星人が来たので地球を好きになってもらいます   作:オオル

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こっちの方でも投稿します!阿久津有翔です!こっちの方では主に二次創作をしていました!初めてオリジナル作品だけど暖かい目で見てください!


地獄の再来

「――……お母さん…お父さん…どこ……?」

 

 目の前に広がるの大きく凹んだ地面。まるで巨人が大きなスプーンで地面をすくったかのようになっており、クレーターと呼ぶものができていた。その中で一人の少年が涙目になりながら両親を探していた。

 

 焼けた地面、焼けた土、アスファルトが溶けてドロドロになったものが目に入る。

 

 一番凹んでいる、つまりクレーター中心に立ち燃えがる空を眺め自分の過ちに後悔をしていた…

 

 

 

 今から50年前、その日地球には大きな隕石が衝突した。

 

 詳しいことを話すとアメリカ合衆国のアリゾナ州に衝突した直径2キロメートル、深さ500メートルに及ぶ被害は約1億人の死者、そして世界の中でも発展が進んでいるアメリカをドン底に落とすほどの経済影響を与えた。

 

 アメリカが暴落し、周りの国は優越感に浸っていた。それもそうだ。アメリカがこの地球を回してたと言っておかしくないほどの経済力を手にしていたが、そこで力をなくしたアメリカに続きどの国が上に立つか、それでもめていたが…ぶっちゃけた話アメリカの下に着いていた国にチャンス到来と言えばわかりやいすい思う。どの国も自国が上に行けるのなら喜んで上がるものさ、けどそんな争いは戦争になることなくすぐに収まった。何故かと言うと他の国にも隕石が衝突してきたからだ。

 

 アメリカの大きな隕石衝突事件以降、アメリカだけでなく世界中のいろんな国にも隕石が衝突した。

 

 そう、この地球は何故かアメリカの事件を始め、数々の隕石が衝突するようになったのだ。原因は不明。様々な科学者が宇宙に衛生を飛ばし観察したが何も成果はなかった。

 

 そのためか世界ではいつでも隕石が来ても大丈夫のように地下にシェルターを作り、隕石が近づいてきた場合はアナウンスされすぐに地下に避難できるようになった。

 

 その後は隕石が衝突しても死者を減らすことに成功した。だが…例え生き延びたとしてもその後、クレーターを見たら悲しくなってしまうのが現実、当たりどころが悪ければ自分の家や学校、などの思い出の場所が一瞬でなくなる…だがシェルターがあるから誰もが絶対に死なないとゆうわけではない。現に俺の親は…

 

 ピピピピピピピピ

 

「――……うるさい」

 

 頭元にあった時計が俺の睡眠を妨げるように音が鳴りだした。鳴り出したと言ってもその設定をしたのは誰でもない自分なのだが

 

 大きな欠伸をし、首の骨を鳴らした後背中の骨を鳴らす、あまりしてはいけないとわかっているが癖がついているためついついしてしまう。

 

 俺の名前は月城(つきしろ)蓮翔(れんと)ごく普通の一般高校生。今日から高校二年生になる俺は少し以上に胸を膨らませていた。1年の時はのうのうと生活していたが2年になったら本気出すと決めていたのだ。

 

 部屋で制服に着替え1階におり朝ごはんを作る、作ると言っても簡単な料理しかできないが俺一人(・・・)だから別に困ることは無い。不味くても食べるのは俺だけだからな

 

「――……いただきます」

 

 昔は一緒に食べる人がいた。けど今はもういない。

 

 さっきの話の続きだが、ここ日本でも隕石が過去に何度も衝突したことがある、あるが初期に起きた大きな隕石とは違い小さいものばかりだった。

 

 小さいからと言って気を抜いてはいけない。威力は確かで街なんて吹き飛んでしまう威力だ。

 

 小さかった頃の俺はサイレンがなってるのにも関わらず地下シェルターから抜け出し外の様子を見ていたんだ。

 

 そこで見た隕石が落ちてくる光景、それは今でも忘れない。まだ大丈夫、まだ見てられる、あと10秒経ったら戻ろう。

 

 そんなことを思って見ていたら遠くに見えていたものがすぐに近くにやってきた。俺はその時なんでずっと見てたんだろうと後悔していた。

 

 目の前に隕石が落ちてくる光景、幼い頃の俺はそこから恐怖のあまり動くことが出来なかった。逃げようと思っても「助けて!」の一言を言うことができなかったんだ。

 

 そんな時に両親が駆けつけ俺を助けてくれたんだ。助けたものの俺を逃がした後、その時被害に会い両親は跡形も残らずこの世を去った…

 

「――……いってきます!」

 

 家のお仏壇にそう言い家を出る

 

「あ、遅いぞー蓮!」

(かすみ)!悪い悪い!少し寝坊したー」

 

 元気な声で俺を呼ぶ人がいる。蓮、それは俺の名前の一部から取った渾名だ。

 

 そして俺のことを呼んだのは幼馴染の夜桜(よざくら)霞。霞とは小学生からの付き合いだ。名前の通りに髪色は夜桜の夜を表す可かのように黒髪で、瞳は桜を表すような桃色の瞳、短い髪を耳にかけるような仕草をしながら俺に話しかけていた。

 

 俺が両親を亡くして絶望している時、こいつが手を差し伸べてくれたから俺は立ち直ることができた。あの時のことは今でも覚えてるよ

 

「いいバイト見つけたんだろ?調子はどーっすか?」

 

 春休みの前にいいバイトを見つけたと言ってたため聞いてみる

 

「んーぼちぼちだねー蓮は?バイトしないの?」

 

 バイトねーバイトしなくても実家の祖父と祖母が仕送りをしてくれているため普通に足りている。それにゲームとか欲しくなれば何日か飯を抜けばいいからな!

 

「昨日、短崎市に衝突した隕石ですが被害者はいませんでした。また…」

 

 登校途中に通る家電屋の商品紹介するために展示しているテレビがニュース番組のため、ここ、短崎市に昨日墜落した隕石の話をしていた。

 

「……最近なんか多くないか?」

 

 この数ヶ月で少なくとも二回は衝突している、自然現象のため止めることはできないと思うが…いくなんでも地球に当たりすぎじゃないかと不安になる

 

「……そーだね」

 

「やっぱり怖い?」

 

 霞が心配そうに俺に聞いてくる、さっきも言ったが俺の両親は隕石が原因で亡くなったんだ。まあ9割俺のせいなんだけどな…

 

「いーや、最近のは小さいやつばかりだし?大丈夫だろ」

「……うん、そう、だよね」

 

 そんな話をしながら登校する。

 俺の通う高校は流星高校。この短崎市の中での偏差値レベルは普通だ。近いとゆう理由でこの高校を選んだが…受験の際寝るのを惜しんで友達と勉強した覚えがある。

 霞のやつは頭はいいのに何故か俺と同じ高校に通うと言い出し、頭一つ以上飛び抜けた頭脳を持つ霞は一年次のテストは全て首席とゆう高スペックな学歴を既に持っている。

 さらにだ!運動神経も抜群ときた。もう誰もが言う。

 

『夜桜は来る学校を間違えている!!!』

 

 とな?

 

「一緒のクラスだといいね!」

「んーそうだな」

 

 本日から俺達は進級する、そのため玄関の前にはクラス表をみる生徒で溢れていた。

 俺と霞はなんとか前に行き自分達がどのクラスかを確認する。

 

「あ!蓮やったよ!蓮とまた同じクラスだ!」

「なんでお前が俺のを見るんだよ!」

 

 俺は端の1組から順に見ていたため自分のクラスを見つけるのが遅くなってしまった。まさかの4組だったためさらに時間がかかるってわけだ。てか去年も4組だったような…

 

 まあそれもそのはず、4組はバカばかりが集められるクラスなんだ。ん?何故霞がその馬鹿のクラスなんのかって?それは知能レベルを平均に保つためだよ、馬鹿を集め高頭脳の霞を置く、ほらほかのクラスの奴らと平均は変わらないだろ?

 

 まあ俺も4組ってことはさ?そうゆうことさ

 

 そんなことを考えながら霞と一緒に4組に向かう。

 俺の隣を歩く霞は笑顔で鼻歌歌いながら歩いていた。きっと新しいクラスのメンツと会うのが楽しみなんだろう

 

「月城!また俺と同じクラスだな?」

「大宮か…まあまた一年よろしくな」

 

 自分の席に着くのと同時にそう大きな声で俺に話しかけてきたやつは大宮愛梨(あいり)だ。

 名前は女っぽいが見た目はまじでイケメン、悔しいがイケメン、だけど残念なことに…

 

「お前今期のアニメ何見てるか!?」

 

 ガチの二次元オタクなんだ。いや別に俺はそーゆうの嫌いじゃないぞ?でもせっかくいいルックスなのに勿体ないと思わないか?

 前に何度も告白されていたが

 

「ごめん、俺三次元無理だから」

 

 と、100万ドルの笑顔で言い。そのせいで振られた女はまた大宮に惚れてしまうとゆう永遠ループが起きてしまうんだ。

 

 それは別にいいが…こいつの隣にいると俺がかすんで見えるだろ?タダでさえ存在薄い感あるのにな!

 まあこいつとは中学の友達でさっき言った死ぬほど勉強した時に一緒にいたのがコイツなのだ。

 

「あ、それより今日のニュース見たか?また隕石が衝突したらしいな」

「らしいなって、避難しただろ?」

 

 深夜に降ってきため眠い目を擦りながら一人で地下シェルターに向かっていた。その時いつも霞と一緒に行こうと思うがいないんだよなーいつもあとから聞くと先に避難してたとか言うしな、案外ビビリなのかもしれないな

 

「甘いぞ月城!俺は深夜アニメを見ていたからな!避難してる場合じゃないぜ!」

 

 確か隕石が近づいてきたらテレビは見れなくなるはずじゃ…まあどーせ録画とかだろう

 

「てか避難しろ!?死ぬぞ!」

「大丈夫だ、最近のは小さいだろ?昨日?今日か、全然被害なかっただろ?」

 

 被害がないと言うが…ちょっとしたクレーターとかはできてると思うぞ?でもまあ

 

「…………そうだな」

 

 と、返事をした。

 

「なあ月城?」

「どーした?」

「もし今日で地球に大きな隕石が来て救いようがなかったら…お前はどうする?」

 

 地球に大きな隕石が来る…か、確かにそれはいつ来てもおかしくない状況だな、今は小さい隕石ばかりだがそのうちアメリカに落ちた時と同じ、いやそれ以上の隕石が衝突するかもしれないからな

 

「ちなみに俺は溜め込んでるギャルゲーを全部クリアして俺の大好きなアニメを全話見るな!」

「……お前は本当に二次元オタクだな」

「ふん!褒め言葉だ!」

 

 大宮はそんなこと言うが…そうだな、俺は

 

「……一度でいいから美少女とデートしたいな」

 

 切実に美少女とデートがしたいんだよ、なんだ?霞は可愛いぞ?可愛いけどデートなんかしたことないんだ。何かと土日は用事があると言って遊べてない。だからこそ朝は一緒に登校しようって話にしたんだよ

 

「お前!三次元の女のどこがいいんだ!?」

「お、落ち着け!別にお前を否定してるわけじゃない!」

 

 大宮のやつが大声で叫びながら胸ぐらを掴んできた。もちろんクラスのみんなの視線を集めますよ?それはそれは視線が痛い。

 

「ちょ、ちょっと白雪(しらゆき)さん!?助けて!」

 

 俺の座席の前に座っている人白雪雪乃(ゆきの)さんに助けを求める、名前順なのだが何故かと目の前の席が白雪さんなんだよ、俺の苗字月城の「つ」までに誰もいなかったのだろうか

 それと、この人は霞に続く頭脳を持っている人だ。テストではいつも霞の下、ずっと下だ。なんか見てて虚しくなる

 だが点差はそこまでない。本当数点さ、一二点差なんだよ

 

「……す、すみません、私力がないので」

「そ、そうですか、そうですよね」

 

 そしてなんと言ってもめちゃくちゃ美人なんだ。美人すぎる!眼鏡を掛けておりその顔を見たら誰もが2度見をするほど顔が整っている。人は彼女をこう呼ぶ、

 

「絶世の白雪姫とね」

 

 それに髪も白色でロングヘア、まあこんなあだ名を付けられても仕方がないほど美人でクールだしな

 

「お前ってやつはー!俺がせっかく二次元の良さを話しているのに!!」

「あーあー!わかったから離せって!」

 

 その後大宮からは離れて先生が来るのを待っていた。一体誰が来るのだろうか!みんな先生が来るのを今か今かと待っていた。

 勢いよくドアが開けられ入ってきた人は

 

「おー!あけみちゃん先生!」

 

 大宮がそう言う。さっきも言ったが大宮は二次元大好きで三次元は無理なんだよ、けどあけみちゃんはなんかのアニメに登場するキャラにめちゃくちゃ似てるから大好きとのこと

 

「今年もおめーらの担当になったあけみちゃんですよー今年もよろしくです!」

 

 ちょっと喋りかたに癖があるが…去年も同じだったから慣れたもんさ

 

 その後始業式があるとのことで体育館に向かう。正直いって始業式なんてダルい、ダルいから大野と一緒に屋上でサボろうとした。したが…

 

「てめーら逃がしませんよ?」

 

 あけみちゃんに捕まり制服の襟を捕まれ体育館に連行される。過去に何度も抜け出していたからもう俺達2人は目をつけられてるんだよ

 

「あけみちゃん今日も可愛いっすね!」

「それはどーも、だからといって離しやせんよ?」

「せ、先生!お腹が痛いであります!」

 

 俺は咄嗟に嘘をつくが

 

「じゃもらしてくだせー」

 

 どうやらダメのようだ

 

「なあ月城ーこんな時に隕石降ってきて欲しいって思わないか?」

 

 大宮が縁起でもないことを言っている

 てか俺二年になったら本気だすんじゃなかったのかよ、完全に忘れてた。明日から頑張ります。

 

「やめろよ、それでもし本当に」

 

 ウーーーーー、ウーーーーー

 

 何度も聞いたことがあるサイレンが鳴り響いた。この音は……そう

 

「い、隕石ですか!?おめーら早く避難するです!」

「月城!ほ、本当に隕石が降ってくるな」

「……お前が縁起でもねーこと言うからだよ!」

 

 体育館から生徒達が先生の指示のもと学校にある地下シェルターに避難しようと長蛇の列ができている

 

「月城!俺達も行こう」

「……ああ」

 

 行こうと思ったその時

 

「…………霞!?」

 

「おい月城どうした?早く避難しよーぜーサボれるんだからさ」

 

 霞のやつが地下シェルターとは逆の方向に走っていく姿が見えた。そう言えばあいつ!

 

「私が隕石の謎を突き止めるから」

 

 刹那、霞の声が脳内で再生された。

 それは隕石で両親をなくした時、俺に言った約束だ。それを今もなお突き止めようとしてるのか?

 

「……あのバカ!」

「おい月城!」

 

「てめーらなしてるんですか!?はやく避難を!」

「あけみちゃん!月城のやつが…」

 

 月城は他の生徒に知られ心配されることを気にして小声で耳に当ててさっきの話をした。

 

「えー!!!???い、一体何を考えてやがるんですか!?」

「あけみちゃん落ち着いて!」

「あーもう!帰ってきたら拷問の刑です!」

「俺もされたいです!」

「てめーは早く避難しやがれです!」

 

 あけみちゃんにケツを蹴られた大宮は喜びながら地下シェルターに向かった。

 

 ◆◆◆◆

 

 霞の行方を探すために短崎市を走り回る、空を見上げるとこっちに隕石が向かっていた。

 いつも人でにぎあっている商店街はシャッターが降ろされ人一人としていない状況。登校中に見た家電屋のテレビは付けられたまんまだが画面には「隕石接近中!ただちに地下シェルターに避難してください」と大きく書かれた画面になっている

 それが見えてるのにも関わらず一人の蓮翔は息を荒らげながら走り回っている

 

「……クソ!あいつどこに行ったんだよ!」

 

 いくら探しても霞は見つからない。空を見上げ見た感じ落下地点であろう所に向かうがそこにもいない。

 

「霞!霞!いるなら返事してくれ!」

 

 呼びかけるが誰も返事をしない。何故なら普通は避難をするからだ。避難してない人がいるとすればそれは蓮翔と霞だけ

 

「…………はっ!」

 

 空を見上げるとそこにあの日と同じ光景が目の前にあった。

 

 もう隕石がすぐそこまで来ているのだ。

 

「…………クソ!」

 

 そう言い落下地点であろう場所から急いで離れるが

 

 ズドォォォォォオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンン

 

 落下の瞬間衝撃の音で鼓膜が破れないよう手で抑えながらかがみ込む。爆風が蓮翔を襲い吹き荒れる。ギリギリ耐えていたが風に身を取られ

 

「…………ガハッ」

 

 衝撃の範囲外のため残った建物の壁にぶち当てられた。なんとか生きてるのが奇跡ってところだろうか、運良くそこまで大きい隕石ではなかったのだ。

 

「……た、助かったー」

 

 とわ言ったものの、目の前にはあの日と同じく燃え上がる街だった。目の前にはクレーターがあり地面は燃えている。大気圏の際に隕石は高温になるため落下のさい燃えてしまうのだ。

 

「……またこの地獄か」

 

 これを見るのは二度目だが…まさか生きてるうちに二回も見るとはな…運がいいのか悪いのか、俺にはわからない

 

「…………?」

 

 クレーター中心部分に目を向けるとそこには一人の少女がいた。

 

 長い髪で一部の髪が上に上げられている、ハーフアップ?という髪型なのだろうか。その色は深く青く、深海でもさらに奥深くにあるような紺碧色の髪色、毛先がその黒さをさらに表現するかのように真黒になっている。

 

 瞳はそれとは裏腹に全ても見通すような(かな)色。そして整った顔、そしてなぜが鎧を着ていた。その鎧は髪色程ではない薄紺碧をしており手には剣が握られていた。

 

 コスプレイヤーなのだろか?でもついさっき隕石が衝突したばかりだ。避難をしていてすぐに出たとしてもここの近くにシェルターはないためその考えは成立しない。

 

「(何してるんだ?)」

 

 クレーター中に入る、傾斜になっているため滑るようにして降りていく。その際少女はおれに気づいたのか鋭い視線を向ける

 

「貴様……ここで何をしている?」

 

 目の前の少女はそう口を開いた。ここで何をしているよりも少女のことが気になったから

 

「君こそこんな所何して……んの!?」

 

 俺が話しかけようとした時、手に持っていた剣を俺の横スレスレに投げた。少しでも腕を動かしていた確実に当たっていたであろう

 

「質問を質問で返すなよ、少年」

 

 そう少女は言うと手のひらに水が集まりそこから剣が柄が伸びてきてそれを余ってる方の手で取り構え直す

 

「次はないぞ、少年、お前はここで何をしている」

 

 目の前で何が起きてるのかまったく理解できなかった。なんせコスプレイヤーだと思っていた少女はよくわからないがコスプレイヤーではないことだけはわかった。

 

 でもひとつだけ疑問がある

 

「……答える代わりにひとつ質問いいか?」

「少年が答えたら聞いてよいぞ」

「……俺は人を探しに来た。幼馴染を探しに来たんだ」

 

 本当のことを言うが

 

「幼馴染?……わけのわからないことを言うんじゃない!」

 

 そう叫ぶと再び剣を俺に向ける、ビビった俺は

 

「いや本当ですって!嘘じゃないです!」

 

 と、弱腰な回答をする女子に対して恥ずかしい行動だが武器を向けられたらそうなっても仕方がない。

 

「…………そうか」

 

 なんとか納得してもらったようだ。だったら次は俺の質問だな

 

「……次は俺が質問する」

「……いいぞ」

 

 俺はなんでこんな所にいるんだ?って最初は聞こうと思ってたが…違う疑問が浮かんだ

 

「なんでそんなに可愛いのに強い口調なんだ?台無しだ……ぞ!?」

 

 またまた剣を俺に投げてきた。次は後ろに行くことは無く俺の足元に突き刺さっている

 

「聞きたいことはそれだけか?少年?」

 

 次こそは本当に死ぬかと思ったため腰が抜け立つことができず尻餅を着いた。

 

「やはりここ(・・)はいい所ではないな…」

 

 そんなことを言いながら少女は俺に近づく、その際また手のひらから水を出しその中から剣の柄が出てきて引き抜く

 それにここはいい所じゃない?何の話だ?

 

「空気が汚い気がする、それに少し暑いな気温が高いのか?」

 

 暑い?それは周りが燃えてるからじゃないのか?辺りは地獄とも呼ばれる光景で紅蓮の炎が燃え盛っている。

 

「まあいい、来世は楽しく暮らせよ?少年」

 

 剣を振り下ろそうとする、どうやら俺の人生はここまでのようだな、俺のせいで亡くなった両親に会いに行けるのかな?

 

「…………チィッ!」

 

 どこからか何者かが少女を攻撃した。それに気づいた少女は俺から離れその攻撃をかわす

 

「うわぁぁぁ!」

 

 流れ弾が俺にあたりそうになり急いで避ける、流れ弾と言っても見た感じ何かの光が弾丸になって攻撃をしているようだった。

 

 土煙がなくなり周りを見ると、そこには剣をもった女性の武装集団がいた。このご時世剣や刀を持っていると銃刀法違反になり2年以下の懲役、または30万近くの罰金を支払わなければならない…はず

 

「……なんだ貴様ら?」

 

 少女が目の前の集団に話しかける

 

「目標、海王星(ネプチューン)を発見しました。処理に取り掛かる」

『はい!』

 

 彼女達は少女のことをネプチューンと呼んでいた。一体なんの話をしてるのだろうか

 

「はあぁぁああー!!!」

 

 俺の思ってることに躊躇無く戦闘は始まる。タダでさえ街は燃え上がり地獄の景色は戦闘のシーンを見ることでさらに俺の気持ちを地獄のようにさせた。

 

「……神器海神!(ポセイドン)

 

 少女がそう叫ぶと同時に地面に手の平にあった水を地面に叩く、そこからさっきまで手に握っていた剣よりさらに大きな柄引き抜いた。

 

 ポセイドン、その名前を聞いた時浮かんだのは髭面のおじさんと三叉の矛を思い浮かんだ。浮かんだが彼女の取り出した矛はまったくの別物だった。矛と言うより剣に近い、三叉にはなってるものの柄の先が三つに別れ三叉になっている状態だ。

 

「はぁぁあああ!!」

 

 少女が空気を切るとそこから大量の水が出てくる。

 

「きゃっ!」

 

 武器を持った集団の何人かはその水により後ろに戻される。その中でも数人はその攻撃をよけ少女に近づこうとする

 

「……ほう、あれを避けるか、なら!」

 

 そう叫ぶと少女は剣を地面に突き刺した。すると大地は割れそこから水が勢いよく飛び出すが…その威力がおかしかった。水が石を切ったのだ。普通は絶対に切れないであろう石が綺麗に真っ二つにだ。

 

「おい!やめろ!被害が増えるだけだろ!」

 

 叫ぶと少女は振り向こうともしなかったが武器を持った少女達は一斉に振り向いた。

 

「……うそ!…蓮……?」

「……!霞!」

 

 そこには霞の瞳と同じ色の剣を握る姿があった。

 

「……お前!一体何を…」

「……蓮!」

 

 と言うとした時、さっきの少女が突き刺した剣で割れていた地面のひびが俺の足元まで届き霞に話を言う前に俺は地下へと落ちていった。

 

「うわぁぁぁぁぁああー」

 

 ものすごい勢いで落ちていく。昔興味本位で近くにあった井戸に石を落としてどれくらい経ったら水に石が落ちる音が消えるのだろうかと待っている時間が楽しいと思える時代もあったものだ。でも今は石でなく俺本人が落ちている

 

「これ絶対死んだ!まじで死んだよこれ!」

 

 死を覚悟した俺は最後の悪足掻きかわからないがそんな言葉を嘆いていた。

 

「あっそ、なら勝手に死んどきなさい」

「…………は?」

 

 死んだと思った俺は生きていた。それに目の前の景色がさっきと違う。まるでどこかの施設にでもいるような景色、土なんてものはなくれっきとした床がそこにはあった。

 

 そして目の前にはワイングラスを片手に持って俺の通う高校での女子生徒の制服を身にまとった少女が俺を上から覗いてた。

 

「感謝なさい、死ぬ寸前のところ助けてあげたんだからね」

 

 そう言った彼女に見覚えがある、今日の朝俺が大宮に絡まれ助けを求めるたまに話しかけた人

 

「……白雪雪乃さん?」

「ん?なーに?馬鹿の月城蓮翔君?」

 

 確かに目の前にいるのは絶世の白雪姫こと白雪雪乃さん、だけど学校の時とは態度が違い眼鏡を掛けていない。

 

「……とりあえずついてきなさい話は後よ」

「……おう」

 

 そのままの通りに白雪さんについていく。その先には何科の司令室?のような場所に着き目の前には大きなスクリーンがあり、そこに映っている映像はさっきの少女と霞が戦っている映像だった。

 

「……!?おい!これどうゆうことだよ!」

「うるさいわね、ちょっと黙ることもできないわけ?」

「黙るもこうもこんな光景を目のあたりにしたら誰もがそうなるだろ!」

「お前は見てて何も思わないのかよ!」

 

 霞とあの少女が戦ってるんだぞ!それを見ているのになんで止めようとしないんだよ!

 

「それが命の恩人に対する態度なのかしら?」

「…………ッ!」

 

 確かにこの人に俺は救われた。救われた身の俺がこんなことをいうのは頭が高いと思う。

 

「まあいいわ、紹介が遅れたわね」

 

 彼女は片手に持っていたワイングラスの中身を飲み干し、少したって口を開いた。

 

「ようこそ地球(アース)へ、そして我が艦母なる大地(ミテラギ)はどうかしら?」

 

 

「そして彼女は…星人(せいじん)よ」

 

 

 白雪さんはモニターに映る少女に指を指しそう言った。




続きはまた今度!
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