最新話です!
では、どうぞ!
龍一は授業が終わり放課後になった後、IS学園内をくまなく散策していた。龍一もブラッドもこのIS学園の構造などを知っておくことは悪いことではなく、何かの役に立つと考えたからである。そして、粗方殆どの施設・設備を拝見し終えた龍一は最後にまだ見ていない整備室の方へ足を運んだ。そして整備室の近くまで来ると、グレートクローズドラゴンが突然飛び出し整備室のドアをコンコンと叩いた。グレートクローズドラゴンの行動に首を傾げてドアの前に移動し自動ドアを開けると、整備室の内部は広々としていた。その端のハンガーに一直線に飛んでいき、またもドアをコンコンとノックした。どうやらこのハンガーにグレートクローズドラゴンは反応したようだ。インターフォンのような装置があり、中の人を呼んだ。
「すいません。ちょっとお時間よろしいですか?」
「はい。・・・あれ?赤城龍一さん?どうしてここに?」
「簪さんが使っていたのか。実はね・・・グレートクローズが君がここにいるのを察知したようで・・・。」
龍一が覗いているインターフォンにグレートクローズドラゴンが覗き込んで
「キシャー!!」
と鳴いた。そんな姿に簪は思わず笑みをこぼした。
「すまない。簪さん、もしよければ、中に入れてはくれないかな?」
「いいよ。どうぞ。」
簪は、ドアを開けて龍一とグレートクローズドラゴンを中に入れた。グレートクローズドラゴンは早速と簪の肩に乗った。そんな姿に笑みを浮かべながら、ハンガー内を見渡す龍一はあるものを発見した。
「ん?これは?」
それは、まだ建造途中のISらしきものが鎮座していた。そのあたりにはそれに必要な道具・部品があちらこちらに散らばっていった。
「簪さん。これは、今君が作っているISなのかい?」
龍一が質問をすると、簪は少し表情を暗くして
「うん、そう。それが私のISだよ。まだ完成してないけど・・・。」
「そうか・・・。・・・そういえば、思ったんだけど、この簪さんのハンガーって他に誰と一緒にいるの?」
「ううん。私一人だよ・・・。」
「ふうん・・、。ちょっと待って、ていうことは、簪さん打鉄弐式を一人で作ってるってことなのか?」
「うん。・・・そういうことになるかな。」
「・・・あまり深く知るつもりはないが、どうして簪さんは一人でISを組み立てようとしてるんだ?何か大きい理由でもあるのか?」
そう龍一が問うと、簪は辿々しく尚且つ弱々しい声で
「・・・・・・他人には・・・あまり言うつもりはなかったんだけど・・・・・・、理由があるの。」
「どんな理由だい?」
「わ・・私のお姉ちゃんへの・・・対抗心から・・・なのかな?」
「簪さんのお姉ちゃん?・・・・・・そういえば、学園のパンフレットでこの学園の生徒会長で更識楯無という人物がいたけど、まさかその人って・・・。」
「そう・・・。その人が私のお姉ちゃん・・・。」
「苗字が一緒だからまさかとは思っていたが・・・。・・・確か専用機はミステリアス・レイディだったかな?」
「うん。そのミステリアス・レイディをあの人は一人で作り上げたわけ・・・。」
「そうか・・・。だが、理由は本当に織斑一夏の件とそれだけ?」
「そう・・だね。・・・ごめんね、こんな話しに付き合わせて・・・。」
そう簪が謝罪して龍一の方を向くと、龍一はなぜか天井に目を向けていた。
「龍一君?天井なんか見てどうしたの?」
「・・・・・・。」
「キシャー!!」
簪が疑問に思いそう尋ねると、グレートクローズドラゴンも天井を見て威嚇していた。
「??」
簪も天井を見るとただ一つの通気口があるだけの天井があった。
「ああ。すまない。天井からなんか物音がしたような感じがして上を見たんだ。どうやら、勘違いだったらしい。」
「そう。」
龍一は
「そういえば、簪さん。ちょっと話題を変えるんだけどこの学園でIS操縦者で一番強い生徒って誰かわかる?」
「この学園で一番強いIS操縦者?・・・そうだね。あっ、一人だけいる・・・。」
「いるのかい?・・・その人って一体誰?」
「・・・龍一君。この学園の生徒会長ってどう言う基準で選ばれてるか知ってる?」
「この学園の生徒会長の?今君のお姉ちゃんが就いてる?」
「実はこのIS学園の生徒会長はこの学園の中で一番強い生徒が選ばれるんだよ。つまり、この学園で一番強い生徒は・・・」
「・・・君のお姉ちゃんってことか。」
「うん。・・・でも、どうしてそんなことを聞くの?」
「・・・その一番強い生徒と戦う、つまり君のお姉ちゃんと戦うからだよ。」
「えええっ!!!」
「そんな驚くこと?」
「それは誰だってそう反応するよ!転入してからいきなり学園最強の生徒と戦うなんて。それにお姉ちゃんはロシア代表の操縦者なんだし。」
「へえ。簪さんのお姉ちゃん、ロシア代表でもあるんだ。ますます戦いたくなった。」
「戦闘狂だね。龍一君って・・・。」
簪の話を聞いて嬉しそうな龍一を見て、簪は苦笑いしてそう言った。
「強い人と戦うことで自分を磨くことが少し好きだからさ。君のお姉ちゃんとは近いうちに戦うと思うよ。早くて今月以内かな。」
「今月中に戦うの?」
「ああ。」
「キシャ!」
グレートクローズドラゴンも龍一に合わせて、意気込み深く答えた。そんな二人を見て簪は、
(いいなぁ・・・。私も専用機が完成してたら・・・。)
そんなことを思っていると、
「それより、そろそろ時間じゃないか?部屋に戻らないと。」
「本当だ。そろそろ時間だ。」
簪は打鉄弐式を収納すると、部屋に戻ろうとしたが、ふと見ると龍一はまだ部屋の中にいた。
「あれ?龍一君。どうしたの?」
「ああ。簪さん、先行っててくれない?」
「わかった。先行っているね。」
そういうと、簪は整備室から出て行った。
簪がハンガーから出て行った後、龍一は天井に向かって話し掛けた。
「さて、簪さんは出て行ったことだし、そろそろ出てきてもいいんじゃないですか?」
すると、ハンガーの天井の通気口から一人の生徒が降りてきた。容姿は簪とよく似ているが、スタイルは彼女より良い方だ。そして、黄色のネクタイから二年生だとわかる。龍一は、この人物を知っていた。
「貴方さん、このIS学園生徒会長で更織簪さんの姉の2年生の更織楯無さんで間違いないですね?」
「ええ。いかにもその通りよ。さっきまで、簪ちゃんと仲良そうに話してたじゃない。」
「おや。そんなに俺と簪さんが話すのが嫌でしたか?」
「正体不明な男性操縦者と話すと簪ちゃんに危険が及ぶと考えちゃうからね。」
「ご心配なく。簪さんを危険な目に遭わせたりしないので。」
龍一は小さな笑みを浮かべて返事をした。
「それでは、自分はこれで。・・・模擬戦楽しみにしています。」
「あら。本当に私と戦う気なの?」
「ええ。自分の腕試しというやつですかね?それと、あなたの「IS学園最強」と言われる腕がどれほどのものか知りたいですし。」
「あらそう。私も銀の福音を本当に単独で倒したのか、あなたの力を知りたかったし丁度いいかもしれないわね。」
「確かに。・・・では、模擬戦は二週間後に。」
「ええ。それじゃ。」
そういうと二人は自分の寮に向かって帰っていった。
次回は模擬戦に移ります!!