理子と一緒に   作:しろとんぼ

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補修が辛いので更新は遅くなるかも(つД`)ノ



終わった日・始まった日

………ここは何処だろう?

見慣れない天井・冷たい床・牢屋のような鉄格子

間違いなく家ではない………はず

「だ、だれか〜……」

当然のように返事がない

嫌に静かで落ち着かない

(座っていても仕方ないか)

立ち上がろうとしたその時

 

ガチャ

 

聞きなれない音がする

それと手首に違和感

「なんで…」

手錠がされていた

右手と壁を繋いでいる

「う………うっぐ!……」

思いっきり引っ張ってもビクともしない

「はぁ……此処で死ぬのか」

思い返すといい思い出なんて一つもない

「悲しい人生だった………」

もうダメかと思い始めたが、どうやら神は僕を見放してしないらしい

誰かが近くで泣いているようだ

「おーい!助けて!!」

これでもかと声を張り上げる

誰だってこんなところで死にたくないだろう

「だ、だれ!」

女の子だ、多分

「僕は祐介!真田祐介!(さなだゆうすけ)」

……この手錠がはまっている壁

その壁の上にある小窓のようなところから聞こえてくる

小窓と言っても外は一切見えないが…

この壁を挟んで向こう側にいると思う

「ゆ、祐介……」

「そんなことより助けて!」

「……ムリよ」

「え?」

「ムリ!絶対ムリ!逃げられっこない!」

「ど、どうしたの?」

神は僕を見捨てたようだ

それよりも急に取り乱したこの子が気になる

「………ごめんなさい」

「……何か辛い事でもあった?」

「………言えない」

「そっか、でもいつか教えてね?」

「うん、いつか………ね」

ガチャリ、とドアのあく音がした

急いで身構えるが………何も現れない

「こっちへ来い」

「い、イヤっ!離して!」

向こう側か!

「や、やめろ!その子を離せ!」

叫んでみるが恐らく意味はない

「助けて!助けて!!イヤっ!イヤ!!」

狂ったように泣き出す彼女

「祐介くん!助けて!助けてよ!!」

「…………っ!」

「来ないで!!お願いっ……もうイヤ………」

そこで声は途切れた

僕は…………

「返事…………出来なかったなぁ……」

率直に言えば怖かった

得体の知れない何かがこっちに来る気がして

ガチャリとドアの開く音がする

「ひっ………」

な…なんだあれは!

毛むくじゃらの獣の様な何かが入ってきた

「ば、化け物!!」

相手は何も言わない

「く、来るな!来るな!!」

化け物は何も言わない

「この!この!!」

せめてもの抵抗で蹴りを入れてみる

「うっとおしい」

腹を殴られた、思いっきり

「う、うぅ……」

意識が闇へと誘われる

 

 

 

 

「ん………」

再び目を覚ますと白い天井が見えた

「……起きた?」

誰の声だろう

聞いたことがあるような、ないような

声の方を向くと…やはり知らない子だ

「だれ?」

「あっ、えっとね私は理子だよ」

「……りこ?」

そんな知り合いはいなかったはず

「さっきの牢屋で話したでしょ?」

「………あぁ」

あの子か……

「理子ちゃんって言うのか」

「………うん」

ぎこちなく頷く彼女

恥ずかしがっているようだ

「それで、ここは何処?」

「ここはね、ブラドの屋敷なの……」

「屋敷………刑務所の間違いだよ」

「さっきのところはね」

それより気になることが一つ

「理子ちゃんはどうして此処にいるの?」

「祐介くんはどうして此処にいるのか分かる?」

「わ、分からないな」

「私も同じだから」

えへへ、と彼女が笑うが

笑顔を見た時に…………見てしまった

彼女の真っ赤になった目を

ずっと泣いていたのかな

「理子ちゃん……」

「なぁに?」

キョトンとしている

「ごめんね?」

彼女の手を握り見つめ合う

「…………え?」

「ごめんね、さっきは。怖かったでしょ?」

「………………祐介くんは何も悪くないよ?」

「さっき助けてっていったでしょ?」

言っていながら罪悪感で泣きそうになる

「助けてって言われたのに何も言えなかったんだ」

「大丈夫よほら、平気よ?慣れちゃった」

気丈に振る舞う彼女がなんだか切なくて

「怖かったでしょ?僕何も出来なかった」

「……………………」

理子ちゃんはなにも言わない

「ううん、言えた筈なのに何も言わなかった。怖くて、見捨てたんだ。ごめん、ごめんね?」

「……………………ん」

彼女の頬を一筋の涙が伝う

「………ん…………んん」

声を必死で堪えている

だ、だめだもう僕も堪えられない

「……ごめんねっ?」

「あっ………ダメっ、イヤっ」

両手を振り払い涙を拭っている

「僕が、僕が守るからね」

彼女を抱きしめる

「………うんっ」

僕の目から大粒の涙がこぼれ落ちる

「僕が守るから、ゼッタイゼッタイ守るから」

「うん……うん………」

ぎゅーっと理子ちゃんが抱きしめ返してくる

それから二人で脇目も振らず泣き続けた

 

 

 

 




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