厄祭の英雄 -The Legend of the Calamity War-《完結》 作:アグニ会幹部
ここでは様々な用語を記載。
《技術》
エイハブ・リアクター
スペル:AHAB REACTOR
概要
厄祭戦以前にエイハブ・バーラエナが開発した、相転移炉の一種。
半永久的な動力機関であり、コロニーや基地施設、宇宙艦艇やMSなどに幅広く使用されている。
一基のみであっても高出力であるが、ガンダム・フレームには「ツインリアクターシステム」が採用されており、四大天使クラスのMAに到っては五~十基ものリアクターが搭載されている。
炉心内の真空素子が相転移する際に発生する「エイハブ粒子」による慣性制御が可能で、モビルスーツの高機動戦闘時における高Gの緩和や戦艦の重力制御に利用される。
このコトはナノラミネートアーマーと共に、MSに高い戦闘能力を付与する一因となっている。
稼働時には「エイハブ・ウェーブ」と呼ばれる磁気嵐が発生する為、周辺では通信障害が起こる。
リアクターは頑強極まりなく、物理的に破壊するコトは不可能。
リアクターの一つ一つに周波数の違いが有り、これを逆算するコトで機体の特定も出来る。
この周波数の違い、所謂リアクターの個性から、二つのリアクターの並列同調は極めて難しく、安定させにくい。
また、スリープモードにして、エイハブ・ウェーブの発生を抑制するコトも出来る。
基礎理論
カテゴリーは相転移炉。
相転移は「物質変化」のコトで、水が氷や水蒸気になったり、逆に氷や水蒸気が水になったりする現象を指す。
エネルギーの低い物質:水を、エネルギーの高い物質:水蒸気に変化させるには、火にかけて加熱するコトで物質の温度を引き上げ、エネルギーを高める必要が有る。
この時、火の持つエネルギーを水が得る、つまり水が熱エネルギーを消費している。
逆に、エネルギーの高い水蒸気をエネルギーの低い水にするには、物質の温度を下げてエネルギーを低くする必要が有る。
この時、水蒸気のエネルギーが周囲に拡散する、つまり水蒸気が熱エネルギーを放出している。
この放出されるエネルギーを利用するのが、相転移炉の基礎理論である。
エイハブ・リアクターが持つエネルギーも、このようにして放出されたモノである。
原理
エンジン内の真空素子を圧縮して、高エネルギー状態にし、膨張させてエネルギーを下げる。
この時、放出されるエネルギーを取り出す。
反応後には反応で発生する「エイハブ粒子」が崩壊して出来た真空素子が残るので、必要量の真空素子を再び圧縮させて膨張させれば、再びエネルギーを取り出せる。
このコトから、エイハブ・リアクターは半永久的動力機関として機能する。
真空素子を圧縮させる際はマイクロウェーブで圧力を加え、膨張させる際にも同じようにマイクロウェーブをぶつける必要が有る。
この為、リアクターにはマイクロウェーブを打ち出す機能も搭載されている。
ぶつけるべきマイクロウェーブの量は一度の膨張でリアクターが発生させる電力(エネルギー)の数十分の一なので、前回の反応時に作った電力から必要量を取っても、充分な変換効率である。
リアクター内の真空素子の量と、反応の為に与えられるスペースはそこまで大きくない為、収縮反応と膨張反応は一瞬で終了する。
一度の発電にかかる時間が少なく、また連続して行える為、リアクターの作り出すエネルギーは極めて膨大なモノとなる。
構造
反応用真空素子の蓄積エリア、内側向きのマイクロウェーブ掃射装置、発生するエネルギーを電力へ変換する装置、反応後に発生する反応に不要な素粒子を排出する装置と、それを覆う強靭な装甲によって形成される。
排出された素粒子が電磁波に干渉するコトから、リアクターの周囲では「エイハブ・ウェーブ」と呼ばれる磁気嵐が発生する。
排出される素粒子の振動数は製造時の部品のほんの僅かなズレによって変化する為、一つ一つのリアクターによって異なる固有周波数となり、機体の特定に利用されている。
また、リアクターは物理的な破壊が不可能である。
この理由として、リアクター内では真空素子の圧縮と膨張が行われているコトが挙げられる。
外部装甲である高硬度レアアロイは非常に分厚く造られており極めて強靭な為、破壊は困難であるが、決して不可能ではない。
しかし、リアクター内の反応は宇宙の創世を繰り返しているようなモノであり、リアクターは全く別の宇宙だと言える。
この宇宙と外部の宇宙は時間も空間も共有していない為、物理的な干渉が不可能となる。
もしリアクターが破壊された場合、素粒子の膨張によるエネルギーが外側へと放射され続ける。
そうなると、現在の宇宙が残らず吹き飛ばされ、その上に新しい宇宙が出来上がるコトになる。
廃棄方法
初めに、リアクターをスリープモードにする。
スリープモードとは、リアクター内での反応を停止させ、エネルギー生産を抑えるモードである。
スリープモードになる際は、内部を真の真空状態にして、そこからマイクロウェーブを与えないようにする。
すると反応が起こらず、内部の状態は外部と極めて近い状態になる。
こうなってから正しい手順で分解していけば、安全にリアクターを廃棄するコトが出来る。
また、稼働中のリアクターを強制的に停止させるには、人工物を分解する性質を持つナノマシンをぶつける必要が有る。
稼働中のリアクターを強制的に停止させる為には「月光蝶」システムまで持ち出す必要が有る程、エイハブ・リアクターの完成度は高い。
エイハブ粒子
概要
エイハブ・リアクター内で生成される、重力因子を持った粒子で、リアクター内の真空素子が相転移する際、エネルギーと共に発生する。
物質界での存在時間は極めて短く、発生から百万分の一秒にも満たない時間で崩壊する。
その際にはエイハブ・ウェーブを伴いながら、ニュートリノやミュー粒子などの素粒子に変化する。
エイハブ粒子によって発生する重力はリアクターの出力によって増減し、大型リアクターを搭載した宇宙船は、リアクター内部のリキッドメタルを艦内に循環させるコトで指向性を持った微小重力を制御し、艦内に擬似重力を発生させている。
エイハブ・スラスター
概要
エイハブ粒子の崩壊に伴い発生する素粒子を、推進力として利用する推進システム。
一般的な熱相転移スラスターと比較すると出力で劣るが、推進剤の充填が必要無い為、エネルギー効率に優れる。
エイハブ・クラフトシステム
概要
エイハブ粒子を利用した、大気圏内浮遊システム。
粒子が持つ重力を制御し、万有引力に対する斥力となるように重力波を発生させるコトで、地球の重力作用を相殺している。
ただし、効果はあくまでも重力を無効化して浮遊させるだけなので、飛行する為には別途に推進力を得る必要が有る。
また、現状では相応の大きさが無いと搭載出来ず、コストもかかる為、一部の汎用戦艦にしか採用されていない。
エイハブ・ウェーブ
概要
エイハブ粒子が時間崩壊を起こした際に発生する無数の素粒子が、周囲に飛散するコトで引き起こされる磁気嵐。
その影響は大きく、最大で半径数十キロメートルにも及ぶ。
エイハブ・ウェーブ影響下では電波障害が発生し、LCSを除く無線通信やレーダー機器の使用が困難となる。
この為、HMDを使用する戦闘機や精密誘導機器が使用不可能となり、戦闘では有視界距離に於いてMSによる白兵戦が行われる。
ナノラミネートアーマー
概要
エイハブ・リアクターから発されるエイハブ・ウェーブの波形に反応し、外部からの衝撃に適した積層分子配列を形成する、特殊金属塗料を利用した塗膜型の装甲。
端的に言えば塗る
機体のカラーリングもこの塗料によって決定され、色によって塗料の価格も異なる(価格の差は戦場での被視認性の差であり、価格による防御性能の差は殆ど無い)
瞬間的な衝撃に対して極めて高い耐性を有する為、射撃兵装で致命傷を与えるのは難しく、ビーム兵器による攻撃も、塗料の鏡面効果によって拡散、反射させる。
衝撃の持続時間が相対的に長い質量を用いた打撃、格闘戦闘は有効であり、長時間高熱に晒された場合には、塗膜自体が融解して剥がれ落ちる。
MS同士の戦闘では打撃武器による格闘戦、艦隊戦ではナパームによる熱攻撃などが展開される。
高い防御力を誇る一方で、射撃兵装の攻撃であっても被弾し続ければ塗膜の剥離によって防御力は低下する。
その為、同一箇所を狙った正確な狙撃の連続、連射性能の高いマシンガンによる連続被弾、ビーム砲の長時間連続照射に弱い。
エイハブ・ウェーブに反応して硬化する性質上、エイハブ・リアクターが停止した状態では、ナノラミネートアーマーの恩恵を受けるコトは出来ない。
ビーム兵器
概要
主にMAに装備されている、熱兵器の一種。
エイハブ・リアクターから発生する素粒子を超高速で振動させるコトで熱を持たせ、収束させた光線として放つ兵器。
ナノラミネートアーマーへの効果は薄いが、殺人に於いては有用である為、MAの多くが装備する。
また、一部ではあるものの、ガンダム・フレームのMSや戦艦にも採用された。
なお、リアクター開発以前のMPや戦艦が持つビーム兵器は、全てが荷電粒子砲である。
概要
ナノマシンを利用した、生体接続式有機マン・マシン・インターフェイスを取り入れたシステム。
機動兵器の操縦に使われる、有機デバイスシステムの通称。
元々はガンダム・フレーム専用のシステムとして開発されたモノであるが、その他のMSフレーム機の操縦にも使用されている。
開発者はマヴァット・リンレス。
脊髄にナノマシンを注入して「ピアス」と呼ばれるインプラント機器を埋め込み、その部分でナノマシンを介して操縦席側の端子と接続するコトで、パイロットの神経と機体のシステムを直結。
これにより、脳内に空間認識を司る器官が疑似的に形成され、直感的かつ迅速な機体操作を可能としている。
マニュアルを読まなくても、それこそ文字を読めなくともMSの操縦が出来るようになる。
通常のMS操作には訓練や座学の学習が必要で、慣れていなかったり、データ不足だったりすると、操作が遅れるどころか起動すらままならない。
しかし、阿頼耶識を施術した者なら初めて乗った機体でもそれなりに動かせ、感覚的に操縦する為に、かなりフレキシブルで素早い機動が可能になる。
機器を脊椎に埋め込むという性質上、施術を受けた者の背中には特徴的な突起が生まれ、複数回受けるコトによって情報交換量も増幅出来る。
名前の由来
大乗仏教の瑜伽行派独自の概念にして個人存在の根本にある、通常は意識されるコトの無い識「阿頼耶識」から。
自覚出来ないながらも意識より深い部分に在り、意識よりも遥かに強い力で人々を動かすモノ。
果てしない遠い過去から、永遠の未来に向かって流れて行く、人々の永遠の生命を指す。
高硬度レアアロイ
概要
MSのフレームや武装、MAなどにも使用される特殊合金。
エイハブ・リアクターの高出力に耐えうる耐久性を持ち、数百年程度では経年劣化や腐食するコトはほとんど無い。
強度が高い上に錬成、加工が難しくなく、様々な分野で重宝されている万能素材。
特殊超硬合金
概要
MS、MAの武装に使用される特殊合金。
レアアロイを上回る強度を持ち、武装に使用すれば強大な威力を発揮出来る。
しかし、レアアロイと違って錬成や加工が極めて困難である為、特殊超硬合金で作れる武装は刀剣などの小柄な物に限られる。
素材の希少性も高く、特殊超硬合金を使用する機体は決して多くない。
経年劣化や腐食も有る為、作られた当時こそ無敵だが、レアアロイのように数百年単位で使用するコトは不可能である。
エレジファ・システム
概要
正式名称は「エレクトロンジファログラム・システム(Elektroenzephalogramm System)」。
人間の脳が放つ特殊な脳波「ファログラム」を感知し、電気信号やプログラムに変換する、特殊制御システムの一種。
マヴァット・リンレスが発案し、ディヤウス・カイエルが実現した。
その後、ディヤウスの手で
厄祭戦後はロストテクノロジーとなっており、搭載は愚か研究さえされていない。
エレクトロンジファログラムは、ドイツ語で「脳波」と言う意味を持っている。
なお、ファログラムの発生量には個人差が有り、一定量が無ければシステムが反応しない為、使える者は限られる。発生量の違いが何に由来するかは不明。
Slaughter System
概要
「殺戮の機能」と言う意味を持つ、特殊システム。
MAがフレームを強奪して建造した、ガンダム・アンドロマリウスに搭載されている。
その際は機体の関節部やダクトから、蒼い炎のような光が溢れ出る為、あたかも機体が燃えているように見えるのが特徴。
この現象は、リアクターの最大稼働により発生した余剰エネルギーを一挙に全身から放出しているが故に発生する。
《兵器》
モビルスーツ
スペル:MOBILE SUIT
概要
略称は「MS」。
頭頂高十八~二十メートル前後の人型機動兵器。
レアアロイ製のインナー・フレームに装甲や武装を組み付けるコトで構成されており、モビルプレーンやモビルワーカーを上回る性能を持つ。
戦艦やモビルアーマーさえも単独で撃破し得る、強力な存在。
エイハブ・リアクターやナノラミネートアーマーと言った最新技術が積極的に投入されており、特にガンダム・フレームは、コスト度外視の武装をワンオフで装備する機体も多い。
モビルアーマーの出現により、厄祭戦が人間と人間の戦いから人間と天使の戦いに変化した後、人間側がMAに対抗する為に造り出した。
発案者はディヤウス・カイエル。
基本フレームや装甲、インターフェイスなどの規格はある程度共通化されており、他陣営の装備、パーツを容易に流用出来る汎用性を持つ。
ガンダム・フレーム
スペル:GUNDAM FRAME
概要
厄祭戦末期、ギャラルホルンの前身組織「ヘイムダル」が建造した、MS用インナー・フレーム。
開発者はディヤウス・カイエル。
胸部に専用設計されたエイハブ・リアクターを二基搭載し、これを並列、同調稼働させるコトで、通常の二乗にも及ぶ高出力を得る「ツインリアクターシステム」を採用している。
核となる悪魔の数と、並列稼働させられるリアクター建造数の限界から、七十二機のみが建造された。
機体の核には「ソロモン七十二柱」の悪魔達が採用されており、これはマヴァット・リンレスの研究の応用によって実現した。
パイロットが自らの身体の一部(正確には神経)を、阿頼耶識システムを通して悪魔に生贄として捧げるコトで、一時的に戦闘能力を理論値を上回る域にまで高められる。
この時の必要量、対価は宿る悪魔によって異なり、それぞれどれくらいの対価が必要になるかは、理論提唱者のマヴァットにさえ分からない。
また、ナノラミネートアーマーなどの最新技術は勿論、実験段階や試作段階のシステムや兵装から、時には非人道的なモノまで、MAに対抗し得ると判断されたモノは片っ端から載せられていった。
その為、ガンダム・フレームの機体が持つ武装は多岐に渡り、非常に特徴的となる。
厄祭戦時には七十二機の全てが遅かれ早かれ戦線に投入され、大半は戦場で破壊されている。
厄祭戦後はツインリアクターシステムの信頼性の低さ、使用されている技術が特殊であるが故の整備性の低さ、パイロットを生贄にする非人道性から、残った機体も廃棄処分されるモノが多かった。
また、多大な戦果を上げ、厄祭戦の戦況に直接影響を与えた機体は、ギャラルホルンが厳重管理している。
ツイン・リアクターシステム
概要
ガンダム・フレーム用に、ディヤウス・カイエルとマヴァット・リンレス、ソロモン・カルネシエルが共同開発したシステム。
二基のエイハブ・リアクターを同調させ、リアクター出力を二乗化させる。
MS用インナー・フレームに乗せる性質上、通常のMSに使われるリアクターよりも、一つ一つは若干小さい。
ただし、リアクターには固有周波数などに現れる個性が存在しており、同調の為には固有周波数が一致するリアクターを二つ用意せねばならない。
この為には、建造時に発生するマイクロミリレベルの僅かな部品のズレを無くさねばならず、かなり高い建造技術が求められる。
必要な建造技術を持った技術者は、継承者候補を含めて全員が厄祭戦で死亡しているので、戦後にはロストテクノロジーとなった。
ヴァルキュリア・フレーム
スペル:VALKYRIE FRAME
厄祭戦末期、ガンダム・フレームとほぼ同時期に建造された、MS用インナー・フレーム。
ヘイムダルの技術者、リシャール・ワグネにより開発された。
軽量化による機動力増強と、エネルギー効率の向上に重点を置いて開発された。
簡素かつ洗練された設計をしており、安定性に於いてガンダム・フレームを大きく上回っているだけでなく、機体性能も出力こそ劣るがガンダム・フレームと同格である。
しかし、試作機完成時には既に実用化されていたガンダム・フレームの陰に隠れてしまい、僅かに建造された時点で開発は中断された。
その為、総生産数は九機に留まっており、実戦データも殆ど残されていない。
九機は一応全てが戦線に投入されたが、ガンダム・フレームと同様に破壊されたモノが大半で、厄祭戦後に残ったのは二機のみである。
しかし、安定性が高く簡素な設計、なおかつ高性能であった為、厄祭戦後のギャラルホルンに再評価された。
その後、ギャラルホルンの主力MS開発の母体として採用されている。
アルカナ・フレーム
スペル:ARCANA FRAME
概要
厄祭戦初期、アメリア合衆国のアルカーヌム社が独自開発した量産型MS用インナー・フレーム。
安価で大量生産するコトのみを目的として設計されている為、拡張性や性能はかなり低くなっている。
全二十六種が開発、生産されたが、オーガ・フレームとロディ・フレームに取って代わられた為、生産数はオーガ・フレームを下回った。
また、性能の低さから撃墜数が多く、厄祭戦時に全ての機体が失われている。
ロディ・フレーム
スペル:RODY FRAME
厄祭戦中期、圏外圏用の主力機として開発された量産型MS用インナー・フレーム。
際立った特徴こそ無いものの汎用性が極めて高く、火星圏は愚か、木星圏の高重力下用装備にさえも対応出来る。
インナー・フレームの中では安価で簡素なフレームでもあり、全フレームで最大の数が建造された。
厄祭戦後も、各組織で運営されている。
ヘキサ・フレーム
スペル:HEXA FRAME
厄祭戦中期、中近距離での支援を目的として開発された量産型MS用インナー・フレーム。
撃墜時の緊急脱出の成功率を高める為に、コクピットが頭部に設置されているのが特徴。
機体の生産数もロディ・フレームに次ぐ程だが、緊急脱出のしやすさ故に放棄されやすく、高い機動性実現の為に装甲を削った結果として耐弾性が下がっており、実戦での撃破率が最も高い。
事実、厄祭戦後には総生産数の数パーセントしか残らなかった。
オーガ・フレーム
スペル:OGRE FRAME
厄祭戦中期、物量作戦の展開を主軸として開発された量産型MS用インナー・フレーム。
ロディ・フレーム以上に安価で生産が出来るフレームだが、一機一機の性能が低い。
その為、段々ロディ・フレームに取って代わられ、生産数はそれほど伸びなかった。
戦線に大量投入されては大量に撃墜された為、厄祭戦後の残存数はヘキサ・フレームをも下回った。
マドナッグ・フレーム
スペル:MUDNUG FRAME
厄祭戦末期に開発された、MS用インナー・フレーム。
多大な戦果を上げ続けるガンダム・フレームを模して建造され、同調こそしていないが、エイハブ・リアクターを二基搭載している。
生産性は決して高くなく、リアクター出力はツインリアクターには及ばなかったが、総合性能は量産機では随一でガンダム・フレームに迫るほどだった。
ティウダンス・フレーム
スペル:THIUDANS FRAME
厄祭戦末期に開発されていた、MS用インナー・フレーム。
高出力型量産機としての完成が目指されていたが、ガンダム・フレームの出現と四大天使が猛威を振るったコトで開発が疎かになり、厄祭戦時に完成するコトは無かった。
厄祭戦後、テイワズの下で「テイワズ・フレーム」として完成を見るコトとなる。
モビルアーマー
スペル:MOBILE ARMER
概要
略称は「MA」。
機体の全長はまちまちで、最小のモノはマイクロミリレベル、最大のモノは数百メートルにもなる。
戦争の無人化を突き詰めた結果として誕生した、自律式大量殺戮無人破壊兵器。
元々はMP、MWに代わる強力兵器として、エイハブ・リアクターを採用して開発されていたが、暴走。
勢力に関わりなく、人間を殺戮するモノとなった。
個体によっては後発のガンダム・フレームさえ大きく上回る性能を持ち、数十機のガンダム・フレームを一度に相手取り、これを圧倒するモノも在る。
随伴機として「プルーマ」が存在し、天使長クラスになれば、単騎での物量戦も展開可能。
プルーマはMA本体の修復、補給能力を兼ね備えており、MA自体にもプルーマの生産プラントとして稼働出来るモノが有る為、人間の手が掛からない独立兵器として機能する。
四大天使
概要
数あるMAの中でも、非常に高い性能と他のMAの指揮権を持つ機体の総称。
ガブリエル、ラファエル、ウリエル、ミカエルがこれに該当する。
MAの中でも特に大型で、数百メートルもの体躯を持つ。
「四大天使」はそれぞれがオンリーワンの特殊機能を備えており、存在の有無、現在位置がそのまま厄祭戦全体の戦況に影響を及ぼす。
また、同調する複数のリアクターを動力源としている為、あらゆる面に於いて他を凌駕する。
他のMAと違い、一種類につき一機ずつしか存在していない他、ガブリエルは「四大天使」を三機しか製造出来ないとされている。
直属機
概要
「四大天使」の位階に属するMAに随伴する、高性能の機体。
後期型の「天使」に含まれるが、指揮系統は独立しており、担当の「四大天使」からの命令によってのみ行動する。また、対ガンダム・フレームを想定して開発されているコトから、戦闘能力は「天使長」を上回り、他の後期型MAと比べても高い。
こうした特性から、実質的には「四大天使」未満、「天使長」以上という扱いである。
特殊機能「徹底破壊」との兼ね合いから、「四大天使」ウリエルは直属機を随伴しない為、他の三機用の三種のみが存在している。
これらは「四大天使」と合わせて、「七大天使」となるようにネーミングされている。
天使長
概要
MAの中で、四大天使に次ぐ指揮権を持つ機体の総称。
ザドキエル、ハシュマルがこれに該当する。
サイズは四十メートル前後と、MAの平均程度。
プルーマの生産、運用を単騎で成し遂げるコトが可能であり、それ故に一機のみで完結している。
それぞれが五機ずつ存在しており、天使長の総数は十機となる。
二種の機体に性能差は無いが、担当する環境が異なっており、ザドキエルは宇宙、ハシュマルは地上を担当している。
比較的初期に全機が建造されたので、戦闘能力は後期に開発された天使に劣る場合が有る。
天使
概要
平均的な性能を持つMAの総称。
三つの位階の中で最も下だが、総数は天使が圧倒的に多い。
サイズはマイクロミリレベルから五十メートル級まで、性能や役割は機体によってまちまちである。
ただ、後発になると性能が上がって行き、戦闘能力で天使長を上回る機体も存在している。
大体は一種類につき十機が存在しており(一種につき明確な総数は決められていない)、その総数は計り知れない。
プルーマ生産機能を持たない機体も少なくはなく、また直接的な戦闘能力を持たないモノ、機動力の低いモノ、一芸に特化し過ぎた為に汎用性の無いモノまで、その特色は多岐に渡る。
モビルプレーン
スペル:MOBILE PLANE
概要
略称は「MP」。
大きさは機体によってまちまちだが、巨大なモノになると十メートル強にもなる。
水素エンジンで駆動する航空兵器で、戦闘機の総称でもある。
重力下で自在に飛行出来る高い機動力と、宇宙でも変わらず運用出来る高い汎用性も兼ね備えている。
厄祭戦以前より主力戦力として運用され、戦争全体的な部隊運用には人の指示が必要だが、単体では完全な無人運用を実現している。
また、無人である為、特攻機も存在している。
搭載されるビーム兵器はMAには総じて無力であり、またエイハブ・ウェーブの影響下では使用不可能となる為、厄祭戦時にほとんどが解体され、エンジンのみがMWに転用されるコトとなった。
僅かに残った機体も、十国が四大経済圏として統一され、武装放棄が行われる際に廃棄された。
厄祭戦後にはMPと言う呼称は残らず、ただ単に飛行機の一種として運用されている。
モビルワーカー
スペル:MOBILE WORKER
概要
略称は「MW」。
大きさは三~五メートルほどの、車両型機動兵器。
水素エンジンで駆動し、戦闘能力はそれほど高くないものの、安価で物量を揃えやすい利点が有る。
無人化が進んでおり、全体的な部隊運用には人の指示が必要だが、単体では完全な無人運用を実現している。
しかし、MPとは異なり、人が搭乗出来るタイプの機体も存在している。
宇宙と地上のどちらでも運用可能だが、これもMAに対しては無力だった。
しかし、物資の牽引や建設にも使用可能な万能さを誇り、人が乗ればエイハブ・ウェーブの影響下でも使用出来る。
その為、厄祭戦後も各経済圏や組織で幅広く使用されるコトとなった。
コロニー落とし
概要
スペースコロニーを大質量兵器として惑星の地表に落とし、大規模な破壊を促す攻撃、作戦の総称。
惑星に接近させる手段は一つではないが、主にコロニーにエンジンを取り付け、それにより軌道を変える手段が取られる。
厄祭戦開戦時、戦力で遥かに地球に劣る火星軍が一気に戦局を決定づける為に実行した。
核兵器(水素爆弾)
概要
核融合と言う原子核反応で発生する高エネルギーを用いた、広域破壊汚染兵器。
核物質を積んだ弾頭の部分と、それを運搬するための部分から成り立ち、原子核反応によって発生する高熱、爆風、放射線を破壊や汚染に用いるモノ。
水素爆弾が全体の九十九パーセントを占め、一個が放つ熱量は五十~二百メガトンにもなる。
残り一パーセントは中性子爆弾で、これは生物の殺戮を目的としているが、維持費が掛かり過ぎる為、所持している国はごく僅かである。
中性子爆弾は水爆の一種でもあるので、実際には核兵器と言えば、総じて水爆のコトを指している。
MS、MAが製造される遥か前に開発され、長らく兵器として存在する為、製造の際にはMS、MAに使われるような特殊素材が一切必要無い。
にも関わらず、これらの破壊が可能である為、MPやMWの戦略的価値が失われる中で、強力な破壊兵器として存在し続けている。
MSよりも安価で製造出来るので、全ての国が水爆を保有し、時折戦線に投入される。
利用方法は砲弾、爆弾、ミサイル、魚雷、爆雷、地雷と多岐に渡るが、大抵はミサイルとして運用されている。
ただし、あまりにも威力が大き過ぎ、地上への汚染も生半可なモノではないので、宇宙で使用されるコトが殆ど。
また、MAにはこれを運用する機体も有る。
《その他》
十国
概要
数千年に渡る文明発展と抗争の末に纏まった、十の国。
表向きは互いに友好的な関係を築いているが、国家間の決闘、いざこざは絶えない。
世界地図
永久不可侵条約(改元条約)
概要
十国がM.U.0001に締結した不可侵条約。
互いに互いの領土や利益を脅かさず、一切の戦争と核兵器の使用を禁止した。
あらゆる争いを「決闘」で決着するコトと、一年に一度「十国会議」を十日間開催するコトを盛り込んでいる。
決闘
概要
対話では解決し得ない問題が発生した際、対立者同士が一対一の決闘を行い、戦争へ発展するコトを防ぐ為の取り決め。
代理人を立てても良いが、必ず一対一で戦うコトが定められている。
方法はジャンケンから戦闘機による空中戦まで、対立者同士が合意していれば認められる。
殺し合いを行う場合は、どちらかが死んだら決着となる。
これを破った場合、違反者の滞在する国に対して、他国の全てで核兵器による報復が行われる。
十国会議
概要
一年に一度開催される、十国の代表が集う会議。
世界に在る現在の課題から、世界の未来についてなどの様々な議題が、十日間掛けて議論される。
この会議の決定とは、即ち人類のこれからの方針そのものである。
主催国は年によって代わり、十年で一周する。
火星テラフォーミング
概要
M.U.0002~M.U.0032に掛けて行われた、火星を人間の居住地とする為の計画。
結果的には成功し、多くの人類が地球から移り住むコトとなる。
地域は十つに分けられ、十国が植民地とした。
金星開発
概要
火星テラフォーミングと同じく、金星を人間の居住地とする為の計画。
開発競争で火星に敗北し、罪人の流刑地などに使われるのみである。
木星開発
概要
M.U.0023から始まった、木星圏でのコロニー建設事業の総称。
地球からの距離の遠さも相まって、未だ途上。
コロニー(エイハブ・リアクター開発前)
概要
ラグランジュ・ポイントに建造された、宇宙での人々の生活圏。
円筒形の密閉型コロニーと開放型コロニーが存在しており、どちらも太陽光発電に頼っている。
強度はそれなりだが、リアクター開発後に建造されたコロニーには劣る。
アルミニウスコロニー
・ラグランジュ5に存在。
グレイシャーコロニー
・ラグランジュ1に存在。
コロニー(エイハブ・リアクター開発後)
概要
ラグランジュ・ポイントに建造された、宇宙での人々の生活圏。
円筒形の密閉型コロニーがほとんどであり、エネルギー源がエイハブ・リアクターである為、コロニー周辺での無線通信は不可能。
非常に強固な建造物であり、装甲が極めて頑強の為、破壊不能に近い強度を持っている。
ドルトコロニー
・ラグランジュ7に存在。
アバランチコロニー
・月軌道周辺「ルナズドロップ」に存在。
ラドニッツァコロニー
・金星軌道周辺に存在。
アリアドネ
概要
エイハブ・ウェーブの影響下でも惑星間航行を可能にする管制システム及び、その航路の総称。
ヘイムダルが厄祭戦時に構築し、戦後はギャラルホルンが管理、運営している。
約百万キロメートル間隔で配置された、エイハブ・リアクターを搭載した自立型の宇宙灯台「コクーン」からなり、それぞれを連動させる仕組み。
惑星間航行を行う艦艇はこの中継コクーンから発生する一定周期のエイハブ・ウェーブを感知し、現在地を把握しながら航海する。
LCSレーザー通信の中継地点としても機能する他、隣接するコクーン同士は互いのエイハブ・ウェーブによって自身の座標を常時特定し、軌道がズレても自動で修正可能となっている。
LCSレーザー通信
概要
エイハブ・ウェーブの影響を受けにくい、短距離レーザー通信システム。
可視光に波長が近い光を利用しており、最大百万キロメートル程度が有効距離となっている。
アリアドネを構成する中継コクーンを経由すれば、長距離通信も可能となるものの、通信対象との間に遮蔽物があると通信不能になってしまう。
なお、「LCS」は「Laser Communication System」の略称である。
ハーフメタル
概要
火星で産出される希少金属。
エイハブ・ウェーブによる電波障害を防ぐ特性があり、その影響下での電子機器の保護には必須。
また、ハーフメタルを多く含有する土地ではエイハブ・ウェーブが大きく減衰する為、この地中に埋まったエイハブ・リアクターは発見されにくい。
スペル:Heaven's Fear
概要
「四大天使」ガブリエルが潜む月面基地。
MAの製造プラントであり、MAの本拠地でもある。
内部への入口は存在こそしているが、「四大天使」ラファエルのビーム・バリアービットによって塞がれている為、侵入は困難。
月面の地下施設で、入口からは直線的な通路が続くが、壁一面には防衛のMAが敷き詰められている。
奥には広い半円状の空間が広がっており、ガブリエルはその中心に存在している。
要塞入口の周囲には無数のダインスレイヴが備えられており、侵攻者に対して無慈悲の制圧攻撃を行う。
内部空間の周囲にはMAの製造プラントが在るが、このプラントの操作はガブリエルにしか出来ない。
「どんなモノを造るか」を入力しなければ稼働しない上、それを考える機能を持つのはガブリエルのみである。
スペル:Scala-add Floshortus
「四大天使」ミカエルが寄生した場所の総称。
ミカエルはハワイ諸島を選び、拠点としている。
マザーMAであるガブリエルのような建造能力を持たないミカエルは、ハワイ諸島の全てを自らの一部と規定し、特殊機能「自己進化」によってその全土を要塞化した。
言わばハワイ諸島の全域がミカエルであり、様々な武装の他、直属のMA部隊も配置されている。
スペル:Iron-Blood Cascade
概要
「四大天使」ウリエルの攻撃範囲の総称。
ウリエルの武装の有効射程範囲内を指し、この中に入ったモノは何であれ、ウリエルの特殊機能「徹底破壊」の対象となる。
一切の人類は元より、MAですら生存不可能な絶対の死の空間である。
新たな設定が本編に登場し次第、随時追加して行きます。