では、どうぞ!
ここは、毎年IS学園の合宿所としている旅館「花月荘」の一室。
そこに、二人の人物が向かい合って座っていた。その人物は、無論言うまでもないが、龍一と織斑千冬だ。そして、龍一の両腕には手錠がかけられている。龍一は正体をばらした後、当然というべきだろうか拘束されたのだ。ドライバーも没収されたが、龍一達はいたって平然としていた。そんな様子を見て、
「随分と冷静だな。」
「ええ。あなた方がやりそうな事が手に取るように分かりますし、それにどんな結末になるかもだいたい予測ができるので。」
「例えばどんな事だ?」
「例えば・・・・
「何だと?」
「理由は直ぐに分かりますよ。ほら。」
龍一が示唆をすると、部屋のドアをノックされ緑色の髪に眼鏡をかけた山田真耶教師が織斑千冬に声を掛けた。
「織斑先生。少しお時間よろしいですか?」
千冬は席を外す前、龍一を一瞥した。龍一は
「僕は逃げる理由もないので、どうぞ。人を待たせるのはいけませんよ。」
龍一は微笑を浮かべてそう千冬に促した。
千冬は真耶と共に部屋から出て行った。
そして、千冬は旅館の福音の司令室でもあった部屋に入った。そこには、この場所にいる教師全員と篠ノ之束博士がいた。篠ノ之束は両腕に着けられているキーボードをうてるブレスレットを起動して、エボルドライバーの解析をしていた。
「束。すまない、待たせた。」
「あ、ちーちゃん。来た?」
篠ノ之束博士は千冬が来たことを確認すると、
「ちーちゃん。よく聞いて。かなり信じられないことかもしれないけど、・・・・このエボルドライバーっていうこの物体、この地球上には存在しない未知のオーバーテクノロジーで出来てる。今の私でもそこまでしか解析できない。それにこんな技術は私でも到底作れない。ちーちゃんが言ってたデチューンや量産なんて絶対にほぼ不可能だよ。」
「何だと?!!」
「束博士でも作れない!?」
「「「「そんな・・・。」」」」
その場にいた者全員が驚愕に包まれていた。それも無理はない。この地球上で世界権威のレベルである天災の篠ノ之束博士が匙を投げるほど、このエボルドライバーが未知のものなのだという事が嫌という程理解できたからである。
「この束さんでも解析できないものだなんて・・・。」
と束博士も悔しさを表情に出していた。
そんな中、山田真耶が
「それにしても、あの赤城龍一っていうあの青年、どうやってこれを手に入れたんでしょうか?」
「確かに気になるね。この束さんでも知らないし作れない
「私もだ。」
他の教師全員も頷いた。
千冬は龍一のいる部屋にドライバーを持って戻って来た。
「赤城龍一だったか。おまえが持っていたドライバーだ。」
「どうも。それで.・・・・何か分かりましたか?」
「殆どの事が分からずじまいだった。あの束でも解析できなかったからな。」
「まあ、当然でしょうかね。分かりきってましたけど。」
「そこでだ。おまえに聞きたい事があるのだが・・・」
「
「!!?」
「またまた図星ですか?残念ながら、それについては教えられませんが、俺の目的についてはお話しできます。」
「おまえの目的だと?では、それについて聞かせてもらおうか?」
「まあ、俺の目標の第一段階は、IS委員会と亡国企業その他諸々のテロ組織の殲滅でしょうかね。」
「IS委員会と亡国企業その他諸々のテロ組織の殲滅だと!」
「俺の目的である計画を邪魔する可能性がある要素は徹底的に潰しておくに限りますからね。」
「そして第二段階は、軍事用ISの3分の2を破壊する事でしょうかね?」
「全てのISを破壊するのではないのか?」
「俺がただISを破壊する事が目的だと思いますか?全てのISを破壊すればこの国のパワーバランスが崩壊するのが目に見えるでしょう?だから、3分の1を破壊せずに残して、再分配させる事が目的ですよ。」
「じゃあ、おまえがIS委員会と亡国企業その他諸々のテロ組織を殲滅して、軍事用ISの3分の2を破壊してまで実行しようとしている計画は何なんだ?」
「【ISORP】。それが俺の計画の通称です。正式名称『Infinite Stratos Origin Regression Progect』、『IS原点回帰計画』とでも言うべきでしょうかね。」
「『IS原点回帰計画』だと?何だそれは?」
「名称で何と無く分かるでしょう?ISを元あるべきだった場所に戻す。そう、宇宙にね。」
「それがお前の計画の最終目的なのか?」
「ええ。俺は最初ISに憧れを抱いていたんですよ。ISが人類と宇宙をつなげる架け橋になると何より信じていましたから。ですが、ISはある事件を機に軍事兵器にへと姿を変えていきました。そして、俺はその事件で全てを失った。
「!!??」
千冬は顔をハッとさせた。その理由は明白だったからである。何故なら、
「ほう。そんな顔をしたと言うことは、やはり俺の憶測が正しかったって言うことになりますね。貴方ですね?白騎士事件の時に白騎士に乗っていたのは?」
「・・・・・そうだ。私が白騎士だ。」
「やはり、貴方が白騎士でしたか。まあ、今となってはどうでもいい話ですがね。」
「何だと?」
「当たり前な事でしょう?今更貴方を殺しても復讐しても失ったものは戻ってこない。そんな事に気づかなきゃこの先を生きていけませんからね。」
「・・・・。」
千冬は龍一の言うことを黙って聞いていた。
「そうそう。この後の話は外でしましょうか?中では窮屈ですし。」
そう言って二人は旅館の外に出て、海岸に出た。
「そして、俺は
そう言うと、篠ノ之束博士が物陰から出てきた。
「なるほどね。それが君の目的だったってわけかい?」
「貴方が数十年前に成せなかった事を俺が成し遂げる。そして、貴方達が今までして来た事に気付かせる。それでも貴方達への復讐にしては十分だと思いましてね。」
龍一は改めて束博士に向き直り、
「必ず成し遂げて見せます。・・・・・必ずね。」
「ふーん。じゃあ期待させてもらおうかな。」
龍一は笑みを浮かべると、
「では行きましょうか?織斑千冬先生?」
龍一は千冬と共に旅館に戻っていった。そこに残った束は
「赤城龍一か?・・・・面白いやつだね。」
と笑みを浮かべた。
場面は変わって、再び旅館の一室。其処に龍一はグレートクローズドラゴンと共に居た。すると、織斑千冬が部屋に入ってきた。
「赤城龍一だったか。話があるとは何だ?」
「いや。
「何?
「織斑千冬。俺みたいな存在を貴方達が野放しにしておくわけないでしょう?それに、俺もIS学園には用があったので。」
「それで、条件とは?」
「こんな感じですかね?」
龍一は一枚の紙を手渡した。
その紙には、
1.エボルブラッドはIS委員会には一切通達しないこと
2.もし説明を受けた場合、エボルブラッドはIS学園に対してはISと虚偽の説明すること、またIS学園関係者でもエボルブラッドの接触や説明要求には一切応じない
3.入学に対して、自分の所属するクラスは4組とする
4.クラス代表など庶務については一切受け付けない
と書かれていた。
「これがお前の提示する条件か?」
「ああ。IS学園の代表さんによろしく伝えてほしい。俺もあまり手荒なことをそっちでしたくなくてね。」
「分かった。通達しておく。」
千冬は再びIS学園に電話をしに出て行った。数十分後、戻ってきて、
「赤城龍一。貴様のIS学園入学が認められた。明日臨海学校が終了し学園に戻る予定だ。その時一緒に同行してほしい。いいか?」
「分かりました。」
龍一はその日はその一室で就寝した。
そして翌日、龍一は荷物をバイク「ドラグストライカー」に載せてIS学園生徒がバスに乗り込むのを眺めていた。すると、千冬と見知らぬ外国人がこちらに歩いてきた。
「どうした?織斑千冬?その女性は?」
「ああ。こちらはナターシャ・ファイルスという人物だ。あの銀の福音のパイロットだ。」
「どうも。」
「貴方が赤城龍一ね?」
「いかにも、その通りです。」
「あの子を助けてくれてありがとう。」
「いいえ。俺ができることをやっただけです。」
「そう。・・・これは私のささやかなお礼よ。」
「?」
すると、ナターシャは龍一の頬にキスをして、
「また会いましょう。赤城龍一君。」
そういって、去っていった。
(龍一。良かったじゃないか。いいお礼だったと思うぞ。)
(だけど、女性って本当にわからないものだな。)
そう話すブラッドと龍一であった。
そして、IS学園のバスに追従する形で龍一はバイクを走らせた。
次回は、IS学園での自己紹介とあの少女との接触です!
4組といえば、もう皆さんお分かりのはずです!!
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