トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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もうすぐガルパ3周年でございますな。
新バンドのMorfonicaは賛否両論ありますが主は大歓迎でございます。この作品は末永く続けていく予定ですのでネタとして非常に助かります笑

それはさておき60話ご覧下さい。


Produce 60#蓮の華

 

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

 

チュンチュン

 

 

 

「んぁ......眠い」

 

 

 

 

なんやかんやあった昨日の夜。睡眠時間は無事削られる事が無かったので良しとしよう。まぁ睡眠時間どうこうよりは疲れが取れなかったのが唯一の心残りだ。

 

 

 

むーくんぅ」zzz

 

「そういやコイツも居たんだっけ」

 

 

 

結局、昨日はあの後斎藤家&香澄と明日香で昔のアルバム漁りをしたのだった。俺的には令香の小さい頃の可愛らしい写真を拝めて満足。俺の写真が少なかったのは俺の写真嫌いが役に立ってくれたのだろう。マジで小さい頃の生意気だった俺グッジョブ!

 

 

 

「香澄そろそろ起きろよ〜」

 

「おはよーお兄ちゃん」

 

「おはよ。俺準備しなきゃいけないから香澄起こしといてくれ」

 

「分かった〜」

 

 

 

 

香澄は俺の部屋、明日香は令香の部屋で寝る事が早々に決まってしまい、仕方なく俺は床に布団を敷いて寝る事となった。令香の方は明日香と二人でも大丈夫だったらしい。俺の方はもう高校生にもなるし、それ以前に同じベッドで寝るのはちょっと気が引ける。今までのは香澄が勝手に入って寝てたからノーカンだ。

 

 

 

 

ともあれ香澄を起こすのは令香に一任し、俺は準備の為リビングに降りて朝食を食べる。その前にちゃんと顔を洗い手洗いうがいも済ませておいた。案外こういうのを怠ると母さん、ではなく令香がうるさいのだ。母さん曰く"アンタの為だと思うけどね"らしい。それはお兄ちゃん的にも嬉しいのだが、流石に罰ゲーム有りなのは勘弁して欲しい。それも中々にコアな罰ゲームばかり。一度冗談でキスしてって言われた時は本気で拒否した。俺と令香ほどの仲の兄妹でも超えてはならない一線は存在するのだ。

 

 

 

 

 

「今日はライブでしょ?」

 

「ん、まぁ俺はお手伝いさんだけどな」

 

「母さんとお父さんも令香と一緒に見に行くからね」

 

「それは良いけど飛行機の時間大丈夫なのか?」

 

「なんとか間に合うんじゃない?」

 

 

 

 

この母親質問を質問で返してきやがったな。この様子ではあっちに行ってからもちょっと心配になりそうだ。御利益のある神社でお守り買って母さんと父さんに一つずつ持たせとこう。これは子供なりの思いやりなのだ。父さん母さんのお守りついでに令香に厄除けとか安全祈願とかのお守りも買っておこう。

 

 

 

 

「時間は大丈夫だ」

 

「あら、貴方もう起きてたのね」

 

「当然だ......今日は令香と出掛けることの出来る数少ない日なのだ。そんな日に寝坊するなど断じて許さん。何より令香を待たせる訳にはいかないからな」

 

「本当にこの親バカが仕事では使える優秀な人材なのだろうか......」

 

 

 

 

度を超えた親バカは子供をも呆れさせるという事実を知った。流石にここまでいくと犯罪臭がするので自粛して頂きたい。令香も令香で父さんの事何とも思ってなさそうだし、何なら良い子出来る子頑張る子のフリをしとけばお小遣いアップしてくれるチョロい人としか思ってないのかもしれない。

 

 

 

 

「丁度良かったわ、可燃ゴミとプラゴミを捨ててきてくれない?」

 

「......宗輝、行ってこい」

 

「へいへい」

 

 

 

 

まだ時間はありそうだから別に良いけどな。元々は一人で暮らしてた時も自分で行ってたし。これからも令香と二人で暮らすとなると、必然的に俺が行く回数も増えるだろうしな。

 

 

 

 

「この前令香が"ゴミ出ししてるお父さんカッコいいな!"って言ってた気がするわよ」

 

「宗輝、お前はライブの準備があるだろう。万が一怪我でもしたら大変だ。その為にも父さんがゴミ出しはやっておく。特に他意は無い、父さんに任せておけ」

 

「うわぁ......この人チョロい、チョロ過ぎて逆に心配になるレベルまできてますわ」

 

 

 

 

 

父親がチョロ過ぎて困ってます。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「おはよーむっくん」

 

「おう、おはよーさん」

 

 

 

 

 

場所は変わってライブ会場。既に俺が来た時には全員集合。そのせいでまたもやチュチュからお叱りを受けてしまう羽目になってしまった。なんでRASの面子ってこんなにも集合早いのかしら。

 

 

 

 

「今日も怒られてたね」

 

「俺は悪くない、俺に優しくないチュチュが悪い」

 

「宗輝もそろそろ勉強しなよ」

 

「だったらレイが何とかしてくれ」

 

「いや、なんかめんどくさそうだし」

 

 

 

 

一応めんどくさいとは思ってるのね君達も。というか別に今日はあんまり朝からやる事ないんだから良いだろ。5人に関してはライブ頑張るだけだし、俺とかマジやる事無くて困ってる。準備云々は昨日までで完璧に終わってるしなぁ。

 

 

 

 

軽く挨拶を済ませて会場入りする俺とRAS。まぁやる事無いって言っても最後の確認とかは流石に行うらしく、照明やセトリを今一度スタッフの人とも確認して間違いのないようにしておく。俺のやるべきことは、この一連の流れを良く見て覚えておく事だったりする。出来るだけチュチュの技術や知識を目で見て耳で聞いて心で感じる。要領良くやる方法とかもチラホラ教えてくれたりしたし。なにしろ結果的にはチュチュに教えてもらった事全てが俺の力になることは間違い無いからな。

 

 

 

 

 

「それじゃあ本番も宜しくお願いします」

 

『よろしくお願いします!』

 

 

 

 

 

最終調整も滞りなく終わり、一旦RASのメンバー諸共控え室へ向かう。これから会場を開放するのでお客さんがやって来る。その対応はここのスタッフがやってくれるので、実際ここから先は手持ち無沙汰になってしまうのだ。かと言ってその対応は正直めんどくさくてやってられないので内心嬉しくもあるのだが。

 

 

 

 

「はなちゃん」

 

「どしたの?」

 

「やっとはなちゃんとライブ出来るね」

 

「うん、凄く楽しみ」

 

 

 

 

レイがここまで言うのも事情を知っている俺達からすると当然のようにも思えた。やっと再会出来てライブまで一緒に出来るというのだ。俺がその立場だとすれば感極まってもおかしくはない。そこら辺に関しては二人にしか分からないものもあるだろう。だから、俺はこの二人の為にも今まで頑張ってきたし、これからもこの二人の為に頑張ろうと思える。

 

 

 

 

「タエ・ハナゾノ。貴女は今は私の、RASのギタリストよ。手を抜く事は勿論許さないし許されないわ。RASの一員として相応しい演奏を期待しているわよ」

 

「......痺れさせてみせる」

 

「まぁあんまり気負わずライブ楽しめよ」

 

 

 

 

こういうところでも気を抜かずしっかりと芯を持って行動出来るのは、チュチュの良いところだと個人的には尊敬してる。敢えて少し強めに接する事で気持ちやコンディションを最後まで保つように仕向けているのだろう。一つ間違えれば他人から嫌われる可能性だってあるのだ。そういう点を鑑みて、やはりチュチュはプロなのだという事を改めて実感させられる。

 

 

 

 

「レイ、お母さん達来てるから行こ」

 

「分かった」

 

「遅くならない様にな」

 

 

 

 

おたえがレイの手を引きおたえママのところへ一緒に向かう。というかあの人来てるのか。個人的にはその事実に少しビックリだ。おたえのお母さんってそういうの来ないと思ってたからな。

 

 

 

 

「なぁ」

 

「......」

 

「お前に言ってるんだよ」

 

「......あ?まさか俺?」

 

「他に誰がいるんだよ」

 

 

 

 

いや、ここは別にますきと二人きりって訳じゃないからな?チュチュだっているしパレオもいるから。そうじゃないとしても言葉足らず過ぎません?熟年夫婦じゃないんだからしっかりと主語を入れて話して欲しいものだ。

 

 

 

 

「前から思ってたんだけど、お前って何者なんだ」

 

「何者ってどういう事なんだ?」

 

「パレオも実は疑問に思ってました!」

 

「パレオまで?イマイチ理解出来んぞ......」

 

 

 

 

自己紹介なら前に会った時に一通り済ませてるはずなんだけどな。というか何者とか初めて人から言われた気がする。客観的に見たらそう思えるのか?

 

 

 

 

「Pastel*Palettesには有能なマネージャーが存在する......」

 

「え?」

 

「他にもRoseliaに音楽指導しているプロのミュージシャンがいる、Poppin'Partyにもプロデューサーが存在している等々噂が絶えないわ」

 

「待ってくれ、俺は別にRoseliaに音楽指導なんてしてないし、ポピパに関しては非公式だから公言した覚えは無いぞ」

 

 

 

 

パスパレのマネージャーの事だって個人名を出している訳でも無ければ宣伝している訳でも無い。ましてや俺のやってた事なんて仕事のちょっとした手伝いばかりだ。それがライブ云々やみんなの人気に関わっているなんて自分でも思った事はない。そんなのは虫の良すぎる話だからな。

 

 

 

 

だからといって全てを否定するのも少し違う気がするのだ。いや、違う気がするなんて回りくどい事言ってるだけだな。自分のやってきた事が間違いでは無いと思いたいのだと思う。あの時こうしていれば、そんなたられば話なんていつまで経っても終わりやしない。それでも、あの時の俺の行動で少しでもみんなの役に立っていたのなら......。

 

 

 

 

 

「......まぁ強いて言えばみんなの味方ってところだな」

 

「なんだそれ」

 

「言った俺もよく分からん」

 

「宗輝さんは不思議な人です!」

 

 

 

パレオに不思議な人扱いをされてしまった。それを言うならば俺の周りに居る奴らの方がよっぽどだと思うんだけどな。というかパレオも十分不思議ちゃんだと思う。音楽やパスパレに関してはガチ勢だしチュチュガチ勢だし。

 

 

 

コンコン

 

 

 

「ん?」

 

「私が出るわ」

 

 

 

 

不意に控え室のドアが2回ノックされる。これがこころや日菜、香澄であれば容赦無くドアを開けて飛び込んでくるのは間違いない。

 

 

 

「すみません、斎藤君居ます?」

 

「はい、どうかしましたか?」

 

「少し受付に来て頂きたいのですが......」

 

 

 

 

 

 

 

~受付~

 

 

 

 

 

このライブハウスのスタッフの人から呼び出された俺は受付へと足を運んでいた。何かトラブルでもあったのかもしれない。それで比較的暇でやることの無かった俺に白羽の矢がたったのだろう。

 

 

 

 

「むーくん!」

 

「湊さん練習は良いんですか?」

 

「今日は偵察に来ているから大丈夫よ」

 

「あら、宗輝じゃない!」

 

「あはは、大丈夫かなぁ......」

 

 

 

 

 

前言撤回、トラブルどころの騒ぎではありませんでした。受付に着いた途端に見知った顔を大勢発見。というか先に向こうに見つかってしまった。パッと見る限り香澄達ポピパやアフグロは全員集合。他は友希那とリサとこころと美咲と花音先輩。そして、彩とイヴと麻弥というパスパレ組。

 

 

 

 

 

流石にこの人数を相手にして受付を厳かにする訳にもいかず、特別対応としてもう一つの控え室を貸してもらえる運びとなった。聞くところによると千聖さんは仕事の都合、紗夜さんと日菜はお出掛け。あこと燐子先輩は家でNFOでもしているだろうとのこと。はぐみと薫先輩?あの二人は三馬鹿で普段から何してるか分からんから今も何してるか分からない、と美咲が頭を悩ませて伝えてくれた。友希那と蘭とか絶賛対バンライブの練習中でバチバチなんだから混ぜるな危険状態である。

 

 

 

 

 

「取り敢えず始まるまでここで待っててくれ」

 

「分かった!」

 

「本当に分かってんのか香澄?」「なら有咲捕まえててよ!」ダキッ

「ちょ、香澄やめろぉ!」「有咲柔らか〜い!」

 

 

 

ポピパはポピパでいつもの感じである。良い意味でおたえが居なくても通常営業で回るのがポピパの良いところ。おたえが加わると更にわちゃめちゃになるから収集つかなくなるのが基本。

 

 

 

 

「はぁ......んで、蘭達はなんで来たんだ?」

 

「まぁ......みんな時間合ったから何となく」

 

「蘭〜?そんな事言ってさっきはむーくんが....ムグッ」

 

「ちょ、何言ってんのモカ!?」

 

 

 

 

どうやら蘭は理由を知られたくないらしい。必死になってモカの口を押さえているところを見るに相当嫌なのだろう。俺は自分がされて嫌な事は人にはしない主義なのだ。まぁ無理に聞き出す意味も特に無いしな。

 

 

 

 

「つぐみは家の手伝いは良かったのか?」

 

「うん、お父さんが行ってきなさいって」

 

「そっか、まぁつぐみは普段頑張り屋さんだから今くらいは手伝いお休みしても誰も文句は言わんだろ」ナデナデ

 

 

 

 

いかん、ついつい頭を撫でてしまった。これも久し振りな気がするが周りの面子が面子。自分でもどうしてか分からないが、つぐみに対してはどこか激甘なところがあるのだ。さっきも言った様に、やはり普段から頑張っているつぐみを見ているせいで感情移入というか何というか、どうしても甘くなってしまうのだろう。

 

 

 

「む、宗輝君?ここではちょっと......」

 

「ん?ああ、すまんすまんつい癖で」

 

「あー!つぐだけズルい!私にもやってよ宗輝!」

 

「巴ー、ひまりをどうにかしてくれー」

 

「どうにかって言われてもなぁ......」

 

 

 

 

そう、完全にひまりの存在を忘れていた。ひまりは事あるごとに頭を撫でて欲しいやら膝枕して欲しいだの甘えてくるのだ。こんなに甘えてくるようになったのがいつからだったのかすら今では思い出せないでいる。大方俺の適当な行動がそうさせてしまったのだろう。ひまりはつぐみに比べて甘え上手なのは良いのだが、いかんせん引っ付き過ぎるとあまり良くない。何処がとはハッキリ言いません。ヒント、二つの神がかっている豊満なまでの美しい果実が原因。

 

 

 

 

つぐみから手を引き、ひまりのしつこいまでの追撃を何とか回避して一難を逃れる。それからアフグロは飲み物を買ってくるとのことで一旦ロビーへ。モカのやつちゃっかり俺からお金せびろうとしてたし。ま、まぁ?俺レベルになるとそれを見越してお金を先にあげるんだけどね!......別にカモにされてるとかじゃないから。あれだから、これはお祝い的なやつだから。何お祝いするんだよ俺。

 

 

 

 

「ライブ前にそんな状態で大丈夫なの?」

 

「美咲か、まぁ後はする事あんまり無いから大丈夫だと思いたい」

 

「無理だけはしないでよ」

 

「そう思うんならさっきの止めてくれ」

 

「無理」

 

 

 

そこまでキッパリ言われるのも少し心にくるというものだ。基本美咲はめんどくさくても"仕方ない"って言ってやってくれる人だと思ったのに。あれはこころ限定だったのだろうか。

 

 

 

「というかこころは?」

 

「さっき美竹さん達と一緒に飲み物買いに行ったよ」

 

「美咲は行かなくても良かったのか?」

 

「私のはこころに任せてるから」

 

 

 

 

相変わらず美咲は美咲だった。こころだったら何買ってくるか想像も出来ないな。一種のギャンブルのようなものかもしれない。案外こころが美咲の良く飲む物を知っているのかも。そうだとすれば納得がいくというものだ。

 

 

 

 

「宗輝、ちょっといいかしら」

 

「ん?どうした友希那」

 

 

 

 

ここで友希那に話しかけられて美咲とは一旦お別れ。というか雰囲気を察した美咲が徐々にフェードアウトしていった。本当にそういうところだけは上手ですねアナタ。

 

 

 

 

「友希那がちょっと聞きたい事があるんだって」

 

「俺に話せる事だったら良いけど」

 

「正直に言って、ここ最近RASを見ててどう?」

 

 

 

 

友希那はハッキリとは言わなかったが、察するにRASとRoseliaを比べてという事だろう。それもそのはず、友希那に関して言えば一度引き抜きまがいの事をされているのだ。気になってしまうのも無理ないと言える。

 

 

 

「......贔屓目無しで判断するぞ」

 

「ええ、構わないわ」

 

「演奏技術だけで言えば既にプロの域に達していると個人的に思う。ベースボーカルのレイしかりドラムのますきしかり、今まで色んなところで演奏してきたのがしっかりと自分の力になってる」

 

「......」

 

 

 

俺が話を続けていく内にリサの表情がどんどん暗くなって沈んでいくのが見て取れる。そんなリサに対して友希那はしっかりと話を受け止めている様子にも見える。やはり友希那は最初から答えが分かっていたのだろう。自分の耳や心は騙せないからな。

 

 

 

「......それでもなリサ、俺はRoseliaがRASに負けてるなんてこれっぽっちも思ってないんだ」

 

「......本当?」

 

「あぁ、今までRoseliaが積み上げてきた努力と結果。それに何と言っても"個"の力じゃ全然負けてない。問題はこれからだと思うぞ」

 

「それはどういうことかしら」

 

 

 

イマイチ理解出来ていないであろう二人に説明してしんぜよう。

 

 

 

 

「多分だがRASは近いうちにスゲー人気が出る。普通のバンドならそこで気を抜く奴らだっていると思うがRASは違う。アイツらは異常なまでにストイックなんだ」

 

「えっと、結局どういう意味?」

 

「結局は人気が出てからの勝負ってことだな」

 

「......なら私達は負けないわ」

 

 

 

友希那の確かな意志のこもった真っ直ぐな目を見て少し安心する。RASの話を聞いて友希那の中の何かが動いたのだろう。逆に火の鳥を焚きつけてしまった感が否めない。チュチュすまん、多分お前らの一番のライバルという(Roselia)に油を注いでしまったらしい。

 

 

 

「おっと......すまんもう時間だから行くわ」

 

「ええ、頑張りなさい」

 

「頑張ってね宗輝!」

 

 

 

みんなと話している間に時間が来てしまったらしく、ポケットに入れていた携帯のアラームが鳴る。予めライブ時間近くなるとアラーム鳴るように設定しておいて正解だった。遅れてまたチュチュに色々言われるのは勘弁だからな。

 

 

 

 

 

 

~ライブステージ横~

 

 

 

 

 

「全員揃ったわね」

 

 

 

 

あれから一度RASの控え室へ戻ってチュチュの有り難い言葉を聞いてからステージ横へ移動。おたえママに会いに行っていたおたえも蘭達とバッタリ会ったらしく話し込んでいたみたい。かく言う俺もチュチュに何してたのか根掘り葉掘り聞かれてみんなが来ている事を知られてしまった。何か悪巧みを考えているような表情をしていたチュチュ。めんどくさいことにならなければ良いのだが。

 

 

 

ワ-ワ-

 

 

「チュチュ様!お客様があんなにも居ますよ!」

 

「パレオ落ち着きなさい」

 

「でもいつもより多くないか?」

 

「海外メディアの人達もいるらしいし」

 

「勿論よ、これが私達がRASとして表舞台へ立つ始まりなんだから」

 

 

 

 

チュチュさん忘れてもらっては困るのですが、一応おたえはサポートギターだからね?ポピパのギターであるおたえは渡せません。というより香澄達がそんな事は許しません。

 

 

 

「マスキング、アナタはアナタのやりたいようにやりなさい。でも、みんなと合わせる事も忘れないで。ここにいるメンバーはアナタに合わせることの出来る唯一のメンバーよ」

 

「おう、思いっきりやらせてもらうからな」

 

 

 

かつては"狂犬"と呼ばれますきの実力についていけないバンドばかりだった。その中でチュチュに拾われて今に至るますき。レイもパレオもおたえもチュチュもますきについていき、尚も自分を表現できる技術の持ち主達だ。ますきにとっては居心地が良いだろう。そんな状態のますきの全力を俺は案外楽しみにしてる。

 

 

 

「パレオ」

 

「はいご主人様!」

 

「頼んだわよ」

 

「ッ!!任せて下さいチュチュ様♪」

 

 

 

 

未だに自分の事についてはあまり話してくれないパレオ。きっとパレオにも何か事情があったのだろう。そこをチュチュに助けてもらって今の様な関係性へと変化した。俺は楽しそうに演奏してるパレオを見ると自分も楽しくなってくるのが不思議に思ってた。だけど何となく分かった気がする。

 

 

 

「レイヤ、ある意味バンドの顔であるボーカルのアナタ次第でもあるわ。自分の判断が間違いではなかった事、証明して見せなさい」

 

「はなちゃんの為にも頑張る」

 

 

 

最初はレイの考えで始まったおたえのサポートギター。初めは環境の違いかあまり自分の色を出さずにいたおたえ。それを変えてくれたのが誰でもないレイだった。徐々に馴染んできたおたえにみんなも応えてくれた。チュチュも今では実力を認めていてくれている。これも全てレイのお陰なのだろう。

 

 

 

「最後にハナゾノ。今アナタはRASのギタリスト。その事を強く胸に刻んで演奏しなさい。アナタを信じた私を裏切らないで頂戴」

 

「分かってる」

 

 

 

 

今となってはおたえをサポートギターにして正解だったと自分でも思う。色々あったが全ておたえの経験となり力となってきたからだ。そんなおたえだからこそ、今は笑ってライブへ送り出してやる事が出来るだろう。

 

 

 

「むっくん行ってくるね」

 

「おう、おたえのギターをみんなに魅せてやれ!」

 

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

 

 

キャ-キャ-

 

 

 

後ろから見るおたえの背中は、いつになく大きく見えた。それをおたえの成長と捉えるか俺の成長と捉えるか。若しくはその両方なのか。どちらにせよ俺にとっちゃ幸せな事だろう。

 

 

 

 

 

「さっそく飛ばしていくよ......"R・I・O・T"」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

アンコ-ル!

 

アンコ-ル!

 

 

 

「はぁはぁ......まだ求められてますよチュチュ様!」ハァハァ

 

「ちょっとは休憩した方が良いんじゃないのか?」

 

 

 

当初の予定通り、セトリにある曲は全て演奏して控え室へ戻ってきたRAS。ライブとしては大成功。観客のボルテージは最初から何一つ落ちる事なく常に最高潮をキープしていた。それもチュチュ達RASだからこそ出来た事だろう。

 

 

 

しかし、パレオも言った通り観客からまさかのアンコール。いや、俺も心の中では少しアンコールされる事を期待していた。それが形になっただけの事。それだけRASが求められているということ。それは嬉しい事なのだが俺的にはみんなの体力に不安が残る。少しでも休んでいくのがベストだろう。

 

 

 

「......さぁ行くわよ」

 

「チュチュ休まないのか?」

 

「アナタはあの声が聞こえないのかしら」

 

「いやアンコールなら聞こえてるが大丈夫なのか?」

 

 

 

 

見たところ全員汗をかいて辛うじて肩で息をしている様子。さっきから俺が水だけでもと思い常温の水を配ってはいるが、水を飲んだからといってすぐに治るという訳でもないだろう。

 

 

 

「それにまだやるべき事も残っているわ」

 

「やるべき事?」

 

「丁度良いわ、アナタも関係者なのだから良く聞いてなさい」

 

 

 

そう言って立ち上がるチュチュ。そして、チュチュに倣って他のメンバーもやる気になった様子。こうなったらもう俺には止められないし止める資格もないだろう。

 

 

 

「行くわよみんな」

 

「しゃあねぇな」

 

「はなちゃん行こ!」

 

「うん!」

 

「チュチュ様お待ち下さい〜♪」

 

 

 

チュチュの言っていたやるべき事って何だろう。というか俺も関係者ってところも疑問点だ。確かに色々と関係してるのは間違い無いがイマイチどれなのかハッキリしない。ポピパ?アフグロ?ハロパピは無いにしてもパスパレ?Roseliaは一度友希那の件で失敗してるしなぁ。

 

 

ワ-!

 

ワ-!

 

 

観客の声からRASの面子がステージに立ったと分かる。俺も急いでステージが見える位置まで急ごう。

 

 

 

「演奏を始める前に一つ言っておく事があるわ」

 

 

 

 

そして、チュチュの口から出たのは予想外の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私達RAISE A SUILENはRoseliaに宣戦布告するわ!」

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

「湊友希那!ガールズバンドの頂点を賭けて勝負よ!」

 

 

 

 

 

えぇぇぇぇぇぇ!!??

 

 

 

 

 

 

~To Be Continued〜





主的にはMorfonicaも後々追加予定ですが皆さんとしてはどんな感じですかね?
宜しければ感想等でご意見お聞かせ下さい( ^ω^ )
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