

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