トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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新たに☆8評価頂きました ヴァンヴァさんありがとうございます!

皆さん約1ヶ月お待たせしました。
更新に時間が掛かったのにはいくつか理由がありますが、言い訳はしませんすみません。

そんなこんなで今回は自分にとってもリハビリ回的な感じなのでご容赦を。

それでは、61話ご覧下さい。
(後書きもご覧下さると幸いです)


Produce 61#わちゃもちゃスポーツ日和

 

 

 

 

 

~ライブ翌日~

 

 

 

 

 

 

「......」ポチポチ

 

「お兄ちゃん起きてるー?」ガチャ

 

 

 

 

現在時刻は7時前。本日は月曜日で勿論学校がある日。だがいつもと違う事が一つある。それは俺がこの時間に珍しく携帯をイジっているという事である。しっかりとベッドと布団に挟まれて二度寝の準備は万端だ。

 

 

 

 

「あり?お兄ちゃん珍しく起きてるじゃん」

 

「令香、入る時はノック」

 

「ごめんごめん、いつも寝てるからさ」

 

「仕方ない許してやろう」

 

 

 

 

初めから許すつもりなので良いのだが、いかんせん令香もそんな感じでくるので時々怒った風を装う。でも通じないので結局許すという変なループに入っているのが最近の斎藤家。

 

 

 

 

珍しく朝早くから俺が起きて携帯を弄っていたのにはちゃんと理由がある。理由というのも簡単、昨日のRASのライブについてSNSで早くも話題になっているのだ。やれ"Roseliaのライバル"だの"ラスボスキタコレ"だの"Chu²ちっこくて可愛いの草"だの色々と言われている。おい、最後のやつ後で消しとけよチュチュに怒られるぞマジで。

 

 

 

 

 

「昨日のライブ凄かったね」

 

「色々とな」

 

「ライブは終わったけどおたえさんはどーするの?」

 

「それは今日蔵で俺から話すよ」

 

「令香も行って良い?」

 

「許す」

 

 

 

 

俺はベッドで布団に包まれながら流れるように令香と会話する。そうこうしてる内に眠気がやっと襲ってきたので身を任せてみようと思う。さよなら世界。

 

 

 

「なんで二度寝しようとしてんのお兄ちゃん」バサッ

 

「う〜、目がぁ〜」

 

「別に目に光は当たってないでしょ。ほら、朝ご飯出来てるから顔洗ってきて」

 

 

 

 

 

某有名人の台詞を言ってみたが令香には軽くあしらわれてしまった。携帯を見てみると案外時間が過ぎていたので仕方なくベッドから出て洗面所へ。顔を洗って歯を磨くのも、これまた毎朝のルーティーンである。サボると令香がうるさいからな。

 

 

 

 

洗面所でお湯が出るまで歯磨きをして、それからお湯が出るようになったら顔を洗うのが基本。そんなこんなで歯磨きをしている時にふと考え耽る。勿論、それは昨日のRASのライブについてだ。最後のチュチュのいきなりの宣戦布告にはビックリしたものの、友希那は友希那でそれを受けるつもりらしいし。蘭達アフグロとの対バンライブもあるのに大丈夫かしらあの子達。

 

 

 

 

「......」シャカシャカ

 

 

 

 

兎にも角にも、RASのライブが終わったとてまだまだやるべき事は沢山残っている。約一ヶ月後に迫った文化祭。その文化祭では友希那達vs蘭達の対バンライブ。その他にもポピパやパスパレ、ハロパピ等を交えた合同ライブも予定中だ。ポピパの練習にも付き合わなければならないが、忘れてはいけないのはパスパレの事務所関係の仕事もこなさなければならない。そういう事なので、残念ながら今年もクラスの出し物はパスだな。

 

 

 

 

「......ふぅ、良し!気合入れ直して頑張るか」

 

お兄ちゃんご飯冷めるよー!

 

 

 

 

 

父さんと母さんも居なくなって令香の面倒も見てやらないといけない。これからは今まで以上にハードなスケジュールになること間違いなしだがやるしかない。元はと言えば俺が一人で啖呵切って始めた事だしな。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよー有咲!」

 

「お邪魔しまーす」

 

「いらっしゃい二人共」

 

 

 

 

朝ご飯を終えて、香澄の家へ迎えに行き有咲の家に到着したところまではスキップだ。ここに着くまで香澄はマシンガントークで昨日のRASのライブについて話していたので軽く相槌を打って流しておいた。だってこの子"凄かったね!"とか"キラキラドキドキした!"とかしか言わないんだもん。

 

 

 

「香澄は朝からうるせーぞ」

 

「おはよー有咲!」

 

「それさっきも聞いたから」

 

「......ん?有咲、ちょっとこっち来てみ」

 

 

 

 

見慣れているが、やはり何度見ても可愛らしい有咲の制服姿。しかし、俺は少しの違和感を感じて良く見える様に有咲に近くまで来てもらった。

 

 

 

 

「何だよ急に」

 

「服装チェック。ほら、ここ見てみそ」

 

「ん......げっ、スカートの端っこほつれてるじゃん!」

 

「安心して有咲!むーくん裁縫も得意だから!」

 

 

 

そうだ安心してくれ有咲。俺はこう見えて裁縫も得意なやれば出来る子なのだ。何故香澄が得意げに言っているのかは不明だがいつもの事だろう。

 

 

 

「こんくらい自分でやるって」

 

「怪我でもしたら大変だろ。良いから裁縫道具持って座る」

 

「はぁ......分かったよ」

 

 

「むーくん私の制服にお星様付けて!」

「却下だ」

「えー!何でー?」

「紗夜さんにバレたら俺が叱られる」

 

 

 

「何やってんだよアイツら......」ハァ

 

 

 

学校まで時間もあまり無かった為、急ピッチで制服のほつれを直し始める。俺の数ある内の裁縫関連のエピソードを一つ紹介しよう。まだ令香が小学生だった頃、俺がクリスマスプレゼントで手編みのマフラーを作ってプレゼントしたら泣いて喜んでくれたのだ。あの時は手が傷だらけになるくらい練習してたけど、令香の嬉しそうな表情を見たら何か報われた気分になったな。そんなこんなで培われた技術が今も役に立ってるって訳だな。

 

 

 

 

「よし、我ながら完璧だな。他に気になる所とかないか?」

 

「いーや大丈夫、直してくれてありがとな」

 

「有咲の為ならお安い御用だ」

 

「ぶーぶー、有咲だけ良いなぁ」

 

 

 

 

無事有咲の制服のほつれを直し終えたところで香澄が文句を言い始めてしまった。有咲だけ良いなぁと言われてもほつれを直しただけなんだけどな。どうもその事が香澄には突っ掛かっているらしい。

 

 

 

「別に香澄は直す所もねーだろ」

 

「そういう意味で言ったんじゃないもん」

 

「じゃあ前みたいにポーチか何か作ってやろうか?」

 

「良いの?やったー!」

 

「まだ聞いただけなんだけどな」

 

 

 

 

香澄お得意の自己完結癖がここにきて出てしまった。まぁ今に始まった事じゃないから良いんだけどな。嬉しそうに何作ってもらうか考えてるので、近々裁縫道具を見て足りない物は補充しておこう。

 

 

 

「有咲ー?早くしないと学校遅れるわよ?」

 

「分かった婆ちゃん!ほら、香澄も宗輝も先に鞄持って門出といてくれ」

 

「私片付けるの手伝うよ有咲」

 

「なら俺は先に外出とくからな〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~花咲川~

 

 

 

 

 

 

有咲と香澄がお片付けをしている間、俺は門の外へ出て携帯をイジリながら待っていたのだが、そのタイミングで沙綾とりみりんとおたえに遭遇。というか何故ポピパが全員集合したのだろうか。約束してるなら教えてくれても良いのにな。

 

 

 

 

お片付け終了後、俺含め6人という中々の大所帯で花咲川へ登校。おたえが沙綾に朝ご飯と言ってやまぶきベーカリーのパンを強請っていたので俺もついでに乗っかっておいた。その結果としてチョココロネをおたえと半分こするということになったのだが、いきなりおたえが"ポッキーゲームしよ"と言いチョココロネの端っこを咥え待機。流れでその逆から俺が食べ進めようと思ったが、いかんせん大きくて半分まで一口では食べきれませんでした。まぁ半分までいけばおたえとマウストゥマウスするからヤバイんだけどな。

 

 

 

 

 

閑話休題(おたえが残念がっていたのは置いておこう)

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、おはようございます」

 

「おはようございます紗夜さん、燐子先輩。今日も風紀委員の番なんですね」

 

「ローテーション的には違うんですけど、今日担当の人が体調を崩してしまったので氷川さんにお願いしたんです」

 

「あれ?でも有咲も生徒会でしょ?出なくて大丈夫なの?」

 

 

 

 

意外な所で鋭い香澄。確かに有咲も生徒会書記なので、生徒会が主となって行なっている挨拶運動には基本的に参加しなくてはならないはず、という考えに至ってもおかしくはない。だがしかし、この挨拶運動は曜日によって予め担当が決まっているのだ。有咲の担当は木曜日。まぁこれも燐子先輩や紗夜さんに聞いただけなんだけどな。生徒会長の燐子先輩は基本的に挨拶運動には全て参加しているらしい。朝に登校してきて燐子先輩に会えるのなら、その日の学校が2割増しで楽しくなる事間違い無しだ。

 

 

 

 

「市ヶ谷さんは木曜日の担当のはずよ」

 

「そっか!ならその日は私も一緒に挨拶運動するね有咲!」

 

「別にいらねー」

 

「そんな!?酷いよ有咲〜」

 

「香澄がダメなら私が」

 

「おたえも香澄と同じよーなもんだ」

 

 

 

 

こんな感じで校門前で話してると紗夜さんに早く入る様に言われたので大人しく従っておく。香澄とかおたえが挨拶運動してる所は若干見てみたい気もする。今度燐子先輩に頼んで俺も参加させてもらおう。勿論、香澄とおたえのお供を添えて。

 

 

 

 

「んじゃまたお昼休みにな」

 

 

「むっくんまたね」

「宗輝君またね」

「授業サボったらダメだよ〜」

 

 

 

「私達も教室入るか」

 

「うん!」

 

 

 

 

沙綾にだけ授業の心配をされてしまった。しかし、心配されるほど俺は不真面目ではない。それを言うなら香澄に言ってやった方が良いと思うの。だってあの子授業中も事あるごとに俺や有咲に話しかけてくるし。今は席替えしてまた近くになったっていうのも理由の一つなんだろうけどな。

 

 

 

 

「香澄おはよー」

「みんなおはよ!」

「宿題はちゃんとやってきた?」

「勿論だよ!」

 

 

 

「朝から元気だね」

 

「おはよ、そういう美咲はいつも通りだな」

 

「まぁね」

 

 

 

 

一通り挨拶も終わったところで担任が教室へ入ってきて朝のSHRが始まる。

 

 

 

 

「えー、今日はみんなに連絡がある」

 

 

 

 

出席を取って謎のプリントを渡された後、担任から連絡があると言うのでクラスは少しザワつき始める。どうせ前みたいにボランティアの募集やら何やらだろう。残念ながらそれに時間を費やせるほど今は暇ではないのだ。

 

 

 

 

「今日の授業は他クラスと合同で行うことが決まった」

 

 

 

 

 

何故だろう

 

嫌な予感が

 

してきたよ

 

 

 

斎藤宗輝、心の一句。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで現在体育館。何故この時期に?このタイミングで?という疑問はありつつもサボることは出来ない。朝に沙綾にサボるなって言われたばかりだしな。

 

 

 

 

「案外早い再会だったね」

 

「うむ、予期せぬ事態だ」

 

「むーねきー!」ギュッ

 

「お、こころおはよ」

 

「相変わらず今日も良い天気ね!」

 

 

 

 

こころの周りはいつも良い天気だと思うぞ。だって雨の日でもこころの周りだけは光り輝いて見えるからな。その内弦巻家が天候とか支配しそうで怖い。

 

 

 

 

「ムネキさん!おはようございます!」

 

「むーくんおはよ!」

 

「イヴにはぐみか。朝から二人共元気だな」

 

「武士の朝は早いのです!」

 

 

 

 

これでバンドメンバーは勢揃いしたな。まだ先生達から何も伝えられてないから何するか分からないんだよなぁ。体操服に着替えて体育館に集合とだけ担任から伝えられたし。

 

 

 

というか花咲川の冬の体操服可愛すぎか。意図せず萌え袖になっているりみりんやイヴ達を見ていると目の保養になるというものだ。個人的に長袖長ズボンのおたえも良いのだが、長袖半ズボンの健康的な感じのはぐみや香澄もナイスだと思う。この時期に半袖半ズボンなのは体育会系の男子だけだ。因みに俺は寒いの嫌だから長袖長ズボン。

 

 

 

 

「皆さんおはようございます」

 

『おはようございます』

 

「今から特別授業の説明をするので良く聞いておくように」

 

 

 

 

 

という風に、いきなり学年主任の先生から説明が始まる。

 

 

 

 

 

「いきなりだが、今日は2年生合同でスポーツ大会を行う」

 

 

 

 

 

ここからは長くなるので俺から省いた説明をしよう。何故いきなりスポーツ大会が開かれるのかは定かでは無いが、一説には先生達にも休憩が必要ということで実質生徒に丸投げの今回の様なスポーツ大会が開かれるとかなんとか。ただサボりたいだけじゃん、という正論は最もだ。だが俺達生徒としても真面目に勉強するよりはマシなので良いだろう。種目はバトミントン、バレー、バスケの3種類。

 

 

 

 

「それで......なんでこんなチーム編成になってんのか教えてくれ」

 

「むーくん一緒だね!」

 

 

 

 

 

"チームバンドリ"

 

《メンバー》

宗輝、香澄、有咲、沙綾、りみりん

おたえ、こころ、はぐみ、イヴ、美咲

 

 

 

「ねぇねぇむーくん、バンドリってなーに?」

「夢を打ち抜けみたいな意味だ」

「中々良い名前ね!」

 

 

 

 

 

今回はクラス対抗ではなく、クラス毎の親睦も深めようという体で混合チームで対戦するという流れになったまでは良い。だがしかし、何故こうまでしてバンドメンバーばかりが集まるのだろうか。いや理由は簡単で明確だ。香澄とこころを筆頭に、どんどんバンドメンバーを連れてきてものの2.3分でチーム編成終了。周りからは"あそこには勝てないね"とか"どうする?不戦敗にする?"などとチラホラ聞こえる。確かに俺が対戦相手だったら最初から勝てる気しないもん。

 

 

 

 

 

「じゃあみんないくよー!?」

 

 

 

 

 

『ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパー!!』

『ハッピー!ラッキー!スマイル!イェーイ!!』

『ブシドーッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

「......今日身体持つかな」

 

 

 

 

 

奇遇だな美咲、今俺も同じ事考えてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~To Be Continued~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宗輝「久し振りにおまけコーナーやるぞー」

 

 

宗輝「今回のゲストは彩と千聖さんだ」

 

 

千聖「貴方だんだん適当になってきてるわよ」

 

 

彩「ゲストとして頑張らなきゃ!」

 

 

千聖「彩ちゃんも彩ちゃんで張り切り過ぎよ」

 

 

宗輝「千聖さんって普段から体調管理とかで気にしてるところとかあるんですか?」

 

 

千聖「手洗いうがいは基本的にしてるし、撮影に行く時や人混みの中へ行く時はマスクを着用するようにはしてるわ」

 

 

宗輝「バレない様にですか?」

 

 

千聖「まぁそういう理由もあるわね」

 

 

宗輝「女優もパスパレも大変ですもんね」

 

 

千聖「他人事みたいに言ってるけど、一応貴方も関係者なのよ」

 

 

宗輝「まぁ迷惑かけてばっかりですけど」

 

 

彩「ねぇねぇ私には質問とか無いの?」

 

 

宗輝&千聖「彩(ちゃん)に聞くとめんどくさくなる(でしょう)」

 

 

彩「宗輝君も千聖もひどいよぉ!」

 

 

 

 

 

 

-End-

 

 






この度、数回に渡って行ったアンケート結果を元に本作品のIFルートとしてもう一つ投稿しております。まだこちらも完結してはいませんが、両立して更新していこうと思いますので。もし宜しければ本編とIFルート共々お気に入り、評価感想等下さると幸いでございます。

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