トリプルP!~Produce"Poppin'Party"~   作:Lycka

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香澄「むーくんむーくん!」
宗輝「何だよいきなり」
香澄「ベッドの上のプレゼントありがと!」
宗輝「へ?......な、何の事だか」
香澄「ケーキも美味しかったよ!」
宗輝「そ、そんなの僕は知らないよ」
香澄「あとお家にくす玉が」
宗輝「あー!もう恥ずかしいからやめれー!」

一番の推しとも言える香澄の誕生日なので茶番がてら。

1周年記念特別編第2話、ご覧下さい。




Special Produce 2#変わらぬ想いを胸に抱いて

 

 

 

 

 

 

チュンチュン

 

 

 

 

 

「んぁ......もう朝か」

 

 

 

 

 

今日も昨日と同じく鳥の囀りで目が覚める。この意味不明な異世界に来てから1日が経った。昨日はリサと別れてからは宿屋を探して、取り敢えず寝泊まり出来る場所を確保することに成功。

 

 

 

 

「朝飯でも食べるか......」

 

 

 

 

俺が余程信用出来なかったのかは不明だが、リサから別れ際に口止め料として少々お金を貰ったので今のところお財布事情は心配無い。別に言いふらすつもりは無かったんだけどな。その辺りの警戒力は流石秘密の情報屋といったところだろうか。

 

 

 

「にしてもあちぃな」

 

 

 

この世界に四季があるのかどうか分からないが、とにかく朝日がガンガン照り付けてきて暑い。この辺の気候云々なんて沙綾からもリサからも聞かなかったからな。

 

 

 

 

兎にも角にも、俺は朝ご飯を食べないと生きていけないタイプの人間なので適当に食べられるところを探していく。というかウチの家族は全員三食きっちりとるタイプだ。令香なんて機嫌悪くなる時もあるから要注意。

 

 

 

 

「まぁ結局はここだよな」

 

 

 

 

フラフラと歩いている内に秘密のパン工房へと到着。やはり俺の身体と心が沙綾の作るパンを求めているのだろう。りみりん程ではないが、俺もやまぶきベーカリーヘビーユーザーだったからな。

 

 

カランコロン

 

 

「お邪魔しまーす」

 

 

 

 

.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"返事がない ただのしかばねのようだ"

 

 

 

 

 

 

 

なんていうテロップが流れるかと思うほど静まりかえっている店内。場所は間違えようが無いし看板だってちゃんと立ってたし。沙綾まだ起きてないとか?

 

 

 

「......あれ?君は昨日のお客さん」

 

「お、沙綾出てこないからてっきり寝てるのかと思ったぞ」

 

「ウチまだ開店してないはずなんだけどなぁ」

 

「......え?」

 

 

 

俺は不法侵入の罪で捕まってしまうのだろうか。いやだって普通に鍵空いてたし看板も"OPEN"の文字になってたからね?ちゃんと確認して入ったからセーフだよね?

 

 

 

「でも看板も立ってたし鍵も空いてたぞ?」

 

「本当に?ごめん、だったら私のミスだ」

 

「いやいや、俺も気にせず入ってきたから」

 

 

 

なんだか沙綾を責めるような言い方になってしまった。そのお陰で沙綾も少し責任を感じてしまったのか、先程からあたふたしてごめんねと謝罪を繰り返す始末。俺だって家出る時に鍵忘れる事沢山あったし、人間誰しも間違いやミスはあるもんだ。

 

 

 

「じゃあ今回はお互い様って事で。また出直してくるよ」

 

「ちょっと待って!」

 

「ん?」

 

 

 

ガシッと腕を掴まれて強引に引き留められてしまった。それを知らず知らずのうちにやってしまった事に気付いたのか、沙綾はまたもや謝罪しながら頭を下げる。

 

 

 

「その様子だと朝ご飯食べに来たんじゃない?」

 

「いや、まぁそうなんだけど」

 

「さっき焼き上がったばかりなんだ。良かったら食べる?」

 

「良いのか?まだお店も開けてないんだろ?」

 

 

 

沙綾には見抜かれていたらしく、せっかくなので頂くことにする。まぁお店に入ってきてからというもの、お腹空いてたし焼きたての良い匂いがして腹の虫が煩かったので丁度いい。

 

 

 

「はい、これしかないけど」

 

「サンドウィッチ?」

 

「そうそう、サンドウィッチは苦手だった?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

 

 

若干ドヤ顔だったんだけどスルーされてる。まぁネタが通じなくて動じる宗輝君じゃありません。取り敢えずサンドウィッチを食べるとしますかね。

 

 

 

「ん?」モグモグ

 

「美味しい?」

 

「すげぇ美味しい。けどあんまり食べた事無い感じだったから」

 

「あー、確かに君は食べた事無いかもね」

 

「何か特別な食材でも使ってんのか?」

 

「そうでもないよ、だって()()()()()の卵だし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落ち着け宗輝、この程度で動じる宗輝君じゃありませ......いやいや、さっき沙綾なんて言った?俺の耳が正常に働いているとするならば、モンスターの卵を使ってるって言ったよな?だとすれば、何のモンスターなのかが一番重要なところだ。一応聞いておこう。

 

 

 

 

「......あのー、因みにどんなモンスターでございますか?」

 

「モンスターって言っても凶暴なやつじゃなくて、ちょっと取るのが難しいでっかい鳥の卵だよ」

 

「それ沙綾が取ってきて調理してるのか?」

 

「それが出来たら良かったんだけどね」

 

 

 

 

沙綾の説明によると、その鳥の卵とやらは沙綾自身が調達しているのではなく、街の冒険者に依頼を出して取りに行ってもらっているとのこと。まぁパン屋の娘である沙綾が怪我しちゃ元も子もないからな。

 

 

 

 

しかしながらこのサンドウィッチ、中々に美味なものである。やはり使っている鳥の卵が良いのだろうか。ベーコンらしき物にサラダっぽいもの、そして鳥の卵が見事にマッチしていて食べ進める程に食欲を刺激される。もしかするとベーコンやサラダも何か特別な食材を使っているのだろうか。

 

 

 

 

 

「そういえば今日納品だったはずだよ」

 

「って事は冒険者が鳥の卵持ってくる日か」

 

「いつも時間バラバラだから......って言ってる間に来たみたいだよ」

 

「マジか」

 

 

 

 

ガチャっとドアを開ける音がしたので、迎える為に暖簾を潜りお店の方へ向かう。

 

 

 

 

 

「おじゃましま〜す」

 

「いらっしゃい、いつもありがとね」

 

「いえいえ〜」

 

 

 

 

モカだ。ありゃ青葉モカに違いない。絶対にりみりんかモカは絡んでくると思ったが、案の定パン大好きモカちゃんだった。という事は冒険者であるモカに鳥の卵を取ってきてもらうように依頼してたってことか。

 

 

 

 

 

いや待てよ?モカがいるってことはアイツらも当然いるってことだ。幸か不幸か、悉く知り合いに出会うのは気のせいだろうか。きっとこの世界での俺の運命なのだろう。運命論者じゃないのに運命なんて言いたくないよ。

 

 

 

 

「あり?もしかしてお客さん?」

 

「残念、常連さんだ」

 

「昨日初めて来たばっかでしょ」

 

「......むむ」

 

 

 

 

無言で近付いてくるモカ。まさか俺と同じで記憶があるのだろうか。でもその可能性があれば顔を見れば分かるはず。もしかしてさっきのサンドウィッチに入ってたソースがついてるとか?

 

 

 

 

「むむむっ」ズイッ

 

「ちょまま、ちょままま」

 

「何処かで会ったことあります〜?」

 

「いや、今日が初めてだと思うぞ」

 

 

 

 

俺は違うけどな。

 

 

 

 

 

「モカちゃん待ってよ......はぁはぁ」

 

「つぐも来たんだね」

 

「つぐが遅いのだよ〜」

 

「モカちゃんがさっさと置いていくからでしょ!」

 

 

 

 

 

つぐみも来た。いや分かってたことだけどさ。というかさっきまで走ってたからなのか、それとも冒険者なりの服装のお陰か今のつぐみは中々眼福ものである。現実ではあまり見たことのない露出多めの服装。心の中でお礼を言っておかねばなるまい。

 

 

 

 

「その人は沙綾ちゃんの知り合い?」

 

「ううん、お客さんだよ」

 

「今日は早めに開店するんだね」

 

「俺が勘違いして早めに来たから気を利かせてくれただけだ」

 

「このモカちゃんを差し置いて抜け駆けは良くないですぞ?」

 

「悪かったって」

 

 

 

 

なんだかこうしてると現実に戻った気分だ。やまぶきベーカリーで働いてる俺と沙綾、そしてパンを買いに来たモカとついでに連れてこられたつぐみ、という風に捉えられる。やはり何かあると見て考えるべきか。

 

 

 

 

「あ、そういえばさっきギルドに行くって話してなかった?」

 

「ん?確かに今日はギルドで色々とやる事あるけど」

 

「だったらモカ達に聞けば良いと思うよ」

 

「もしかして冒険者志望の方ですか?」

 

「志望というか昨日冒険者登録済ませたばっかだぞ。それと敬語は無しでフレンドリーにいこうぜ」

 

 

 

 

それから沙綾が事情を伝えてくれてスムーズに案内をお願いしてくれた。それをモカやつぐみが断るはずもなくあっさり承諾。俺の話す間もなく一連の流れで決定した。俺の事なのに俺の予定とか聞かずに進む辺り流石だと思うよ君達。

 

 

 

 

「もうギルド空いてる時間でしょ?早く行ってきなよ」

 

「そうだね、みんなも待たせてるし」

 

「むっくん行くよ〜」

 

「むっくんて俺の事?」

 

 

 

俺まだモカ達に名前教えてないはずなんだけど。

 

 

 

 

「むむっ、ときたからむっくんだよ〜」

 

「なんだそれ......俺の名前は宗輝だよ」

 

「ごめんね宗輝君」

 

「つぐが謝るところじゃないだろ......まぁむっくんで間違ってないんだけどな」

 

 

 

 

そして、沙綾と別れて俺達三人はギルドへと向かった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ガチャリ

 

 

 

 

「たのも〜」

 

「もー!モカちゃん待ってよ〜」

 

「まだ昼にもなってないのに人多いなぁ」

 

 

 

 

モカの後に俺とつぐみが続いてギルドへ入っていく。結局沙綾のパン屋でいくつかパンを購入したモカ。途中で一つつまみ食いしてたのをつぐに怒られてからはやめてたけどな。

 

 

 

 

「えーっと、巴ちゃん達はあそこにいるね」

 

「巴?」

 

「あとひーちゃんと蘭もね〜」

 

 

 

 

やはり5人一緒だったのか。当然と言えば当然だしいつも通りだからもう驚かないけどさ。果たして残りの三人はどうなっているのやら。

 

 

 

「帰ったよ〜」

 

「おかえりモカ、それにつぐみも」

 

「ただいまみんな」

 

 

 

これ俺が入っても良いんだろうか。急に入れば"え、誰?"とか言われそうで怖い。ソースは俺。小学生の時にクラスメイトに話しかけたらその反応されました。同じクラスだったのにな。少し落ち込んでたのを思い出す。

 

 

 

「あと新メンバーも連れてきたよ〜」

 

「モカちゃん違うでしょ。この人ギルドに用事があるみたいだから一緒に来たんだよ」

 

「見た感じ歳も近いから敬語は無しで。名前は宗輝、よろしくな」

 

「......誰?」

 

 

 

 

ほれ見たことか。やっぱりこういう反応されたじゃんか。しかも蘭は知らないかもしれないが、俺にとっちゃ蘭に言われたという事実は変わらない訳である。よって俺のメンタルはブレイク寸前だ。誰か俺に回復魔法使ってくれ。

 

 

 

「蘭!?今さっき自己紹介してくれたばっかじゃんか!」

 

「いやそうじゃなくてさ、何者なのって聞いたの」

 

「沙綾んとこ......って言って伝わるか分からんが、そこでばったり出会ってから紆余曲折あって今に至るって感じだ」

 

「だからモカ達帰るの遅かったんだな」

 

 

 

それからは主につぐみがつぐって説明してくれたお陰で蘭の俺に対する疑問や不安は晴れた様子。用心深いのは結構な事なんだが、いかんせんああいった冷たい態度を取られると中々にやられるものだ。蘭にも悪気はないのは重々承知しているんだけどな。

 

 

 

「まぁ用事って言っても俺みたいな初心者でもこなせる依頼があるか探しにきただけだ」

 

「そういえば宗輝君は昨日冒険者登録したばかりだっけ」

 

「お金稼がないと最悪ホームレスになっちゃうからな」

 

 

 

今のところは紗夜さんやらリサから貰ったお金で何とかなってはいるものの、やはり稼ぎがないとこれから先やっていくのは難しいだろう。いつまでこの状況が続くのか分からない今、最優先事項にすべきは生き抜く事だ。

 

 

 

 

「......ホームレス?なにそれ?」

 

「ひまりの足りない頭じゃ理解出来なかったか」

 

「むぅ!?初めて聞いた言葉だから分かんなくて当然だもん!」

 

「だから依頼探すの手伝ってもらおうと思ってな」

 

「もー!無視しないでよー!」

 

 

 

 

グイグイきてるひまりはさておき、俺みたいな初心者でもこなせる様な依頼が果たして存在するのだろうか。兎にも角にも、ギルドの人やら蘭達に聞くのが先決だろう。

 

 

 

 

「すみませーん」

 

「はいはーい」

 

「初心者でもこなせる依頼があったら教えて欲しいんですけどってまりなさん!?」

 

「ん?私はこのギルドの受付嬢のマリーナだよ?」

 

 

 

まさかバンドメンバーだけでなくまりなさんにまで出会すとは思わなんだ。まりなさんだけマリーナとかいう珍妙な名前に変わってるし。そもそも受付嬢なんていう歳じゃ......ちょ、何でいきなり目つき鋭くなってんすか!?

 

 

 

「初心者用の依頼ありますか?」

 

「んー......残念だけど今はなさそうだね」

 

「だったらどうやってお金を稼ぐか......」

 

 

 

色々とマリーナさんことまりなさんが書類に手当たり次第目を通していく。多分だが依頼の紙をくまなく探しているのだろう。というか最初から山積みで置いてあったその紙の山が依頼だったのか。

 

 

 

 

「あっ!!」

 

「お?もしかして依頼があったんですか?」

 

「いや、初心者用じゃないやつだけど?」

 

「さっきの反応紛らわしいんだよマジで......」

 

 

 

この人はこっちでもこういう性格なのな。

 

 

 

 

「残念ながら初心者一人じゃ無理だけど、パーティー組めば大丈夫だよ」

 

「パーティー?」

 

「依頼書には予めランクが設定されててね。初心者は普通Dランクの依頼書だけしか受けられないんだけど、パーティーを組めば一つ上のCランクまで受注が可能になるの」

 

 

 

 

なにそれ全然聞いてない。そういう事は最初に全部説明して欲しかったんだけどな。まぁ昨日は時間も無かったし宿屋探しで急いでたから仕方ないっちゃ仕方ないけどさ。

 

 

 

「どうかしたの?」

 

「あぁ、つぐみか。やっぱ初心者用の依頼ないってさ」

 

「パーティー組めばCランクの依頼受けられるんだけどね」

 

「残念ながら俺にはそんな人脈無いしな」

 

 

 

紗夜さんとか日菜がいたらパーティー組んでくれてただろうか。明らかに足手まといな俺をわざわざパーティーに入れるかと言われると微妙なところだ。見た感じあの二人はDランクでは無さそうだったしな。

 

 

 

 

「......うん、ちょっと待ってて宗輝君!」

 

「お、おいつぐみ何処行くんだよ!」

 

「行っちゃったね」

 

「本当に無いんですか?ちゃんと探しましたかマリーナさん?」

 

「ちゃんと探したよ!」

 

「チッ!」

 

「あー!何で今舌打ちしたのよ!?」

 

 

 

 

ともなればどうするべきか......。このままではお金の面に苦労する羽目になってしまう。もう紗夜さん達は頼れないしリサからも警戒されてるしで八方塞がりだ。ここでゲームオーバーなのだろうか。もう少しファンタジーな世界を味わいたかった気分だ。

 

 

 

「マリーナさん、この依頼お願いします」

 

「はいはーい、人数はいつも通り5人で大丈夫かな?」

 

「6人でお願いします」

 

「ん?パーティーメンバー増えたの?」

 

「はい」

 

 

 

淡々と依頼をお願いする蘭を見て邪魔になるといけないと思い、そそくさと帰る準備を整える。盗み聞きしてた訳じゃないが蘭達のパーティーに一人新入りが来るらしい。俺は宿屋に戻ってもう一眠りするか。急いで考えても良い案が思いつきそうにないし。

 

 

 

「じゃあ依頼頑張れよー」

 

「何処行くんだよ宗輝」ガシッ

 

「離してくれ巴、俺は今から宿屋で爆睡する予定なんだ」

 

「何言ってるのむっくん」

 

 

 

巴に掴まれた腕を張り解こうと思ったがびくともしない。巴さん力強すぎません?

 

 

 

 

「巴に捕まえられたら逃げられないからね!」

 

「笑顔で怖い事言うなよひまり」

 

「ほら、さっさと行くよ」

 

「ちょ!何処に連れて行こうとしてるんだよ!」

 

「アンタ丸腰じゃ戦えないじゃん。だから最低限の装備買いに行くよ」

 

 

 

戦う?最低限の装備?はて、蘭は何を言っているのか。せめてもの別れに装備だけでも買ってくれるとでも言うのだろうか。流石に惨めすぎるからやめて頂きたい。

 

 

 

「あのー、蘭さん?話の全容が見えないんですけども」

 

「だからアンタが私達の6人目のパーティーメンバー」

 

「ほぇ?」

 

「馬鹿みたいな顔してないで行くよ」

 

「ちょっと待てって蘭!」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「宗輝そっち行ったよ!」

 

「お、おう!」

 

 

 

 

現在俺と蘭達5人は場所は変わってとある平原にいる。

 

 

 

 

「おりゃぁ!巴頼んだ!」ガキィン

 

「任せとけ!ソイヤァ!」バキィ

 

 

 

 

何故巴がソイヤソイヤしているのか。

 

 

 

 

「ら〜ん〜。そっちは終わった〜?」

 

「問題無いよ」

 

「私の出番無かったね」アハハ

 

 

 

 

 

理由は簡単だ。

 

 

 

 

 

「やっと宗輝も戦える様になってきたね」

 

「盾で守ってるだけなんだけどな」

 

 

 

 

 

街の装備品を取り扱う店で一通り装備を揃えてからというもの、蘭達のパーティーに混ざって戦闘の指南を受けていたからである。如何にも冒険者っぽい服装に攻撃を防ぐ盾。そして気持ち程度の攻撃手段である刃渡り数十cmの小型ナイフ。これが俺の今の装備である。NFOと比べるつもりはないが少し貧相だ。

 

 

 

 

「それにしても巴マジで強いな」

 

「そ、そうか?照れるからやめろよな!」

 

「ちょ!背中叩くな痛いから!」

 

 

 

 

巴はガチガチの武闘家でソイヤソイヤ係。モカが盗賊で素早い動きで相手を撹乱する係で、ひまりは剣士らしくアーマープレートを身につけて剣を振り回す前衛。蘭は魔法使いで後衛からの援護。そして、我らが大天使ツグミエルは勿論僧侶で回復役だ。

 

 

 

 

これが蘭達のパーティー構成である。俺はというと、盾で敵の注目を集めて攻撃を防ぐ所謂タンク役らしい。最初は鉄の塊の様な剣や盾を扱えるか不安だったのだが、これも異世界補正なのか難なく取り扱えるので戸惑いを隠せない。

 

 

 

 

閑話休題(因みにひまりの攻撃は一切当たらない)

 

 

 

 

 

 

「この前よりモンスターも増えてるね」

 

「まぁ確かに」

 

「前はこんなに多くなかったのか?」

 

「道中でこんなにも出会すのは滅多にないね」

 

 

 

 

リサから聞いた話と何か関係があるのだろうか。気になるのは西の都のダブ、そして魔法皇国ギャラクシーの二つ。人身売買やら何やら怪しいワードがゴロゴロと出てきたしな。

 

 

 

「というか依頼って何するの?」

 

「......アンタ置いてくよ?」

 

「それだけは勘弁して下さい」

 

「蘭ちゃん!?宗輝君は装備品買うので忙しかったみたいだしね?」

 

 

 

 

沙綾と同じくつぐみも相変わらず優しい。やはりこの優しさこそ大天使たる所以でありつぐみの良いところだろう。怪我したら思いっきりつぐみに甘えよう。

 

 

 

 

「今回の依頼は遺跡調査だよ」

 

「遺跡調査?」

 

「アタシ達も何回かやったことあるし大丈夫だよ」

 

「ともちん余裕だね〜?」

 

「まぁな」

 

 

 

 

今はこの5人が凄く頼もしく見える。戦闘での活躍っぷりで言えば巴に軍配が上がるだろう。それもモカや蘭の支援無くして有り得ない話ではあるが。そして何よりつぐみの補助があってこそのものでもある。

 

 

 

 

あれ?これひまりいらなくね?ついでに俺もいらないまであるけど。

 

 

 

 

 

「ひまりは攻撃当てる練習でもしないとな」

 

「なっ!?宗輝に言われたくはないもん!」ズイッ

 

「お、おぉ......」ゴクリ

 

 

 

 

ぷんすか怒って可愛く迫ってくるひまりだが、二つの凶暴な武器がたゆんたゆん揺れて俺を攻撃してくる。流石にこれは盾でも防ぎようがない。よってこの攻撃にやられるのは当然の事であり必然なのだ。

 

 

 

 

それでは、大きな巨峰を頂くとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

「ふんっ!!」

 

「んがぁ!いってぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

"さいとうむねき に 999のダメージ"

 

 

 

 

 

とかふざけてる場合じゃねぇ。思いクソ後ろから殴られたかと思って振り返れば犯人はつぐみ。マジで頭割れるかと思ったぜ。

 

 

 

 

「ちょ、つぐみさん?何故にいきなり?」イテテ

 

「不浄な気配を感じたので」ムス

 

「それにしても思い切りが良いんですね......」

 

 

 

 

つぐみはどうやら僧侶としての回復や補助呪文が使えるだけでなく、魔法(物理)も得意としているらしい。差し詰めつぐみの持っている独特な形の杖は、魔法(物理)を放つ鈍器といったところだろうか。

 

 

 

 

「つぐを怒らせるとはやりますな〜」

 

「つぐみには何もしてないはずなんだけどな」

 

「あはは!やっぱ冒険は面白いな!」

 

「巴も笑ってないで助けてくれよ」

 

 

 

 

 

先程と変わらず機嫌が悪そうなつぐみ。俺がひまりの大きな巨峰を狙っていたのがバレたのだろうか。あれはひまりが悪い。あんなものを目の前にして狙うなという方が無理な話だ。そう、それが絶対に避けられぬ男の性なのだから。

 

 

 

 

「つぐみに変な事したら許さないからね!」

 

「分かったから!お前はさっきから距離感バグってんだよ!」

 

「ひーちゃんは世話焼きですからな〜」

 

「大体空回りしてるけどね」

 

「ちょっと蘭!?蘭にはそう見えてるの!?」グイッ

 

 

 

俺からやっと離れたと思えば次のターゲットは蘭。めんどくさそうに対応する蘭だが、やはり何処か楽しげな雰囲気もある。コイツらはコイツらでこの世界でも5人いつも一緒にいつも通りを過ごしてきたのだろう。

 

 

 

「心配しなくともみんなそう思ってるぞ」

 

「なっ!?宗輝がどうして分かるのよ!」

 

「ふっ......さぁ遺跡へ向かおうか!」

 

「ちょ、ここにきて無視!?」

 

 

「なんでアンタが先頭立って歩いてんの」

「モンスターが突然襲ってきた時に蘭を守るんだよ」

「昨日冒険者になったばかりなのに調子乗らないで」フッ

 

 

 

 

「もー!みんな待ってよ〜!」

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えず、この遺跡調査での目標は無事に街まで帰ることだな。俺の事知らなくても、やっぱ傷付くところとか見たくないしな。俺のレベルじゃ守れるか分からんが、やってみるだけやってみるとしますかね。

 

 

 

 

 

「よーし!みんなで力合わせて頑張ろうね!えいえいおー!」

 

 

 

「巴ちゃん怪我とか無い?」

「大丈夫大丈夫、つぐは心配性だな」

「モカちゃんのお陰でパパッと終わったからね〜」

 

 

 

 

 

 

 

~To Be Continued~

 

 

 

 





Happy Birthday 香澄♪

⚠️当小説主は香澄推しです。前書きの茶番は愛故のものです。お許し下さい。(同志の方が居てくれたら嬉しいデス)
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