トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~ 作:Lycka
まず新たに評価頂きました ☆5お祈りメール様 ☆9たく丸様ありがとうございます!
皆さんお久しぶりでございます。
大幅に更新遅れてしまい申し訳ありませぬ。というか更新してない間にこの作品を投稿してから1年が経過しておりました。投稿し始めた頃はこんなにも続くとは思ってもみませんでした笑
これからも不定期更新かもしれませんが続けていくので温かい目で見てやって下さい。
では、63話ご覧下さい。
~市ヶ谷家 蔵~
「ねぇねぇ有咲」
「なんだよ」
「むーくんまだなの?」
「私に聞くなよ」
ガチャ
「すまん遅く──」
「むーくん!」ダキッ
開幕早々香澄の突撃を喰らいラブがハートになりそう。意味が分からない人はググりましょう。分かった人はロボット好きかアニメ好きくらいだろうからな。
「香澄離れろ、ソーシャルディスタンスを確保しろ」
「そーしゃるでぃすたんす?」
「社会的距離って意味だけど、この場合人と人との距離って意味だよ」
「んー、どういう事?」
「だから離れろって分かりやすく最初に言ったろ」
ちょっと用事で蔵に行くのが遅れたのは謝る。だが蔵に入って早々香澄お得意のダイブを喰らっては話そうにも話せん。というか反応早過ぎない?蔵入るのに階段降りなきゃ行けないのにその前にダイブしてくるって控えめに言ってヤバい。結論、香澄はポピパのヤベェ奴。
「お兄ちゃんお疲れ様」
「そういやお前もいるんだっけか」
「令香ちゃんは私達が連れてきたよ」
「サンキュー沙綾」
「むーくんがダメなら有咲に!」
「暑苦しいから引っ付くなーっ!!」
香澄と有咲が百合百合してるのは一旦頭の隅っこに置いとくとして、今日はただ蔵へ来た訳では無いのだ。その為に令香も今日は同伴させてある。本来であればポピパの問題だから令香は居なくても良いが、いかんせん令香自身が来たいと言うのでお兄ちゃん的には拒否出来ない。まぁ令香なりに多少心配する点もあるのだろう。
「それで、今日は何するの宗輝君」
「よくぞ聞いてくれたりみりん」
「蔵練?」
「間違ってはないが正解でも無いぞおたえ」
「なら......パーティー?」
残念ながらそれはもっと違うぞおたえさんや。だがしかし、これを地でやっているおたえはやはり可愛らしい。おたえだからこそまかり通る天然っぷりだろう。多分これをそこら辺の女の子がやると"え?なに、ぶりっ子?全然面白く無いよそれ"とか言われることだろう。あー、怖いわー。女の子同士のドロっとした関係怖いわー。
とまぁ冗談にならない冗談はさておき、まだこの場に必要な人物が一人居るので呼ぶことにしよう。本日のメインであり超重要人物たる女の子。実は結構待たせてるから早く呼ばないと可哀想だ。
「入ってきていいぞー」
「ん?むーくん他に誰か呼んでるの?」
「まぁ見てろって」
俺の合図と共に蔵の入り口がゆっくり開き、メインの人物が恐る恐る入室。
「お、お邪魔します!」
「あれ、ロックだ」
「ホントだ!ロックいらっしゃい!」
「私の家なのに何で香澄が得意げにもてなしてるんだよ」
「ポピパさんが全員集合しとる......」アタフタ
そう、見ての通り本日のメインであり重要人物というのは六花である。既にポピパ面子からの歓迎を受け見るからに緊張している六花。知っての通り六花はポピパの大ファンの為、こうなってしまうことも想定済み。しかし、それではいつまで経っても話にならないので再度香澄に大人しくするように伝えておく。
「香澄はそこのソファにお座りな、有咲なんか飲み物あるか?」
「はいよ、ちょっと待ってろ」
「あ、有咲私も手伝うよ」
「んじゃ沙綾も頼む」
「お待ちどーさん」コトッ
「ありがと有咲!」
「沙綾ちゃんもありがとう」
「すみません、頂きます」
有咲と沙綾が飲み物やお菓子なんかを持ってきてくれたので有り難く頂く。その間に六花とそれとなく世間話を交えながら話していたので、六花も段々緊張はほぐれている様子。入ってきた時はガチガチだったのにな。
「よし、全員揃ったし本題に移るか」
「むーくん何するの?」
「今日六花やみんなを呼んだのは他でもない。まずは先日のRASのライブについて聞いとこうかな」
既にRASの主催ライブの影響は出始めていると言っても過言ではないだろう。チュチュの戦略かRASの実力か......多分その両者だとは思うが、ネットでは話題沸騰中といったところだ。
前々からサポートで入っていたレイやますきに関しては言わずもがなファンはいるだろう。だがしかし、今回の主催ライブで一気に人気を博したのは言うまでもない。俺調べによると、既にRASのグッズや次のライブも考えられているらしい。まぁ全部チュチュが言ってたんだけどな。
「凄かったよね有咲ちゃん」
「おたえが別人に見えるぐらいにはな」
「私は私だよ有咲」
「だから別人に見えるくらいすげぇって思ったってことだよ!」
「なるほど」
確かに有咲の意見には共感できる。RASとポピパじゃ音楽の方向性が根本から違う気がするから仕方ないっちゃ仕方ないとは思う。簡単に言えばRASはカッコよくてポピパは可愛いって感じか。でもポピパでもカッコいいと感じる曲はあるけどな。一番ポピパを近くで見てきた俺が言うんだから間違い無いだろう。
「六花はどう思ったんだ?」
「わ、私ですか?えーっと、上手く言えないんですけど......身体の芯から熱くなれる様な感じがしました」
「身体の芯から熱くなれるか......うん、やっぱ決めた」
「何を決めたの宗輝」
俺もこの答えを聞くまでは一抹の不安があった。でも六花の答えを聞いて不安から確信に変わった。それでも六花やおたえ次第であることに変わりはないんだけどな。
「六花にはRASのギターとして入ってもらう」
「......えぇ!?宗輝先輩何言うとるんですか!?」
方言女子って良いよね。六花から偶に出てくる方言モードの素の状態は可愛い。
まぁ今はそれは置いておくとして。
「話が見えないから順に説明してくれる?」
「任せろ沙綾。んー、まずはおたえの方から済ませとくか」
「私?」
「おたえ、少しの間だけどRASでギター弾いてみて思ったことないか?」
そこからはおたえがRASでギターを弾いていて感じた事や思った事を話してくれた。始まりは幼馴染のレイとの再会。そこでお互いバンドをやっている事が分かり、それでも尚レイはおたえと共にライブがしたいと。その結果チュチュの厳正なテストを無事乗り越えてRASのサポートギターとして主催ライブに出ることが出来たおたえ。
ライブ会場で見ていた俺達ですら言葉を無くす程魅了されたのだ。実際にRASの中で何度も練習を行い、RASの演奏を聞き続けたおたえは間違いなく成長しているだろう。それは誰でもないおたえ自身が感じていると思うし、近くでサポートしてた俺もひしひしと感じる。
「RASでの経験は、確実に私を成長させてくれた。主催ライブの時は終わってからもずっと痺れてた。でもまだまだだと思う。私はまだまだ成長できると思う。それをレイやRASのみんなは気付かせてくれた」
そんな成長したおたえを見て、俺は凄く誇りに思う。今のおたえなら何処に出しても恥ずかしくない演奏が出来るだろう。何様なんだって話だけど、そう確信してる。
でも、だからこそ。そんなおたえだからこそ、ポピパには必要不可欠な一人なんだ。香澄からポピパは始まり、有咲やりみりん、沙綾におたえと今ではこの5人は5人で一つなのだと思う。一人欠ければそれはポピパでは無くなってしまう。まぁ他のバンドにも言える事ではあるが。
「おたえ、率直に聞く」
「うん」
「おたえはどうしたい?」
みんな固唾を飲んで見守っている。他のみんなも薄々は感じているのだろう。RASのサポートギターが決まった時にも軽く話はしてたからな。結局は全ておたえに次第になってしまったが心配無いだろう。
だって、おたえは
「私はやっぱりポピパしたい!」
おたえの気持ちを聞いて既に泣き崩れそうな香澄。なんか泣いてる顔がギャグ漫画のキャラみたいになってるから気を付けろよ。とは言ってもポピパ面子の涙腺を破壊するには充分なのだろう。俺だってちょっとウルッときてるし六花なんて"これでこそポピパさんや!"とか言いながら泣いてるし。
そこからみんなが今までどう思ってたのか、どうして欲しかったのかをちゃんと言葉にして伝え合った。いかんせんこういう涙腺崩壊イベントは男の俺にとっちゃ少々キツイ。なんでかって、俺って案外涙腺緩かったりするから。すぐもらい泣きとかしちゃうタイプだから。
「それで、おたえさんの事は分かったけど六花さんは?」
「状況整理ありがとう令香。俺はお前みたいな優秀な妹を持てて幸せだと改めて実感してるぞ」
「それはもう分かったから」
やっとここで六花の話に入れるってわけだ。待たせてすまんな六花。ポピパ面子や令香には最初から説明しなきゃいけないな。
「香澄とおたえ、最初にレイに聴いてって言われてR・I・O・T聴いたのは覚えてるか?」
「うん」
「それがどうしたの?」
「あの日の最後に六花にもギター弾いてもらったろ?それを聴いて俺は六花をRASに入れようと思ったんだ」
あの日、勿論レイ達RASの音楽を聴いておたえ風に言うと震えた。友希那が貰ってたUSBメモリに入ってた録音した物ではなく生の音楽を聴いたから尚更だ。
「それで......これが何だか分かるか?」
ここぞとばかりにポケットに忍ばせておいた物を取り出してみんなに見えるように机に置く。
「USBか?」
「正解だ有咲。なら何が入ってると思う」
「むっくんのパソコンにあった有咲と沙綾の」ムグッ
「さぁやまぶきベーカリーの人気パンチョココロネだぞおたえよく噛んで食べような〜」
だから何でそのことをおたえが知ってるんだよマジで。密かに有咲と沙綾の可愛い写真を撮ってはパソコンに保存してアルバムの様に仕上げているのがバレバレだ。今では既に2冊ほど完成してもう少しで3冊目に突入しようとしている大切な時期にネタバレは勘弁願いたい。あ、勿論りみりんやおたえの写真も沢山あるから心配するなよ。
「んんっ、正解は"六花のギターソロ"でした!」
「ロックのギターソロ?」
「その通り、昨日俺が六花にカッコいい感じのギターソロみたいな音源とっといてくれって頼んだんだよ」
「確かに言われてとりましたけど、それをどうするんですか?」
分からないかね諸君。六花をRASへ加入させる為には?という問題について気になる点はいくつか存在するが、俺個人的に重要だと思うのは一つだけ。
それはチュチュにどの様にして認めさせるか、或いは合格点をどうやって貰うかが鍵になってくると予想出来る。おたえのサポートギター試験の時でさえ物凄い量の練習を繰り返してやっと及第点といったところだったからな。
「実はこの音源の入ったUSB、今朝チュチュに送っといたんだ」
「私の音源を?」
「そんでもって、これを聴いたチュチュはどうすると思う?」
「んー、ロックちゃんをギターにスカウトする?」
正解だりみりん、ご褒美に偉い偉いしてあげるとしよう。俺も昨日この音源は聴いたけど中々インパクトのある内容だ。普段の六花からは考えられない様な痺れされるギターフレーズ。贔屓目無しで見ても素晴らしいと思えるものだった。
「そろそろチュチュのところに届く頃合いだしな」
「それがどうしたの?」
「まぁまぁ、取り敢えず聴いてみてからのお楽しみだ」
パスパレ事務所から借りている事務仕事用のノートパソコンにUSBを差し込んで音源を再生する。何度も聴いている俺はまだしも演奏者である六花は少し緊張の色が出てしまっているが心配ないだろう。
そして、1分程度の短い時間だったがみんなが音源を聴いて言葉を無くすくらいには充分過ぎる内容だということは理解してもらったらしい。
「......凄い、凄いよロック!」
「これは確かに凄いね」
「案外スゲー奴だったんだなロックは」
「そ、そんなことないですよ!!ただ夢中で弾いてただけで......」
プルルルルル
ジャストタイミングで俺の携帯に着信アリ。電話かけてきた相手は何となく想像つくんだけどな。
「もしもし」
『Unstoppable!!アナタこの音源何処で手に入れたのよ!?』
「それは残念ながら教えられないなぁ」
『ちょ、何でよ!良いから情報提供しなさいよ!』
「どうしよっかな〜?」
相手は言わずもがなRASのプロデューサーであるチュチュ。早速俺の送った六花のギター音源を聴いてくれたみたいで何よりだ。こういう仕事が早いところは素直に尊敬するよ。
「交換条件をのんでくれるなら教えても良いぞ」
『......交換条件って何よ』
「おたえのサポートギターは今日をもって終了。その代わりにRASに加入してくれる最強のギタリストを紹介してやる。これでどうだ?」
『最強のギタリスト?どうせアナタが見つけてきたんだからあのランダムスター弾いてる子みたいな変な子だったりするんじゃないの?』
チュチュからしても香澄って変な子扱い受けてるんだな。まぁ確かに変な子は変な子で合ってるんだけどさ。一概に香澄を"変な子"だけで片付けて欲しくはないな。今じゃギターボーカルも板についてきた我らがポピパのリーダーだからな。
「あら?そんな事言うのかしら?だったら最強でマジ卍なギタリストだから他のバンドにでも紹介しよっかな〜」
『Please wait!!分かったわ、ハナゾノのサポートギターは今日で終わり。その代わり絶対にそのギタリストは紹介して貰うわよ』
「なら取引成立だな」
『因みに聞くけど音源の子だったりするのかしら』
「それはまだ言えない秘密だな〜」
『チッ......まぁ良いわ』
この子今舌打ちしませんでした?
『約束、覚えておいて頂戴』
「おう」
こうしてチュチュとの取引は無事成立。おたえはRASでのサポートギターの役目を終えてポピパへと帰還。代わりに六花をRASのギタリストへ推薦するって流れだな。自分でも上手くいって一安心してる。
「電話の相手はチュチュ?」
「勿論、おたえのサポートギターは今日で終わり。これで晴れてポピパに戻ってこれた訳だ」
「おたえおかえり!」
「ただいまみんな」
「はぁ......一時期はどうなるかと思ったよ」
「沙綾ちゃん大丈夫?」
やはり一番心配してた沙綾も、返事を聞いて安心したのか崩れる様にしてソファへ座り込む。そんな沙綾を見て"チョココロネ食べる?"と若干過保護になるりみりんにおたえに抱きつく香澄。そして何やら安堵の表情を浮かべている有咲。
やっぱりポピパはこの5人じゃなきゃな。
「やっぱりポピパは─」
「やっぱりポピパさんはこの5人でこそポピパさんや!!」
「急にどうしたのロック?」
「い、いえ!やっぱりポピパさんはポピパさんだなぁって思って......」
「ロックもポピパ入る?」
「そんな!?魅力的な提案ですけどやっぱりポピパさんはポピパさんで5人でこそポピパさんなので私なんかが入るとそれはもうポピパさんでは無くなってしまいます!あ、でも一緒に演奏とか出来たら凄い楽し─」
言いたかった事を六花に先に言われたし、その六花は六花でショートしつつあるし。
「まぁ一件落着ってところかな」
またこれから忙しくなりそうな予感。
~To Be Continued~
宗輝「おまけのコーナーでげす」
宗輝「今回のゲストは初登場のチュチュ&パレオだ」
Chu²「......何これ?」
パレオ「おまけのコーナーですよチュチュ様!」
Chu²「だから何すれば良いのよ」
パレオ「何すれば良いんですか?」
宗輝「何すれば良いんだろうな」
Chu²「貴方ね......もう良いわ、帰るわよパレオ」
パレオ「待って下さいよチュチュ様〜!」
宗輝「あ〜、ここにパスパレのイベントチケットが〜」
パレオ「ッ!!」ガタッ
宗輝「しかも日菜のサイン付き限定パーカーも」
Chu²「パ、パレオ?流石に私を選んでくれるわよね?」
パレオ「宗輝さん何すれば宜しいでしょうか?」
宗輝「チュチュ連れてきてくれたらパレオにあげよう」
パレオ「お任せを!」
Chu²「ちょ、パレオ!?貴女何やって......こら私を担ぐんじゃないわよ!!」
パレオ「チュチュ様すみません!日菜ちゃん限定パーカーには勝てませんでした〜!」
-End-
1周年記念で何か特別編でも作れたら良いですな( ^ω^ )