厄祭の英雄 -The Legend of the Calamity War-《完結》 作:アグニ会幹部
いいゾ〜これ
中華連盟共和国の都市「大阪・神戸」に隣接する基地に入港したヘイムダルのチームは、基地内の作戦室に呼び出された。
代表者として、チームリーダーであるカロム・イシューはその作戦室に顔を出していた。なお、護衛役としてシグルズ・ヴァーヴィンが同伴している。
「よく来てくれた」
作戦室は十メートル四方の広さだが、中央に一辺三メートルの大きな液晶テーブルが置かれており、手狭に感じる。普段はここにムサい参謀達が詰めているらしいが、今は全員引き払っているようだ。
その中に一人、立っている男は前置きした上で自己紹介を開始した。
「改めて、中華連盟共和国軍モビルスーツ機甲師団団長の
「チームリーダーのカロム・イシューよ。こっちはメンバーのシグルズ・ヴァーヴィン」
さて、と
「拙速で悪いが、本題に入らせてもらう。この度、我が国が貴殿らに支援を要請した理由について」
「――私は、この辺りでモビルアーマーの動きが活発化しているからだと聞いているわ。さっきも実際に襲撃を受けたもの」
「ええ、私もそのように聞いています」
白紙の地図の上に、赤い点が表示された。それは大阪・神戸から東、少し内陸部に位置する場所――京都を指している。
「この京都と言う街で、複数のリアクター反応が確認されています。エイハブ・ウェーブの密度も濃くなっている」
「ここに、多数のMAが潜伏していると?」
「その可能性が高い、と参謀本部は睨んでいます。反応が現れるようになったのは四日前、それ以降急速にその数が増えているのです」
「…何であれ、良からぬコトを企んでいるコトに変わりはなさそうだ」
シグルズの言葉に、
「念の為に聞くわ。どの国にも属さない連中――『フヴェズルング』の動きである可能性は?」
「――その可能性は低い、と私は思う。私見になってしまいますが」
今、戦場をかき乱している傭兵組織「フヴェズルング」は、主に隠密性に優れたステルス機を運用している。エイハブ・ウェーブをすら隠匿、場合によっては擬装までやってのける彼らが、こんな分かりやすく動くハズが無い。
「ただ、MAがここに集結するよう、フヴェズルングが動いている可能性は考えられます。…奴らの調査は我が国の管轄外ですが、参謀本部は『見かけたなら可能な限り捕縛、場合によっては撃墜も許可する』と」
「随分と強気ね」
「
顎に手を当てて、カロムは一考する。
ヘイムダルとしては、現状難しい立場に置かれている。フヴェズルングへの調査は実害を被っているイングランド統合連合国、サハラ連邦共和国、アフリカン共和国の三国に委任されており、ヘイムダルが首を突っ込むコトは越権行為、逸脱と取られかねない――が。
「戦場で邂逅し、我らに刃を向けて来るならば――こちらも容赦はしない」
生きるか死ぬかの戦場で、そんな悠長なコトは言っていられない。敵に害意が有るならば、応戦する――そうしなければ、死ぬのだから。
実際、ケニング・クジャンのチームはフヴェズルングからの攻撃を受けた。フヴェズルングがヘイムダルを、多くの国を害する人類の敵であるコトは過たぬ事実と言える。
「…賢明なコトだ。ならば、奴らについて憂慮する必要は無いでしょう。
明朝七時、出撃して京都に向かいます。ほぼ間違い無く戦闘になる――よろしいですね?」
「勿論。私達はその為に、此処へ来たのだから」
―interlude―
報告。
大阪・神戸、艦隊集結。
演算、予測――攻勢開始、明朝七時。
――「階段」秘匿状況維持、戦力解析要請。
新型投入、データ収集命令。
了。リアクタースリープ維持、データ収集開始。
―interlude out―
明朝、六時五十分。
曇天の下、大阪・神戸のシェルター付近にて、中連軍とヘイムダルのMS部隊が集結していた。
ヘイムダルが十一機、中連軍が八十機――総数、九十一機。また、マッケレル級地上戦艦が三隻、レキシントン級大型空母が一隻。衛星軌道上には、ダインスレイヴ隊を擁する艦隊が控えている。ひとまず、充分な戦力と言えるだろう。
「少将。全軍、配置完了しました」
「良し――全軍に告げる!
これより我が艦隊は京都に向け出発、敵MA群との交戦を行う! エイハブ・ウェーブを観測する限り、敵は五十機前後と思われる! 苛烈な戦いとなるだろうが、貴官ら一人一人の奮闘を期待する!」
『うおおおおーっ!!!』
なお、中連軍のMS部隊はほぼ全て「オーガ・フレーム」のMSで構成されている。アメリア合衆国のアルカーヌム社が開発した「アルカナ・フレーム」と並び、最初期から存在するフレームで、手足が短く胴体の防御力が高いコトが特徴だ。
単発銃と手斧、最低限の武装のみを備え、量産に特化した「YFK-01S 小鬼」を中心としつつ、隊長機として棍棒や大剣、散弾銃に両肩にミサイルポッドを増設した「YFK-02S 星熊」、鎖に繋がれた巨大な鉄球「破軍星」を持ち、ガトリングガンを両肩に装備する「YFK-03S 虎熊」などの発展型も存在している。
「〇七〇〇、回りました」
「作戦開始!」
時計の針が七時を回ると同時に、
京都から大阪に流れる淀川に沿って、地上艦隊が北上。京都に雪崩れ込む直前、宇宙に展開するダインスレイヴ隊が特殊弾頭の雨を降らせ、敵を混乱状態に陥らせ、その間に決着を付ける電撃作戦となっている。
「ダインスレイヴ、発射カウントダウン開始!」
「二十、十九、十八――」
宇宙では、ダインスレイヴ隊が特殊KEP弾頭を装填し、カウントダウンが始まったようだ。
「しかし、放棄地帯とは言え自国の領土内でダインスレイヴによる空爆――優雅とは言えませんわね」
「あら? オデッサの時は、ユーラシアがやったってフェンリスが言ってたわよ。自軍の目の前に」
「あの国の指揮官は何かがおかしいですわよ」
「私もそう思うわ」
それ以前に、本来なら自国の領土内が戦場になるコト自体が異常事態のハズなのだ。MAとの戦いが始まって以降、そんなセオリーは失われたが。
「姉様、カロム様。間もなく第一射が参ります」
「各員、速度を維持! 衝撃に備えなさい!」
カロムが拙速に指示をした数秒後、空を覆う黒い雲を引き裂いて、火線の雨が大地に降り注いだ。
核爆発にも匹敵する規模の爆発が起こり、抉られた地面が土煙となって舞い上がり、轟音が響き渡ると共に、衝撃波が伝播する。
「ッ――これはまた、地図が書き直されますね」
「そうですわね…」
ヘイムダルの面々がそんなコトを呟いている時、軍の先頭を行く「ガンダム・フォルネウス」が、土煙に覆われた京都に突入した。
「全軍、続け! エイハブ・ウェーブを見落とすなよ!」
ガンダム・フォルネウスは、三十番目のガンダム・フレームだ。
水中での作戦行動も想定した水陸両用のMSで、同じく水陸両用機である「ASW-G-41 ガンダム・フォカロル」と比較して、こちらは射撃戦に主軸を据えた調整となっている。「伏龍」と名付けられた専用のショットガンと、小型レールガン「臥龍」を主としながら、二十もの爆弾を鎖状に連ねた「チェーンマイン」、高周波により振動させるコトで高熱を帯びさせ、ナノラミネートアーマーを容易く貫く「高周波振動ナイフ」も有している。
水中での機動性、航行能力はフォカロルに劣るものの、陸上でも変わらぬ戦闘力を発揮する機体だ。
「この混乱状態で突入するなんて…!」
「――カロム。この軍隊も何かがおかしいですわ」
「…エドゥ、ナトリア。言わなくても良いわ。もうこんな世界じゃ、マトモな人の方が少ないから」
諦めたようにカロムは溜め息を吐きつつ、軽く咳払いをしてこう続けた。
「私達も攻め込むわよ! エドゥとナトリアは上昇して、空から行きなさい!」
「その間に、我々は地上から――ですね?」
「ええ、捻り潰してあげるわ!」
「了解…乗りなさい、エドゥ!」
「はい!」
ナトリア・デヴリンの駆る「ガンダム・フェニクス」が飛び上がり、空中で飛行形態へと変形。その上にエドゥアルダ・デヴリンの「ガンダム・ハルファス」が飛び乗り、上空へと昇って行く。
そして、中連軍の端に位置するカロムチームは、速度を合わせつつも陣形を組む。カロムが乗る「ガンダム・パイモン」を先頭にし、一列に並ぶ形だ。
「全機、長蛇の陣!」
『疾風迅雷!』
速度を上げ、カロム達も土煙の中へと突入した。
内部の視界は悪く、各所でスラスターの光や、火器の光がぼやけて見える。それに照らされた機体の影が、土煙をスクリーンにして浮かび上がる。
「味方に撃たれないようにしなさい! 誤射で死ぬなんて無様な真似は赦さないわ!」
「前方にエイハブ・ウェーブ、未登録です!」
「カロム様、お気をつけ下さい!」
「ええ、見えてるわ!」
前方のMAらしき影が、ビーム砲を放つ。カロムがそれを捉え、機体の左腕を横に凪ぐように広げると、部隊の全機が即座に散開。ビームは何も無くなった地点を撃つだけに終わり、その隙にパイモンが斬り込み、敵を一閃の下に伏せる。
息つく間もなく、カロムチームは他の機体に目標を変え、巧みな連携でプルーマを排除しながらも、次々と敵を蹴散らして行く。
「アレはヘイムダル――負けてられませんね」
それを端から感心するように眺めるは、中連軍に属するガンダム・フレームの一機――「ガンダム・レラージェ」である。
十四番機たる本機は、背部に大型ブースターを三基備え、機動力を大幅に強化した機体だ。ライフルモードとスナイパーライフルモードを使い分けるコトが可能で、それぞれのモードの専用マガジンを携行し、同時に接続するコトが出来る専用武装「レラージェ・ライフル」の他、左腕にはワイヤーブレードを装備しており、遠近における活躍を期待出来る仕様となっている。
パイロットはマリアン・サックウィル少尉。アメリアから亡命した経歴が有るが、実力を買われてガンダム・フレームを預かるに至った。
「我々も行きましょう、団長の露払いを」
これに並び立つは、
五十六番目のガンダム・フレームであり、全身がラメラーアーマーとなった外見が特徴的なMSだ。刃の片方に三日月状の「月牙」と呼ばれる横刃が溶接された矛「方天画戟」を用いた接近戦を主体とし、腕部にはゼロ距離射撃を前提としたハンドキャノンが内蔵されている。
武装がシンプルであるが故に、パイロットが腕を問われるコトになる機体と言えるだろう。
ムルムクスが矛を構えて突撃し、レラージェは大出力を生かして飛び上がり、ライフルを連射してプルーマを撃ち払う。矛を大薙ぎに振ってMA本体を吹き飛ばしつつ、ムルムクスは軍の先頭を行くフォルネウスに合流し、その背後から襲いかかっていた敵を叩き潰した。
「少佐、もう来てくれたか!」
「ヘイムダルに遅れを取る訳には行きませんよ。少尉が雑魚を掃除してくれます、我々は詰めを」
「ああ――そうするとしよう、かっ!」
かくして、各地で戦いが続き、作戦開始から二時間を回った。舞い上がった土煙が収まり、視界が開けて来た頃――戦況が動いた。
「…ッ!? この反応は!?」
「カロム様、足下にエイハブ・ウェーブ反応が発生しました!」
突如として、エイハブ・ウェーブの反応が足下に出現したのである。それも複数。
奇妙なエイハブ・ウェーブの発生からそう間を置かず、次に全く違う反応が幾つも現れた。
「熱源反応多数、ビーム来ます!」
「避けなさい!」
何本ものビームが地面から飛び出し、大地を崩して、舞い上がらせた。中連軍のMSの何機かがこれを避けきれず、バックパックのスラスターに直撃を受け、暴発してその場に倒れ込む。
倒れたMS共々、地面を下側から吹き飛ばして、そのMAは人類の前に姿を見せた。
「――少将、あの機体は…!」
頭部が大型化し、大型のビーム砲を内蔵しているらしい二頭身にほど近いMA。――間違い無く、新型のMAだ。
「…新型か! エイハブ・ウェーブは観測されていなかったハズだが――まさか、スリープ状態で待機していたと言うのか…!?」
エイハブ・リアクターには、炉内の相転移反応を停止させ、スリープ状態にする機能が搭載されている。こうするコトでエイハブ・ウェーブも放出されなくなり、レーダーを誤魔化すコトも出来るようになるが――
「しかし、スリープ状態ではナノラミネートアーマーが機能しません。どうやってダインスレイヴ隊の空爆を…!?」
――エイハブ・ウェーブに反応し、外部からの衝撃に適した積層分子配列を形成するナノラミネートアーマーは、その効果を発揮しなくなる。その状態では、MSやMAの大きな利点である頑強さが失われるのだ。
幾ら地中に潜んでいようと、ダインスレイヴによる地形すら変える攻撃に、ナノラミネートアーマー無しで耐えられるとは考えにくい。ダインスレイヴの直撃を受ければ、ナノラミネートアーマーは愚かナノラミネートコートすらタダでは済まないのだから、何か、トリックが有ると考えて間違い無いのは確かだ。
「地中のエイハブ・ウェーブ反応、なおも増大! カロム様、これが全て新型なら――」
「初期型だろうと、この数はまずいわね…方円!」
カロムの指示を受け、迅速にカロムチームは陣形を組む。方円の陣は背中合わせに円形に並ぶ陣形であり、攻撃を捨てた防御重視の陣形だ。
「流石に対応が速いな、ヘイムダル――全軍、小隊ごとに防御陣形を取れ! エイハブ・ウェーブ反応の発生を見逃すなよ!」
次々と新型のMA「ラムエル」が姿を見せ、頭部の大型ビーム砲を展開し、ビームを放つ。そのビームは集束、拡散を自在に選択出来るようだ。
「姉様、地上に新型が!」
「何ですの!? ――来る!」
空中から砲撃していた「ガンダム・フェニクス」と「ガンダム・ハルファス」を、ラムエルの方も捉えたらしい。十機ほどが頭部を空に向け、集束ビームを放った。
「ッ、姉様!」
「しっかり掴まっていなさい!」
飛行形態のまま、フェニクスは上昇しつつ機体の向きを自在に変更し、地上から吹き上がるビームを巧みにかわす――と思われたが。
「姉様、前を!」
「な――ぐっ!?」
ビームが曲がったコトで、フェニクスは機首部に直撃を受けた。続いて他のビームも曲がり、フェニクスの上部から襲いかかる。
それは上に乗るハルファスが防いだものの、曲がるビームの砲撃は止む気配が無い。十機がどのように曲がるかも分からないビームを放って来る以上、回避は非常に困難だ。
「悪いですが、変形しますわ!」
「え? ちょっと、姉様!?」
避けるのは不可能と判断したナトリアは、フェニクスをMS形態へと変形させた。これにより十本の曲がるビームを全て回避したフェニクスだったが、背中に乗っていたハルファスは振り落とされ、錐揉み回転しながらの落下を開始した。
「姉様あああああああああ!!!」
「エドゥ、貴女の犠牲は忘れませんわよ。――新型だか何だか存じませんが、ここまでやってタダで済むと思わないコトですわね!」
フェニクスもまた、降下を開始する。
一方、錐揉み回転しながら落下していたハルファスは、大型ウィングバインダーを用いて体勢を立て直し――
「荒っぽいですが、やります!」
――双眼を真紅に輝かせ、背部から四本ものテイルブレードを射出した。高速機動するブレードが地面を滑るように飛び、四機のラムエルに同時に突き刺さった。一撃で中枢制御コンピューターを仕留めたワイヤーブレードは、それぞれが次なる目標に向けて飛翔する。
「私も負けてはいられませんわね!」
続いてフェニクスも、機体のリミッターを解除。その全推力を以て、真下からビーム砲を放ったラムエルに突撃をかけ、馬上槍を突き出して引き裂く。
「新型だろうと、我らは
そうよねお前達!」
『は! 我ら、
「あんな頭デッカチ、叩き潰してあげるわ!
目標、我が前の新型! 魚鱗の陣!!」
速やかに「△」となるような陣形を組んだカロムチームは、ラムエルの放つビームに怯むコト無く、突撃をかけた。パイモンの肩部装甲に集束ビームが直撃し、ナノラミネート塗装を容赦なく削り取って行くが、その程度を歯牙にかけてはいられない。
パイモンは黄金の刀を構え、襲い来るプルーマの群を容易く吹き飛ばす。返す刀で刃を上にして突き出し、間髪入れず放たれたビームを中央から拡散させながら突撃し、その頭部大型ビーム砲を貫いた。
「はあっ!」
刀を握る手首を捻り、上を向いていた刃を一転して下に向けたパイモンは、勢いのままに刀を振り下ろす。
頭部を支えるフレームを斬り裂き、エイハブ・リアクターに繋がれた動力パイプを破り、胴体部の中枢制御コンピューターまでを両断。頭から胴体を真っ二つにされたラムエルは、その場で崩れ落ちる。
「――底が見えたな、新型!」
プルーマがそれを防ぐべく襲いかかるも、マリアンのレラージェの正確な射撃が妨害。チェーンマインは無事にラムエルの全身に巻きつき、一秒後に爆発。その隙に
「カロム様。この新型、頭部のビーム砲しか持っていないのでは?」
「――シグルズ、貴方もそう思うの?」
「はい。新型にしては押しの弱い機体です」
「曲がるビームが厄介なくらいかしら? …何にせよ、全機仕留めるまで油断は無しよ」
「はっ!」
それからも、大量に湧いて出て来たMAに対応し――全てが終わった時には曇り空も晴れ、夕陽の赤い光が戦場となった古都を染め上げていた。
◇
戦闘が終了し、放り出されたエイハブ・リアクターやMAのパーツなどを回収する中連軍の事後処理部隊が動き出した中、ヘイムダルのカロム達は機体のコクピットからその様子を無感動に眺めながら、しばしの休息を取っていた。
その時、リーダーであるカロムの所に、作戦指揮を取った中連軍のMS機甲師団団長の
『今回は、我が軍の作戦に協力頂き感謝する』
「それが私達の仕事よ。――大した戦力でなかったとは言え、新型が出て来るとは思わなかったけど」
今回出現した新型MAは、曲がるビーム砲以外にはせいぜいプルーマしか武装を持たなかった。MSとて全身がナノラミネートアーマーで守られている訳ではない以上、ある程度の脅威になるとは言え、そんな一芸では戦況を覆し得るには至らない。
『同意です。これまで堂々としていたMAが、よもやリアクターのスリープによって、こちらの感知を逃れるとも思わなかった』
「私達の目を欺きに来た――いつまでも馬鹿正直でないのは、MAも同じと言うコトね」
『ええ、また対策を練らねばなりません。こちらも参謀本部に上申する必要が有りそうです』
今回の作戦は、人類側に大した被害は無く終わった。如何せん敵の数が多かったが、それもカロムチームのガンダム・フレーム二機が覚醒したコトで巻き返すコトが出来た。
カロムと
『カロム様、失礼致します。ヴァナディースより帰投命令が下りました。新たな任務が、ヴィーンゴールヴから届くようです』
「そう、分かったわ。――では、私達はこれで」
『武運をお祈り致します。それでは』
「ヴァナディースに戻るわ、新しい任務よ」
『息つく間も有りませんわね…』
『仕方が有りませんよ、姉様』
『では参りましょう』
カロム達は、中連の基地に寄港している母艦「ヴァナディース」と合流すべく、動き出した――
―interlude―
報告、戦闘終了。
「ラムエル」他、全機被撃墜。
最大出力、最高速度、反応速度計測成功。
参照データ転送、「花園」確認要請。
――データ受信。「階段」現状維持、隠匿続行。
「階段」秘匿状況維持、了解。
―interlude out―
第四十四話「中華連盟共和国」をご覧頂き、ありがとうございました。
二話と短めですが、今回で中連編は終了です。
前回以上に国について掘り下げてないって? …特に書くコトが無かったとかじゃないのよ?
逆に今まで、何かが起きまくってた戦いの方がおかしいのよ。普段はこんな感じで各国の軍と共闘してるんですよ。
次回以降はまた大きな動きが有りますので…。
《新規機体》
YFK-01S 小鬼
・「オーガ・フレーム」の量産型MS。
・初期型であるコトと製造コストの観点から、単発銃、手斧と最低限の武装しか持たない。胴体の装甲は分厚めなので、パイロットの生存率は割と高い。
YFK-02S 星熊
・「オーガ・フレーム」の量産型MS。
・隊長機として運用される発展型で、棍棒やら大剣やらを持たせて武装を強化している。肩にミサイルポッドを積んでいるが、イデオンほど突き出してたりはしない。
YFK-03S 虎熊
・「オーガ・フレーム」の量産型MS。
・隊長機として運用される発展型だが、鎖が付いた巨大な鉄球を持っているという、使えそうな人が割と限られそうな機体。肩にガトリングガンを積んでおり、やろうと思えばミサイルにしたりも出来る。
ASW-G-30 ガンダム・フォルネウス
・中華連盟共和国、
・水中行動可能なMSだが、戦場が京都だったのでこの設定が生かされるコトは無かった(オイ) 川の中を進んでたとかは有るかも知れない。
ASW-G-14 ガンダム・レラージェ
・中華連盟共和国、マリアン・サックウィル少尉の機体。
・大型ブースターを背中に三本も付けた、どっちかと言えば宇宙の方が適性有りそうなMS。ブースターはいざとなったらパージしてぶつける。
ASW-G-54 ガンダム・ムルムクス
・中華連盟共和国、
・ざっくり言うと呂布みたいな見た目。りょ、呂布だー! 地の文では一言「ラメラーアーマー」と言われていたが、これはそういう鎧が実際に有るというだけで、別にナノラミネートアーマー的な特殊な装甲などではない。
ラムエル
・中期型のMA。
・大きな頭とそれに見合う大口径のビーム砲が取り柄。ビームは集束と拡散、更には曲げるコトすら可能と自由自在。多分ゲシュマイディッヒ・パンツァーを搭載している(適当)
《新規キャラクター》
李子轩(リ・ズーシュエン)
・中華連盟共和国軍の軍人で、階級は少将。
・MS機甲師団の団長を務め、自らも前線に出て戦う優秀な指揮官。何やってんだよ団長!
マリアン・サックウィル
・中華連盟共和国軍の軍人で、階級は少尉。
・とてもさり気なく「アメリアからの亡命者」と語っているが、この設定が生かされる予定は特に無い(オイ)
朴柱元(パク・ジュウォン)
・中華連盟共和国軍の軍人で、階級は少佐。
・命令に忠実でパイロットとしても優秀という、割と理想的な軍人をやっている。
《今回のまとめ》
・京都の世界遺産やら国宝やらがどうなったか気にしてはいけない(マジレスすると改元前の戦争で吹っ飛んでしまいました)
・新型かつ中期型MAのハズなのにイマイチ押しが弱いラムエルさん
・ここぞとばかりに差し込まれる幕間
次回「サンスクリット連邦共和国」