トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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皆さんどうも。
投稿に少し時間がかかってしまい申し訳無い。
実は、バンドリに少し影響されてギターを始めてみようかと密かに考えてる主であります。

そんなことは置いといて、5話ご覧下さい。


Produce 5#文化祭準備

 

 

 

~翌日~

 

「むーくん、おっはよ〜!」

 

「おはよーさん」

 

昨日は、夕飯の片付けを終えた後少しゆっくりさせてもらってから帰宅。久し振りに楽しく食事が出来た気がする。千紘さん達にもう一度お礼言っとかなきゃな。

今は香澄と登校中。

 

「昨日は練習見てやれなかったけど、どうだったんだ?」

 

「うん!良い感じ〜」グッ

 

香澄が親指を立てて言う。良かったには違いないのだろうが、俺は詳細が聞きたかったのだ。

 

 

後で有咲に聞こう......。

 

 

 

***

 

 

 

授業を難なく終え、現在お昼の12時。いつものメンバーで集まって昼ご飯を食べている。

 

 

「有咲、昨日の練習どうだった?」

 

 

朝聞きたかったが、香澄の良い感じの一言で終わっていたので改めて有咲に聞いておく。俺がいる時もそうだが、大体は有咲がまとめている感じである。逆に有咲がいないとまとまらない。

つまり、有咲は重要人物なのだ。今度好きなもの一つ買ってあげよう。

 

 

「ん〜、いつもみたいに香澄とおたえが意味不明なこと言って終わったぞ〜」

 

 

「前に言ってた新曲の件は?」

 

 

「香澄全然書けてないってさ」

 

 

文化祭でバンドをやるにあたって、香澄が新曲を披露したいとのことをいいだしたのだ。なので、作詞作曲は香澄にみんな一任している。しかし、あまり考えつかないらしい。まぁ、初めての作曲だから難しいわな。

 

 

「んで、今日はどうすんの?」

 

 

「今日は蔵でポスター作りと練習、それと、香澄が大変そうだから作曲の手伝い....かな」

 

 

はい、有咲がちょっとデレました。なんだかんだ言って有咲も香澄には甘いのだ。俺もちょっと付き合ってやるか。

 

 

「有咲、付き合ってやるよ」

 

「は、はぁ!!おま、何言ってんだよ!!」///

 

「だから、ポスター作りとか手伝ってやるって言ったんだよ」

 

「〜〜ッ!!」

 

怒ってポコポコ殴りかかってくる有咲。可愛い。

 

 

『有咲(ちゃん)可愛いな(ね)』

 

みんなが揃って口にする。

 

 

「おまえらぁ〜!!」///

 

 

今日も有咲は絶好調であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

~蔵~

 

午後の授業を終え、俺は有咲ん家の蔵へ来ていた。

 

 

「これどう〜?」

 

「ん?却下」

 

「えぇぇ!!有咲なんで〜」

 

「意味がわかんねぇ」

 

 

今はみんなで文化祭ライブのポスターを作っている。ベースはりみりんと有咲が考えたが、そこに香澄とおたえが足りないとか言って描き足している。

香澄は色んな形の星を足してみたり自分達の似顔絵を足しては有咲からNGをもらっている。おたえはおたえでウサギばっかり。

おたえちゃん、ウサギ描くのは良いんだけどオッちゃんとか名前入れないでね。それ内輪ネタだから。ここのみんな以外知らないからね。

そんなこんなでポスターは完成。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、そろそろ練習するか」

 

「よーし、みんな練習頑張るぞー!」

 

「香澄は新曲の作曲な」

 

 

そう言って立ち上がったばかりの香澄を有咲が再度座らせる。

 

 

「俺も手伝ってやるから。あ、沙綾も手伝ってくれよ」

 

「え、私⁉︎何にも出来ないと思うけどなぁ」

 

「そんなことないって。な、香澄?」

 

「そーだよ沙綾!一緒に考えようよ〜」

 

 

香澄に抱きつかれ頼まれたのが効いたのか渋々了解してくれた。他三人も練習を始めたようで音が聞こえてくる。おたえは相変わらずギター上手いしりみりんも徐々に上手くなってきてる。有咲も引っ張っていってくれてるし順調みたいだな。

俺も、もっと頑張らないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、疲れたぁ」

 

「有咲ちゃん頑張ってたもんね」

 

「有咲、えらいえらい〜」

 

「子供みたいな扱いすんなーっ!」

 

結局、作曲の方はあまり進まずじまいだった。有咲達も練習を終えたようで各々片付けを始めている。俺も帰る準備するかな。

 

 

「香澄は沙綾んとこで作曲の続きだろ?」

 

「そーだよ!むーくんもくる?」

 

「いや、流石に悪いしやめとくよ」

 

香澄だけで大変だろうに。ここは沙綾に気を遣いやめておこう。そう思い、バッグを肩にかけ帰ろうとしたところを沙綾に止められる。

 

 

 

 

 

 

「別に迷惑じゃ、ないよ?」///

 

 

 

 

学生服の袖をちょこんと掴んで上目遣い。正直、かなりくるものがある。落ち着け俺、クールに決めよう。

 

 

 

 

 

 

「なら、お邪魔するわ」

 

 

俺は二つ返事で了解した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

場所は変わって沙綾の家。もう、この家の住人レベルで来てるな。帰ってからは千紘さんが既に夕飯を作り終えていたみたいでみんなで食事。

今日はオムライスみたいで純と紗南も大はしゃぎ。途中で紗南が食べ終わったのか俺の膝の上に乗ってきて少し食べづらかった。しかし、ここは山吹家。すぐさま千紘さんと亘史さんが注意して降りてくれた。やはり、しっかりと躾は行なっている。だから沙綾もこんなに良い子に育ったのだろう。千紘さん、亘史さんありがとうごさいます。(謎謝罪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、私達お風呂入ってくるから」

 

「むーくん、覗いちゃダメだぞ〜」

 

「覗かねぇよ。ほら、早く入ってこい」

 

「は〜い♪」

 

このやりとりも慣れたものである。幼馴染故に香澄の家に泊まることも少なくなかった。もちろんお風呂も入るので、その時にいつもこのやりとりをしている。

沙綾たちがお風呂に入っている間、俺はやることが無い。夕飯の片付けは千紘さんと沙綾がやってしまっている。手持ち無沙汰になり周りをキョロキョロとしていたところを千紘さんに見つかってしまった。

 

 

「何してるの宗輝君」

 

「やることが無くて困ってます.....」

 

「偶然、ここに沙綾の小さい頃のアルバムがあるけど見てみる?」

 

「勝手に見てもいいんですか?」

 

「大丈夫よ、宗輝君にならね」

 

 

何故俺なら大丈夫なのかは聞かないでおこう。

 

千紘さんがアルバムをめくっていく。そこには小さい頃の沙綾の写真が沢山あった。どんどんページをめくっていくにつれて、沙綾の成長していく姿が分かる。

 

 

「見て宗輝君。この沙綾可愛いでしょう〜」

 

 

そう言う千紘さんの顔は、すごく穏やかで優しい笑顔だった。

 

 

「沙綾の事、大好きなんですね」

 

「当たり前でしょ。私の、私達の大切な愛娘だもの。純や紗南だってそうよ」

 

 

母親は偉大だと改めて実感する。沙綾も幸せ者だなぁ。

 

 

「アルバムありがとうございました。また見せてください」

 

「ええ、いつでも言ってくれたら見せるわよ」

 

 

俺と千紘さんの話が終わったタイミングでリビングの扉が開く。

 

 

「むーくん、ドライヤーして〜」

 

「はぁ、またか......」

 

小さい頃から香澄の風呂上がりのドライヤーは俺が担当していた。ずっとやっている内に習慣付いてしまったのだ。因みに、明日香も俺担当だ。

 

 

「母さん、何してたの?」

 

 

「沙綾のアルバムを宗輝君と見てたのよ」

 

 

「ちょ!なんで見せたの!」///

 

「ええ〜、別にいいでしょう?」

 

「先に許可とってからにしてよ!」

 

 

許可とってからなら良いんですね沙綾さん。今度は純と紗南の分も見せてもらおう。

 

 

「ほら、香澄行くぞ」

 

「は〜い」

 

 

沙綾は千紘さんと色々と話し始めたので、俺たちは洗面所へ行きドライヤーをする事にした。

 

 

 

 

 

 

ブロォォォォォ

 

 

 

「ねぇねぇむーくん」

 

「ん、なんだよ」

 

 

今はドライヤーしてるから頭は動かして欲しく無いんだが。

 

 

「文化祭ライブ上手くいくかな?」

 

「お?珍しく弱気な発言」

 

「だってさ.....」

 

 

久し振りな香澄の弱気な発言に少し驚いたが、俯いてドライヤーどころでは無くなってしまった。凹んだら上手く立ち直れないところも昔のまんまだな。

 

 

「あのさ香澄」

 

「......」

 

こいつがしょんぼりしてたら調子狂うんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は前だけを向いて走り進んでたら良いんじゃねぇか?」ナデナデ

 

 

まだ半乾きな香澄の頭を優しく撫でてやる。香澄や明日香が泣き出した時は、いつも俺がこうしてなだめてたっけな。

 

 

 

「んっ....えへへ、そうかな?」///

 

 

そう言って、香澄が顔を上に向けて微笑みかけてくる。風呂上がりなせいか少し顔が赤らめている。こういう事気にせずしてくるのも変わってないのな。

そんな香澄に少しドキッとしたのを誤魔化すように言葉を紡ぐ。

 

 

「その為には、まずは新曲の作曲な?」

 

 

「うっ....忘れかけてた」

 

 

「俺の方が心配になってきたぞ.....」

 

 

 

 

 

その会話を皮切りに両者黙り込んでしまった。しかし、実はこの沈黙は嫌いではない。香澄が笑って、その隣に俺がいる。そんな日常が堪らなく愛おしい。

そんなことを考えながらも、ドライヤーを持っている手は休むことなく動かしていた。

 

 

 

「はい、終わり。どっか気になるとこないか?」

 

 

「ないよ!むーくん、いつもありがとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、現実はそう上手くいかず、その日の作曲はあまり進まなかった。





今回は特筆すべきことはないですね。

ん?

おたえとりみりんの出番が少ないって?



それは、主の趣向の偏りです。

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