厄祭の英雄 -The Legend of the Calamity War-《完結》   作:アグニ会幹部

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数日前にスマホがブッ壊れまして、それに伴い一連のデータも死の淵を彷徨っておりました。
本日無事に復旧したので喜びの投稿。

まあ、言っても完全復活にはほど遠いので、新たな端末が届くまで無理はさせられないんですが…スマホ、本当に無いと困ると痛感しました。知らず知らずの内に頼り切りになってしまってたという。
これからは他の端末との役割分担をしつつ、バックアップを徹底したいと思う次第です。


#41 アラビア王国

 世界に十国存在する大国の一国、アラビア王国。

 ティグリス川、ユーフラテス川の二大河に挟まれた首都バクダード内に(そび)えるアッバース宮殿には、現国王たるムスタファ・ビン・ナーイフが居を構えている。

 このアラビア王国は、十国の中で唯一王政が行われている国である。イングランド統合連合国のような象徴としての存在ではなく、実際に王が政治を執り仕切っているのだ。

 

「ただいま帰還致しました、父上」

「うむ。今回もご苦労であった、ラティーフ」

 

 アッバース宮殿最奥の玉座の間に今、一人の男が帰還し、王と謁見する。

 アラビア王国軍の最高司令官にして、第一王子たるラティーフ・ビン・ナーイフである。

 

「ケイハズも、馬鹿息子が世話をかけるな」

「滅相もございません。王家に仕え、ラティーフ殿下の槍となるが我が務め」

 

 ラティーフに付き従うは、補佐官にしてその右腕であり、お目付役でもある忠臣、ケイハズ・タイステラ。五十を越えている歴戦の勇士だ。

 

「エルサレムは健在でありました。また、メッカやメディナも変わりなく」

 

 中東に在るアラビア王国は、旧時代からの遺跡や聖地を多く抱える国だ。古来より宗教、種族等の理由で争いが絶えない地域でもあり、王が全てを行う王政を執っているのも、民主制にすると意見がちっとも纏まらないからというのが要因と言えよう。

 その聖地の中でも、エルサレムとメッカ、メディナの三都市は最重要とされている。

 

「そうか。――維持もか?」

「はい、滞りなく」

 

 万が一にでもモビルアーマーの破壊対象にならないよう、この三都市はシェルターにこそ覆われているが、人は一切暮らしていない。人間を殺戮するのがMAだが、逆に言えば人間以外のモノには頓着しない。MAが人間のいない場所を攻撃するコトは無いので、人間がいなくなるコトによって、三つの聖地は安全を保っているのである。

 ただ、人がいなければ荒廃して遺跡が維持出来なくなるので、定期的に最小限の人員で向かい、保全に取り組んでいると言う訳だ。

 

「…父上。イングランド、サハラ、アフリカンに敵の攻撃が集中している理由が、フヴェズルングなる傭兵組織の動きによるモノだというのは」

「ああ、その件か。それについては、ヘイムダルのディヤウス・カイエルからの確定情報だ。作戦の規模からして、どこぞの国がバックにいるコトは間違い無かろうな」

「―――」

「…そんな目で見るな。我がアラビアは一切関与していない、安心しろ」

 

 玉座に座す父を目を細めて睨むラティーフだったが、等のムスタファ王は両手を軽く上げてそう返した。「父を疑うなんて…いつからこんな子に…」などと抜かしている始末だ。

 

「いえ、父上を疑っていた訳ではございません。しかし、サハラは戦前、アレキサンドリアを奪取すべく、極秘裏に軍を送って来たコトが有ります。もしや、と思いまして」

「やっぱり疑ってたんじゃないかお前。

 …まあサハラはともかくとしても、我が国がイングランドとアフリカンにちょっかいを掛けて、何かメリットが有る訳でもない。もし私がやっていたとしたなら、狙うはサハラとサンスクリットになっているハズだろう?」

 

 アラビアにとって、イングランド統合連合国は以前のオデッサ奪還作戦で共同作戦を組み、関係良好の隣国。また、アフリカン共和国のベンディル・マンディラ大統領とムスタファ王は旧知の仲で、国益の面に置いても相容れぬ点は無い。損得を考えてみると、アラビアがこの二国を攻撃する理由が存在していないので、アラビアはシロなのだ。

 なお、サハラ連邦共和国とはラティーフが言った通り港町アレキサンドリアを巡る小競り合いを起こしているし、サンスクリット連邦共和国には都市アブダビを得るべく軍を派遣して来た前科が有る。いずれも火星独立戦争勃発前――十年以上前の話になるので、現在では多少関係も改善しているが。

 

「恐れながら、ムスタファ王。フヴェズルングの所行が暴かれてから、十国首脳による会談等はなされたのでしょうか?」

 

 忠臣ケイハズの問いに、ムスタファ王は一度ながら、しっかりと頷いた。

 

「一度だけな。当然、全員がシラを切って終わったが。――他の九国の内、最低一国は絡んでいるハズなんだが」

「フヴェズルングとの関与が判明すれば、標的とされている三国ばかりか、他国の全てを敵に回すコトになる。それを分かって、なおもやっているのでしょう?」

「当たり前だ。その程度も分からないバカが、大国の主になれるハズもない。複数の国が絡んでいるという線も否定は出来んが。

 フヴェズルングへの対処は、イングランド、サハラ、アフリカンの三国が中心となってするコトになった。我が国もガサ入れを受けるやも知れんが、後ろめたいコトも無い。謀略への対処は私がする、お前達は今まで通り動いてくれればそれで良い」

 

 シロであるアラビア王国が恐れるべきは冤罪を着せられるコトだが、そう言った対処はムスタファ王の仕事だ。前線で戦うラティーフ達には関係無い。賢王と讃えられ、国民からの信頼も篤いムスタファ王は、出し抜かれるなどと言ったポカをやらかす男では断じてない。他国からして見れば厄介な敵だ。

 

「は。――それでは父上、私は失礼致します」

「待て、ラティーフ」

 

 ラティーフとケイハズは一礼し、立ち去るべく玉座に背を向けた。しかし、それをムスタファ王は呼び止める。

 

「…お前、そろそろ身を固める気は無いのか? 前線での指揮は大いに結構だが、妻の一人や二人を持ち、跡継ぎを残すのもまた、王族としての務めだ。特にお前は第一王子で、いずれはこの玉座に座すであろう者なのだからな」

「おお…殿下、私からも進言致します。貴方様は我が国の希望として、立派に戦場に立っておられますが、国王陛下の仰られる通り――」

「今はまだ、その時ではないよケイハズ。

 父上。忠言には感謝致しますが、私は今しばらく国民を守る義務の有る王族として、不敬にも天使の名を語る破壊兵器に相対したいと考えております」

 

 そう言い残し、ラティーフは玉座の間を去った。ケイハズは今一度ムスタファ王に礼をし、ラティーフに続いて玉座の間から退出した。

 

「――確かに、この大戦が終わる時、我が国が…いや、十国が今の十国のままでいられるかなど、誰にも分からぬ。此度の大戦の終結とは即ち、現体制の崩壊とも言える事態になるだろうからな」

 

 しばしの静寂に包まれた玉座で、ムスタファ王は頬杖を突き、誰に聞かせるでもなく呟いた。

 

 

   ◇

 

 

「ケイハズ。参謀本部からの命令は?」

 

 謁見後、宮殿の廊下を歩みながら、ラティーフはケイハズに報告を求める。ケイハズは速やかに手元の端末を確認し、読み上げる。

 

「既に入っております。ホルムズ海峡付近の海域にて、MAの活動が活発化している為、殿下にはそちらへ向かって頂きたいと」

「了解した。――我々には、休む間も与えてもらえないらしいな」

「――殿下。確かに第一王子たる貴方様が前線で軍を率いられるコトは、兵達の士気高揚になります。しかし、やはり危険過ぎm」

「何度も言わせるな、ケイハズ。ストラスに適合する者が我が国には私しかいないのだから、私が戦う他に無い。分かっているだろう?」

 

 その言葉に、ケイハズは押し黙った。

 ガンダム・フレームを配備する際、ヘイムダルがやっている適合検査は、機体に宿る悪魔とパイロットの親和性を確認するモノだ。基準は良く分からないのだが、一定の値が出なければ「覚醒」――リミッターの解除をさせるコトが出来ないのだと言う。

 

「…今回はヘイムダルのチームと合流し、作戦に当たれとのコトです」

「それは、誰の差し金だ?」

「ディヤウス・カイエルから、参謀本部に作戦への参加要請が来たと」

「その必要性が有ると言うコトか。――了解した」

 

 

   ◇

 

 

 アラビア王国とサンスクリット連邦共和国の間に存在する、ホルムズ海峡。

 かつては石油輸出の為の生命線とすら言われた重要な海域であるが、石油資源は前時代の時点で枯渇した為、以降は海からの物流ルートになっていた。無論、現在はそれも無くなったが――アブダビ、ドバイなどの巨大都市に隣接するペルシャ湾の入口であり、重要度はさほど変わっていないと言える。

 

「この辺りがホルムズ海峡ですよ、ケニング。…ちょっと、聞いてますか?」

「む? あ、ああ勿論聞いているさ!」

「聞いてませんでしたね。まあ、貴方にそんな期待などしていませんが」

「ハハハ、すまんな!」

 

 そんなホルムズ海峡を行く艦が一隻。

 マンリー級強襲揚陸艦、名を「ヴォータン」――ヘイムダルのガンダムチームの一つ、ケニング・クジャンがリーダーを務めるチームの座乗艦である。

 

「それでミランダ、ここはどこだ?」

「ホルムズ海峡だっつってんでしょう。この辺りでMAが勢力を伸ばしているので、アラビア王国軍と協力して撃退するのが今回の任務です。分かりましたか?」

「成る程、とてもよく分かった」

「分かってもらわないと困ります」

 

 割とオトボケキャラなケニングにツッコミを入れているのは、「ASW-G-05 ガンダム・マルバス」のパイロットを務める女性、ミランダ・アリンガムだ。敬語なのにケニングに対しては辛口だが、これは最早いつものコトである。

 

「いつ頃合流するのだ?」

「そろそろのハズです。良いですかケニング、今回来るのはアラビア王国の第一王子、ラティーフ・ビン・ナーイフ様です。くれぐれも非礼の無いよう」

「ふむ、それは相手方次第だな!」

「有る意味正しいですけど、もし相手が失礼なコトを言っても無礼な真似はやめて下さい。協力するんですから、余計な諍いは戦場での死を招きます」

「成る程、それは気をつけねばなるまい!」

 

 ミランダは溜め息を吐く。このケニング・クジャンと言う男、たわけなのか頭が良いのか微妙によく分からない奴なのだ。

 彼らが今いるのは艦のブリッジで、ケニングが艦長席に座り、ミランダはその隣に立っている。

 

「一時の方角、アラビア王国軍のナーワル級を観測しました。エイハブ・ウェーブ照合――アラビア王国海軍旗艦の『アル・マディーナ』です」

「どうやら、来たようだな」

「はい。他にもナーワル級を二隻観測――データベースによると、これらもアラビア海軍のモノです。『アブハー』と『ターイフ』」

 

 ブリッジのオペレーターが報告した。

 マンリー級よりも巨大なナーワル級航空母艦が三隻――間違い無く、ラティーフ・ビン・ナーイフ第一王子の率いる艦隊だ。

 

「合流まで、およそ三十分と言った所ですね」

「光信号受信。使節の着艦許可を求めています」

「よし、MAを警戒しつつ、受け入れ態勢を取れ。くれぐれも失礼なコトはするなよ!」

「…!!!」

「――何だミランダ、その顔は」

「いえ、まさか本当に通じていたとは思わず」

「お前、さては俺をナメてるな?」

 

 それから、合流まで後十五分となった時――平穏な海が、一変した。

 

「エイハブ・ウェーブ、突如増大! 通常の通信が途絶します!」

「何だと!? まさか、MAか!?」

「分かりません、発振源を特定出来ません! 何者かによって散布されているのは、間違い無いようですが…!」

「エイハブ・ウェーブが、海域全体にバラ撒かれていると言うコトですか…!?」

 

 マンリー級「ヴォータン」のブリッジに座るケニングは、眉を顰めながらも、即座に指示を出す。

 

「総員、第一種戦闘配置! ガンダム・フレーム、出撃だ! アラビア海軍にも敵襲と伝えろ!」

「まだ敵の位置も正体も目的も分からないのに、ガンダムを出せと言うのですか!?」

「そうだ! 何が出て来ようが、全力でそれを叩き潰す! それが俺の信念だからな!」

「――ああもう、分かりましたよ!」

 

 ブリッジを去ったケニングに、やけっぱちでなりながらもミランダが続いた。

 一方、アラビア海軍の艦隊旗艦「アル・マディーナ」でも、当然この異常事態を捉えている。

 

「モビルスーツ隊は即応可能状態で待機! 私も出る、周辺警戒を怠るなよ!」

「は!」

 

 ちょうどラティーフもケニングと同じように、ブリッジを去っていた。直後、複数の水柱がアラビア海軍艦隊の付近で吹き上がる。

 マンリー級の甲板に設置されたハッチが開き、一機のガンダム・フレームがその姿を見せると同時、両拳を打ち合わせた。

 

「海中用MAの探知、怠るなよ! 見つけ次第、俺がブン殴ってやる!」

 

 黒と金で塗装された、接近戦用に調整されたMS――「ガンダム・プルソン」。

 二十番目のガンダム・フレームであり、両手に一つずつ持つ小型のハンマー「レイヴン」と、両腕両足に装備されたナックル「レーヴァン」を武装とする機体だ。ただ近付いてひたすら殴り叩き蹴り、潰すコトのみが許されるシンプルさが特徴となる。

 しかし、ケニング・クジャンの操縦技術により、単純ながらも絶大な戦果を上げている悪魔である。

 

「闇雲に出て行かないで下さい。今回はいつもと違って、敵の位置が分からないんですから」

 

 プルソンの次に現れたのは、ミランダ・アリンガムの駆る「ガンダム・マルバス」だ。

 ガンダム・フレーム五番機たる本機の最強の武装は、ダインスレイヴに更なる加速器を増設した「ケーニヒス・ティーゲル」である。実験的な装備でありながら非常に高い威力を誇るが、命中率がそう高くないのが欠点となる。この他にも二本の拳銃「セシル」と「ローズ」を持ち、腕部と脚部には接近戦用のクローを備えている。

 また、MAの子機「プルーマ」に対応する為、肩部に小型ビーム砲を搭載しており、ガンダム・フレームとしては初めてビーム兵器を搭載した機体となっている。

 

「ミランダ、悠矢とレオナルドは?」

「もう少し調整に時間がかかるそうです。まあ、生半可な調整で出て落とされても困るので、じっくりやって貰いましょう」

『新たなエイハブ・ウェーブ観測! 真下です!』

「「!」」

 

 ブリッジからの報告を受け、ケニングとミランダが足下に視線を向けた時。

 

「うわぁっ!?」

 

 艦のバランスが崩れ、全体が大きく傾いた。甲板上に乗るプルソンもまたバランスを崩したものの、スラスターを吹かせて跳び、海上へと避難する。

 

「攻撃!? 何が――くっ!」

「飛び移れ、ミランダ!」

 

 続いて、ミランダのマルバスも同じように飛び上がり、プルソンの隣に移動した。マルバスはプルソンの右肩を掴み、接触通信を開始した。

 

「ケニング、攻撃の瞬間は――方法は!?」

「見えなかった…!」

 

 何かしらの攻撃を、MAから受けているコトは間違い無い――が、何をされたかが分からない。熱源反応なども観測されなかったので、ビームや魚雷の類ではなさそうだ。

 

「この不可解な攻撃、新型ですか!?」

「新型…そうか、新型か!」

「――まさか、思い当たらなかったんですか?」

「な!? も、勿論分かっていたさ!」

 

 非常時だと分かっていても、ミランダは溜め息を吐いてしまった。相変わらず、頭が良いのか良くないのか分からない男である。

 しかし次の瞬間――再び、状況が変わった。

 

『高エネルギー反応、真下です!』

「な…」

「ん、だと!?」

 

 報告通り、艦の真下にからビームが直撃し――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()艦底部から、内部へと侵入した。

 

『うぎゃあああああああああ!!!』

 

 ビームが艦内のMSデッキに到達し、焼き尽くし――次の瞬間、エンジン部に燃え移り、マンリー級強襲揚陸艦「ヴォータン」は内部から爆散した。

 

「そんな、ヴォータンが…!」

「――おのれ、よくも…!」

 

 爆発直前に退避したプルソンとマルバスは、海上をホバーで滑る。そのコクピットに座すケニングとミランダは、沈み行く母艦を眺めて、歯を食いしばる他になかった。

 

「出撃準備中だったと言うのに…!」

「ッ、堪忍袋の緒が切れた! 赦さんぞMA!!」

 

 海面に反射して輝く赤い炎と舞い上がる黒い煙の中から、二機のガンダム・フレームが姿を現した。二機とも機体の装甲の表面が焼けただれ、塗装が剥がれ落ちた部分も有るが、その威容は変わらず維持している。

 

 一機は三番目のガンダム・フレーム、名を「ガンダム・ヴァッサゴ」。

 戦闘時の情報収集を目的とした機体であり、その為に背中に背負う大型バックパックと、頭部のレドームが特徴的と言える。牽制、迎撃用の頭部バルカン砲と、胸部に二門と腹部に一門搭載された大型バスターアンカー、腕部内蔵の迫撃砲と砲撃戦に強く調整されながらも、伸縮可能な腕部クローアームでトリッキーな近接格闘戦すら可能としている。

 また、バックパックとレドームはセンサーユニットと演算ユニット、ハッキングシステムであり、これらの兵装を駆使するコトで、接近するMAの感知と分析、行動予測が出来るのが最大の特性だ。

 

 もう一機は「ガンダム・イポス」、二十二番目の悪魔(ガンダム)である。

 全体的な武装の巨大さが特徴で、超大型のレアアロイ製ハルバード「アルマーズ」やレアアロイ製大剣「アイポロス・ソード」、両脚の大型クローを用いた近接戦を得意とする調整がなされている。しかしながら、バックパックにはダインスレイヴも搭載している為、遠距離攻撃にもある程度対応する。

 武装は強力ながら、サイズ的に扱い辛い為、パイロットの腕が問われるMSと言えるだろう。

 

「悠矢、レオナルド! 無事か!?」

「ああ。機体は万全ではないが…」

「望む所だと言わせてもらおう」

 

 ヴァッサゴを操るのは悠矢・スパーク、イポスを駆るはレオナルド・マクティアだ。

 ガンダム・フレームとパイロットが無事であったのは不幸中の幸いと言えるが、新型に対して何の手がかりも無いままただ母艦が沈められたのだ。今の状況は最悪にほど近い。

 

「悠矢、ヴァッサゴで周囲を監視しろ。敵は新型である可能性が高い、ヴォータンは未知の攻撃を受けて沈んだからな」

「了解。…これからどう動くんだ、ケニング」

「アラビアの艦隊と合流し、敵を迎撃する」

 

 母艦を失い、海の真ん中に放り出されたガンダム・フレーム四機は、アラビア王国軍の海上艦隊と合流すべく、移動を開始した。




第四十一話「アラビア王国」をご覧頂き、ありがとうございました。

ようやっと折り返し、六ヶ国目です。
何か海上戦ばっかりな気がするけど、気にしてはいけない。
地球上の七割は海だからね、仕方ないね(暴論)

機体及びキャラクター紹介、アラビア王国の方々はユーラシア連邦編の時にやったので割愛します。
また、MA側は次回以降です。


《新規機体》
ASW-G-20 ガンダム・プルソン
・ヘイムダル、ケニング・クジャンの機体。
・格闘戦にのみ特化し、飛び道具を全く持っていないという潔すぎるMS。何なら剣とか槍すら持っていないので、エクバに出たら殴りに行くだけのチンパン専用機になり、Gジェネに出たら射程的に使い辛くなるコト請け合い。

ASW-G-05 ガンダム・マルバス
・ヘイムダル、ミランダ・アリンガムの機体。
・プルソンと違って射撃メイン。肩にビーム砲とか持っちゃって恥ずかしくないんですか?(ガンダムとしてはむしろ正しいのかもしれない)

ASW-G-03 ガンダム・ヴァッサゴ
・ヘイムダル、悠矢・スパークの機体。
・ガンダムXに出て来る「ガンダムヴァサーゴ」と元ネタが同じ。そのせいか、クローアームと言い胸部と腹部の大型火砲と言い、それっぽいMSになってしまった(ヴァサーゴと言うよりヴァサーゴチェストブレイク)。だが私は謝らない。

ASW-G-22 ガンダム・イポス
・ヘイムダル、レオナルド・マクティアの機体。
・クソデカ武装が全て。とにかく武器がデカいが、ガンダムアストレイパワードレッドの「150ガーベラストレート」に比べれば何てコトはない常識的な範囲のデカさなので、その辺は安心してほしい。


《新規キャラクター》
ケニング・クジャン
・ヘイムダル、ケニングチームのリーダー。
・セブンスターズ第五席「クジャン家」の初代当主で、イオク・クジャンの先祖。イオク様と違って有能なので、決して日曜日のたわけではない。

ミランダ・アリンガム
・ヘイムダル、ケニングチームのパイロット。
・普段からケニングへのツッコミ役と言うか、お世話役的な立ち位置にいる。口調だけ見るとただのジュリエッタだが、特に関係は無いと思う。

悠矢・スパーク
・ヘイムダル、ケニングチームのパイロット。
・ヴァッサゴに乗ってるが、カテゴリーFとか言われている訳ではないし、弟もいないしCV:森川智之でもない。ただ、口調はちょっと意識してる。

レオナルド・マクティア
・ヘイムダル、ケニングチームのパイロット。
・察しの良い方はお気づきだろうが、口調がグラハムっぽい。よってコイツもきっと気持ち悪い(グラハムファンの皆様ごめんなさい)


《今回のまとめ》
・アラビア王国は文字通り絶賛王政中
・イオク様のご先祖様登場
・謎のMAによる攻撃、その正体とは?




次回「天使の爪」

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