地下時間   作:あくる

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たぶん書き直すかも、きっと、メイビー


遺跡 そのに

この部屋の目につくものはあらかた調べた。後回しにしていたが分かれている道に目をやる。いったいどちらの道がパズルにつながっているのだろうか。

Tolielがパズルを解くのを見た瞬間パズルがやりたくてたまらなくなった。考えてスイッチを押したり、特定の行動をしてふさがっている道が開いた瞬間がとても好きになったのだ。

 

まずはFroggitの近くにある方の道へ行ってみる。

部屋に入るとすぐに行き止まりになっていた。部屋の両脇には水が揺らめいていて、部屋の中心に手が届きそうな台とその上に入れ物が置いてある。

 

*おひとつどうぞ、とある。

*キャンディーを取る? はい いいえ

 

入れ物に手を伸ばすと四角にメッセージが現れた。はいといいえの選択方法が分からないので一粒取ってみる。

 

*キャンディーを取った。

*([c]でメニューをひらく。)

 

出てくるメッセージといい、本当にゲームみたいだ。

[c]とはなんだろうか。指でcを作ってみても何も起こらない。ゲームのボタンかと思い、体のどこかが対応していないかとペタペタと触ってみる。

すると、いつもソウルが飛び出す胸のあたりに左手で触れた途端、広場らしきものの映像が表示された。

CHARA LV1 というSAVEの時に見かける文字とCotinue Resetという文字が浮かんでいる。

…今は広場にだれもいない。

左手でもう一度胸に触れると映像は消えてしまった。

次に右手で胸に触れてみる。すると今度はちゃんとメニュー画面が出てきた。

こちらは小さな四角にCHARA LV1 HP 20/20と書かれその下の四角に持ち物、状態、電話と書かれていた。

持ち物をソウルで選択すればモンスターキャンディーの文字と、使う、詳細、捨てるが書かれた四角が新たに表示された。詳細を選択してみる。

 

*モンスターキャンディー HP10回復 -間違いなくリコリスあじではない。

 

モンスターキャンディーの説明が出た。リコリス味ではないのは分かったが結局何味なのかわからなかった。

回復とあるが食べれば傷が治ったりするのだろうか。そんなバカな。

もう一度右手で胸に触れれば出ていた四角はすべて消え、視界がクリアになった。

 

ここにはキャンディー以外何もないようだ。元の場所に引き返し、今度はもう片方の道へ歩き出す。

戯れに道のわきにある落ち葉を蹴飛ばそうと近寄れば効果音と共にソウルが飛び出した。目の前にはどこから現れたのかFroggitが立ちふさがっている。

 

*Froggitが飛び出してきた!

 

本当に初めての実戦だ。DummyでやったときのようにACTを選ぶと*調べるのほかに*お世辞と*威嚇がある。ソウルを*お世辞に合わせてお世辞を言ってみた。

 

*あなたはFroggitにおなかの部分がcuteだと伝えた。

*Froggitは言葉の意味を理解できなかったが、それでもお世辞に照れている。

 

「(感慨深く)ゲコッ。」

 

相手のターンになると魔法でできたハエがソウルめがけて飛んでくる。

複数飛んでくるハエのうち一匹がソウルに当たった。チリッと体が傷んだが、HPが18/20になっている以外見た目に変化はない。他の数回かわし切れば相手のターンは終わったようだ。

 

*Froggitはあなたと戦うことに抵抗を感じている。

 

ターンが回ってきたのでもう一度ACTを選ぶとFroggitの名前が黄色くなっていた。四角に書かれた文章と名前の色からMERCYができるのではないかとMERCYを選択する。それからFroggitを選択すればFroggitはどこかへ行ってしまった。

 

*あなたは勝利した!

*0 XPと2 goldを得た。

 

ソウルが戻る。うまくできたことに安心して息をついて顔を上げるとFroggitがいた場所に硬貨が落ちていた。拾い上げ、周りを見渡すがFroggitが取りに戻る様子はない。

少しだけ来た道を戻る。

 

「*ゲコッ、ゲコッ。

(どうしたんだい、人間さん。え?モンスターがお金を落としていったがどうすればいいのかわからない?)

(もらっておきなよ、きっと満足できる時間が過ごせたことへのお礼さ。ほんの少しお詫びもあるかもね。)」

 

アドバイスをくれた方のFroggitに落とし物について尋ねれば、もらっていいと返された。お礼を伝えてお金をサイフにそっとしまい次の部屋に進む。

 

次の部屋には特に何もなかった。しいて言うならばダクトが二つ付いているくらいだ。パズルはまだ無いらしい。少し駆け足気味で部屋を横断…しようとした。

部屋の真ん中に差し掛かると突然足元に穴が開きそのまま下に落ちていく。

けがをしそうな高さだったが、下に落ち葉がぎっしりと敷いてあったおかげで掠り傷ひとつない。

落ち葉の左右には普通のドアくらいの大きさの入口。右のほうへ近づけばそのまま吸い込まれて、初めに見えたダクトから飛び出して足元に穴が開いた場所の先に出た。

後ろを振り返れば道の真ん中にぽっかりと穴が開いている。よく見れば穴の周りの地面が不自然に見える。

どうやら上の通路を通ると必ず落ちるようになっていたようだ。

 

――Prrrr

 

不便そうな通路を抜け次の部屋に足を踏み入れると電話が鳴った。通話ボタンを押すとまたアイコン付きの四角が現れる。

 

「もしもし、TOLIELよ。何か理由があるわけではないけれど、あなたはシナモンとバタースコッチ、どっちが好みかしら?」

 

*あなたはバタースコッチと答えた。

 

「うんうん、わかったわ。ありがとうね!」

 

――ガチャン

 

――Prrrr

 

「もしもし、TOLIELよ。シナモンが嫌い、というわけじゃないのよね?あなたの好みは分かったけれど、もし食卓に並んだらお鼻が曲がるくらい嫌なのかしら?」

 

*あなたは多すぎなければ大丈夫だと答えた。

 

「うんうん、わかったわ。それと、待っていてくれてありがとうね。」

 

――ガチャン

 

電話が切れてから一歩踏み出すとまた電話がかかってきた。シナモンは少量ならおいしいけれど、かけ過ぎると他の風味が損なわれてしまう絶妙なスパイスで、加減が難しいので多く使われているものは苦手だ。

 

気を取り直して部屋を見ると行き先がトゲでふさがれている。そして動かせと言わんばかりに部屋の真ん中に感圧式のタイルと載せられそうな岩が置いてあり、壁には看板がはられている。

看板には4つのうち3つを動かすのを推奨するとあった。

しかし岩は4つもない。

とりあえず岩を動かそうと押してみると、なんと大して力を入れていないのに岩が動いた。自分の身の丈の1/4程の大きさがある大岩が、だ。地下には不思議なことがあふれている。

岩を感圧タイルに動かせば道をふさいでいたトゲが一斉に引っ込んだ。正解のようだ。念願のパズルだったがこれだけでは足りない。さらなるパズルを求めて次の部屋へ進んだ。

 


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